
フリーターの人の中には、親の扶養に入るのは恥ずかしいことなのではないかと感じている人もいるかもしれません。確かに世間の目から見ると、親の扶養に入っているフリーターは恥ずかしいと言われることもあります。
一方で、フリーターが親に入ることには金銭的なメリットが得られることもありますので、恥ずかしいと思われるからといって、一概に扶養から外れるといった選択が望ましいとも言えないでしょう。
この記事では、親の扶養に入ることが恥ずかしいと感じているフリーターが知っておくべき知識や対処法について解説します。
この記事の目次
フリーターが親の扶養に入るのは恥ずかしいと言われる理由
フリーターが親の扶養に入るのが恥ずかしいと言われる理由には、以下の4つのポイントが挙げられます。
- 自立していないと思われる
- 収入が低いと思われる
- 社会を知らないと思われやすい
まずはどういった観点で恥ずかしいと言われることがあるのかについて理解し、将来自分が扶養から外れるべきなのかどうかについて検討できるようになりましょう。
詳しく解説します。
自立していないと思われる
そもそも、扶養という言葉の意味は「自力で生活できないものの面倒を見て、養うこと」です。
例えば義務教育を卒業していない子供は、全員親の扶養に入ることになります。
これは、扶養の言葉の定義から考えれば、子供が物理的に自力で生活できないためと言うことができます。
この観点で言えば、フリーターである以上成人していることが大半のため、理論上は自力で生活できることになります。
そうした状況にあるにもかかわらず、親に面倒を見てもらうとともに養ってもらっている状況であることから、周囲の人から恥ずかしいと思われやすいと考えられます。
収入が低いと思われる
個人の価値観に大きく依存しますが、人によっては収入が高い人を尊敬すべき人だと感じ、逆に収入が低い人を恥ずかしい人だと判断するような基準を持っていることがあります。
親の扶養に入るということは、細かな壁はあるものの大枠で見れば年収換算で100万円台ということになります。つまり、フリーターで親の扶養に入っていると聞けば、その人は収入が低い人だと思われることになるでしょう。
もちろん年収がその人の全てを決めるわけではありませんので、収入が低いと思われたとしても、ネガティブに感じないフリーターもいるでしょう。
ただ収入で人の価値観を判断するような人からすると、親の扶養に入っていることで恥ずかしいと感じるケースも考えられます。
社会を知らないと思われやすい
親の扶養に入っているかどうかにかかわらず、フリーターという働き方に対して社会を知らない人という見方をする人もいます。
多くの人が正社員として仕事に向き合い、お金を稼いでいる状況にもかかわらず、フリーターとしてアルバイトで働いていることそのものに恥ずかしいと感じられることもあるでしょう。
これも個人の感覚に大きく依存する要素です。
見方によれば、フリーターであっても社会に出てお金を稼いでいることは間違いないため、社会を知らないわけではないと言えます。
しかし、人によっては正社員以外の働き方を認めていないような価値観を持っている人も見られますので、結果的にフリーターで親の扶養に入っていることが恥ずかしいと思われることもあります。
恥ずかしいと感じるかは個人の価値観が大きい
ここまでの解説で何度か出ている通り、フリーターで親の扶養に入っていることを恥ずかしいと思うかどうかは、個人の価値観によるものが大きいと言えます。
また、仮に誰かに恥ずかしいと思われたとしても自分の人生に影響するわけではなく、他人からの見られ方に関係なく人生を楽しんでいる人も見られます。
大切なのは、周囲の人から恥ずかしいと思われるか思われないかにかかわらず、自分がどうなりたいのかを考えた上で将来の選択をしていくことです。
このまま親の扶養に入り続けていていいのか、それとも自分の将来を見据えて扶養から外れるべきなのかについて、正しい知識を持った上で判断をしていく意識を持っておきましょう。
フリーターが親の扶養に入るメリット
フリーターが親の扶養に入ることで、以下のようなメリットを享受することができます。
- 経済的な負担が大幅に減る
