この記事では、フリーターの生涯年収はいくらなのか、正社員との年収の差について解説します。
この記事の目次
フリーターの生涯年収はいくら？
フリーターの生涯年収は約6000万円です。（参考：厚生労働省「正社員とフリーターとの格差」）これは、2002年に高校卒業後就職せず、60歳までパート、アルバイトを続けた人の生涯賃金です。
一方、高校卒業後に就職し、正社員となった人の生涯年収は約2億2千万円となっています。
このことから、フリーターの生涯年収は正社員の生涯年収よりも1億6千万程度低いことがわかります。
参照元：厚生労働省「正社員とフリーターとの格差」
フリーター男性と正社員の男性の生涯年収の比較
フルタイムで働くフリーター男性の生涯年収は1億3千万円〜1億6千万円です。一方、正社員の男性の生涯年収は2億円〜2億7千万円です。
フルタイムで非正規雇用を続けたフリーター男性と正社員の男性の生涯年収（退職金なし）を比較すると、以下のようになります。
| 中卒 | 高卒 | 高専・短大卒 | 大学・大学院 | |
|---|---|---|---|---|
| 正社員 | 2億円 | 2億1千万円 | 2億2千万円 | 2億7千万円 |
| フリーター | 1億4千万円 | 1億3千万円 | 1億3千万円 | 1億6千万円 |
参照元：独立行政法人労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2019 』
フリーター女性と正社員の女性の生涯年収の比較
フルタイムで働くフリーター女性の生涯年収は1億円〜1億2千万円です。一方、正社員の女性の生涯年収は1億4千万円〜2億2千万円です。
フルタイムで非正規雇用を続けたフリーター女性と正社員の女性の生涯年収（退職金なし）を比較すると、以下のようになります。
| 中卒 | 高卒 | 高専・短大卒 | 大学・大学院卒 | |
|---|---|---|---|---|
| 正社員 | 1億4千万円 | 1億5千万円 | 1億8千万円 | 2億2千万円 |
| フリーター | 1億1千万円 | 1億円 | 1億1千万円 | 1億2千万円 |
参照元：独立行政法人労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2019 』
このことから、男女ともにフリーターと正社員では生涯年収に大きな差があることが分かります。
生涯年収以外のフリーターと正社員の違い
1. 福利厚生
フリーターと正社員の違いの一つとして、福利厚生があります。
正社員は多くの企業で健康保険や厚生年金、交通費補助、住宅手当などの福利厚生を受けることができます。
これに対して、フリーターは基本的に時給や日給制の収入、交通費のみが主であり、福利厚生が充実しているケースは少ないです。
この違いが長期的な生活の安定にも大きく影響します。
2. 年金
年金制度もフリーターと正社員では大きな違いがあります。
正社員として働く場合、企業が年金保険料の一部を負担するため、将来的に受け取る年金額も増えます。
一方、フリーターの場合は自分で国民年金に加入しなければならず、さらにその金額も低いため、老後の生活に不安が残ります。
正社員でいることが、老後の生活費にも直結する重要な要素となります。
3. 社会保険
正社員は社会保険に加入しているため、健康保険や労災保険、雇用保険などの各種保険が充実しています。
また、企業が保険料の一部を負担することから、個人の負担が軽減されます。
しかし、フリーターの場合、加入する保険は自分で選ぶ必要があるため、その分費用がかかります。さらに、加入しない場合には病気やケガなどのリスクが増大し、長期的な不安要素となります。
フリーターの将来的なリスク
1. 経済的なリスク
フリーターは昇給やボーナスが少ないか、ない場合が多く、経済的に不安定です。
このため、将来的に大きな支出（例：住宅購入、子供の教育費、老後の資金準備など）に対応するのは難しくなります。
また、労働時間の制約や身体的な限界も考慮すると、高額の収入を期待するのは難しいと言えます。
2. 社会的なリスク
フリーターとして働き続けることには、経済的なリスクだけでなく社会的なリスクもあります。
まず、フリーターであること自体が社会的な評価や信用度に影響を与えることが少なくありません。
例えば、住宅ローンや自動車ローンの審査で不利になることがあり、これが原因で望むライフスタイルを実現するのが困難になることがあります。
また、正社員に比べて社会保障制度の恩恵を受けにくいという問題もあります。
フリーターは社会保険に加入しない場合も多く、その結果、病気や怪我をした際の医療費負担が大きくなる他、老後の年金受給額にも大きな差が生じます。
正社員として働く場合には、これらのリスクを軽減し、安定した生活を送りやすくなります。
社会的な繋がりやキャリアの構築も、フリーターとしていると制限されることが多いです。
正社員は職場での経験を積み、昇進や転職時の参考にされることが多く、これが長期的なキャリアの形成に繋がります。
一方で、フリーターはそれが難しく、結果として職歴としての評価が低くなる可能性があります。
フリーターの就職でよくある質問
フリーターの方が稼げるというのは本当ですか？
フリーターの方が正社員よりも一時的に高い時給で稼げることがあるかもしれませんが、生涯年収で見ると正社員とは大きな差があります。
例えば、夜勤の仕事や水商売などでは、正社員よりもフリーターの方が稼げることもありますが、体力的に長く働くのは難しいでしょう。
体力的に厳しくなった時に就職しようと思ったとしても、年齢によっては就職が厳しく、ずっとフリーターとして働かなければならないかもしれません。
そのため、長期的にみると、昇給やボーナスがある正社員の方が稼げると言えるでしょう。
フリーターで年収はいくらですか？
令和3年に行われた国税庁の調査によると、フリーターをはじめとする非正規雇用の平均年収は約198万円でした。
参考：国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査 ー調査研究報告ー」
