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20代で無職の割合は?就職するためにすべき5つのこと

20代で無職の割合は?

20代で無職の割合は若年無業者の数と近しいと考えると、総人口の2.4%ほどと推定されます。若年無業者とは、15~34 歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者を指します。20代のみのデータではありませんが、労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)によると2023年時点の若年無業者は約59万人、総人口に対して2.4%の割合です。

前年2022年に比べて2万人増加しており、過去10年のデータから見ても、若年無業者の割合は緩やかに増加していると考えられます。

無職とニート、失業者の違い

無職と似ている言葉として、ニート、若年無業者、失業者が挙げられます。それぞれの定義は異なり、混同されがちですが、明確な違いがあります。ニートは働く意志がない若者に限定されており、若年無業者のすべてがニートというわけではありません。

まずニートとは「Not in Education、 Employment or Training」の略です。15歳〜34歳の若者で、仕事に就かず、家事も通学もしていない人を指します。ニートは働く意欲がない、または何らかの理由で社会から離れた生活を送っていることが特徴です。

次に若年無業者は、15歳〜34歳の非労働力人口のうち家事も通学もしていない者を指します。若年無業者の中には、就職を希望している方や就職活動をしている方も含まれます。

そして失業者は、次の3つに当てはまる方を表します。

  1. 仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった
  2. 仕事があればすぐ就くことができる
  3. 調査週間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)

上記を見てわかるように、失業者は求職活動をしているにもかかわらず、何らかの理由により仕事に就けていない状態です。若年無業者の中で、求職活動をしている方に該当します。

参考:厚生労働省「ニートの就労を支援する「地域若者サポートステーション」11カ所を追加選定
参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要
参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約、概要、統計表等

20代が働かない理由は?

20代の若い世代が働かない理由について、労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)の調査によると「1位:病気・けがのため」「2位:知能・能力に自信がない」「3位:急いで仕事に就く必要がない」「4位:学校以外で進学や資格取得などの勉強をしている」「5位:希望する仕事がありそうにない」となっています。

この調査結果から、20代が働かない理由には、健康問題や自己評価の低さ、将来に対する準備(資格取得など)、仕事に対するモチベーションや価値観の変化が関係していることがわかります。

最も多い理由は、健康上の問題です。20代でも身体的・精神的な健康問題が深刻な就業障害となっています。近年、メンタルヘルスの問題が世代を問わず注目されているように、特に精神的な負担から働けないケースが増えていると考えられます。

次に、自信の欠如が就労への障壁となっています。社会や職場の競争が厳しいと感じ、自分のスキルや知識に自信を持てない若者が多いことが伺えます。

一方で、経済的な安心感も働かない理由となっています。家庭の支援や経済的余裕がある場合、特に若い世代では仕事を急がないケースも多いと考えられます。

20代無職の就職は難しい?

20代無職の就職はそれほど難しくありません。1年前に無業者だった15〜34歳までの男女が現在正社員になっている確率は18.3%です。このうち、20〜24歳は20.6%、25〜29歳は22.0%、30〜34歳は12.5%となっています。

この結果からわかるように、無職であっても20代であれば就職の難易度はそれほど高くありません。比較的就職しやすく、未経験でもポテンシャルを評価され受け入れられることが多いです。しかし、年齢が上がるごとに職歴やスキルが求められるケースが増え始めます。とくに30歳を超えると、未経験者から正社員になることの難易度は急激に高まります。
20代のうちに就職活動をすることをおすすめします。

参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 ③ -平成29年版「就業構造基本調査

20代で無職の人が就職するためにすべき5つのこと

20代で無職の人が就職するためにすべきことは、

  1. 生活習慣を整える
  2. スキルアップの勉強、資格の取得
  3. 自己分析をする
  4. 情報収集をする
  5. 就職エージェントを利用する

の5つです。

まず、生活習慣を整えることが重要です。規則正しい生活は、心身の健康を保ち、面接や仕事に集中する力を養います。次に、スキルアップの勉強や資格取得を行い、就職市場での競争力を高めましょう。自己分析を通して自分の強みや希望職種を明確にし、適切なキャリア選択をすることも大切です。さらに、情報収集を怠らず、企業や業界の動向を把握します。そして、就職エージェントを利用してプロのサポートを得ることで、効率的に就職活動を進められます。

1. 生活習慣を整える

生活習慣を整えることは、就職活動において重要です。規則正しい生活リズムをもつことで、心身の健康を保ち、集中力を維持できます。具体的には早寝早起きやバランスの取れた食事、適度な運動を心がけることが、就職活動の土台となるでしょう。

また、生活習慣が整っていると、見た目や振る舞いにも良い影響を与えます。健康的な生活が送れるようになれば、清潔感のある外見や明るい表情を保つことにつながり、面接での第一印象を良くする要因となります。

2. スキルアップの勉強、資格の取得

スキルアップの勉強や資格の取得は、無職から就職を目指すうえで効果的です。とくに、専門的なスキルや資格を持つことで、企業からの評価が高まります。実務経験が少ない場合でも、資格やスキルはその補完として機能し、自信を持って面接に臨むことが可能です。また、オンライン講座や通信教育など、手軽に学べる環境が整っているため、自分に合った分野でスキルを向上することができます。

3. 自己分析をする

自己分析は、就職活動において重要なステップです。自分の強みや弱み、興味のある分野、働き方の価値観を理解することで、適切な職種や業界を選ぶことが可能になります。また、自分の性格やスキルを客観的に把握することで、面接時に効果的に自己PRを行う準備も整います。さらに、自己分析を通して自信がつき、就職活動に積極的に取り組む姿勢を身につけられるでしょう。

4. 情報収集をする

就職活動においては情報収集も欠かせません。まず、業界や企業の研究を行い、自分に合った企業を見つけることが求められます。企業のビジョンや求める人材像を知ることで、応募書類や面接でのアプローチが具体的になります。また、最新の求人情報や市場動向もチェックすることで、適切なタイミングでの応募が可能になります。

5. 就職エージェントを利用する

就職エージェントを利用することは、20代で無職の方に有効です。エージェントは求職者一人ひとりに合った求人を紹介し、書類作成や面接対策などの幅広いサポートも提供してくれます。就職活動に不安を抱える人にとって、プロのアドバイスを受けられることは大きな助けとなるはずです。さらに、キャリアに関する相談に乗ってもらえるため、どの業界や職種に進むべきか悩んでいる人や、自分の強みを再発見したい人には大いに役立つでしょう。

まとめ

20代で無職の割合は、総人口に対して2.4%と少なめです。ただ、働かない理由はさまざまで、20代で無職の人口は年々増加傾向にあります。

20代無職からの就職はそれほど難しくありません。ただし、年齢が上がるにつれて正社員になることの難易度が高まるため、早めの対策が必要です。適切な対策を行い、無職からの就職を成功させましょう。

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池本 駿
株式会社ジェイックマーケティング開発部。2016年慶応義塾大学経済学部卒業。2018年慶應義塾大学大学院経済学研究科修了(修士課程)。2019年慶應義塾大学大学院理工学研究科修了(修士課程)。同大学経済学部附属経済研究所「こどもの機会均等研究センター」協力研究者。元・三菱経済研究所研究員。経済産業大臣登録 中小企業診断士。著書「教育経済学の実証分析: 小中学校の不登校・高校における中途退学の要因分析」