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事務職をやめとけと言われる理由8選
資格の必要性や未経験者でも業務を始めやすいとされる事務職ですが、仕事探しや転職の際に事務職はやめとけと言われる場合があります。
ここでは、「事務職はやめとけ」と言われている8つの理由を詳しく解説します。
理由1. 人間関係に気を遣う
事務職は様々な場面で社内全体と関わる必要のある事務職は人間関係に気を遣う場面も他の職種と比べて多くなります。
就業中は社内の雰囲気や人間関係を良好に保ちながら仕事を円滑に進めようと気を遣いながら仕事をこなす必要があります。
一般的に電話や来客の対応も事務職が窓口となる場合が多く、クライアントや他部署とのやりとりが必要です。
また、事務職として働いている方の男女比率は女性の方が多い傾向がありますので、男性は肩身が狭く感じる可能性もあります。
理由2. 給料が上がりにくい
事務職の業務は会社の利益に直接貢献している印象がないことから給料が上がりにくい傾向があります。
日本の全職種の正社員の平均年収データが414万円とされていますが、事務職と比較すると平均年収は343万円と下回っており、生涯賃金年収は約5,500万円の差となります。
事務職は勤続年数による昇給は見込めるものの、短期間の給与アップは仕事で必要とされる資格の取得などが無い限りはなかなか見込めず、他部署の同期と比べても収入格差を感じるかもしれません。
参考:doda「平均年収ランキング」(2023年版)より年収データ引用
理由3. 業務内容にあまり変化がない
事務職の仕事はミスを防ぐ目的で業務内容をルーティン化している会社が多いです。変化を求め続けるクリエイティブな仕事をしたい方には「事務職はやめとけ」と言われることがあります。
ルーティン化された業務はミスも少なく仕事への負担も少ないですが、変化が起きない単調な仕事を毎日続けることが次第にストレスへと変化するかもしれません。
自身の適正を理解し、業務内容にあまり変化のない事務職の仕事を長く続けることができるかを見極めることが大切です。
理由4. 募集している求人が少ない
離職率が低い事務職は募集している求人も他の職種に比べて少ないです。
求人条件も会社の職種によっては基本的なパソコン操作以外にも簿記や語学、コミュニケーション能力などを求める会社もあるため、他には負けないスキル等が無いと希望の条件に該当する企業への就職や転職は難しい傾向があります。
大手企業や条件の良い募集は特に倍率が高く就職活動を頑張っても思うように成果がでにくいのも事務職をやめとけと言われる理由だと考えられます。
理由5. 座りっぱなしのデスクワークになる
接客や郵便物の配送手続きなど立ち仕事もある事務職ですが、基本的に座りっぱなしのデスクワークが多い職業といえます。
パソコンやファイリングを行うなど同じ体勢を続けなければいけない作業は眼精疲労や肩こり等の体の疲労が蓄積しやすいです。
同じ姿勢を続けると血行不良となり、特に女性は冷えによるホルモンバランスの崩れで身体の不調に悩まされる場合もありますので、仕事の合間にストレッチや休日にジムやジョギングを行うなど日頃から意識的に身体を動かすことをおすすめします。
理由6. 努力を評価してもらいにくい
事務職は利益に直結しやすい営業職と比べて会社の売上に直接的な貢献が見えづらいことから努力が評価してもらいにくい傾向があります。
例えば、営業職の場合は成果が数字に表れるため頑張った分だけ昇進や昇給の機会が多いですが、事務職では、営業職のように利益に直接する数字としての成果が現れにくいです。
そのため短期間での評価は難しく、事務職の業務内容は会社ごとに大きく異なるためキャリアアップを目指して転職しても前職の業務を活かしきれないなど、これまでの努力が報われない場合も考えられます。
理由7. 一つのミスが会社の損害につながってしまう業務が多い
事務職におけるミスは会計や設計の数字、仕様や顧客名などの記入を一つ間違えるだけでも会社にとって大きな損害に繋がってしまう業務が多いです。
最近はパソコンを使った作業が一般的なことから、たった一度のパソコンのマウスをミスクリックしただけで一瞬にして損失が発生してしまう例もあります。
給与面や努力が報われにくいにも関わらず、心身的な負担も大きい事務職はやめとけと言う人もいるでしょう。
理由8. 仕事がAIに奪われるかもしれない
将来的に日本の仕事の約半数はAI化する可能性があるとされている中、人件費コストの削減や処理速度の速さ、ミスの軽減などから事務職は特に仕事をAIに奪われる可能性があると言われています。
人間でないとできない事務職の業務もあるため事務職全てが奪われる可能性は低いですが、求人数は大幅に激減することで就職倍率も今以上に上がることが予想されています。
今後、これまでとは違った経験や資格が必要となってくる可能性があるなど、ますます将来のキャリア形成は見通しがたてにくくなる職種となるかもしれません。