- 社会保障のサポートを最大限に受けられる
- 親の近くで生活できる
このように、親の扶養に入ることで短期的なメリットを受けることが可能です。
後ほど解説するデメリットと合わせ、自分にとって納得のできる選択肢を選ぶようにしてみてください。
経済的な負担が大幅に減る
フリーターが親の扶養に入ることで、以下のようなお金の支払い義務から実質的に回避することが可能になります。
- 住民税
- 所得税
- 社会保険料
住民税は年収100万円以上になった時点で支払い義務が発生し、所得税は年収103万円、社会保険料は年収106万円(条件を満たす場合)もしくは130万円以上になった時点で支払い義務が発生します。
もし支払い義務が発生する状況になれば、それぞれ毎月数千円から数万円程度の支払いとなってきますので、家計上の経済的負担は避けられません。
しかし、親の扶養に入ることで、自分はこれらの税金や社会保険料の負担をする必要がなくなります。税金や社会保険料に対して良くない印象を持っているフリーターからすれば、大きなメリットだと感じられることでしょう。
社会保障のサポートを最大限に受けられる
フリーターが親の扶養に入ることで、各種税金や社会保険料を支払っていなくても社会保障のサポートを最大限に受けられるという大きなメリットも受けられます。
例えば健康保険料を支払っていなかったとしても、親の扶養に入っていれば健康保険証が発行されます。万が一病気にかかった場合であっても、健康保険証を提示して診察料を3割で抑えることが可能です。
他にも、通常社会保険料を支払っていなければ受けられないような様々なサポートをお金を払わずに受けられますので、生活をしていく上で他の人が受けられるサービスを同じように受けられるというのは嬉しいポイントと言えます。
親の近くで生活できる
親の扶養に入っているということは、親と同居しているか、同じ地域で生活していることが考えられます。親としても、子供を扶養をしていることで、子供と良い関係性を築きたいと思いやすくなるため、両親との関係性を良好に保ちやすくなるといったメリットも挙げられます。
親の扶養から外れて自分で生活しているような人の中には、1年間でもほとんど親と顔を合わせないようなこともあります。
親を尊敬していたり、家族愛を強く感じているような人は、扶養に入り続けて親のもとで生活していくというのも選択肢の1つとなるでしょう。
フリーターが親の扶養に入るデメリット
先ほどとは反対に、フリーターが親の扶養に入るデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- 劣等感を感じてしまう
- 自由に使えるお金に制限がかかる
- いつまでも経済的に自立できない
親の扶養に入ること自体は問題がありませんが、扶養に入り続けることにより、メリットよりもデメリットの方が大きくなっていくことが考えられます。
それぞれ詳しく解説しますので、内容をよく理解した上で今後も親の扶養に入り続けるのか、自分自身で再検討するようにしてみてください。
劣等感を感じてしまう
フリーターが親の扶養に入ることで、他人と比較して劣等感を感じてしまうかもしれません。
自分の周りの人が親の扶養から外れて経済的に自立しているのに、自分は親に頼っていることを恥ずかしいと思い、劣等感を感じるかもしれません。
自分自身に劣等感を感じてしまうと、行動が消極的になったり、新しい目標に挑戦したいという気持ちが薄れてしまったりと、自ら将来の選択肢を狭めるきっかけになるかもしれません。
加えて、人生に対してストレスを感じることもありますので、生きづらいと考えてしまうかもしれない点がデメリットとして挙げられます。
自由に使えるお金に制限がかかる
フリーターが親の扶養に入り続けるためには、年収の上限額が制限されることになります。
年収の壁はいくつかありますが、親の扶養に入り続けるためには一般的に年収を103万円以内に収めることが良いと言われています。
つまり、フリーターが親の扶養に入り続けるには、年収にして103万円、月収にして8.5万円までしか稼げなくなるということです。自分が自由に使えるお金が、扶養に入らない人に比べて少なくなってしまうということは明確なデメリットとなるでしょう。
