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引きこもりで手遅れになる年齢はない。社会復帰するコツを年代別で紹介

引きこもりで手遅れになる年齢は?社会復帰するコツを年代別で紹介

ひきこもり続けていると、もう何もかも手遅れではないか、と思ってしまう人もいるでしょう。

また、引きこもる期間が長くなると社会復帰に抵抗を感じてしまい、なかなか前に進めないという声も多くあります。そこで本記事では、引きこもりが手遅れになる年齢や、年代別で社会復帰するためのコツなどを解説します。

引きこもり続けるとありえる将来のリスクも理解し、少しずつ社会復帰を進めるためにも本記事を参考にしてください。

引きこもりになっている人の割合

内閣府が2023年11月におこなった調査によると、引きこもりの推計人数は146万人に上るとされていて、15~64歳までの年齢層の2%余りにあたる割合であるとのことです。

また、こども家庭庁が実施した調査では、引きこもり群に属している15~39歳の人を対象とした年齢ごとの割合を次のように発表しています。

15~19歳21.5%
20~24歳18.1%
25~29歳23.6%
30~34歳16.0%
35~39歳20.8%
引用:こども家庭庁「こども・若者に関する調査研究等」

このことから、幅広い年代の人が引きこもりがちな生活を送っていることが分かりますね。

ただし、この割合のなかには、学生や専業主婦・主夫なども含まれていて、引きこもりかつ無職(仕事を探している・仕事を探していない)人の割合は全体の54.2%とのことです。

引きこもりからの就職は何歳までがやりやすい?

引きこもり続けることが何かしらに対して手遅れになる、ということは一概には言えません。

しかし、正社員就職に関して言えば、これまでの経験やスキルにもよりますが、基本的に引きこもりは20代までは手遅れではないといえます。
というのも、20代であればこれまでの経験やスキルがなくても長期的なキャリアを見据えられるため、採用を検討している企業も多いからです。

実際に株式会社学情が2023年4月7~21日に全国の企業および団体484社を対象とし、中途採用について調査したところ、企業が中途採用で特に採用したいと考える年齢層は以下のようになりました。

20代(~25歳)19.1%
20代(26~29歳)44.4%
30代33.8%
40代2.3%
50代0.5%
引用:株式会社学情「経験者(中途)採用動向調査 2023」

この結果から、半数以上の企業が20代の採用を積極的に考えていることが分かります。また、30代の採用を前向きに検討している企業も33.8%ありますが、20代の採用と比べると経験やスキルが問われる傾向にあります。

しかし、30代以上からの就職をあきらめる必要はありません。
厚生労働省の「若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状 ③」によれば、30~39歳の無職の人が1年後正社員だった割合は8.8%~12.5%です。30代でもおよそ10%前後の人が1年後には就職をしていることになります。

手遅れになる前に!年代別で引きこもりから社会復帰するコツ

20代までが引きこもりで手遅れにならない年齢だと言っても、30代、40代、50代の人もいます。そして30代以降の人も社会復帰する際のコツをつかむことで、一歩ずつ社会復帰に近付けるため安心してください。

ここでは、年代別で社会復帰するコツを紹介するので、自身の年代に当てはまる項目を確認して、どのようなことを意識しながら社会復帰に進めばいいのかを確認しましょう。

20代の場合

20代であれば業界・職種の経験がなくても長期的なキャリアを想定した採用を検討してくれる企業も多くあります。実際に株式会社学情の調査でも、20代を対象とした中途採用で「業界・職種の経験は問わない」と半数以上の企業が回答しています。

社会経験を問わない15.2%
社会人経験は求めたいが、
業界/職種の経験は問わない
55.3%
同業界/同職種の経験を求めたい29.5%
引用:株式会社学情「経験者(中途)採用動向調査 2023」

このことから20代で引きこもりから社会復帰するためには、学生時代に培ったスキルや経験を整理し、ポテンシャルを強みとして就職活動を進めると良いでしょう。

また、15.2%の企業は社会人経験を問わないと回答していることから、アルバイトやパートの経験しかない場合でも、正社員を目指して就職活動をすることも可能だといえます。