事務職に向いてない人
どの職業にも向いている人・不向きな人があり、マルチタスクを求められやすい事務職においても「適性」を見て採用を検討します。
ここでは、事務職に向いていないと考えられる5つの特徴を解説していきます。
1. PC操作が得意ではない人
事務職は業務のために日常的に使用するWord・Excel等の理解やタッチタイピングといったPCスキルが求められます。
近年では積極的にDX化を進める会社も増えていることからPCの基本操作以外にも覚えなければいけない作業が多くなります。PC操作が得意でない方は仕事の大半が苦手作業となり、事務職は不向きで「やめとけ」と言われることでしょう。
2. 数字を扱うことに苦手意識がある人
事務職でも経理や発注業務も担当する会社もあるため、数字に弱い方や計算に苦手意識のある方は事務職に向いていない可能性があります。
請求書や発注数の数字は一桁間違えただけで予定数以上の大量発注や多額の入金・請求をしてしまうなど取り返しのつかないトラブルとなり、クレームへ繋がるといった会社の信頼を損ねる重大なミスへと発展するかもしれません。
計算や数字・金額などの桁の読み取りがスムーズにできない方は事務職の業務に苦労することが多いため、事務職として働くのはやめとけと言われる傾向があります。
3. 似たような作業の繰り返しが苦手な人
事務職のルーティンワークはマニュアル化されていることがほとんどです。正確に進めることで効率アップやデータ管理のクオリティ確保など、社内での信頼性が高まることが予想されます。
一方で似たような作業の繰り返しが苦手な方にとっては持続性が見込めず、作業効率が下がってミスも増えてしまうなど、社内の業務フローの乱れが生じるかもしれません。
一つのミスが大きな損失となることもあるため、毎日の仕事に変化が欲しい方にとっては退屈に感じてしまうでしょう。
4. ミスや見落としが多い人
文章やデータ作成の多い事務職では、ミスや見落としの多い人は向いていない可能性があります。
一般的に重要書類は2重チェックを行う会社が多いようですが、1人で事務職のデータ管理を行う会社も存在するなどミスを未然に防ぐための環境が整っていない場合もあります。
データ内容のミスや見落としが増えると他にやるべき仕事が終わらず残業となってしまうケースもあるため、事務職では、正確に効率よく業務を進める能力が必要になります。
5. 社内コミュニケーションが苦手な人
事務職では、取引先からの電話や会社への来客者を担当社員へ繋げる業務など社内コミュニケーションを必要とする場面が多い職種です。
事務職に限らずですが、業務を進めるうえで社員同士「報連相」を行うことも大切な仕事となります。的確に情報を伝達するためにもコミュニケーション能力は重要となり、社内コミュニケーションが苦手で1人で黙々と仕事がしたいという方は事務職に向いていない可能性があります。
事務職のやめたほうがいい求人条件
事務職は会社の業種によって業務内容が異なるため、事前に求人内容を確認することが大切です。
これから事務職の転職先等を探している方に向けてやめたほうが良いとされる求人条件を3つ紹介します。
1. 業務が不透明
事務職の仕事はどの会社もある程度決まった業務をこなしていく職種ですが、中には業務内容が「データ入力」とだけ紹介されているなど勤務後の仕事内容が不透明な求人条件を提示している会社もあります。
求人条件の業務が不透明な会社は、就職・転職後も作業内容が曖昧なことや業務マニュアルが無い可能性が高く、ミスや業務の効率化を下げる原因となります。
求人を探す際は条件を見て業務内容を明確に提示している会社を選ぶとよいでしょう。
2. スキルが身につきにくい仕事内容
一般的に事務職の業務はスキルが身に付きにくい作業が多くキャリアアップを目指しにくい職種といわれています。
事務職の中でも、営業事務の場合は社外とやり取りする機会も多く、営業や企画系の職種へと転職する方もいます。
ほかにも、事務職の募集では簿記の取得、秘書検定など資格の取得を必須としている会社はスキルを身に付けやすい会社である可能性も高いです。
3. みなし残業時間が多い
求人募集にみなし残業を含めた給与掲載をしている企業は定時退社が難しい会社であることが予想されます。
みなし残業時間は、36協定で定められている1ヶ月45時間が上限の目安となる場合が多いです。
みなし残業が認められるケースは“事業場外で働いている従業員”と”裁量労働制”に該当する職種であることが労働基準法より決められています。
事務職の場合は在宅勤務でない限りみなし労働時間制が適用されない可能性が高いため、求人条件でみなし残業が定められている場合は働き方について確認してみると良いでしょう。
事務職をやめておくべきデメリット
事務職は残業が少なく未経験からでも挑戦しやすいというメリットもある一方で「事務職は事務職は営業職のように仕事の成果が数字に反映されることはないため、会社への貢献度が見えづらいです。
