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引きこもりの原因ランキングは?日本はなぜ引きこもりが多いかも解説

引きこもりの原因ランキングは?

引きこもりの原因ランキングは最新の調査では、1位「仕事を退職したこと」2位「人間関係がうまくいかなかったこと」3位「中学校時代の不登校」4位「新型コロナウイルス感染症が流行したこと」5位「学校に馴染めなかったこと」となっています。

上記は内閣府による2022年度(令和4年)の「こども・若者の意識と生活に関する調査」による結果です。引きこもりにつながる原因は、主に下記2点の要因があることがわかります。

  • 社会との関りが薄れた場合
  • 外出する機会が減った場合

仕事や学校に行かなくなり人付き合いが減ったことで引きこもりに繋がったケースもあります。

特に注目すべきは仕事の退職が最大の課題であることです。日本社会における仕事の重要性と、失業後の再就職の難しさを反映していると考えられます。また人間関係の問題や学校生活への不適応が上位を占めていることから、対人関係のストレスや社会的プレッシャーも大きな問題となっていることがわかります。

参考:こども・若者の意識と生活に関する調査 (ndl.go.jp「4)現在の外出状況になった理由」より

引きこもりの原因ランキングは?1位〜5位

引きこもりの原因ランキング1位〜5位について、それぞれ詳しく解説してきます。
引きこもりの原因を引き起こすきっかけや理由についての参考に資されてみてください。

1位: 仕事を退職したこと

仕事を退職すると社会的なつながりが無くなり、孤立感が強まる傾向があります。職場が多くの人にとって主な社会とのつながりの場だからです。退職により日常的な人間関係や社会的役割を失うことで、孤立感を感じやすくなります。

また収入が無いことへの金銭的なストレスや将来への不安も、外出や新しいコミュニティへの参加意欲を減退させる要因です。特に長期間勤務した後の退職や不本意な形での退職は、自己肯定感の低下につながります。

さらに次の職場を見つけられず無職の期間が長引くと、再び社会に戻ることへの不安が大きくなり、結果として引きこもり状態になってしまうケースもあるでしょう。働いていないと自己評価が下がり、人との関りに積極的な行動を取ることが難しくなりがちです。

精神的なプレッシャーや経済的な問題から、社会復帰へのハードルが高くなってしまう傾向があります。

2位: 人間関係がうまくいかなかったこと

人間関係のトラブルはストレスやプレッシャーを引き起こす原因となるため、精神的な負担となります。良好な人間関係が精神的な健康の基盤だからです。職場や学校でのいじめやパワハラ、コミュニケーションの行き違いなどが自尊心を傷つけ、社会不安を高める可能性もあるかもしれません。

人間関係がうまく築けないと人との接触を避けるようになり、徐々に社会から距離を置く傾向があります。またSNSの普及により、オンラインでのコミュニケーションが主流となり、リアルな人間関係構築のスキルが不足している若者も増加しています。

これらの要因が複合的に作用し、人間関係の困難さが引きこもりを助長する大きな要因となっているといえるでしょう。

3位: 中学校時代の不登校

中学校時代の思春期は特に対人関係が難しく、学校でのいじめや勉強へのプレッシャーが引き金となって不登校になるケースがあります。中学時代の不登校が引きこもりの原因になる理由は、この期間が人格形成や社会性が備わる大切な時期であることが要因の1つです。

中学生時代に社会との関わりが断たれると、学校以外の社会的な支援や居場所を見つけることが難しく、結果的に長い期間引きこもり状態に陥ることが考えられます。

また学業の遅れから将来の就職や対人関係に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。幼い頃から学校や社会との関わりが希薄になることで、孤立感が深まってしまう傾向があるためです。

4位: 新型コロナウイルス感染症が流行したこと

新型コロナウイルス感染症の流行も引きこもりの原因として大きな影響を与えています。2020年以降感染拡大防止のために外出自粛やリモートワークが推奨され、多くの人々が自宅に閉じこもる生活を余儀なくされました。

感染への恐怖や不安から外出を避ける傾向が強まり、1日を家で過ごすことが習慣化してしまった人も少なくありません。特に若年層では、学校生活や就職活動の機会が制限されたことで、重要な人生の節目に社会参加の機会を逃してしまった人もいるでしょう。

もともと外出することに対して不安を感じていた人にとっては、さらに外の世界との接点を失い、引きこもり状態に陥ってしまった場合もあります。

社会的な活動が制限されたことで新たな友人や同僚との出会いが減り、孤独感が強まったことも原因の1つといえるでしょう。

5位: 学校に馴染めなかったこと

学校に馴染めなかったことも引きこもりの原因となるのは、学校が社会性を育む重要な場であるためといえるでしょう。学校生活での人間関係や集団行動に適応できなかったり、学業への苦手意識が強かったりすることが原因です。

また友人との関係性や教師とのコミュニケーションがうまく取れないことが、孤独感を強め、引きこもりにつながる場合もあります。学校での居場所を見つけられないと自分自身を否定する感情が強まり、結果として引きこもり状態に繋がります。

学校に馴染めなかった経験が大人になっても影響し、引きこもりに至るケースが少なくありません。

学校でのネガティブな経験は、その後の人間関係や社会参加への抵抗感を生み出し、引きこもりの一因となります。

日本ではなぜ引きこもりが多いのでしょうか?

