フリーターの中には、税金の支払いがきついと感じている人も多いのではないでしょうか。
フリーターであっても、年収が一定の水準を超えてくると社会保険料や住民税、所得税など各種税金の支払いが必要になってきます。月額にして数万円になることがありますので、収入によっては税金の支払いで家計がきついと感じているフリーターも少なくないでしょう。
この記事では、税金の支払いがきついと感じたフリーターが取り組める対処法を5つご紹介します。損をしないための知識も解説しますので、税金の支払いに困っているフリーターの人は参考にしてみてください。
この記事の目次
フリーターが支払うことになる税金
フリーターが支払うことになる税金を一覧にすると以下の通りです。
種類 | 対象 | 概要 |
---|---|---|
所得税 | 年間収入103万円以上 | 自分が稼いだ所得に対してかかる税金 |
住民税 | 前年の収入が100万円以上(都道府県によって違いあり) | 自分が住んでいる都道府県に対して支払わなければならない税金 |
健康保険 | 原則年間収入130万円以上 | 医療機関での自己負担割合を一定に抑えられる保険制度 |
年金保険 | 20歳以上60歳未満の国民全員 | 年金制度を維持するためのお金 |
その他消費税や酒税、たばこ税等 | 対象となる商品を購入した人 | フリーターに関係なく、所定の商品を購入した際にかかる税金 |
このように、フリーターは様々な税金を支払わなければなりません。
特に健康保険や年金保険は毎月数万円単位で支払いが必要になってきますので、収入によっては家計的にきついと感じることもあるでしょう。
税金の支払いがきついフリーターの対処法5選
税金の支払いがきついと感じたフリーターが取れる対処法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 役所に相談する
- 親に相談して援助してもらう
- シフトを増やす
- 社会保険に加入できるバイト先を探す
- 正社員になる
それぞれ詳しく解説します。
役所に相談する
フリーターが税金の支払いがきついと感じたのであれば、まずは役所に相談するのがおすすめです。自分の住民票がある役所に行き、所定の窓口で相談することにより、自分の状況に応じた対応を認めてくれることがあります。
例えば、一括で支払わなければならない税金に対してまとまったお金を用意できない場合は、分割での納税対応をしてくれることがあります。
一度に支払わなければならないお金が減りますので、現在の収入状況でもやりくりできる可能性があります。
また、バイト先から解雇されてしまったなど、一時的に収入がなくなってしまったような場合は、税金の支払い猶予の対応をしてもらえることもあります。
税金の支払い猶予を受けられれば納税期限が長引きますので、お金を工面しやすくなるでしょう。
もし役所側で税金の支払いが厳しいと判断されれば、納税しなければならない金額を一部または全部免除してくれることがあります。税金の免除はハードルが高いものの、相談をする価値はあると言えます。
親に相談して援助してもらう
役所に相談しても、税金の分割や免除といった対応をしてもらえなかった場合は、親に相談して一時的に援助してもらうのも対処法の1つとなります。
親に税金の支払いを立て替えてもらうことができれば、特に手続きすることがなく納税をすることが可能です。
もちろん、いつまでも親に借りたままでは経済的に自立できているとは言えなくなりますので、相談の上いつ返すのか決めておくようにしましょう。
ただ、親も親の生活がありますので、いきなりお金の相談をするのは避けるのが無難です。
最低でも1ヵ月以上納税期限に余裕がある状態で相談し、親の負担を出来る限り減らせるよう意識してみてください。
シフトを増やす
税金の支払いがきついのであれば、自分が稼げるお金を増やすというのも対処法の1つとなります。
そもそも税金の支払いがきついということは、支出に対して収入が追いついていない状況と言えますので、シフトを増やして収入を増やすことも検討すべきでしょう。
ただし、シフトを増やす場合は納税期限から逆算することが大切です。
基本的にバイトでは働いた月の翌月に給料を受け取ることができますので、もし今月が納税期限にもかかわらず今月分のシフトを増やしていては、結果的に税金の延滞につながることがあります。
税金の支払いがきついと感じているフリーターは、常に納税期限を意識してお金周りのことを考えるようにしてください。
社会保険に加入できるバイト先を探す
フリーターの中には国民保険に加入している場合もあるでしょう。
そもそも国の制度には社会保険と国民保険の2つが存在しており、社会保険に加入できない人が国民保険に入ることになります。
社会保険と国民保険で大きく異なる点として、健康保険料の負担の方法が挙げられます。
国民保険の場合は、都道府県によって計算された健康保険料を全額自分で支払う必要がありますが、社会保険の場合は、自分が支払わなければならない健康保険料を会社と折半して支払うことになります。
収入や年収にもよりますが、場合によっては社会保険に加入した方が保険料の負担金額が減ることもありますので、税金の支払いを多少なりとも緩和することが期待できます。
社会保険は正社員しか加入できないと思われがちですが、以下の条件を全て満たすことでフリーターでも社会保険に加入することが可能です。
- 勤め先の従業員が51人以上
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8.8万円以上
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
これらの条件を満たすバイト先に入ることができれば、社会保険に加入して税金の負担を減らすことが期待できます。
ただし、税金の金額は都道府県によっても異なってきますので、少しでも不安な人はあらかじめ役所に相談しておくと良いでしょう。
正社員になる
税金の家計負担を和らげられるだけの収入を増やすことに加えて、社会保険に加入するという観点で言えば、正社員になるのが最も効果的な対処法と言えます。
一般的にフリーターよりも正社員の方が稼げる収入は高いと言われています。
加えて、フリーターが正社員になることで社会保険に加入できるようになるため、健康保険料の半額を会社に負担してもらえるようになります。
収入が増え、税金に対する支出が減ることが期待できることから、結果的にフリーターとして稼ぐよりも金銭的な余裕を持って生活できるようになることもあるでしょう。
税金の支払いがきついフリーターが避けるべき行動
いくら税金の支払いがきついからといって、以下のような行動は避けるようにしてください。
- 支払いを意図的に避ける
- 消費者金融で納税資金を借りる
- 友人からお金を借りる
これらの行動をとってしまうと、最悪のケースとして今後の人生において少なくない悪影響をもたらすことがあります。それぞれ詳しく解説します。
支払いを意図的に避ける
税金の支払いがきついからといって、督促状や請求書を無視して意図的に納税しないことは避けてください。
一度でも納税義務が発生し、納税義務の免除が認められない場合は、そのお金を支払うまで税務署からの連絡が続きます。
それだけでなく、一定期間を超えても納税をしていないと、銀行口座の預金が差し押さえられたり、自分の資産を差し押さえられて強制的に納税させられるといったことも考えられます。
税金の支払いを意図的に避けたところで、納税義務から逃れられることはありません。
どうしても税金が支払えないのであれば、先ほど解説した通り、最寄りの役所に行って相談をしてみてください。
消費者金融で納税資金を借りる
税金の支払いをどうにかするために、納税資金を消費者金融で借りるようなことは可能な限り避けましょう。
確かに消費者金融でお金を借りれば、一時的に納税をすることができますので焦る気持ちから解放されることが可能です。
しかし、消費者金融でお金を借りると金利の支払いが発生してしまうため、結果的に納税するお金以上に支出が発生してしまいます。
また、消費者金融でお金を借りることに慣れてしまえば、納税の都度消費者金融でお金を借り働いたお金で消費者金融にお金を返すような自転車操業になりかねません。
金利の支払いも相まって、やがて家計が回らなくなることも考えられます。
どうしてもお金を借りて納税を乗り越えたい場合、まずは親に一時的にお金を貸してもらえないか相談してみるのが良いでしょう。
もし親の支援を得られない場合は、そのことを踏まえて役所に相談してみてください。
友人からお金を借りる
親に納税資金を借りれないからといって、友人からお金を借りるようなことは可能な限り避けましょう。いくら少額であっても、納税のためにお金を貸して欲しいと相談した時点で、友人から悪い印象を持たれてしまうことがあります。
それだけでなく、相談した友人が別の友人に話してしまい、自分の交友関係に悪い影響を与えることも考えられます。
人によってはお金を借りるということを簡単に考えているかもしれませんが、お金を貸してほしいと言われた時点で、その友人のことを信頼できなくなってしまうような人も見られます。
これまでと変わらず友人との関係性を維持していきたいのであれば、納税のためのお金を借りる相談は避ける方が良いでしょう。
フリーターが正社員になるメリット
税金がきついと感じているフリーターであれば、正社員になって収入を増やすことを目指すことがおすすめです。
正社員になることには、フリーターよりもお金が稼ぎやすいといったメリットがありますが、それ以外にも以下のようなメリットがあります。
- フリーターよりも税金や保険料の支払い負担が減る
- 雇用が安定する
- スキルを身につけて収入を増やしていける
- 社会的信用が高まる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
フリーターよりも税金や保険料の支払い負担が減る
フリーターが正社員になることで、税金や保険料の支払い負担が減るケースがあります。
国民保険に加入しているフリーターが正社員になることができれば、社会保険に加入することになります。
社会保険においては、健康保険料の半額を企業が負担し、残った半額を自分が負担するようになるため、フリーターとして納税していた時よりも健康保険料の支払いが減ることがあります。
また、所得税の適用料率が変わることで、正社員になった方が税金負担が減るケースも考えられます。
このように、税金の負担を減らせるという観点でも、フリーターが正社員になるメリットは大きいと言えます。
雇用が安定する
フリーターは自分が好きなように働けるといった自由度の高い働き方である反面、正社員より雇用が不安定といった特徴があります。また、たとえ解雇されていなくても、何らかの理由でシフトに希望通り入れなくなれば、収入が減るといったこともあるでしょう。
一方、正社員として就職することができれば、基本給を安定して毎月もらうことができます。
加えて、正社員はフリーターのように突然解雇することはできないよう法律で定められているため、雇用が安定するといった点もメリットとして挙げられます。
雇用が安定し、毎月決まったお金が入ってくる状態を作ることができれば、家計の見通しが立ちやすくなります。
加えて、正社員の場合はあらかじめ税金が天引きされた状態で給料が振り込まれるため、税金の支払い忘れを防げるという点も嬉しいポイントの1つです。
スキルを身につけて収入を増やしていける
正社員として業務に取り組むことで、キャリアでアピールできるスキルを身に付けられるようになります。
正社員の領域においては、スキルを身に付けて転職活動をすれば、年収を大きく引き上げていくことが可能です。
アルバイトの場合、昇給しても時給が数十円程度しか上がらないことがほとんどですが、正社員の場合は、年収単位で数十万円から数百万円アップすることも珍しくありません。
収入を増やすことができれば、税金の支払いをした後も手元にお金が多く残るようになりますので、余裕のある生活が実現できるでしょう。
社会的信用が高まる
フリーターが正社員になると、社会的信用が高まるといったメリットもあります。
社会的信用とは、経済力や地位によって裏付けされた信用度合いのことを指し、一般的にフリーターよりも正社員の方が社会的信用が高いと言われています。
社会的信用が高いことで、金融機関のローン審査に通りやすくなったり、異性からの目が好意的に変わったりなど、プライベートにおいて様々なメリットにつながることがあります。
お金だけでなく、ライフイベントを充実させていきたいのであれば、正社員を目指すことがおすすめです。
税金がきついと思っているフリーターが正社員を目指す方法
フリーターがこれから正社員を目指すのであれば、以下の方法で就職活動を進めていくことになります。
- 就職エージェントを活用する
- 求人サイトを使う
- ハローワークで求人を探す
それぞれの特徴について解説しますので、どうやって正社員を目指していくべきなのか考える材料にしてみてください。
就職エージェントを活用する
フリーターが正社員を目指すのであれば、就職エージェントを活用するのが最もおすすめです。就職エージェントに登録することで、専任のアドバイザーが担当につき、自分の就職活動を全面的にサポートしてくれるようになります。
また、就職エージェントは自分のスキルや強みが発揮できる求人を紹介してくれますので、仕事探しに迷いにくくなり、内定をもらうまでのスピードを早めることが期待できます。
サービスの登録から利用まで全てお金はかかりませんので、気になる就職エージェントを見つけたら、まずは登録をしてみると良いでしょう。
求人サイトを使う
求人サイトを使っても就職活動を進めることができます。
求人サイトに登録することで、掲載されている求人すべてに応募できるようになります。また、応募後は企業と直接やりとりをして就職活動を進めていくことになる点が特徴です。
数多くの求人の中から応募先を検討できますので、自分が就職先に求める条件にフィットした会社を見つけやすいといったメリットがある反面、内定獲得まで全て自分1人で就職活動を進めなければならないため、就活初心者には若干難易度の高い就活方法だと言えます。
もし求人サイトを使って就職活動を進めていきたいのであれば、まずは就職エージェントに登録し、就職活動の流れをインプットした上で求人サイトを併用するといった進め方が良いでしょう。
ハローワークで求人を探す
最寄りのハローワークに行くことでも、就職活動をスタートすることができます。
ハローワークで求職申込をすることで、ハローワークに掲載されている求人に応募できるだけでなく、ハローワークの職員に就職相談が可能になります。
不定期に就活セミナーも実施されていますので、初めて就職活動をするようなフリーターにおすすめです。
ただし、ハローワークには企業が無料で求人掲載できるということもあり、どの求人に応募していいか分かりづらいといった恐れがあります。
自分がどういった求人を探したいのか条件を明確にできていない場合は、ハローワークの求人の多さがデメリットになることも考えられますので注意が必要です。
以下の記事では、上記の3つの方法以外の正社員になる方法を説明しているので、併せて読んでみてください。
まとめ
税金の支払いがきついと感じているフリーターは、まず役所や親に相談をしてみるのがおすすめです。
状況によっては役所で税金の分割や支払い猶予、免除といった措置を認めてくれることもありますので、自分の住民票がある役所に足を運んでみてください。
また、収入を増やして税金の負担を今よりも減らすといった観点では、正社員を目指すことがおすすめです。
就職活動に自信がないフリーターの場合は、就職エージェントを活用して効率よく正社員を目指すことも検討してみましょう。