貢献度が見えにくいと昇進や昇給の機会も少なく、将来のキャリアプランがイメージできないというのもデメリットとなります。
ここでは、事務職をやめておくべきデメリットを3つ紹介します。
1. 会社の利益への貢献度が見えにくい
事務職は営業職のような仕事の成果が数字に反映されることはないため、会社への貢献度が伝わりづらいデメリットがあります。
会社全体の裏方としてサポートする業務が多いことから、同僚から感謝されるなど仕事にやりがいを感じる時もありますが、「事務職はミスなく仕事をして当たり前」と思う社員も多いことが貢献度の見えにくい理由の一つです。
また、貢献度が見えにくいと昇進や昇給の機会も少なく、将来のキャリアプランがイメージできないというのもデメリットとなります。
2. 単調な業務を行うことが多い
事務職は単調な業務が多いことも「やめとけ」と言われる理由でしょう。
単調な業務は楽というイメージもある一方で、次第にやりがいを感じることもできず退屈な日々を送ることになる可能性があります。
事務職が行うルーティンワークも会社の信頼や効率化に繋がる重要な業務ですが、毎日の仕事に変化や成果を得たい方にとっては事務職の単調な作業は就職のデメリットとなり、次第に転職を意識するなど職を転々としてしまうことになるかもしれません。
3. 社内からの依頼で柔軟な対応が必要になる
事務職は基本的に単調な業務が多いのですが、電話対応や来客対応には柔軟な対応が必要となります。
電話で要点がはっきりしない話し方をする方には質問をして要望を把握する必要があり、アポなしで突然来社したお客様には要件確認や担当社員への連絡など、臨機応変に対応する業務が多いです。
社内でも他部署から突然の業務依頼を受けることも多いため、日頃からスケジュールの相談や納期の交渉など適切な判断が求められます。
事務職に就いて向いてないと感じた時の対処法
実際に仕事へ就いて事務職に向いていないと感じ、転職を考える方もいるかもしれませんが、まずは向いていないと感じた時にいくつかの対処法を試してみると良いでしょう。
- 向いていない理由を突き止めて改善できるか考える
- 期間を決めて改めて事務職を続けるか考える
- 転職について情報収集してみる
- 辞めた時のメリット・デメリットを比較する
- 部署異動について人事に相談する
退職を決める前に様々な比較を行った上で今後のキャリアプランを考え直すことをお勧めします。
よくある質問
事務職を検討している方から寄せられる「よくある質問」を3つ紹介しますので、他の職種との比較材料にご活用ください。
事務職で嫌なところは?
事務職に就いて嫌だと感じるところは、単調な仕事が多いにも関わらず依頼業務が多いことや、会社を裏方に回ってサポートしているにも関わらず努力が評価してもらいにくいことから給与が上がりにくいことなどが挙げられます。
他部署との関わる業務も多いことから人間関係に気を遣う場面も多く、コミュニケーション能力が求められることも精神的に負担がかかるなどストレスを溜めてしまうこともあるでしょう。
嫌なところばかり目を向けると仕事がつまらなくなり、次第に転職を考えるようになるかもしれません。
事務職ってきつい?
実際にきついと感じるかどうかは事務職に向いている人・向いていない人によって個人差があります。
事務職をきついと感じる理由は以下が一例として挙げられます。
- 単調な仕事が多い
- 座りっぱなしで肩こりや腰痛が起きる
- 職場の人間関係に気を遣う
- 努力が評価されにくい
- 給料がなかなかアップしない
- 突然の仕事依頼が多い
事務職に限らず日々の業務がきついとやりがいを感じられなくなりますので、自分に向いている職種をしっかり見極めることが大切です。
事務職がきついと言われる理由について以下の記事で詳しく解説しています。
事務職の楽しいところは?
事務職は各部署のサポートを行う業務が大半を占めていることから、縁の下の力持ちとして会社になくてはならない職種であることに楽しさとやりがいを感じる方が多くいることでしょう。
取引先からの入電や来客対応をする機会も多い事務職は、ビジネスマナーを意識した対応を行うことで会社の顔として会社全体の信頼度をアップさせる役割も担っています。
人のために役に立っていることを実感できるところが事務職の楽しいところです。
まとめ
今回は事務職はやめとけをテーマに、向いていない人やデメリットについて紹介しました。
事務職は単調な仕事が続くことや努力が伝わりにくい、座りっぱなしの作業による身体的不調が起きてしまうなどデメリットに感じることも多いですが、未経験者でもスタートしやすいメリットや離職率が低いなど人気の職種です。
どの仕事にも向き不向きはあるため、自分に合った職種を見極めることが大切といえるでしょう。
事務職に関連する記事はこちら
こんな人におすすめ!
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