趣味や娯楽に使えるお金に制限がかかってしまいますので、やりたいことができず、悶々として日々を生活しなければならないことにもつながります。
いつまでも経済的に自立できない
親の扶養に入っていることで、経済的に自立できなくなるといったデメリットもあります。
税金や社会保険料の支払いを免除される日々を送り続けていれば、精神的に税金や社会保険料を支払いたくないと感じてしまうかもしれませんし、そのまま正社員になることを選択肢から外してしまうこともあるでしょう。
また、ローンやクレジットカードの利用が自分1人では難しくなったりなど、日々の生活においてもできることが限られてしまうこともあります。
他にも、親に守られ続けて生活している状況に対して、焦りや言葉にできないつらさを感じることもあり、自分の人生を自分が思ったように歩めていないと考えてしまうこともあるかもしれません。


フリーターが親の扶養に入るには?手続きの流れ
フリーターが親の扶養に入るために知っておくべき手続きの流れや条件について理解しておきましょう。
特に、親の扶養に入るためには自分の収入が一定金額未満であることが必須条件となっていますので、手続きの流れと合わせて確認することをおすすめします。
被扶養者になるための条件
親の扶養に入っている人のことを、被扶養者といいます。
被扶養者になるためには、自分が扶養に入ろうとしている親の実の子供、もしくは養子である必要があります。
その上で、親の扶養に入れるかどうかは以下のような収入条件が設定されています。
- 自分の年収が130万円未満であり、かつ親の収入の2分の1未満であること
- 親が60歳以上の場合、もしくは障害厚生年金を受け取れる程度の障害者の場合は、自分の年収が180万円未満であり、かつ親の収入の2分の1未満であること
- 自分の年収が130万円未満であり、かつ親からの仕送り額より少ないこと
- 親が60歳以上の場合、もしくは障害厚生年金を受け取れる程度の障害者の場合は、自分の年収が180万円未満であり、かつ親の収入の2分の1未満であること
分かりやすくイメージするのであれば、親がまだ定年の年齢に達していない状態で扶養に入るためには、自分の年収を130万円未満に抑える必要があることと言えます。
もし1円でも年収がオーバーしてしまうと親の扶養に入ることができませんし、もし親の扶養に入っていた場合は、扶養から外れることになりますので注意してください。
手続きに必要な書類
親の扶養に入るためには、以下の書類が必要になります。
- 被扶養者異動届
- 被扶養者状況届
- 収入の有無を証明する書類(16歳以上は提出必須)
- 所得証明書(直近2年で働いていない場合も提出必須)
- 直近3ヶ月分の給与明細のコピー
- 就労証明書
必要書類は市役所や現在勤めているバイト先、親が加入している健康保険組合のサイトなどから取得することができます。
住んでいる市区町村によって提出書類が異なる場合もありますので、どうしても分からない場合は市役所に問い合わせることもおすすめです。
手続きの期間や書類の提出先
フリーターが親の扶養に入りたい場合は、手続きを行う時期に注意する必要があります。
扶養に入るための手続きは、親が子を扶養することになった事実が発生した日から5日以内に手続きをしなければなりません。
つまり、フリーターになって年収が扶養に入るための条件を満たしたことが発覚してから、速やかに手続きを行う必要があるということです。
個人の年収の計算期間は1月1日から12月31日までとなっていますので、9月や10月ごろになったら親の扶養に入れる年収かどうかが分かるはずです。
また、書類の提出先としては以下の二通りが考えられます。
- 全国健康保険協会の事業所:管轄の年金事務所または事務センター
- 組合健保の事業所:会社を管轄する健康保険組合
書類の提出先を間違えないためにも、日本年金機構や健康保険組合のホームページを確認しておきましょう。
どうしても不安な場合は問い合わせをしても問題ありませんが、提出期限が5日以内ということはあらかじめ注意しておいてください。
フリーターが親の扶養に入ると健康保険はどうなる?
健康保険とは公的な医療保険制度であり、原則的に日本国民である以上は全員が加入することが義務付けられています。
そこで気になるのが、フリーターが親の扶養に入る場合は健康保険の取り扱いがどうなるのかといったポイントです。
ここからは、フリーターが親の扶養に入った後、健康保険がどうなるのかについて解説します。
親の健康保険組合の健康保険証が発行される
フリーターが親の扶養に入ることで、親が加入している健康保険組合の健康保険証が発行されることになります。
会社員として働いている人であれば、従業員と会社がそれぞれ50%ずつ健康保険料を支払って、健康保険に加入できるようになります。
しかし、被扶養者の場合は健康保険料を自分で支払う必要がなくなりますので、健康保険料を払うことなく、国の健康保険制度を利用できるといったことになります。
発行された健康保険証には扶養者の名前が書かれることもありますので、健康保険証を提出したときに、自分が被扶養者であることがバレてしまうことがある点には注意が必要です。
通常通り3割の負担で医療サービスが受けられる
親の扶養に入ることで、健康保険料の支払いをすることなく健康保険証が発行されることになりますが、発行された健康保険証は、通常通り3割の負担で医療サービスが受けられるため安心してください。
親の扶養に入っているからといって、受けられる社会保障サービスに差はありません。
今まで会社員をしていた人がフリーターになって親扶養に入ったとしても、健康保険については特に影響しないということを覚えておきましょう。
年収が130万円を超えないように注意が必要
先ほど解説した通り、フリーターが親の扶養に入るためには、自分の年収が130万円未満である必要がありますが、もしこの年収を超えてしまうと自分で健康保険料を支払う必要が出てきますので、注意しなければなりません。
健康保険料を支払うためには、勤め先のバイト先で社会保険に加入するケースと、自分自身で国民健康保険料を支払うケースの2パターンに分かれます。
それぞれ、保険料の支払い方や受けられる保障内容に違いがあります。
どちらが優れているといった事はありませんが、一般的には会社の健康保険に加入する方が、健康保険料を毎月天引きしてもらえるため支払い忘れがないという理由で安心できると言われています。
フリーターが扶養に入ると親はいくら控除される?
フリーターが親の扶養に入るかどうか考える上では、「扶養控除」についても理解しておくと良いでしょう。
ここでは控除について詳しく解説しますので、親の生活のことも考えた上で扶養に入るか検討したい人は理解しておいてください。
そもそも控除とは
親は自分の子供を扶養に入れることで、「扶養控除」の制度を受けることができます。
扶養控除とは、自分に扶養している子供や配偶者がいる場合、自身の所得から一定額を差し引くことができることを言います。
日本には様々な税金がありますが、メジャーとも言われる所得税などは、1年の所得額に応じて税率や納税金額が算出されます。
所得とは、年収から給与所得控除を差し引いた金額であり、会社員である以上は特別な方法を使わない限り所得を減らすことはできません。
しかし、自分が扶養者を養っている場合は、所得からさらに数十万円を差し引けるようになるため、結果的に税金の負担が減るといった仕組みになっています。
年間5〜17万円は親の税金が控除される
フリーターが親の扶養に入ると、親は扶養控除を適用できるようになりますので、税金の負担が減るという解説をしました。
具体的に親の負担が減る金額としては、扶養に入る自分の年齢にもよりますが、おおよそ年間5〜17万円と試算できます。
このように、フリーターが親扶養に入ることで自分自身は健康保険料の支払いが必要なくなりますし、親からすれば親が支払う税金額を減らすことができますので、両者に金銭的なメリットがあると言えるでしょう。
控除し続けるためには年収103万円を超えないよう注意
社会保険では、フリーターである自分の年収が130万円未満であることが求められていますが、扶養控除の観点では、フリーターである自分の年収は103万円を超えてはいけなくなりますので注意が必要です。
いわゆる103万円の壁と呼ばれている問題であり、自分の年収が103万円を1円でも超えてしまった場合は扶養親族の対象から外れることになります。
1円でも超えたら親の税負担が増えることになりますので、年末に近づくにつれて自分のバイトのシフトをうまく調整していくことが大切です。
※2025年1月時点
親の扶養に入るのが恥ずかしいと感じたフリーターの対処法
このまま親の扶養に入り続けることが恥ずかしいと感じたフリーターには、以下のような対処法が考えられます。
- 就職エージェントで正社員就職する
- 正社員登用で正社員になる
- フリーターのまま親の扶養から外れる
いずれかの対処法に取り組むことで、親の扶養から外れて生活できるようになります。
これまで解説したメリットやデメリットと照らし合わせ、どうしていきたいのか考えるようにしてみてください。
就職エージェントで正社員就職する
親の扶養から外れたいのであれば、正社員就職を目指すのが最も効率が良いと考えられます。
特に就職エージェントを活用して就職活動をすることで、以下のようなサポートを受けられるようになりますので、素早く正社員を目指せるでしょう。
- キャリア面談
- 自分に向いてる求人の紹介
- 履歴書の添削
- 模擬面接の実施
- 企業への推薦文の作成
キャリア面談を経て、自分の強みが活かせる求人を紹介してくれるようになりますので、応募する求人をどこにするか悩む時間を大幅に減らすことが期待できます。
加えて、フリーターでも採用してもらえる求人を中心に紹介してくれるため、今まで正社員として働いたことがないフリーターであっても、正社員の内定を獲得しやすくなるでしょう。
他にも、就職エージェントを使えば専任のアドバイザーが担当についてくれますので、就職活動の基本的な流れや注意すべき点を基礎から教わることができます。
初めての正社員就職が不安と感じるフリーターこそ、就職エージェントを活用してみることをおすすめします。
正社員登用で正社員になる
フリーターが正社員になるもう一つの方法としては、正社員登用制度を利用することが挙げられます。
正社員登用制度とは、アルバイトやパートなどで働いている非正規雇用の人を対象にして、正社員に雇用切り替えを行う制度のことを言います。
フリーターが正社員登用制度を利用すれば、今までバイト先で習得してきた業務スキルをそのまま活かす形で正社員に転向することが可能です。
仕事を覚える手間を省けるだけでなく、働き方のイメージがつきやすいため、正社員になった後も長く働いていくことができるでしょう。
ただし、正社員登用制度はどのようなバイト先にもあるわけではありません。
店長や社員に聞いてみて、自分の働いているバイト先で正社員登用制度があるかを確認することから始めてみてください。
以下の記事では、正社員登用制度以外にもフリーターから正社員になる方法を解説しているので、あわせて読んでみてください。
フリーターのまま親の扶養から外れる
正社員就職をしなくても、フリーターのまま親の扶養から外れることは可能です。
具体的には、年収130万円以上を目安に稼ぐことができれば、原則親の扶養から外れることになります。
この場合、今の働き方を維持してもそのまま親の扶養から外れることが可能になるため、就職活動をしなくて良いといったメリットがあります。
一方、フリーターという収入が不安定な働き方をしたまま扶養から外れることになりますので、税金や社会保険料の負担が大きく感じるかもしれない点は認識しておく必要があります。
総じて、フリーターが親の扶養から外れるためには、正社員就職を目指すのが良いと考えられます。
もし今働いているバイト先に正社員登用制度がなかったり、別の仕事に挑戦したいと考える場合は、フリーターの就職支援に強い就職エージェントに登録してみることから始めてみてください。
親の扶養に入らず正社員になるメリット
親の扶養に入ることで、健康保険料の支払いがなくなったり、親は税負担が軽くなったりなどのお金の面でメリットがあるという解説をしましたが、そもそも親の扶養に入らず正社員になることにも以下のようなメリットがあります。
- 長期的に見た時の収入が増える
- 社会人としてのキャリアとスキルが身に付く
- 親を安心させられる
これらのメリットをしっかりと認識した上で、本当に親扶養に入るのか、それとも正社員になるのかを検討してみてください。
長期的に見た時の収入が増える
親の扶養に入らず正社員になることで、稼げる年収の上限を気にしなくて良くなるといったメリットがあります。
確かに親扶養に入ることで、月々1万円〜2万円程度の健康保険料を支払わなくて良くなりますが、正社員になった方が毎月それ以上多く稼ぐことも十分に可能です。
また、フリーターと正社員の生涯賃金には約1億6,000万円も差があることが厚生労働省の調査からも分かっていますので、長期的に見たときの収入が大きく変わるという点は正社員になるメリットと言えるでしょう。
社会人としてのキャリアとスキルが身に付く
フリーターは、業務で身に付けられるスキルが正社員に比べて少ないといった特徴があります。正社員になることで様々な業務経験を積めるだけでなく、将来的に転職をする際のキャリアとしてアピールポイントにすることも可能になります。
社会人としてのキャリアとスキルを身に付けることができれば、どんどん年収の高い職場に転職していけるだけでなく、自分の性格に合った仕事でのびのびと働く毎日を過ごせるようになるでしょう。
働くことを生活するための手段としてだけでなく、自分自身を成長させるための方法として捉えられるという点も、正社員になるメリットとして挙げられます。
親を安心させられる
親の扶養に入らず自立して生活することで、親を安心させられるというのも大きなメリットと言えます。
どんな親であっても、自分の子供には幸せになってほしいと考えるものです。
もし自分の子供がいつまでも親元を離れられていない状態であれば、「自分がいなくなった時、子供はどうなってしまうのか」という不安を常に感じ続けなければなりません。
扶養から外れるということは、自分1人で生きていく決意とも捉えられます。
親孝行をしたい人や、少しでも親に安心して生きてほしいと考える場合は、すぐにでもフリーターから正社員を目指すことをおすすめします。
フリーターが親の扶養から外れる方法も知っておこう
親の扶養に入る方法だけでなく、親の扶養から外れる方法も知っておいた方が後々迷わなくて済むでしょう。
親の扶養から外れる場合も健康保険や年金の手続きが必要になりますので、それぞれ詳しく解説します。
被扶養者の異動手続き
被扶養者であったフリーターが正社員として就職した会社の社会保険に加入する場合、親が被扶養者の異動手続きを申請する必要が出てきます。
そのため、フリーターが正社員として就職が決まった場合は、出来る限り早く扶養してもらってる親に相談し、親の勤め先である会社で手続きをしてもらえるよう行動する必要があります。
なお、親が行う手続きでは、自分がこれまで被扶養者として使っていた健康保険証を返却する必要がありますので、あらかじめ親に自分の今まで使っていた健康保険証を渡しておくと良いでしょう。
健康保険資格喪失証明書の準備
親が勤め先で異動手続きを済ませると、被扶養者である自分がこれまでの健康保険証を使えなくなった証明として、「健康保険資格喪失証明書」が発行されます。
この証明書は、転職手続きや自分で国民健康保険の加入をするときに必要になってくる重要な書類ですので、なくさないように保管しておくことが重要です。
健康保険や年金の加入手続き
親の扶養から外れて正社員になる場合は、基本的に職場の社会保険に加入することになりますので、年金や健康保険の手続きを自分で行わなくて問題ありません。
会社から必要書類の提出を求められますので、期限内に提出を行いましょう。
もし就職をしていなかったり、就職先が社会保険加入の条件を満たしていないような職場であった場合は、自分自身で国民年金や国民健康保険の加入手続きをする必要があります。
面倒だからといって年金や健康保険の手続きを後回しにしていると、後からさかのぼってお金を支払う義務が発生してしまいますので、できる限り早く対応していきましょう。
よくある質問
最後に、親の扶養について考えているフリーターによくある質問を3つ取り上げて解説します。
フリーターが103万円を超えると扶養から外れますか?
フリーターが年収103万円を超えてくると、親の扶養から外れるラインを超すことになります。
それだけでなく、所得税が課税されるようにもなりますので、自分自身の金銭的な負担が出てくることを認識しておいてください。
合わせて、親の扶養から外れるということは、親自身の税負担が増えてしまうという点にも注意が必要です。もし計画的に103万円以上の年収を稼ごうとする場合は、あらかじめ親にその意思を相談しておくことをおすすめします。
フリーターで親の扶養に入っていたらどうなる?
フリーターで親の扶養に入っている場合は、税金や社会保険料の支払いが自分自身では必要なくなります。そのため、フリーターとして稼いだお金をそのまま自分のお金として使うことが可能です。
一方、親の扶養に入っていることで稼げる収入に制限が出てきたり、周囲の人から良い印象を抱かれづらくなるといったデメリットもあります。
フリーターが親の扶養に入り続けることには、メリットとデメリットの両方がありますので、それぞれのポイントを理解した上で選択していくことが大切です。
フリーターは何歳まで親の扶養に入れる?
親の扶養に入れる年齢には制限がありません。
そのため、親が一定の水準を稼ぎ続けている以上、何歳でも親の扶養に入り続けることができます。
ただし、親がいつまで健康に働けるかは誰も知る術がありません。
いつまでも親の扶養に入り続けようとするのではなく、いつまでに親の扶養から外れるのかといった目標を決め、正社員を目指すことをおすすめします。
まとめ
フリーターが親の扶養に入ることは恥ずかしいと言われがちです。
しかし、結局のところ恥ずかしいと感じるかどうかは、個人の価値観によるものが大きいため、現在フリーターの人は扶養に入り続けるメリットとデメリットをしっかりと認識することが大切です。
もし親の扶養から外れて自立していきたいと考えるのであれば、就職エージェントを使って正社員就職を目指しましょう。
フリーターを専門に就職支援している就職エージェントであれば、数ヶ月で正社員になることも可能です。登録や利用に料金はかかりませんので、気になるサービスを見つけたら、まずは登録から始めてみてください。




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