休職中の転職活動は不利になってしまうのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
休職中は身体と精神を休ませる期間ではありますが、中には次の仕事を探すためにすぐに行動を取りたいと考えている人もいるかもしれません。
この記事では、休職中の転職活動が不利になるのかどうかについて解説しつつ、休職中に転職活動をするメリットとデメリットについてもわかりやすくご紹介します。
これから休職期間に入り、時間があるうちに転職活動をしてしまいたいと考えている人は、記事の内容を参考にしてみてください。
この記事の目次
休職中の転職活動が不利になる?
休職中に転職活動をする場合、病気やケガ、介護など、やむを得ない事情で休職した場合は不利になりにくいでしょう。一方、メンタル不調や職場の人間関係による休職など、ネガティブな休職理由の場合、休職中の転職活動が不利になる可能性があります。
ただ、不利になるかもしれないという理由だけで転職活動をストップさせてしまうなど、自分自身でキャリアの選択肢を狭めないよう、この後の解説も合わせて確認するようにしてください。
やむを得ない理由なら不利にならない
家族の介護や家庭の事情など、やむを得ない理由で休職した場合は面接官からの納得感を得やすいため、転職活動で不利になりづらいことが考えられます。
転職活動において、休職していることは自ら積極的に伝える必要がありません。
ただし、面接官に休職しているかどうかを聞かれた際は、嘘をつかずに休職の事実を話す必要が出てきます。
休職している事実を伝えると、休職利用を問われることになりますので、ポジティブな理由で休職している人は休職の目的とともに答えるようにしてみてください。
休職理由によっては不利になることも
休職理由がネガティブな場合、転職活動が不利になることが考えられます。
具体的には、以下のような理由で休職中に転職活動する場合、面接官からの心証が悪くなることが考えられます。
- 精神的にきついと感じて休職した
- 職場の人間関係がうまくいかず休職した
- 仕事の内容が自分に合わず休職した
このような後ろ向きな休職理由の場合、面接官から「採用しても再び同じ理由で休職をしてしまうのではないか」などと思われてしまい、面接に落ちることも考えられるでしょう。
もし本当の休職理由が後ろ向きなものである場合、就職エージェントなどに相談しつつ、ポジティブな休職理由に言い換えるようにしましょう。
面接対策をしないと不利になりやすい
休職理由によって転職活動に不利になるか変わってくることを解説しましたが、ポジティブな理由の休職であったとしても、その理由をうまく面接官に伝えることができないと、準備不足と思われて面接に通らなくなることが考えられます。
したがって、休職中に転職活動を進める場合は、特に面接対策をしっかりと取り組む必要があると言えます。
休職理由はもちろん、志望動機や自己PR、今まで仕事で経験してきたことなど、自分の言葉で伝えられるよう人一倍面接準備に力を入れましょう。
休職中の転職は不利にならない?メリット3選
休職中に転職活動をすることは必ずしも不利になるとは言えません。休職中の転職活動におけるメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 転職活動に集中できる
- メリハリをつけて転職活動を進められる
- 転職活動に失敗しても仕事ができる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
転職活動に集中できる
休職中は仕事に行く必要がなくなりますので、自分で使える時間が増えます。
したがって、転職活動だけに時間を集中的に使うことができるといったメリットを享受できるでしょう。
転職活動に真剣に取り組もうとすると、自己分析や企業研究、求人比較から面接対策まで非常にやることが多くあります。働きながら転職活動をしようとすると時間が足りず、しっかり準備できないまま転職活動を進めていかなければなりません。
その点で言えば、休職中の人であれば転職活動に必要な準備や対策に多くの時間を割けるため、万全の状態で面接に臨めるようになります。
それだけでなく、短期間での転職活動を実現できる可能性もありますので、すぐにでも別の会社に転職したいと考えている人であれば、休職中の転職活動がおすすめできると言えます。
メリハリをつけて転職活動を進められる
転職活動は、強い意思がないとダラダラと向き合い続けてしまう可能性があります。
例えば働きながら転職活動をする場合、転職活動に成功しなかったとしても、仕事がなくなるわけではありませんので、真剣に取り組むことができず、仕事を辞めたいと思い続けながら働き続けてしまうことも考えられます。
一方、休職期間はあらかじめ就業規則で一度に取れる期間が定められていることがほとんどのため、転職活動を成功させなければならない期限が分かっているといった違いが見られます。
いつまでに転職活動を決めなければならないかが明確なため、メリハリをつけて転職活動を勧められるでしょう。
また、転職活動の期限が定まっていることで、1回1回の面接に緊張感を持って取り組むことができるようになります。
もし面接に落ちてしまったとしても、どの点が悪かったのかを振り返って次回の面接に活かす意識を持てるため、結果的に理想の転職を叶えることにも繋がります。
転職活動に失敗しても仕事ができる
休職中であるということは、会社に籍が残って続けているということになります。つまり、自分で休職期間を終了させれば、いつでも職場に復帰できるということです。
休職中に転職活動をして仮に失敗してしまったとしても、いきなり仕事がなくなるということはなく、職場復帰してすぐに働き始められます。
いつでも元の生活に戻れるという安心があることも、休職中に転職活動をすることのメリットと言えるでしょう。
もし退職をして転職活動をしてしまう場合だと、転職活動に失敗すればするほど貯金がなくなることに加え、社会復帰が遅れてしまいます。
次第に精神的に焦ってしまい、自分の希望条件を全く満たさない会社に転職してしまうリスクも考えられます。
休職中の転職が不利になるデメリット3選
休職中の転職活動は、メリットだけでなく以下のようなデメリットも存在しています。
- 焦って転職先を見つけようとしてしまう
- 転職活動が現職にバレることがある
- 収入がなくなるので生活が厳しくなることも
メリットと合わせてデメリットも理解した上で、休職中に転職活動を進めるのかどうか判断することをおすすめします。
それぞれ詳しく解説します。
焦って転職先を見つけようとしてしまう
休職期間は会社からの給料がなくなってしまうため、貯金を切り崩して生活することになります。
貯金残高がゼロになってしまえば生活ができなくなりますので、多くの人は貯金がなくなるまでに転職活動を成功させたいと思うはずです。
ただ、生活費がなくなってくると余裕を持った判断ができなくなってしまうため、必要以上に焦って転職先を見つけようとするリスクが考えられます。
転職活動においては、企業をよく吟味した上で転職先を決めていかなければなりません。
焦って転職先を決めてしまうようなことがあれば、転職先でミスマッチを感じ、再び休職してしまうことも考えられるでしょう。
精神的に追い込まれやすくなるという点は、休職中の転職活動ならではのデメリットと言えます。
転職活動が現職にバレることがある
休職中は会社との関わりが一切なくなるため、基本的に何をしても会社にバレることはありません。しかし、以下のようなケースで休職中の転職活動がバレることがあります。
- 自分のSNSの投稿
- 会社内のうわさ話
- 転職エージェントやスカウトサービス
法律的に見れば、休職中に転職活動することは特に禁止されているわけでは無いものの、会社によっては就業規則で休職中の転職活動を禁じているケースもありますので、大きなトラブルに発展することも少なくありません。
休職中に転職活動がバレる原因として多いのが、自身のSNSアカウントの投稿と言われています。
今までSNSの更新がなかった人がいきなり更新をし始めたり、現職を批判して転職活動をしていることをほのめかすような投稿をしていると、たまたま投稿が目に入った会社の同僚が上司に話してしまうことも考えられます。
したがって、休職中に転職活動をする場合は、特にSNSの扱いには注意するようにしてください。
また、在籍中の会社が使っている転職エージェントやスカウトサービスと同じものに登録すると、会社に転職活動をしていることがバレてしまう可能性があります。在籍中の会社や取引先をブロックできる設定があることがほとんどなので、必ず設定しましょう。
収入がなくなるので生活が厳しくなることも
先ほども解説した通り、休職中は収入が一時的になくなってしまいます。
一方、転職活動には少なくないお金がかかります。スーツを持っていない人であればスーツを購入しなければなりませんし、面接のために交通費がかさむこともあるでしょう。
収入がなくなることに加えて支出が増えるため、一時的に生活が厳しくなることも考えられます。貯金がない人だと、休職中に転職活動をしたことで生活費を借金しなければならないケースも考えられます。
転職活動にかかる期間は、およそ1ヵ月から3ヶ月程度と言われていますので、もしこれから休職中に転職活動をしたいと考えている場合は、向こう3ヶ月程度の貯金があると安心できるでしょう。
休職中の転職を不利にしないためのタイミング
休職中の転職活動は、タイミングによって不利になるかならないかが変わってきます。
特に休職を経て現職に戻るか戻らないかは、転職活動の結果に大きな変化をもたらす可能性が考えられます。
ここでは、休職中の転職活動を不利にしないためのタイミングを2つのケースで見ていきます。
それぞれのタイミングについてメリットや注意点を解説しますので、転職活動を始めるタイミングを見極めるのに役立ててみてください。
休職後に復帰してから転職活動をする場合
休職してから一度現職に復帰し、その後転職活動をする場合については、休職期間中も会社に勤め続けていたことになりますので、応募先企業からも休職しているという事実が判別しづらく、転職活動に大きな影響を与えることはないでしょう。
もちろん、転職後に転職先の会社に転職提出する源泉徴収票などで休職していたことがわかってしまう可能性もありますが、面接で意図的に隠していない限り大きなトラブルに発展する事は少ないと考えられます。
ただし、休職後に復帰をして転職活動をする場合は、働きながら転職活動をするということになります。転職活動は1人で進めようとすると、準備に時間がかかるだけでなく、モチベーションを維持することも難しくなるといった注意点があります。
場合によっては、働きながら転職活動をしたにもかかわらず、なかなか内定をもらえないことで、転職活動そのものを諦めてしまうようなケースもあるでしょう。
もし休職してから現職に復帰し、転職活動を1人で進めていくことに不安があるような場合は、就職エージェントを活用して効率的に転職活動を進めることがおすすめです。
休職後に退職してから転職活動をする場合
休職後に退職をしてから転職活動をする場合、転職活動にかけられる時間を長く取ることができます。自己分析や企業研究など、転職活動で不可欠になってくるアクションにも集中的に取り組めるため、納得感のある転職先に就職できる可能性が高まります。
また、今の会社で精神的につらい思いをしている場合、働きながらの転職活動はメンタル的にもモチベーションを維持しづらくなると考えられます。
もし精神的につらい思いをしているのであれば、休職後に退職して晴れやかな気分で転職活動に臨んだ方が、面接で自分の魅力を存分に発揮できるかもしれません。
休職後に退職してから転職活動する際の注意点としては、履歴書において前職を退職していることが面接官に一目で分かってしまうという点です。
一般的に退職をしてからの転職活動は企業からネガティブに映りやすいと言われていますので、しっかりと面接対策をしておかないと、なかなか内定が獲得できないということにもなりかねません。
休職を転職で不利にしないためのコツ
休職をしていない人よりも、休職をしている人の方が転職活動において不利に見られやすい傾向にあります。
休職を転職活動で不利にしないためには、以下のようなコツを意識して転職活動に向き合うことが大切になってきます。
- 自己分析をして自分に合った求人を見つける
- ポジティブな休職理由を用意しておく
- 自分から休職していたことを話す必要はない
それぞれ詳しく解説します。
自己分析をして自分に合った求人を見つける
一度休職をしているということは、何らかの理由で働いている会社に不満を感じたというケースが多いでしょう。そのような場合、就職先と自分の間でミスマッチが起きてしまっていると考えられます。
もしこれから転職活動を進めようとしているのであれば、同じようにミスマッチを感じないためにも、自己分析に取り組むことが大切です。
自己分析とは、今までの経験を棚卸しし、自分の強みと弱みを言語化することで、自分に合った求人を見つけるための分析のことを言います。
自己分析ができていると、自分の強みを活かせる職場を見つけやすくなりますので、転職後に再び休職してしまうようなリスクを減らすことが可能です。
それだけでなく、自己分析によって強みをアピールできれば、休職というネガティブな要素があったとしても、魅力的な人材だと面接官から思ってもらえるようになります。
希望する会社に転職できる可能性を引き上げることもできますので、自己分析は真剣に取り組むようにしてください。
ポジティブな休職理由を用意しておく
面接の場で不意に休職の有無を聞かれることがあります。
履歴書を見ていて不審に感じる点があったり、平日の日中に面接が組まれていたりすると、休職をしているかどうか聞かれるケースも少なくありません。
休職について話題になった場合、高い確率で休職している理由を聞かれることになります。
もし休職理由をポジティブに伝えられないと、面接官から「精神的に弱い一面がある人」「採用した後に休職してしまうのではないか」など、ネガティブな印象を持たれることも考えられます。
休職の事実が面接で不利にならないようにするためにも、ポジティブな休職理由を用意しておくと良いでしょう。
例えば人間関係に悩んで休職をしている場合、「一度自分のキャリアと真剣に向き合うべく、会社と距離を置くために休職しました」などのように伝えることが考えられます。
自分の休職理由をどのようにポジティブに伝えればいいか分からない人は、就職エージェントのアドバイザーに聞いてみることがおすすめです。
自分から休職していたことを話す必要はない
面接官から休職の有無を問われた際は嘘をつかずに正直に答える必要がありますが、休職しているからといって自分からその事実を伝える必要はありません。
むしろ、休職はどちらかと言えばネガティブな要素と受け取られますので、積極的に開示していくようなものではないと言えます。
したがって、特に話題に出なければ休職をしていることや、休職をしたことがあることは触れないことがコツになってきます。
休職を転職で不利にしたくない人は就職エージェントの活用がおすすめ
転職活動において休職していることが有利になることはあまり考えられず、不利になるかならないかの2択になってくるというのが実態です。
少しでも休職を転職活動で不利にしたくない場合は、就職エージェントの活用がおすすめできます。
休職経験者に就職エージェントがおすすめできる理由としては、以下の3点が挙げられます。
- 自分に向いてる求人を紹介してもらえる
- ポジティブな休職理由を一緒に考えてもらえる
- 面接対策を徹底できる
それぞれ詳しく解説します。
自分に向いてる求人を紹介してもらえる
就職エージェントを利用することで、自分専任のアドバイザーが就職活動の全般をサポートしてくれるようになります。
数あるサポートの中の1つに、自分に向いてる求人を紹介してもらえるというものがあります。
就職エージェントに登録した後に実施される無料のキャリア面談を経て、自分の希望や強みを活かせる求人を見定めてもらうことができます。
その上でアドバイザーから求人を紹介してもらえますので、自分で求人を比較検討することなく、効率的に興味のある求人を探すことができます。
また、就職エージェントは自分が休職していることを理解した上で求人を探してくれますので、休職経験がある人でも内定をもらえる求人を紹介してもらえるといったメリットもあります。
ポジティブな休職理由を一緒に考えてもらえる
就職エージェントは、求人の紹介だけでなく、転職活動で悩んだときに相談に乗ってくれるという点もメリットの1つとして挙げられます。
特に、転職活動の経験があまりないような人だと、どのようにして提出活動を進めていけばいいのか分からず、手が止まってしまうこともあるでしょう。
履歴書や職務経歴書の書き方、求人の選び方、最適な転職活動のタイミングなど正しい知識をインプットすることは、転職活動において重要です。
加えて、ポジティブな休職理由を一緒に考えてもらうことも可能です。
模擬面接を通じて休職活動の伝え方や伝える内容をアドバイスしてもらうこともできますので、休職の事実が不利になることを避けられる点も、就職エージェントならではのメリットと言えます。
面接対策を徹底できる
休職を少しでも転職活動で不利にしないためにも、面接対策が重要であることを解説しました。先ほども解説した通り、就職エージェントでは模擬面接を実施してもらえますが、模擬面接は応募先の企業ごとの面接傾向を参考にした上で実施されるため、安心して本番の面接が受けられるようになります。
面接で緊張することなく自分のアピールをするためには、とにかく場数を踏むことが大切になってきます。納得のいくまで模擬面接をすることで転職活動を有利に進められるため、休職経験者には特におすすめできます。
よくある質問
最後に、休職中に転職活動を考えている人によくある質問を3つ取り上げて解説します。
休職中に転職活動はできない?
休職中であっても転職活動を進めることは可能です。
ただし、会社ごとの就業規則で休職中が転職活動について触れられている可能性もありますので、リスクを減らしたい人はあらかじめ就業規則を確認しておくことをおすすめします。
また、休職中に転職活動をしたとしても、面接対策や自己分析がしっかりできていれば、内定を獲得することは十分に可能です。
ただし、面接において休職している理由を聞かれることもありますので、面接官にネガティブに思われないためにも、ポジティブな休職理由をあらかじめ準備しておくことが大切です。
休職していることは転職先にバレますか?
休職の事実が転職活動でバレることは少ないと考えられますが、以下のようなケースで転職後に休職していた事実がバレることがあります。
- 源泉徴収票の年間給与額
- 傷病手当の申請
- 転職先の健康診断
- SNSの投稿
この中でも、転職先に提出する源泉徴収票の年間収入額から休職の事実がバレるケースが多いと言われています。
面接で休職していないと回答していた後に休職していたことがバレると、大きなトラブルになる可能性がありますので、面接で聞かれた際は休職の事実を隠さないように心がけましょう。
1ヶ月休職したあとに転職するのは可能ですか?
1ヵ月休職した後に転職することは可能です。
また、休職中であっても転職活動をすることができますが、休職中の転職活動では焦って次の転職先を見つけようとしてしまったり、生活費が厳しくなったりするなどのデメリットが考えられます。
自分にとってどのタイミングで転職活動すべきなのか迷っている人は、就職エージェントに相談をすることがおすすめです。
まとめ
休職中の転職活動が不利になるかは、個人が置かれた状況によって大きく変わってきます。
この記事で解説した不利になるかならないかの判断基準やタイミングを参考にして、転職活動をいつ進めていくのか検討するようにしてください。
また、休職経験者が転職活動を有利に進めるためには、自己分析や面接対策に取り組むことが重要になってきます。自分1人で転職活動を進めることに少しでも不安がある人は、就職エージェントの利用も検討してみましょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい