この記事の目次
無職になったら何をするべき?
無職になったらまずやるべきことは、①今後の収支の計画を立て生活費の見直しを行う②ハローワークで失業保険の手続きをする③健康保険の種類を決めて変更手続きする④厚生年金から国民年金に切り替えるの4つです。
①今後の収支の計画を立て生活費の見直しを行う
無職になるということは、その月から収入が途絶えるということです。
預金や退職金、失業保険、今後の収入を考えて、生活費を工面する見通しを立てることが大切になります。
場合によっては、アルバイトなどで収入を得ることも検討しましょう。
②ハローワークで失業保険の手続きをする
退職をしたら、ハローワークで失業保険の手続きをすることもポイントです。
失業保険の手続きは原則1年以内ですが、なるべく早めに行いましょう。
失業保険の手続きが遅れると給付を受けられる期間が減り、給付総額が減る可能性があります。
③健康保険の種類を決めて変更手続きする
退職後に加入できる健康保険には、以下の種類があります。
- 任意継続保険に加入する(以前加入していた健康保険を継続して利用できる制度)
- 国民健康保険に加入する
- 家族の加入している保険の被保険者になる
再就職の予定や収入などを考慮して保険を選択し、変更の手続きを行いましょう。
④厚生年金から国民年金に切り替える
厚生年金から国民年金に切り替える手続きも必要です。
多くの自治体の場合、国民健康保険の手続きの際に、国民年金の手続きを案内してくれますので、一緒に手続きを行うことをおすすめします。
その他に、税金に関する変更点もあります。
住民税は給料天引きから直接支払いになりますが、自動的に請求書が送られてくるため自分で手続きする必要はありません。
確定申告は12月30日以前に退職したら、翌年の3月までに申告が必要です。
年の途中で退職しても、再就職先で年末調整をする予定であれば必要ありませんので、個々の状況に合わせた対応が求められます。
無職になったら何をするべき4つのこと
無職になったら、忘れてはいけない手続きが4つあります。
前項でご紹介した4つの項目は、手続きしないことで損をしてしまう可能性がありますので、忘れないようにチェックしましょう。
1. 今後の収支の計画を立て生活費の見直しを行う
まずは今後の収支の計画を立てて、生活費の見直しを行いましょう。
生活費の中で注目すべきは固定費です。
固定費とは、毎月または定期的に支出が必要な支出のこと。
- 家賃
- 通信費
- 光熱費
- 保険料
などが挙げられます。
最低限必要な支出ではありますが、見直しができる範囲で抑えていくように心がけましょう。
固定費を削減することで、月々の支出を削減できる可能性も少なくありません。
十分な生活資金が確保できない場合は、アルバイトなどで補填する方法もあります。
ただし、失業保険を受給する場合、申請の待期期間はアルバイトをしてはいけないので、注意して下さい。
2. ハローワークで失業保険の手続きをする
ハローワークでの失業保険の手続きは、次の手順で行います。
① 求職の申し込み
どのハローワークでも求職申込みが可能ですが、雇用保険の受給手続きは住所を管轄するハローワークで行う必要があります。
退職後、会社から届く雇用保険被保険者離職票を持参しましょう。
② 失業保険の受給手続き
ハローワークで雇用保険の説明会に参加し、失業認定申告書を提出することが必要です。
失業認定日ごとにハローワークを訪れ、失業の状態を報告し、認定を受けることで給付金が支払われます。
失業保険の手続きは原則1年以内ですが、失業保険の手続きが遅れると給付を受けられる期間が減り、給付総額が減る可能性があります。
失業給付金を早く受け取るためには、退職後できるだけ早く手続きを行うことがおすすめです。
3. 健康保険の種類を決めて変更手続きする
失業後に加入する健康保険には、主に3つの選択肢があります。
- 任意継続保険に加入する(以前加入していた健康保険を継続して利用できる制度)
- 国民健康保険に加入する
- 家族の加入している保険の被保険者になる
健康保険の種類を決めるには、保険料との兼ね合いがポイントになります。
任意継続健康保険の場合、退職前に会社が負担していた部分も含め、全額自己負担となります。
これは、退職前の標準報酬月額に基づいて計算され、加入していた健康保険組合によって異なりますが、退職時の保険料の2倍程度になるので、注意しましょう。
国民健康保険に加入する場合は、前年の所得に基づいて保険料が計算されます。
所得が低くなると減額措置を受けられることもありますが、自治体によって保険料は異なりますので確認が必要です。
家族の扶養に入る場合、扶養条件(収入制限など)を満たせば、個別の保険料負担はなくなりますが、扶養者の保険料が増加する可能性があります。
それぞれの保険料は制度や状況により異なるため、具体的な金額は保険組合や自治体に確認することが必要です。
4. 厚生年金から国民年金に切り替える
会社を退職して無職になると、厚生年金から国民年金に切り替える手続きが必要になります。
切り替える際には注意すべきポイントがあるので、自分の状況に応じて早めに手続きを行いましょう。
① 手続きの期限
手続きは、退職から14日以内に行ってください。
手続きが遅れると未納期間が発生する可能性があります。
② 保険料の自己負担
厚生年金では保険料を会社と折半していましたが、国民年金では全額自己負担となります。令和6年の国民年金保険料は月額16,980円です。
③ 免除・減額制度
失業や所得減少により保険料の支払いが難しい場合は、免除や減額申請が可能です。
特に、失業中の方は申請することで保険料の全額または一部免除を受けられる場合があります。
無職になったらするべきことの順番は?
