休職していることを転職で言わないとどうなる?休職について伝える場合はどうやって話す?と疑問に思っている方に向けて、この記事では休職していることを転職で言うべきか、伝えるタイミング、伝え方の例文を紹介します。
休職中に転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
転職活動中、休職中だと言わない方がいい?
自身が休職理由を言いたくない場合、転職活動において休職中であることを言わなくても問題ありません。ただし、面接で聞かれた際や入社までには休職していた旨を伝えておいた方が転職後の仕事がスムーズに進む場合もあります。
ここでは、転職活動中に休職中であることを応募先企業へ伝えるべきか悩んでいる方に向けた情報をまとめました。
休職中であることが不利になることも
休職理由によっては、面接の選考において不利になることもあります。
留学等のスキルアップや自己啓発を目的とした前向きな休職がある一方で「休職中=精神面などの体調不良」というイメージを持つ人も多い傾向があり、後者のイメージを持たれてしまうと面接の際に不利になる可能性が高いです。
また、就業規則で休職中の転職活動を禁止している企業もありますので、発覚した際にトラブルへと繋がる可能性も考えられます。
休職中であることは決して悪いことではありませんが、転職活動において不利になる場合も少なくないため、面接でどのように休職中である旨を伝えるか等の事前対策が必要となります。
理由の伝え方次第では不利にならない
前述では「休職=不利になることもある」とお伝えしましたが、休職理由の伝え方次第で不利となるリスクを減らすことができます。
採用側は一般的に長く働いてくれる人を求める傾向がありますので、休職中である理由を客観的な内容で明確に説明し、転職後は長く働くことができる旨を主張することが大切です。
また、復職ではなく転職を選んだ理由も説明できるよう考えておくこともオススメします。
休職中であることを不利とは思わず、休職経験をこれからの仕事にどう活かしていけるかを考えるなど前向きに転職活動に取り組みましょう。
入社前までには休職中であることは言った方がいい
転職活動中は面接で聞かれない限り休職中であることを言わなくても問題ありませんが、転職後に何らかのタイミングで知れ渡ってしまう可能性があります。
そのため、入社前には自分から人事担当や上司となる人に休職中であったことを伝えておくと安心です。
言わないまま入社した場合、入社手続きに必要な書類提出等で休職中であることがバレて不信感へと繋がってしまう可能性も考えられます。
休職中であることが内定先の企業にバレてしまうきっかけは以下が挙げられます。
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 住民税の金額額
- 傷病手当の申請
- リファレンスチェック
- 雇入時健康診断
- 履歴書
- SNS投稿
休職していることを転職で言わないとどうなる?
休職していたことを転職先へ必ず言わないといけないという法的義務はありません。しかし、言わずに入社したがリファレンスや提出書類等で休職していたことがバレてしまい、不信感に繋がったり、休職理由が仕事に支障をきたす場合は内定取り消しになる可能性もあります。
ここでは、休職中であることを転職先に言わないまま入社した際に考えられるデメリットについて紹介します。
信用を失う
面接から内定をもらう過程で休職に関する確認が無かったとしても入社後に休職中であることを知られた場合、会社からの信用を失う恐れがあります。
せっかく転職先の企業で働きぶりが評価されていたとしても、休職していたことを言わずにいたことで信用を失い、これまでの努力が水の泡となってしまうこともあるかもしれません。
近年、採用候補者の前職企業へ連絡をとり職務経験や人柄について第三者にヒアリングする「リファレンスチェック」を行う企業が増加傾向にあり、そこで休職歴がバレてしまうケースもあります。
リファレンスチェックは任意で断ることも可能で「労働契約法16条」により内定を取り消される心配もありませんが、断ることで“何らかの問題を抱えている可能性がある”と思われてしまう可能性も高いです。
休職していることを転職の際に伝えないことは、様々な場面で信用を失ってしまうリスクが存在してしまうことになります。
参考文献:厚生労働省:「労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令・ルール」
内定取り消しになる可能性がある
一般的に休職中であることを伝えていなかったという理由だけで内定が取り消しになることはありません。
ただし、休職理由によっては「業務に支障を与える可能性がある」と判断され、内定が取り消しになってしまう可能性があります。
内定取り消しが認められる理由には以下の例があげられますので、自身の休職理由が該当するかどうか今一度確認してみましょう。
- 経歴詐称
- 内定後の犯罪行為
- 内定後に業務に支障を与える病気や障がいの発覚
- 経営状況の悪化
休職していることを転職で言った方がいい場合
休職中であることを面接で伝えてしまうと選考で不利になってしまうという不安があるかもしれませんが、以下のケースでは休職中であることを伝えた方がスムーズに転職活動を進めることができるかもしれません。
面接で聞かれた場合
面接で現在の就業状況について確認された場合は、休職中であることを正直に伝えた方が良いでしょう。
ごまかすような嘘の言い方は相手企業に不信感を与えてしまう可能性も高いので正直に休職していることを伝え、既に休職する必要がない状況であればその旨も伝えましょう。
事前に面接で聞かれた時のことを想定した返答内容を考えておくことで、落ち着いて対応できるかもしれません。
就業状況について聞かれた時はネガティブな理由にならないように気をつけて、長期的に働くことができる等の前向きな話をすることも大切です。
止むを得ない理由の場合
止むを得ない理由で休職し、転職活動を行っている時も応募先の企業に休職中であることを正直に伝えておくことをオススメします。
止むを得ない休職理由としては、以下が挙げられます。
- 傷病
- スキルアップ目的の留学
- 介護
- 起訴による刑事手続の対応
- 別の会社へ出向
傷病による休職は転職後に支障なく働くことができる旨を伝えるなど、今後の業務への影響について前向きな言葉で正直に伝えることが大切です。
配慮してもらう必要がある場合
就業時間中に通院が必要になる場合や対応できない業務がある場合は、面接や選考の段階で転職希望先の企業へ伝えておくことで理解を得やすくなります。
面接で伝えるタイミングを逃さないためにも、応募時に履歴書や職務経歴書に理由を添えて休職していた旨を書いておくと良いかもしれません。
無理せず働くことができる会社に出会うためにも、必要とする配慮内容を明確化して転職先の企業へ伝えるようにしましょう。
休職中であることの伝え方
応募先の企業に休職中であることを伝えるにはタイミングや伝え方にいくつかの方法があります。
ここでは、例文と共に休職中であることを伝える際の方法やポイントについて紹介します。
履歴書に書く方法
履歴書に休職中であることを必ず記載する必要はありません。
ただし、業務において配慮が必要な場合や自分のタイミングで伝えることが難しいと感じる場合などは事前に履歴書や職務経歴書に休職中であることを理由を添え書いておくという方法もあります。
履歴書に記載する時は「職歴」「特記事項」の欄に記載し、職務経歴書は時系列に沿って記載します。
併せて健康状態などを記載して転職活動を行うことに問題がない旨も書いておくことで応募先の企業側も選考しやすくなるでしょう。
以下より、「傷病による休職」の場合の履歴書と職務経歴書の例文を紹介します。
<履歴書の記載例/傷病による休職の場合>
年 | 月 | 学歴・職歴 |
令和〇〇 | 〇〇 | 株式会社〇〇〇入社 |
〇〇 | 〇〇 | 病気療養のため休職中 |
(現在は完治しており、就労可能であることを主治医に認められています) |
<職務経歴書の記載例/傷病による休職の場合>
令和〇年〇月~〇〇月 病気療養のため休職中(現在は完治しており、就労可能であることを主治医に認められています)
面接で伝える
面接で伝える際は休職に至った詳しい経緯や休職中の過ごし方、現況などを伝えましょう。
再び休職する可能性の有無を伝えることも応募先企業の採用有無の判断材料となる大切な内容となります。
〇ヶ月、〇回など数字を示すことで伝わりやすい説明となり、休職理由となった事柄も落ち着いて転職に向けて前向きな姿勢であることをアピールすることが大切です。
面接ではなるべく早い段階で休職中である旨を伝えることをオススメしますが、タイミングを逃してしまった場合は自己PRや経歴の際に併せて伝える方法もあります。
社員〇名が退職したことで仕事量が大幅に増えてしまい、休憩もあまりとれない環境で月〇〇時間の残業を〇ヶ月続けたことでうつ病を発症し休職中しております。
休職中は通院しながら自宅療養を行い、体調が回復してからはウォーキングと読書を日課として続けています。
時間もありますので、最近はスキルアップを活かして〇〇資格の勉強も始めました。
〇ヶ月療養したことで体調も回復し、現在は体調に問題はありません。
主治医より転職活動の許可もいただき、就労も可能という診断を受けています。
再発の可能性はありませんが、念のため月(年)に〇回の定期的な通院を主治医から指示されています。
定期的に受診することで万が一再発しても軽症のため、働きながら治療が可能と言われております。
内定後に伝える
内定後に休職中であったことを伝える場合は、報告が遅れてしまったことを謝罪したうえで休職理由を明確に伝えましょう。
面接などの段階で休職中であることを伝えなかった理由も添えることで理解を得られる可能性も高まります。
休職中であることを伝えたい場合、内定後に提出する源泉徴収や離職票等の書類から気づかれることもあるので、選考等の内定前に伝えておくことが望ましいです。
〇ヶ月の短い期間だったので面接ではお伝えしませんでしたが、〇〇の理由によって体調を崩してしまい、現在休職をしております。
通院先の医師からは体調も回復しているので業務に支障はないと診断を受けています。
内定をいただいた後のご連絡となり、大変申し訳ありません。
今後は体調管理をしっかり行って参ります。
エージェントの担当者に伝えてもらう
転職エージェントを利用して転職活動を行う場合は、休職中であることを伝えておくことで適切なサポートを受けることができるため、転職活動もスムーズに進められるかもしれません。
担当者が応募先の採用担当者へ休職していたことを伝えてくれるケースや、自分から直接伝えたいという意思がある時は伝えるタイミングや話し方などを事前にアドバイスしてくれます。
エージェントの利用は休職理由に考慮した転職支援サービスを受けることができるなど担当者によるサポートのもと心身の負担が少ない環境で転職活動が行えるというメリットもあるのでオススメです。
休職中の転職に何かしらの不安などがある場合は、エージェントに登録して担当者から伝えてもらうことが可能か相談してみましょう。
休職している理由の伝え方のポイント
休職している理由を応募先の採用担当者に話す際、伝え方のポイントをおさえて話すことで転職先で働くことへの意欲や適応力を適切に判断してくれる可能性が高まります。
ここでは、休職している理由を面接等で伝える時のポイントを紹介します。
体調が回復していることを伝える
ケガや病気等による傷病理由で休職していた場合は、体調が回復して転職後の業務に支障がないことを伝えることが大切です。
医師から回復済であるという診断書を発行してもらい、用意しておくのも良いでしょう。
一般的に採用側の企業は長く働くことができる人材を求める傾向があります。
回復後も体調を崩さないように心がけていることや、転職後に活かせる職務能力や経歴、目指している資格などを併せて説明することで休職していたことが転職活動において不利になる可能性を減らすことができます。
復帰せずに転職を考えている理由を話す
応募先の企業から復帰せずに転職活動をしている理由について聞かれる可能性も高いため、事前に理由を明確にしておきましょう。
復職しないで転職をする理由には以下が一例として挙げられます。
- 相談してみたが、ストレスの原因となった職場環境が改善されない
- 家庭の状況が変わったため働き方を見直したい
- 休職中に会社の状況が大きく変化した
- 希望の職種や部署での復職ができない
- 休職中に学んだことや資格を活かして新たな環境で働きたい
休職理由と併せて復職を希望しない理由を整理しておくことで転職先の採用担当者からの質問にもスムーズに受け答えが出来て、面接も評価されやすくなります。
ネガティブな言い方は避ける
休職理由が職場環境の責任であったり他責に聞こえてしまうようなネガティブな内容で伝えてしまうと“似たような状況が起きた時に再度休職する可能性がある”と採用側が評価する可能性があります。
ネガティブな言い方を避けるためには理由を正直に伝えて、休職から学んだことや転職後の新しい環境で再出発したいという気持ちを伝えることで前向きに転職活動をしていることが伝わります。
面接では全体的にネガティブワードはNGである傾向がありますので、休職理由に関わらずポジティブな言葉に変換して話すという気持ちが大切です。
休職していることを言わない場合の転職理由の伝え方
休職していることを言わないと決めていても、面接で転職理由について聞かれた際には休職中であることを伝えなければいけない場合がほとんどです。
しかし、休職中であることを必ずしも伝える必要は無いため、どうしても休職していることを言いたくない場合等は応募先企業への伝え方に注意しましょう。
ここでは、休職していることを言わない場合の転職理由を伝えるポイントについて紹介します。
前向きな転職理由に言い換える
転職理由を前向きな言葉に言い換えて伝えることで、採用担当者へ転職活動に積極的であるということが伝わりやすくなります。
留学後や出向後のキャリアアップを目的とした転職活動は正直に伝えても構いませんが、仕事に不満やトラブルを感じて転職を検討している場合は伝え方に工夫しましょう。
転職理由 | 言い換え例文 |
---|---|
人間関係が合わなかった | 「社員同士の意思疎通を図りながら仕事を進めたい」「同じ目標に向かっている実感をもつことができる環境で良い働きがしたい」「社員の意見が仕事に反映される環境で活躍したい」 |
仕事内容が合わなかった | 「〇〇の分野で自分のスキルを発揮したい」「〇〇資格を活かして結果を出せる環境で活躍したい」「自分の長所である〇〇の性格や専門知識をもっと活かせる仕事がしたい」 |
待遇内容に不満があった | 「年功序列型が自分には合わず、仕事の成果によって評価される環境で働きたい」「生活の変化に伴いワーク・ライフ・バランスを整えたい」「仕事後や休日を利用して資格や自己啓発に取り組む時間を確保したい |
打たれやすい印象を持たれる表現は避ける
打たれやすい印象を持たれてしまう表現を避けることで、応募先企業に意欲的に転職活動を行っていることが伝わりやすくなります。
「仕事を1人で抱え込みすぎてしまった」「精神的に仕事がきつかった」など転職理由によって打たれやすい印象を持たれてしまうと、採用側はまた同じ理由で仕事を辞めてしまうのではないかという不安をもたれてしまい内定へ繋がらない可能性が高まってしまいます。
休職している理由を正直に伝える事は大切ですが、ポジティブな言葉を意識して話をすることで応募者の印象もプラスへと変わる事でしょう。
志望動機につなげる
転職理由と志望動機をつなげる意識をすることで説得力が増すため、面接でも評価されやすい傾向があります。
面接では転職理由と志望動機の一貫性の有無を見て応募者の適応力や合理性を判断している場合も多いです。
転職理由を考えて明確化することは志望動機との一貫性がうまれるだけでなく、今とるべき行動や応募先企業へ求める条件もハッキリするため自分に合った仕事も探しやすくなります。
さらに応募先企業の強みや関心のあることなど魅力的な部分とのつながりももたせることでより評価されやすい内容になるでしょう。
休職中の転職に関連する質問
休職中に転職活動を検討中の方・している方が疑問に思っている質問についていくつかお答えします。
適応障害やうつ病で休職していることは言わない方がいいですか?
休職中であることを伝えても、適応障害やうつ病等の病歴の告知義務はありませんので言わなくても大丈夫です。
転職後の源泉徴収や傷病手当受給の書類からも病名や病歴が知られてしまうような項目はなく、健康保険組合もガイドラインに沿って個人情報を転職先等へ漏えいすることを禁止しています。
症状が改善しているのであれば言わずに転職活動を進めても大丈夫ですが、業務時間内に通院が必要な場合や何かしら配慮してもらいたいことがある場合は病歴と共に面接で伝えた方が転職後も安心です。
転職による新しい環境は無意識にストレスを貯め込むこともありますので医師としっかり相談をした上で進めていきましょう。
参考文献:厚生労働省「健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」
休職中に転職が決まったらどうすればいいですか?
休職中に転職が決まった時は、在籍中の会社に退職手続きを行う必要があります。
企業によって退職手続きは異なるため就業規則に従って退職手続きを進めますが、まずは直接・電話・メールのいずれかの方法で直属の上司に退職の意思を伝えるのが一般的です。
退職理由を聞かれた場合も出来る限り正直に答えて、これまでお世話になった感謝の気持ちも伝えましょう。
休職中の転職活動は法律上の問題はありませんが、就業規則によっては禁止している企業もあります。
休職中に転職活動を行っていたということが発覚すると処分を受ける可能性もありますので、就業規則の確認をしたうえで転職活動を行いましょう。
まとめ
この記事では、休職していることを転職で言わない方がいいのか、伝えるタイミング、伝え方について解説しました。
休職していることは、転職活動中は不利になってしまうので、なるべく言わないようにすることは問題ありませんが、入社までには転職先に伝えると良いでしょう。
この記事で紹介した例文を参考に、休職していたことを転職先に伝えてみてください。
また、休職していたことを伝えるタイミングや伝え方に迷ったときは転職エージェントにも相談してみてください。
弊社ジェイックでも、転職支援サービスを運営しているため、困ったことがあればぜひ相談してみてください。
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