30代の場合

30代は20代に比べ、採用選考で求められるスキルや経験が多くなります。そのため、30代で引きこもりから社会復帰する際は、これまでの社会人としての経験を整理し、自身の強みやスキルを洗い出すことが大切です。

これまでの経験やスキルが役に立つと採用担当者が判断すれば、即戦力として活躍してくれることに期待されるため、たとえ引きこもり期間があったとしても前向きに採用を検討してくれるでしょう。

また30代前半であれば、定年退職までに30年ほどの時間があるため、長期的なキャリアを考えられる年齢でもあります。そのため、これまでの社会人経験をしっかりとアピールすることで、社会復帰できる可能性を高められます。

40代の場合

株式会社学情が実施した「企業が中途採用で採用したい年代」の調査から、40代の採用を検討している企業は「2.3%」と、それ以前の年代と比べて極端に回答割合が下がることが見て分かります。

このことから、40代になると企業からの内定獲得が難しくなるといえます。しかし、40代で引きこもりをしている人のなかには、新入社員として入社した企業は10年以上勤務したなど、特定の企業の勤続年数が長い人もいるのではないでしょうか。

この場合、長く働いた経験のある業種や職種を中心に就職活動をおこなうことで、企業から内定を獲得できる可能性を高められ、社会復帰に大きく近付けますよ。また専門的なスキルや経験がない場合であっても、これまでの社会人経験で築いてきた人とのつながりを活かし、知人から仕事を紹介してもらうなどの手段もあります。

50代の場合

50代で引きこもりから社会復帰を考える場合は、正社員を目指すのではなく、契約社員や紹介予定の派遣社員などから採用してもらうと良いですよ。なぜなら、50代の場合は長期的なキャリア形成が難しいことに加え、企業は健康や体力的な側面で長く働ける人なのかを気にするからです。

そのため、まずは週3~4日ほどの勤務から始め、仕事に慣れてきたら週5勤務に切り替えて企業からの信頼を獲得することを心掛けましょう。また仕事内容についても、体力面などを考えると力仕事は避け、仕分け作業やピッキング作業といった軽作業やドライバー系の仕事などがおすすめです。

引きこもり続けて手遅れになってしまうと起こること

長期間引きこもり続けると手遅れになってしまい、将来的に厳しい生活を送ることになってしまう可能性があります。そこでここでは、引きこもり続けて手遅れになった際に起こることを3つ紹介します。

①精神的に病んでしまう

引きこもり続けると他人と話す機会がなくなってしまうため、精神的に病んでしまう可能性が高いです。精神的に病んでしまうと、仕事でコミュニケーションがうまく取れず人間関係が構築できないなど、社会復帰する際の弊害になってしまう可能性があります。

②家族の収入に頼るしかなくなる

引きこもり続けると稼ぐ力が身に付かないため、家族の収入に頼るしかなくなります。そのため、親が定年退職を迎えると、親の年金に頼って生活するしかなくなるのです。

このような状況に陥るまで引きこもり続けてしまった場合は、手遅れである状況だといえます。

③採用してくれる企業が限られてしまう

先ほど紹介した株式会社学情の調査でも分かるとおり、年を重ねるとともに企業からの採用ニーズが下がります。

そのため、引きこもり続けて20代、30代と企業から採用される可能性のある年代を無駄に過ごしてしまうと、気付いた時にはあなたを採用してくれる企業が限られてしまいます。このことから引きこもりから社会復帰を考えるなら、まずは一歩を踏み出すことが大切なのです。

引きこもりから社会復帰を成功させる4つのポイント

いくつかのポイントを理解しておくと、手遅れになる前に引きこもりから抜け出せる可能性を高められます。そのため、社会復帰を成功させるポイントを把握しておきましょう。

①資格の勉強や職業訓練で専門知識を身に付ける

前述したとおり、30代以降の社会復帰は、専門的なスキルや経験が問われる傾向にあります。そのため、専門的な資格の勉強をしたり職業訓練に参加したりして専門知識を身に付けると、社会復帰の成功率を高められますよ。

おもな職業訓練は、以下のとおりです。

②どのような仕事が自分に合っているかを考える

引きこもりになってしまった理由は人それぞれ異なります。そのため、どのような理由で引きこもりになったのかを考えてみましょう。

そうすることで、自分自身の性格を分析でき、自分に合っている仕事について考えられますよ。たとえば、人間関係が苦手であれば、一人で作業を進められる製造業や配送業が合っているなどです。

社会復帰するためには仕事に対する苦手意識を払拭する必要があるため、苦手な仕事をできる限り洗い出し、自分に合っている仕事を見つけ出すことが大切です。

③最初は非正規雇用から始める

長い間引きこもり生活をしていると自由な生活に慣れてしまい、会社に出勤するだけでも疲れてしまうでしょう。このことから最初からフルタイムで働いてしまうと、仕事内容に慣れるまでに仕事に疲れてしまい、辞めてしまう可能性があるのです。

そのため、出勤するだけで疲れてしまう場合は、非正規雇用として週3日勤務などから勤務を開始しましょう。無理をせずに少しずつ仕事を進めることが、引きこもりからスムーズに社会復帰するための最短ルートですよ。

④転職エージェントを活用する

引きこもりをしていた期間は、職歴が空白になります。そのため、企業の選考を受ける際は、職歴の空白期間をきちんとフォローしつつ、長く働けることをアピールする必要があります。

そこで活用するのが「転職エージェント」です。

転職エージェントは、引きこもっていた職歴の空白期間をうまくフォローしてくれるだけでなく、あなたの強みやスキルも見つけ出してくれるため、内定獲得に大きく貢献してくれますよ。

引きこもりから比較的に就職しやすい職業

専門的なスキルや資格を持っていなくて、引きこもりで手遅れになったと感じている場合でも、特別なスキルが必要とされない職業であれば就職できる可能性があります。

ここでは引きこもりから比較的に就職しやすい職業を3つ紹介するので、社会復帰した場合にどのような職業が就職の選択肢になるのかを確認してみてください。

配達ドライバー

運転免許を持っているのであれば、ドライバー系の仕事は社会復帰の一歩としておすすめできる職業です。なぜなら、ドライバー系の仕事は一人で仕事をこなせるほか、自分のペースで仕事を進められる職業でもあるからです。

また、今ではインターネットの普及からオンラインで日用品や食料品を購入している人も増えています。そのため、ドライバーのなかでも配送業界は特に需要が高く、就職できる可能性の高い業界だといえます。

ドライバーとしてのおもな就職先は、以下のとおりです。

  • 配達・配送ドライバー
  • タクシードライバー
  • 送迎ドライバー

介護職

少子高齢化が問題視されている日本では、介護業界の需要は高いです。そのため、正社員だけでなくパートタイマーの採用を考えている企業も多く、自分に合った働き方ができる業界だといえます。

また、介護職には様々な資格がありますが、無資格未経験での採用を検討している企業もあるため、これまでに介護職としての経験がなくても挑戦できますよ。

販売職

販売職も特別な経験やスキルが必要とされない職業です。しかし、接客業であることから、最低限のコミュニケーション能力は必要とされます。

そのため、人と話すことに抵抗がない人は、販売職として今後のキャリアを築いていくのも良いでしょう。企業によっては販売職として採用された後に実績を出すことで、スーパーバイザーやエリアマネージャーなどの営業職に昇格したり、総合職として採用されたりするケースもありますよ。

まとめ

引きこもりの期間が続いてしまうと「すでに手遅れでは」と、半ば諦めている人もいますよね。たしかに20代であれば、長期のキャリア形成を考えて企業も採用を検討してくれますが、30代以降になると社会復帰する際の難易度が上がることも事実です。

しかし、30代以降であってもこれまでの経験やスキルを整理するとともに、気持ちを切り替えて社会人として働く気持ちをアピールできれば、採用を前向きに検討してくれる企業もありますよ。

これから社会復帰を考えている人は、本記事で紹介した社会復帰をする際のポイントなどを参考に、引きこもりから社会復帰に向けて一歩ずつ歩みを進めていきましょう。

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ABOUT US
池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」