日本で引きこもりが多い理由には、以下の要因が考えられます

  • 競争社会によるプレッシャーと失敗への過度な恐れ
  • コミュニケーションの希薄化とSNSの普及
  • 就職氷河期世代の長期的影響

上記の要因が複合的に作用し、日本特有の引きこもりを生み出していると考えられます。競争が激しい社会で失敗を恐れすぎる風潮が根強く存在し、挫折から立ち直るのが難しい環境です。

また、家族主義の文化は子どもが自立する機会を失うことも少なくありません。さらに、コミュニケーションの希薄化やSNSの普及が、人との直接的な関わりを避ける原因になっています。引きこもりは社会全体での理解と支援が必要といえるでしょう。

引きこもりから抜け出す方法はありますか?

引きこもりから抜け出す方法は「小さな成功体験を積み重ねる」「生活リズムを整える」「すぐに成果を出そうと焦らない」「第三者に相談する」です。

小さな成功体験を積み重ねることで自信を回復し、生活リズムを整えることで日常生活の基盤を作ります。焦らずに取り組むことで無理のない形で社会との接点を増やせるでしょう。

また第三者に相談することで新しい視点や専門的なサポートを得られます。個人の状況や原因によって最適な方法は異なるため、柔軟に対応することが重要です。

1. 小さな成功体験を積み重ねる

引きこもりの人が経験できる具体的な小さな成功体験は下記のとおりです。

  • 毎日決まった時間に起床する
  • 短時間でも外出する(例:近所のコンビニに行く)
  • 家族と一緒に食事をする
  • 趣味や興味のある活動に取り組む
  • オンラインでの学習や資格取得にチャレンジする

小さな成功体験を積み重ねることで自信を回復し、社会との接点を徐々に増やしていくことができます。大切なのは無理をせず自分のペースで進めていくことです。

2. 生活リズムを整える

引きこもりになると朝晩が逆転して生活リズムが崩れがちです。生活リズムを整えるためには決まった時間に就寝し、決まった時間に起きるよう、生活のサイクルを整えることが重要です。

しかし、実際は引きこもり生活は昼夜逆転の生活になってしまうのが現実でしょう。生活リズムを整えるためには、日中に誰かと会話する機会や行くべき場所を作ることが効果的です。

たとえば家族との短い会話や決まった時間に近所を散歩するなど、小さな習慣から始めることで、徐々に生活リズムが整えられます。

3. すぐに成果を出そうと焦らない

引きこもりから抜け出すには時間がかかります。急いで大きな変化を求めるのではなく、小さな一歩から始めることが大切です。「失敗は成功へのステップ」と捉え、焦らず前向きに取り組むことを心がけましょう。

焦らずに自分のペースで進むことで無理なく社会との接点を増やしていけます。たとえば最初は家族との会話から始め、徐々に外出の時間を増やすなど、段階的なアプローチを取ることが効果的です。

失敗しても諦めずに学びの機会として捉え、次のステップに活かすと良いでしょう。

4. 第三者に相談する

家族間だけでの解決が難しい場合、第三者に相談することも1つの手段です。他人が介入することに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、第三者が入ることで状況がスムーズに改善し、気持ちが楽になる場合もあります。

ひきこもり地域支援センターなど行政の支援サービスを利用することも良いでしょう。社会福祉士などのプロフェッショナルなサポートを受けられます。

ただし、1人の相談相手に依存しすぎないよう注意が必要です。複数の支援リソースを活用することでより包括的なサポートが受けられます。

参考:全国の相談窓口はこちら|ひきこもりVOICE STATION

まとめ

引きこもりの原因やその背景にはさまざまな要因があり、個々の事情や状況で原因や抜け出す方法も人それぞれです。家族や可能であれば第三者も含めそれぞれに合った道を模索することが大切です。

重要なのは「どんな状況にあっても、誰もが新しいチャレンジを始めることができる」という希望をもつことです。社会復帰の道は決して遅すぎることはありません。

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池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」