会社を退職して無職になった場合、①健康保険の手続き、②国民年金の切り替え、③失業保険の手続きの順番で進めましょう。
退職後の手続きにはそれぞれ期限がありますので、順番に則って手続きを行いましょう。
1 | 健康保険の手続き | ・任意継続:退職後20日以内 ・国民健康保険:退職後14日以内 |
2 | 国民年金の切り替え | 退職日の翌日から14日以内 |
3 | 失業保険の手続き | 原則1年以内だが、退職した会社から 雇用保険被保険者離職票が届いたら早急に手続きを行う |
健康保険や年金の手続きは、退職後14日以内(任意継続の場合は20日以内)に行うことが定められていますが、健康保険を切り替える前に病院にかかってしまった場合、全額自己負担になってしまいます。そのため、健康保険証の手続きは退職後速やかに行うことをおすすめします。
また、健康保険と国民年金の切り替えの際には、退職した証明として窓口で雇用保険被保険者離職票の確認を求められます。雇用保険被保険者離職票は失業保険の手続きをする際に提出してしまうので、失業保険の手続きの前に健康保険の手続き、国民年金の切り替えを行っておくことをおすすめします。
職歴の空白期間はどのくらいなら許される?
職歴の空白期間については、一般的に3ヶ月を過ぎると不利になると言われています。
厚生労働省が行った調査では、離職してから就職までの期間について、半数以上が2ヶ月未満であることが報告されています。
参考:転職について|厚生労働省より作成
明確な理由がない空白期間が長ければ長いほど、採用には不利になるという調査結果もあります。
退職して専業主婦(夫)になるのであれば別ですが、再就職を目指す場合は、空白期間を4ヶ月未満に抑えることを目標にしましょう。
無職・ニートは何歳まで就職できる?
無職やニートの状態の人の社会復帰に年齢制限はありません。
ただし、年齢が上がるにつれ就職の難易度は上がるものです。
20代であれば、未経験の仕事に挑戦することにポテンシャルを見出して採用を検討してくれる企業も少なくありません。
30代になると、中途採用者は即戦力としてのスキルや経験が求められます。
資格を保有している、実務経験があるなどの場合は別ですが、20代のように正社員への挑戦は難しくなるでしょう。
無職・ニート期間にやっておくべき有意義な過ごし方は?
無職・ニート期間にやっておくべき有意義な過ごし方は「スキルアップのための勉強、資格の取得」「体の不調を治す」「仕事を理由にしていなかったことを始める」の3点です。
① スキルアップのための勉強、資格の取得
無職・ニート期間を有意義に過ごすためには、スキルアップのための勉強や資格の取得が適しています。
興味のある業界や職種に必要な資格を取得すれば、転職時に有利になることも。
無職期間の理由付けとしても認められることが多いので、ぜひ挑戦してください。
② 体の不調を治す
体の不調が原因で離職をした場合は、不調を治すことを優先しましょう。
在職中に受診ができなかった不調の原因を突き止め、しっかりと治療してください。
病気の療養も無職期間の理由付けの一つになります。
③ 仕事を理由にしていなかったことを始める
在職中に忙しいことが理由でできていなかったことに挑戦することもおすすめです。
趣味に没頭する、体力作りを行う、部屋の整理や断捨離をする、などなど。
無職・ニート期間には『何もしていない状態』を作らないことがポイントになります。
まとめ
無職になったらまずやるべきことは、①今後の収支の計画を立て生活費の見直しを行う②ハローワークで失業保険の手続きをする③健康保険の種類を決めて変更手続きする④厚生年金から国民年金に切り替えるの4つです。
それぞれ期限も定められていますので、できる限り早い段階で手続きを済ませましょう。
また、無職・ニート期間は短い方が就職につながりやすく、年齢が上がるにつれて就職の難易度が上がります。
自分なりの過ごし方を見つけて、空白期間の理由付けになるような活動を心がけてください。