インフラエンジニアはきつい仕事と聞くものの、具体的にどういった理由できついと言われているのか知りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、インフラエンジニアがきついと言われている理由を8つの観点から解説していきます。
これからインフラエンジニアを目指して就職活動をしていきたいと考えている人は、記事の内容を参考にしてみてください。
この記事の目次
インフラエンジニアがきついと言われる理由
インフラエンジニアがきついと言われる理由は以下の8点が挙げられます。
- 突発的なトラブルが多いから
- 残業や休日出勤が多いから
- 就職した後も継続して勉強しなければならないから
- 夜勤がある
- 会社によっては技術を身につけにくいから
- 開発エンジニアに比べて給料が上がりにくいから
- 炎上案件を担当することもあるから
- 強いプレッシャーを受けやすいから
就職活動する際は、仕事に対するイメージを詳しく理解しておくことが重要です。まずは上記の理由について解説していきます。
1. 突発的なトラブルが多いから
そもそもインフラエンジニアとは、リリースされているITシステムが24時間安定的に稼働し続けることをサポートする仕事のことをいいます。我々が日々使っているITサービスやシステムがいつでも安心して使えるのは、裏でインフラエンジニアが働いているためです。
しかし、ITシステムやツールはどれだけ設計が完璧であっても、何らかのアップデートや通信環境によって突発的な不具合が発生してしまうものです。当然、不具合が発生すればインフラエンジニアが真っ先にトラブルの対応に当たります。
突発的なトラブルは勤務時間外でも起きることがあり、その都度インフラエンジニアは働かなければならないことから、心が休まらずにきついと言われることがあります。
2. 残業や休日出勤が多いから
インフラエンジニアが属するITエンジニア業界は、残業や休日出勤が多い傾向が見られます。
特にインフラエンジニアの場合、業務を完璧にこなさないとせっかく開発したITシステムがうまく機能しません。
そのため、納期までに仕事を終わらせるといった意識が特に強く、作業の進捗によっては遅れを取り戻すために長時間の残業を強いられることがあるでしょう。働く時間が長くなると、精神的にも身体的にもきついと感じやすくなります。
3. 就職した後も継続して勉強しなければならないから
インフラエンジニアに求められるIT知識は非常に幅広く専門的なものとなっています。
無事にインフラエンジニアとして就職できても、その後学び続ける事は不可欠です。勉強することを止めてしまえば、エンジニアとしてのスキルアップが止まってしまいますので、できる業務の幅も少なくなるだけでなく収入を上げることも難しくなるでしょう。
しかし、エンジニアとしての勉強は業務時間中に行うことは少なく、基本的に仕事が終わった後や休日に独学で勉強する傾向があります。毎日仕事のことを考えなければならないと感じる人も少なくなく、インフラエンジニアとして働き続けることがきついと思ってしまうかもしれません。
4. 夜勤がある
ITサービスやITシステムは24時間稼働し続けることが大切です。そのためにも、定期的にメンテナンスを行わないとトラブルが発生してしまいやすくなるため、多くのサービスでは1週間に1回などメンテナンスのタイミングを設けています。
定期的なメンテナンスは、基本的に利用人数が少なくなる深夜に設定されている傾向が多く、インフラエンジニアは夜勤も発生することがあります。ほとんどのケースではシフトが組まれることになるため、夜勤をした分は翌日の日中に休みになることがほとんどですが、身体のリズムが崩れてしまう原因になるでしょう。
加えて、休みが不定期になってしまうことから、プライベートの予定を合わせにくくなるといった点もきついポイントだといえます。
5. 会社によっては技術を身につけにくいから
インフラエンジニアは非常に幅広い業務を取り扱っているため、中には簡単な作業しか行わない仕事も少なくありません。
それだけでなく、求人上は「インフラエンジニア」と書かれているものの、実際に働いてみると、保守に必要なExcelをいじることしかさせてもらえないなど、技術が身に付きにくいケースが見られます。
未経験からの場合は運用・保守業務に配属されることが多いですが、しっかりと業務内容を確認しておかないと、エンジニアとしてのスキルを見つけられないまま時間を消費してしまうこともあります。
したがって、インフラエンジニアを未経験から目指す際は、特に仕事内容をチェックしておくことが大切です。
6. 開発エンジニアに比べて給料が上がりにくいから
インフラエンジニアはシステムが安定的に稼働している状態が100%の評価とみなされる傾向にあります。トラブルに対応できなかったり、そもそもトラブルを発生させてしまうと評価が減点されていくような、減点方式の職場が多いと言われています。
一方、同じITエンジニアである開発エンジニアの場合、自分の努力次第で加点方式で評価を受けることが可能です。こうした評価の観点の違いから、インフラエンジニアは開発エンジニアに比べて高い評価を受けるのが難しく、給料を上げにくいといったきつさも考えられます。
7. 炎上案件を担当することもあるから
インフラエンジニアは、既に開発されたシステムのプロジェクトにアサインされることがほとんどです。仕事の依頼が来るといった立場ですので、場合によっては炎上案件を担当することもあります。
炎上案件と言うのは、スケジュールの見立てが悪く不完全な状態で無理矢理リリースされたような案件のことを指します。
こうした案件の場合、突発的なトラブルが発生することが多く、インフラエンジニアはリスクの高い業務を強いられることになり、きついと感じることに繋がるでしょう。
8. 強いプレッシャーを受けやすいから
繰り返しになりますが、ITサービスは24時間動き続けることが求められます。それに比例してインフラエンジニアに対する仕事のプレッシャーも強くなることが考えられます。
極論として、インフラエンジニアがうまく機能しないとその時間分が丸々損失に繋がるとも言えるでしょう。
こうした背景もあり、インフラエンジニアは常に強いプレッシャーを感じながら働くことが求められます。精神的にきついと感じ、インフルエンジニアを辞めてしまう人は少なくありません。
インフラエンジニアを辞めてしまう理由
インフラエンジニアを辞めてしまう理由としては、以下の3点が挙げられます。
- 最初のうちは年収が低いから
- 単純作業が多いから
- 将来に不安を感じているから
それぞれ詳しく解説します。
1. 最初のうちは年収が低いから
特に未経験からインフラエンジニアになる場合、就職から数年程度は年収が低い傾向にあります。
インフラエンジニアは技術職の1つですので、スキルに合わせて年収が上がっていくといった仕事です。未経験から就職したての頃はスキルがないため、その分年収は低く設定されがちです。
将来的にインフラエンジニアとしての専門的なスキルを身に付けることができれば、他の仕事よりも高い年収を稼ぐ事は充分可能ですが、それまでの下積み期間は収入が低い状況が続くため、家計的にもきついと感じて辞めてしまう人がいます。
2. 単純作業が多いから
突発的なトラブルに対しては臨機応変な対応が求められるものの、通常インフラエンジニアが行う定期的なメンテナンス業務は、単純作業が多くなっています。
単純作業だけをこなし、まったりと働いていきたいと考えている人にはぴったりかもしれませんが、エンジニアとしてのスキルを身に付けていきたい人にとっては、働いていて焦りを感じることもあるでしょう。
せっかくインフラエンジニアとして就職できたにも関わらず、スキルが身に付いてない実感があると感じた人は、インフラエンジニアを辞めて別の種類のITエンジニアになるケースも見られます。
3. 将来に不安を感じているから
ITサービスが右肩上がりで増えていくに比例し、インフラエンジニアの役割は価値を高め続けています。
しかし、最近ではクラウドやセキュリティ、ネットワークといったインフラ領域のスキルを求められていることもあり、一人ひとりのインフラエンジニアに求められる知識の幅や専門性がより高いレベルになっているといった事実もあります。
そのため、自分は将来的に今以上に知識や経験を積んでいけるのか不安に感じて、インフラエンジニアを辞めてしまう人も少なくありません。
きついと言われるインフラエンジニアの魅力
きついと言われがちなインフラエンジニアですが、働いていくと以下のような魅力を感じることができるでしょう。
- 技術力があれば学歴に関わらず稼げる
- ニーズがあるため安定的に働ける
- 幅広いスキルを習得しやすい
それぞれ詳しく解説します。
1. 技術力があれば学歴に関わらず稼げる
インフラエンジニアは技術職のため、スキルが評価の全てとなります。
それまでの学歴や職歴は一切関係なく評価を受けることができるため、スキルアップと収入アップを同時に叶えられるといった魅力があります。
これからのキャリアを真剣に考え、稼げる仕事についていきたいという人にはインフラエンジニアへの就職がおすすめできます。
2. ニーズがあるため安定的に働ける
将来的に幅広い専門知識が求められるインフラエンジニアですが、インフラエンジニアという役割は今後もなくならないと考えられているため、手に職をつけて安定的に働けるような魅力があります。
ニーズが高まっていく一方で、インフラエンジニアの経験者は市場に対して不足しているというデータもありますので、場合によっては会社に属することなくフリーランスとして働ける点もインフラエンジニアの魅力といえます。
3. 幅広いスキルを習得しやすい
インフラエンジニアは、IT基盤やネットワーク、セキュリティーやクラウドなど非常に幅広い分野の業務に携わることができます。しっかりと知識のインプットをして実績を残すことができれば、食いっぱぐれることのない人材に成長することもできるでしょう。
AIの登場などで将来的に無くならないような仕事を探している人には、インフラエンジニアという仕事が非常に良い選択肢の1つになると考えられます。
インフラエンジニアに向いてない人
インフラエンジニアに向いてない人としては、以下の3点の特徴が挙げられます。
- 臨機応変に対応できない人
- 学習意欲が低い人
- 新しいシステムを開発してみたい人
それぞれ詳しく解説します。
1. 臨機応変に対応できない人
インフラエンジニアは、突発的なトラブルにスピード感を持って対処することが求められます。そのため、マニュアルにないことでも臨機応変に考えて問題を解決できるような人であるかが重要です。
今までやったことないことや、自分のスキルを活かして柔軟に立ち回ることが求められる仕事に苦手意識を持っている人がインフラエンジニアとして就職すると、ストレスが溜まってしまうだけでなく、周囲の人に迷惑をかけてしまうことも考えられますので認識しておいてください。
2. 学習意欲が低い人
ITインフラに関する技術は日に日に進歩していますので、インフラエンジニアとして就職した後も常に勉強をし続ける必要があります。
勉強することをやめてしまうと、インフラエンジニアとしての市場価値を高めることは難しくなりますので、学習意欲が低い人には向いてない仕事と言えるでしょう。
特に未経験からインフラエンジニアを目指す人については、高いレベルの学習力が求められます。就職を検討する場合は、今一度自分が勉強することが好きかどうかを自己認識してみてください。
3. 新しいシステムを開発してみたい人
インフラエンジニアは設計業務こそありますが、今までにないような新しいITサービスを作るといった業務には基本的に携わることができません。
したがって、エンジニアとして業務で新しいシステムを開発してみたいと考えている人は、インフラエンジニアではなく、開発系のエンジニアになることをおすすめします。
インフラエンジニアを目指す際は、自分がどういったスキルを身に付け、どんな仕事につきたいかをしっかりと自己分析することが重要です。
インフラエンジニアのキャリアパス
インフラエンジニアとして経験を積んだ後は、以下のようなキャリアパスが考えられます。
- プロジェクトマネージャー
- インフラエンジニアスペシャリスト
- ITコンサルタント
- 開発系エンジニア
- 社内SE
- プログラマー
- フリーランス
幅広い知識を求められるインフラエンジニアだからこそ、キャリアパスも幅広い点が特徴です。経験を活かしてインフラエンジニアとしての専門性を高めることもできますし、開発分野のエンジニアとしてキャリアを変えることも可能です。
このことから、将来的になりたい仕事がうまく定まってない人にも、インフラエンジニアの仕事はおすすめできると言えるでしょう。
インフラエンジニアの業務がつらいと感じた時の対処法
インフラエンジニアの業務がつらいと感じたときには、以下のような対処方法が考えられます。
- 自身の業務量について上司と相談する
- 業務を巻き取ってもらえないかチームメンバーに相談する
- 自分のタスク管理の方法を見直す
- スキルアップをして業務スピードを早める
- 社内異動の申請を出してインフラエンジニア以外の仕事に就く
- キャリアを見直して転職する
今いる会社でできる対処法も少なくありませんので、まずは上司やチームメンバーに相談してみることがおすすめです。
また、もし転職などで職場を変える場合は同じようなつらさを感じないようにするためにも、就職エージェントなどを使って後悔しない就職を叶えるよう意識してみてください。
よくある質問
最後にインフラエンジニアに関するよくある質問を3点取り上げて解説します。
1. インフラエンジニアの仕事は楽ですか?
インフラエンジニアの仕事は楽ということはありません。
確かに定期的なメンテナンス業務や単純な運用保守業務も少なくないため、業務を切り出して考えれば楽と捉えることもできます。
しかし、インフラエンジニアの仕事そのものが非常にプレッシャーがかかる業務であるため、働いていて楽さを感じることは少ないと考えられます。楽な仕事につきたいといった理由でインフラエンジニアになることは避けた方が良いでしょう。
2. インフラエンジニアに向いてる人は?
インフラエンジニアに向いてる人の特徴としては、以下のような人が挙げられます。
- 責任感が強い人
- 学習意欲が高い人
- 実直で真面目な人
- 論理的思考力がある人
- 物事を俯瞰的に捉えられる人
- コミュニケーション能力が高い人
これらの特徴に当てはまる人であれば、インフラエンジニアとして高い実績を出して活躍していくことができるでしょう。
3. インフラエンジニアは未経験でもなれますか?
インフラエンジニアは未経験からでも就職が可能です。実際に求人サイトを見てみると、未経験でインフラエンジニアを募集している求人は多く確認できます。
しかしインフラエンジニアは未経験者が手に職をつけたいといった理由で応募が集まりやすい人気の仕事の1つとなっています。
そのため、未経験からインフラエンジニアへの就職を目指す際は、しっかりと自己分析や企業研究などの就活対策をした上で、面接に臨む意識が重要になります。
まとめ
インフラエンジニアがきついと言われる理由を詳しく解説しました。
インフラエンジニアは突発的なトラブルが多く、プレッシャーもかかるといったきついポイントがあるものの、キャリアパスが幅広く、今後長く働いていける仕事の1つといったメリットもあります。
この記事の内容を参考に、インフラエンジニアの良い面と悪い面の両方を理解した上で、仕事選びを進めていくようにしてみてください。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい