就職・転職活動で「書類選考を行い、後日連絡いたします」という表記、よくありますよね。書類選考とは文字通り応募書類(履歴書・職務経歴書)のみで選考を行うことです。応募者は「書類は無事に届いただろうか?」「今日は連絡が来なかったけれど明日は連絡がくるかな?」「今日も連絡が来なかったけれど不採用ではないよね?」などと毎日気をもんで不安になるでしょう。 書類選考の結果は企業規模やその時の応募者数などにより回答が遅れる場合があります。ここでは、書類選考の期間や期間が長い場合の理由や対処法などを紹介していきます。
この記事の目次
書類選考を行う理由
企業が書類選考を行う理由は主に2つあります。
応募者を効率的に絞り込むため
書類選考を行う理由はたいてい選考作業の効率化です。
応募者が多い場合、すべての応募者と面接していると面接日時の調整が大変ですし、もちろん面接時間もかかりますから、日常業務が面接に圧迫されてしまい大変非効率と言えます。書類から分かる基本的なビジネスマナーの有無や書類作成スキルの良し悪し、応募の最低条件を満たしているかどうかの観点から全応募者をふるいにかけ、次の選考に進む応募者を効率的に絞り込みます。
面接の前に応募者の情報を取得するため
面接官にとって多少前情報があったほうが有意義な質問ができることが多いようです。また応募者には言わないものの、インターネット上で「エゴサーチ」をして応募者の情報をざっと検索し問題がない人物か調べるという企業も最近はめずらしくありません。
他には、良い人材であればどんどん採用したいという方針で、配属先や職種を限定せずにら選考を行う企業も多く、面接の前に各部署と情報共有するために事前に書類がほしいという事情の企業も多いです。
書類選考で落ちる理由
一生懸命書いた書類が書類選考で落ちてしまったらショックですよね。ここでは書類選考で落ちる理由を考察します。
理由1.雑。誤字脱字が多い。
文字は丁寧に書きましたか?誤字脱字はありませんでしたか?「てにおは」におかしいところはありませんでしたか?雑な履歴書はやる気や志望度を疑われ、ビジネスマナーや基本的な書類作成スキルも期待できないとみなされてしまいます。
理由2.職務経歴書で「経験者」をうまくアピールできていない
企業が経験者を応募条件に挙げている場合、自分だけではなく他も応募者も経験者となりますから、職務経歴書の内容で戦うことになります。具体的でわかりやすい職務経歴書を作成することが大切です。職務経歴とともに次の内容も職務経歴書に盛り込むようにしましょう。
- 職務要約
- 業務実績、表彰実績
- スキル・資格
いかがでしょうか。
理由3.証明写真のクオリティ
キー局のアナウンサー試験でなくても選考書類に添付する写真は重要です。人は見た目が9割だとか10割だとかいう言葉がありますが、それくらいビジュアルが与えるインパクト大きいのです、清潔感はもちろんのこと、志望する業界・会社のトーンに合わせた服装やヘアスタイル、メイクをほどこしたうえで、(データ焼き増しの可能性も考え)なるべくスピード写真ではなく写真館で撮影してもらうことをおすすめします。
理由4.志望動機が弱い
「未経験OK」の求人に応募する場合は、志望動機や転職理由の説得力を意識して書類を作成しなくてはいけません。今自分ができること、これから身に着けたいスキル、向こう10年ほどの展望を前向きな言葉で具体的に記述するようにしましょう。なお、今の職場が嫌だからとにかく転職したいという本音を持つ人もいると思いますが、今の職場のネガティブに表現するのははほどほどにして、前向きな志望動機を語るのが賢明です。
書類選考の通過率を上げる方法は?
書類通過のためにできることをまとめました。
通過率をあげる方法1:丁寧に書く
たとえ字が下手でも、丁寧に書かれていれば、書類を通して好印象や入社意欲が伝わります。ふつうは選考書類は丁寧に書かれるものなので、雑に書かれた書類は悪目立ちして簡単に減点されてしまいます。
通過率を上げる方法2:誤字や脱字に敏感になる
誤字や脱字が目立つ履歴書では「仕事ができなさそう」な印象を容易に相手に与えてしまいます。誤字脱字を履歴書から撲滅しましょう。
通過率を上げる方法3:証明写真に力を入れる
見た目は印象を大きく左右します。スピード写真は避け、きっちり仕上げてくれるスタジオで証明写真は撮影してもらいましょう。清潔感のある髪型や顔色をよく見せるシャツやネクタイ、メイクも大切です。
通過率を上げる方法4:現職・前職の悪口ばかりはNG
前職や現職の不満が過ぎると採用側としては「文句の多い人だな」「ウチに就職しても同じようにに不満ばかりになって転職するのでは」と採用を警戒します。とはいえ、転職する人は今の仕事に何らかの不満があるので転職を考えるのが実際のところです。本音を書き出したうえで、採用側への印象を考えながら志望動機へとうまく編集しましょう。時には転職エージェントなど客観的な目線を借りるのもおすすめです。
通過率を上げる方法5:志望動機は会社ごとに書く
どの会社にも使える汎用性の高い、でも印象に残らない志望動機を使いまわししていませんか。大変でも志望動機は会社毎に書き分け、入社意欲の強さを伝えるようにしてください。
通過率を上げる方法6:自分に向いている求人を探す
あたりまえですが自分に向いている求人、職場に応募することが大切です。相性の良い職場であればとんとん拍子で選考が進むものです。これまで書類の不通過が続いていたのであれば、書類の完成度のチェック とともに応募企業が適切であったかどうかの振り返りもぜひ行ってみてください。
企業による選考期間
一般的な書類選考の期間 通常は2週間程度で10営業日(土日など会社が休みの日を外した稼働日のみをカウント)で回答を出すことが多いです。ただし、企業側の社内ルールや担当者の業務の忙しさなどで選考期間が変わってきます。2週間を超えても全く連絡がない場合は問いあわせてみても良いでしょう。
不採用時は1か月くらい連絡がこない場合や、企業によっては連絡をしない企業もあります。応募前にどれくらいで連絡がもらえるのか、また不採用時には連絡がくるのか(電話・郵送・メールなど)を確認しておくと安心です。
合否の返信が遅くなる理由
大企業で選考に時間がかかっている理由 企業規模により書類選考にかかる時間も変わってきます。大企業であれば、人事担当者は複数人おり、全員の書類に目を通すことには比較的時間が取られないかもしれません。しかし、人事採用担当者の上には主任、課長、部長などがおり、上司のOKが出ないと面接連絡をできない、という企業もあります。
中小企業で選考に時間がかかっている理由 中小企業は人事担当者が採用活動を1~2名で行っていることが多く、面接をするかどうかを決める権限も持っている企業もあります。
しかし、少ない人数で全員の書類に目を通すことに時間がかかり返事が遅れるケースも見受けられます。
また新卒採用と中途採用を同じ担当者が行っている場合は、新卒採用のシーズンになるとそちらの業務に追われて中途採用の書類のチェックが遅れることも。他には出張などに出ていて会社に戻っておらず、書類を開封していない、なども考えられます。
不採用の時は返事が早い?遅い?
これも企業によって様々なので諸説ありますが、それぞれのケースを記載します。
回答が早い
応募書類をふるいにかけ、不採用の人だけ先に書類返送を行うため早くなります。
回答が遅い
- 不採用者をまとめ、不採用通知を出すため
- 不採用者なので後回しにしている
- 連絡をしない企業もあり
書類を送る際にまず確認しておきたいことは、不採用時にどのような連絡方法をとるのかということです。
『書類選考通過した方のみお電話にてご連絡いたします。不採用の場合には封書にて通知を送付させていただきます』といった内容が求人票に記載してあったり、人事担当者から一言そえられたりすることがあります。
一般的に不採用時に電話で不採用の連絡をする企業は少ないです。不採用の場合は、郵送にて応募のお礼を含めて不採用通知を履歴書、職務経歴書とともに同封して返却される場合が多いです。
転職サイトなどを利用して応募した場合は、その転職サイト内のメールにて不採用連絡が来ることもあります。
書類選考の返事が二週間待っても来ないときには問い合わせてもOK
連絡がないとだんだん不安な気持ちになります。上記のように企業によって遅くなることもありますが、選考期間を提示されていなかった場合、2週間過ぎても連絡が来ない場合は企業に問い合わせてみても良いと思います。逆を言うとせめて2週間は待ってみましょう。ごくまれに郵便の配達過程で何か手違いが起こって届いていない場合や、担当者が多忙で確認できていないこともあり得ます。
問い合わせ方法
電話にて人事担当者に問い合わせます。いきなり合否を尋ねるのではなく、応募書類が到着して確認していただいているかを確認します。
(電話やりとり例)
「わたくし御社に応募した○○と申します。〇月〇日に応募書類を送付させていたただいたのですが届いておりますでしょうか?」
企業担当者はここで履歴書の確認をすると思います。
届いています、と回答いただけた場合は 「送付して2週間ほど経過し、ご連絡がなかったものでお電話させていただきました。ぜひ面接の機会をいただければと思いますのでご検討宜しくお願い致します。」と言って結果を待ちましょう。
書類選考には、自分が思っているより時間がかかる場合があります。
企業側も選考してくれていますので間違っても「書類送ったんですけどまだですか?」などと角を立てて話をせずに、冷静に問いあわせることをお勧めします。
書類選考~まとめ~
応募書類を送った側は書類選考の時間が待ち遠しく、不安になったり焦ったりするものです。
しかし、大企業は規模が大きい故に様々な人の許可を取り、連絡をするまでに時間がかかってしまうことや、中小企業は担当者の業務の忙しさや業務内容により、連絡が遅れてしまうことがあります。
時間がかかる理由が分かると不安も減ると思いますので、まずは冷静に待ってみましょう。そして、面接の連絡がいただけた時には、自信をもって面接に挑めるように企業研究や志望動機をまとめて自分の力を発揮できるように事前準備をしましょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい