保育士はなぜきつい仕事だと言われるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、保育士がきついと言われる主な理由を6つ解説します。
合わせて、保育士の仕事がきついと感じたときの対処法や、保育士がきついと感じた場合におすすめできる他の仕事についてもご紹介します。
保育士の仕事に興味がある人や、現在保育士としてきつい思いをして働いている人は参考にしてみてください。
保育士がきついと言われる理由6選
保育士がきついと言われる理由としては、以下の6つが挙げられます。
- 肉体労働で体力が必要
- 業務量が膨大
- 生活リズムが整えにくい
- 保護者からのクレームで精神的にきつい
- 給料が低い
- 子供の命を預かるプレッシャーが重い
それぞれ詳しく解説します。
1. 肉体労働で体力が必要
保育士がきつい主な理由としては、肉体労働による体力的な問題が挙げられます。
保育士は勤務時間中は常に子供と遊ぶ必要があります。大人よりも子供の方が体力があるとも言われていますので、1日中遊びに付き合っているだけでも疲労が溜まっていくでしょう。
加えて、子供をあやすために10キロ前後の身体を抱っこしたり、机や椅子などを運んだりと、常に肉体労働をし続ける必要があります。
体力的な問題で保育士を辞める人も少なくありません。
2. 業務量が膨大
社会的に保育士不足が嘆かれているということもあり、保育士一人一人の抱える業務量が膨大という点もきついポイントです。
勤務中は子供の面倒を見ることはもちろん、保護者に対して連絡帳の記入をしたり、イベントごとで事前準備をするなど、デスクワークが多いことも特徴です。
また、季節イベントの前には業務を家に持ち帰って作業をしなければ間に合わないといったことも考えられます。結果的にサービス残業が多くなる保育士も少なくなく、きつい思いをして働いているケースも見られます。
3. 生活リズムが整えにくい
特に女性の場合、出産や育児などで自身のライフイベントが変わった際は、正社員としてフルタイム勤務が難しくなるといったきつさも見られます。
フルタイム勤務から時短勤務に変えると、月々の収入が大きく減ってしまうことに繋がるため、今まで通りの生活水準で生活することは難しくなるでしょう。
保育士は正社員以外でも様々な働き方が選択できる仕事ですが、基本的にフルタイム以外では収入が大きく異なる点はあらかじめ認識しておきたいところです。
4. 保護者からのクレームで精神的にきつい
保育士がコミュニケーションを取る相手は子供だけではありません。
子供を預けている保護者に対して適切にコミュニケーションを取らないと、クレームに発展することもあります。
一昔前にはモンスターペアレントという言葉が流行ったように、保護者は自分の子供を安心して保育園に預けられるか常に気を配っています。
もし、保育中に怪我や事故に巻き込まれてしまえば大きなクレームに発展してしまいますので、精神的にきついと感じることもあるでしょう。
5. 給料が低い
保育士の年収が日本全体の平均年収よりも低いという点も、きついポイントとして挙げられます。
厚生労働省が発表している令和4年賃金構造基本統計調査の概況によれば、全体の平均月収は約31万円とされています。
また、同じく厚生労働省が発表している毎月勤労統計調査の令和6年6月分の結果によると、平均的な賞与の金額は約21万円となっています。
つまり、全職種の平均年収を計算すると、約414万円であることが分かります。
一方、厚生労働省の運営するjobtagによれば保育士の平均年収は396万円となっています。これは、全職種の平均年収よりも約20万円程度低い収入です。
肉体的にも精神的にもプレッシャーや負担が大きい仕事であるにもかかわらず、全体の平均年収より低いという点は家計的にもきついと考えられるポイントです。
6. 子供の命を預かるプレッシャーが重い
保育士は子供の命を預かる仕事でもあります。
特に子供の場合、大人が予想できないような動きや遊びを自発的に行ってしまい、大きな事故に繋がることも考えられます。
公園で遊んでいる時であっても平坦な道で突然転んでしまい、レンガに頭をぶつけてしまうこともあるでしょう。また、保育園の中でも子供同士の喧嘩で目にものが入ってしまうなど、保育士が注意をしていても事故が発生してしまうことも考えられます。
このように、勤務中は常に子供に怪我が起きないよう注意深く観察をすることが求められますし、子供の命を預かっているプレッシャーが重いと感じることも少なくありません。
保育士の中には命を預かっているという精神的なプレッシャーにきついと感じ、別の仕事に転職するケースも見られます。
保育士がきついと感じた時の対処法4選
保育士として働くことがきついと感じたときには、以下の対処法が考えられます。
- 勤務形態を変える
- 上司や園長に相談する
- 自分なりのストレス発散方法を試す
- 転職する
それぞれ詳しく解説します。
1. 勤務形態を変える
保育士として働くことにきついと感じるときは、勤務形態を変えるのが1つの選択肢です。
保育士は正社員という働き方だけでなく、非常勤という働き方ができます。
