フリーターの弱点は何ですか?
フリーターの弱点は、経済的に不安定、社会的信用が低い、キャリアアップが難しい、正社員と比べて福利厚生が少ないといった弱点があります。また、就職市場においては、「すぐに辞めそう」「スキルがない」と見られてしまいがちなので、不利になりやすいです。
フリーターの弱点について、1つずつ解説していきます。
1. 経済的不安定
フリーターの弱点の一つに、経済的不安定さが挙げられます。フリーターは働いた分だけしか給料が出ないため、収入が不安定です。バイトのシフトが減らされることも少なくなく、生活費を稼ぐのが難しいことがあります。このため、経済的な面での計画が立てにくくなります。
加えて、人件費削減の際に真っ先に解雇されるのは非正規の労働者です。そのため、仕事を失い、収入がなくなるリスクがある点もフリーターの弱点です。
2. 社会的信用の低さ
フリーターは社会的信用が低いとされています。住宅ローンを組む場合や、クレジットカードを作成する際に審査に通りにくいことがあります。正社員とは異なり、安定した収入がないため、金融機関からの信用も低く見られがちです。
3. キャリアアップが難しい
フリーターはキャリアアップが難しいというデメリットがあります。バイトは基本的に同じ業務をこなすため、昇進や昇給の機会が少ないです。
正社員と比べると責任を負うことは少ない半面、重要な仕事を任される機会は少ないでしょう。
職種によってはスキルを身につける機会が少なく、将来的なキャリア形成にも影響を与えます。
4. 福利厚生の欠如
フリーターは正社員と比べて福利厚生がすくないです。例えば、健康保険や退職金制度、有給休暇といった福利厚生は正社員と比べると待遇が悪いです。
これにより、病気や事故に遭った際の経済的負担が大きくなってしまいます。
また、正社員であれば、家賃補助や育児や介護にかかる費用補助、両立させるための支援や制度などを導入している企業もあり、生活しやすさや働きやすさを整える環境が整っています。
5. 生涯賃金の差
フリーターと正社員の間には、生涯賃金に大きな差があります。フリーターは昇給額が少ないため、長期的に見ると生涯賃金が低くなります。正社員は年間で数万円~数十万円ずつ年収が上がるのに対し、フリーターはほとんど昇給がありません。
これが将来的な老後資金や生活費に影響を与えることは避けられません。
加えて、フリーターが受給できる年金額は正社員と比べると低いと言われています。
公的年金シミュレーターで計算したところ、例えば年収500万円で正社員として働く場合、月にもらえる年金額は約15万円です。一方、フリーターは月に約6万円程度です。
正社員が加入できる厚生年金は、企業と折半で払い、受給できる年金額はフリーターよりも多くなります。
このため、フリーターが生涯で稼げる収入、受給できる年金に差があり、長期的に得られるお金が少ないのがフリーターの弱点の一つです。
6. 結婚・家庭生活への影響
フリーターの生活が経済的に不安定であるため、結婚や家庭生活にも影響が出ることがあります。
結婚相手やその家族からは「将来のことをきちんと考えていない」「経済的に自立していない」「ふらふらとしている」といった印象があり、結婚相手を見つけるのが難しくなります。
また、結婚費用や生活費を確保するのが難しく、家庭を支える経済的な基盤が弱いため、パートナーとの関係が悪化することも考えられます。
7. 精神的な不安
経済的な不安定さや社会的信用の低さから、フリーターは精神的な不安を感じやすいです。将来への漠然とした不安や、収入が安定しないことによるストレスが精神状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
加えて、周りの友人やアルバイト先の同僚が就職をしたり、仕事で昇進するようになると、自分だけ取り残されたような気がしたり、友人と話が合わなくなってしまうかもしれません。
フリーターであることの就職活動における弱み
フリーターが就職活動を行う際には、アルバイト経験は職歴にならず、「すぐに辞めるのではないか」「責任感がない」「人間関係に問題があるのではないか」「年齢相応のスキルがない」といったマイナスイメージを持たれやすいのも弱点です。
労働政策研究・研修機構の調査では、フリーター経験を評価しない理由として、以下のような回答結果となりました。
フリーター経験を評価しない理由
理由 | 割合(%) |
根気がなくいつ辞めるかわからない | 71.7 |
年齢相応の技能、知能がない | 47.5 |
職業に対する意識などの教育が必要 | 44.9 |
責任感がない | 43.5 |
組織に馴染みにくい | 38.1 |
人物像が掴みにくい | 25.9 |
入社時の格付け、配置が難しい | 20 |
その他 | 1.8 |
無回答 | 0.1 |
参考:労働政策研究・研修機構「企業における若年層の募集・採用等に関する実態調査」
すぐに辞めるのではないかと思われる
フリーターの最大のデメリットの一つは、企業側から「すぐに辞めるのではないか」と思われがちな点です。
短期間で職を転々とすることが多いため、採用担当者から見て安定性に欠けると評価されることがあります。就職先で長期間働く意志を示すため、具体的なキャリアプランを用意して面接に臨むことが重要です。
責任感がないと思われる
フリーターという立場は、正社員と比べてプレッシャーや責任が少ないというメリットがありますが、反面「責任感がない」と見られることがあります。
就職活動では、過去のアルバイト経験で学んだ責任感や達成した成果を具体例として挙げることで、この弱点をカバーすることができます。
人間関係に問題ないのではないかと思われる
短期的な仕事に従事してきたフリーターは、企業側から「人間関係に問題があるのではないか」と疑われることがあります。職場の人間関係がうまくいかず辞めたのではないかと思われるためです。
この場合には、過去の職場でどのように協力し合い、チームワークを発揮したのかを具体的に説明することが大切です。
年齢相応のスキルがないと思われる
フリーターとしての経験が長いと、年齢相応のスキルが身についていないと見なされがちです。特に30歳以上のフリーターは企業からの受け入れが難しくなる場合があります。
この弱点を克服するためには、自己成長のための学びを続け、新しいスキルを身につけることが求められます。また、資格取得など具体的な成果を示すことで、スキル不足の懸念を払拭することが可能です。
フリーターの強み
フリーターの強みは、シフトや自由に組めること、バイトの掛け持ちが可能なこと、仕事のプレッシャーや責任が少ないことです。
1. シフトを自由に組める
まず、シフトを自由に組める点が大きなメリットです。勤務時間や日数が柔軟なため、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。
バイトのシフトを調整しやすいため、趣味や学びなどに時間を使うことができます。例えば、長期の旅行に行くことができたり、資格取得やスキルアップのための勉強時間を確保することが容易になります。
2. バイトの掛け持ちが出来る
バイトの掛け持ちが可能なことも強みの一つです。多様な仕事を経験することで、様々なスキルや知識が自然と身につきます。これにより、自分の興味や適性を発見しやすくなります。
また、アルバイトには多種多様な仕事があるため、正社員では経験できないような仕事も経験することができます。
3. 仕事が精神的に楽
また、仕事が精神的にラクだという点も魅力的です。正社員と比べてプレッシャーや責任が少ないため、ストレスが少なく働くことができます。この点は特に、精神的な健康を重視する方にとって重要です。
正社員になると、仕事の責任が重くなるため、フリーターの方が楽で楽しいからフリーターを続けるという方も多いでしょう。
フリーターは就職活動で強みにもなる!
謙虚に学ぶ姿勢
フリーターという立場には、さまざまな弱点がある一方で、それを逆手に取ると強みとして活かせる点も多々あります。特に「謙虚に学ぶ姿勢」は、就職活動において大きな強みになります。
企業は新しい知識や技術を吸収し続ける意欲を持った人材を求めています。その点で、フリーター経験者は常に新しい環境で働くことになりやすいため、自然と謙虚に学ぶ姿勢が身につきます。
新しいことを取り入れていける
フリーターのもう一つの強みは「新しいことを取り入れていける」柔軟性です。フリーターをしてきて、正社員経験が浅い場合は、新しい企業の文化や業務の進め方を取り入れていくことができます。
先入観がないため、新卒と同じように、自社に合わせた教育・育成ができるといったメリットがあります。
まとめ
フリーターにはさまざまなメリットとデメリットがあります。フリーターの弱点には、経済的不安定や社会的信用の低さ、キャリアアップの難しさ、福利厚生の欠如、生涯賃金の差、結婚・家庭生活への影響、自己成長の機会が少ないこと、精神的な不安などがあります。一方で、シフトの自由さやバイトの掛け持ちができる点、精神的な負担が少ないこと、時間の使い方をコントロールしやすいことなどのメリットも存在します。
フリーターとしての生活が必ずしも悪いわけではありませんが、将来を考えて正社員を目指すことも重要です。特に30歳を過ぎたフリーターはキャリアチェンジをしやすいタイミングを見逃さず、転職サポートエージェントの利用や自己分析を行うことが大切です。資格取得やスキルアップを意識して、面接対策をしっかり行うことで、正社員への道を開くことができます。
結婚を考える際にも、フリーターとしてのリスクや対策を知っておくことが重要です。共働きや正社員転職の目標設定、結婚貯金を始めるなど、計画的な対策を立てることで、安心して家庭を持つことができます。
最終的には、自分自身のライフプランに合った選択をすることが、フリーター生活を充実させる鍵となります。自分の状況や目標をしっかり見据え、適切な対策を講じることが重要です。