朝の時間だけや夕方だけなど、時短勤務をすることが可能なため、身体的にきついと感じているのであれば試してみる価値があります。
ただし、勤務形態を変えると正社員といった働き方ではなくなるため、収入が大きく減ってしまうことが考えられます。
加えて、非常勤のような働き方だと保育園の経営状況によっては突然シフトが削られてしまうなど、不安定な働き方になる点は認識しておく必要があるでしょう。
2. 上司や園長に相談する
正社員として働き続けたいと考えているものの、どうしても仕事がきついと感じているのであれば、上司や園長に相談してみるのもおすすめです。
例えば、保育園で担任クラスを持っている場合、どうしても業務量が膨大になりがちです。
上司や園長に相談することで一時的に担任を外してもらえたり、業務量を調整してもらうことができるでしょう。
また、子供や同僚などの人間関係に悩んでいる場合であっても、上司や園長への相談が有効です。担当するクラスや保育園での役割を見直してもらうといった期待が持てますので、きつい状況から脱却できるかもしれません。
3. 自分なりのストレス発散方法を試す
保育士は子供に対して常に笑顔で接することが求められる仕事です。
そのため、どれだけストレスを感じていたとしてもストレスを抑える形で働き続けなければなりません。
ただ、人間のストレス耐性には限界がありますので、定期的にストレスを発散できるようにするためにも、自分なりのストレス発散方法を見つけて試していくことが対処法の1つになります。
ストレス発散方法は保育士によって様々です。仕事が終わったらお酒を飲む人もいますし、休日に小旅行をするような人も見られます。自分にとって最適なストレス発散方法を見つけることこそ、保育士として働き続けるために重要な要素かもしれません。
4. 転職する
ここまで解説した対処法を試しても、どうしても保育士の仕事がきついと感じる場合は、転職をすることも検討してみましょう。
子供と関わり続ける仕事がしたいのであれば、保育士以外にも選択肢があります。
例えば、企業内保育所や病院内保育所、放課後デイサービスなどであれば、今まで通り子供と関わりながら保育士とは異なる働き方で仕事が続けられます。
また、子供と関わる仕事以外がしたいような場合は、民間企業への転職も考えられます。
保育士は高いコミュニケーション能力がある人だと思われやすいため、営業職やサービス職など幅広い職種に転職することが可能です。
どうしても日々の仕事が忙しく転職活動を進められない保育士の場合は、転職活動の効率を高められる就職エージェントなどを活用するのも良いでしょう。
保育士がきつくて辞める時の注意点
保育士がきつくてやめようと考えている場合、以下のような注意点を認識しておく必要があります。
- きついと感じた理由を言語化する
- 別の保育園の働き方を調べる
- 一人で決断しないこと
保育士を辞めるのであれば、それぞれの注意点を認識しておいてください。
1. きついと感じた理由を言語化する
保育士がきつくて辞める場合、まずは自分がどういったポイントにきついと感じたのかを言語化するように努めましょう。
例えば、業務量が多すぎることがきついと感じているのであれば、辞める前に上司や園長に相談するというのが最適な選択肢になりますし、担任を持つことに精神的なストレスを感じているのであれば、クラス替えや担当外によってきつい状況を脱することも可能です。
きついと感じた理由によっては、保育士を辞めずにきつい状況を解消できることも考えられます。まずは自分がなぜ辞めたいと思っているのかをしっかりと自己認識しておいてください。
2. 別の保育園の働き方を調べる
今働いている保育園が自分に合っていないことがきついと感じるのであれば、仕事を辞める前に別の保育園の働き方を調べるようにしましょう。
今の仕事がきついからといって衝動的にやめてしまい、その後別の保育園に焦って就職してしまうと、同じようなきつさを感じてしまうリスクがあります。
きつい思いを再びしないようにするためにも、複数の口コミを確認して転職候補先の保育園の働き方を調べるようにしてみてください。
口コミについては、就職口コミサイトや保育園の専用の口コミサイトを確認するとともに、Google口コミなど、保護者側が投稿するような口コミにも目を通しておくことがおすすめです。
保護者から高い評価を得ている保育園であれば、保育士にとっても働きやすさを感じられるかもしれません。
3. 一人で決断しないこと
保育士がきつくて辞めようとする場合は、1人で決断しないように注意してください。可能であれば、辞める前に上司や園長に相談をして退職以外の選択肢がないかを見つけてみましょう。
また、転職する決意が定まっているのであれば、1人で転職先を見つけるのではなく、転職支援のプロである就職エージェントに相談してみるのも1つの手です。
就職エージェントは求人企業の詳細な情報を持っていますので、口コミサイトだけでは分からないような働き方を事前に知っておくことも可能です。
1人で決断すると、同じようにきつい思いをして働き続けなければならないこともありますので、まずは信頼できる人に相談をするところから始めてみてください。
きついと感じた保育士におすすめの仕事
保育士の仕事がきついと感じた人には、以下のような仕事もおすすめできます。
- 幼児教室
- ベビーシッター
- 営業職
- 事務職
保育士からの転職を目指す際は、これらの仕事の求人をチェックしてみるのがおすすめです。それぞれの仕事について解説します。
1. 幼児教室
幼児教室では0歳から2歳程度の幼児に対して、ダンスや英語、音楽などを教える仕事です。
芸術分野や勉強分野など、自分の得意なスキルを活かして働くことができるという点が特徴です。
幼児教室で働く場合は、保育士として働いていた時と同じ年齢の子供を相手にするため、保育士のスキルをそのまま活かすことができる点もメリットです。
加えて、保育士では存在していた寝かしつけや、膨大な事務作業などの業務がなくなるため、子供と向き合うということだけに集中できる点も魅力です。
正社員だけでなく短時間のパートといった求人も存在しますので、柔軟な働き方ができる点もメリットと言えるでしょう。
2. ベビーシッター
複数の子供の面倒をいっぺんに見ることにきついと感じているような人は、ベビーシッターの仕事もおすすめです。ベビーシッターは特定の家庭と契約を行い、数人の子供の面倒を数時間見るといった仕事を行います。
働くスケジュールだけでなく、仕事を受ける料金についても自分で設定できるため、自分自身のブランディングを行うことができれば、時給換算で保育士よりも稼ぐことも期待できます。
命を預かるプレッシャーという点では保育士と同じですが、注意深く目を張っておかなければならない子供の人数が大きく減るため、仕事の忙しさという観点ではきつさを感じにくいと考えられます。
3. 営業職
保育士として身に付けたコミュニケーション能力を活かせば、民間企業の営業職に転職することも可能です。
営業職は法人や個人に対してサービスを提案し、契約を取ってくる仕事です。
仕事で向き合う対象が大人になるため、保育士で感じていたような子供とのコミュニケーションの難しさは一切感じなくなります。
また、営業職は実績さえ出せれば保育士以上の高い年収を狙うことも可能です。
保育士としてコミュニケーション能力を身に付けられたと考えている人は、キャリアアップの観点で営業職への転職を目指してみるのも良いでしょう。
4. 事務職
保育士の肉体労働に疲れてしまったような人には、事務職がおすすめできます。
事務職は会社の事務作業を担う仕事であり、経理や総務、労務などの職種名で募集されていることもあります。
事務職は業務のほとんどがデスクワークになるため、肉体的なきつさはほとんど感じられないでしょう。
加えて、業務内容がルーティンワークのようになっていますので、オフィスワークが初めてという保育士でも問題なく働けると考えられます。
ただし、事務職は人気の仕事であるため、面接準備をしっかりしておかないと内定を勝ち取るのが難しいと考えられます。
少しでも事務職に就職できる可能性を高めたいのであれば、就職支援のプロである就職エージェントの活用を検討してみてください。
事務職について以下の記事で詳しく解説しています。
よくある質問
最後に、保育士に関するよくある質問を3つ取り上げて解説します。
1. 保育士が不人気な理由は何ですか?
厚生労働省の分析によれば、保育士の仕事に不満を感じている理由として以下のようなものが上がっています。
- 責任が重い
- 事故への不安がある
- 就業時間が希望と合わない
- 保護者との関係が難しい
- 教育体制に不満がある
- 賃金が希望と合わない
- 休みが取りにくい
こういった理由から保育士が不人気であると考えられます。
2. 保育士をやめた理由として多いものは?
株式会社トライトの調査によれば、保育士を辞めた理由として多いものは以下となっています。
- 上司や同僚との人間関係
- 業務量や残業が多い
- 園長に対する不満がある
- 保護者とのトラブルがあった
- 給料が低い
- プライベートと両立が難しい
人間関係や業務量、給料に対する理由から保育士を辞めているケースが多いと考えられます。
3. 保育士は辞める人が多いですか?
厚生労働省の令和4年雇用動向調査結果の概況によれば、保育士が属する医療・福祉産業における離職率は15.3%となっています。
全産業の平均が15.0%であるため、保育士は平均よりも辞める人が多いと考えられます。
ただし、保育園によっては保育士の働きやすい環境に力を入れていることもありますので、保育園ごとの離職率を調べたい人はそれぞれのホームページを確認してみるか、就職エージェントに聞いてみるのがおすすめです。
まとめ
保育士がきついと言われる理由を詳しく解説しました。
保育士は体力的にも精神的にもハードな働き方が求められるにもかかわらず、給料が全体よりも低いといった点が主にきついと言われています。
きつい状況を解決するには、上司や園長、就職エージェントなどに相談してみるのがまずはおすすめです。
きついからといっていきなり保育士を辞めてしまうと、キャリアに傷がつくだけでなく、収入が無くなって生活が難しくなることも考えられますので注意してください。
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