仕事が辛い、逃げたい、会社を辞めたい、と思うのは必ずしも甘えではありません。
仕事が辛いと思うのを甘えだとか、意志が弱いからだ、そんなにすぐに会社を辞めたらどこに行ってもお前は通用しないぞ、と責める人たちはいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
確かに“ちょっとした困難”で仕事が辛い、この会社を辞めたいと言っているなら、その人たちの言うことは間違いではないかもしれません。しかし、その会社に問題がある可能性もあります。
働く環境で常に怒鳴り声が飛び交っていたり、パワハラ・モラハラ、いじめなどが横行している環境の職場では、どんなに気合いが入った人でも、いくら意志が強い人でも、離職したくなることは目に見えています。また、異常な程給料が安かったり、休暇もまともに取れず、余計に仕事が辛いと感じてしまう人もいます。
そのため、あなたの意志が弱いから仕事が辛く感じるんだと自分を責めるのではなく、会社側に問題がないか今一度確かめてみましょう。
- 約7割の人が、仕事にストレスを感じている。あなただけではありません!
- 「仕事が辛いと感じる7つの原因と対処法」を参考に、できそうなものからやってみよう
- 最終手段は退職すること。念のため、退職までの手順を知っておこう
- 今より“辛くない”会社は数多くある!解決方法として、転職活動も検討してみよう
この記事の目次
仕事が辛い、辞めたいは甘えでは必ずしもない
1. ストレスを感じている人は69%
マイナビが2,307人の有効回答を得たアンケートによると、サラリーマンとして働いていて、ストレスを『かなり強く感じる』『強く感じる』と回答した人は、全体の69%もいました。20代は若干少なめですが、それでも全体の64%がストレスを強く感じると回答しています。
ストレスを感じる=仕事が辛い、と直結するわけではないのですが、あなた以外にも数多くのサラリーマンがある程度辛いと感じているという事実があります。
自分だけが根性がないのではないか、自分だけが意志が弱いのではないか、と心配しないでください。あなただけではありません。
仕事の何が辛いのか?何にストレスを感じるか?
同アンケートでは、何がストレスの要因になっているかも調べています。すると、以下のことがわかりました。
◆強くストレスを感じる要因
- 1位 上司との人間関係
- 2位 会社の業績・将来性への不安
- 3位 目標・ミッションを達成できない
- 4位 労働時間が長い
- 5位 仕事内容が合わない
- 6位 同僚との人間関係
もしも、あなたが上司が辛い、労働時間がおかしいぐらい長い、目標未達でつらい、と苦しんでいるなら、それもあなただけではなく、
全国に同じように悩んでいる人がいるということです。あなただけが甘くて、意志が弱いという訳ではありません。
2. 仕事が辛い、辞めたいが甘えではない理由
仕事が辛い、辞めたいという感情は、必ずしも甘えではありません。
仕事において、過度なストレスや長時間労働が心身の健康に影響を及ぼす場合、これは自己の健康を守るための大切な判断です。
また、職場の倫理観や価値観が合わない場合、自分の信念に反する行動を強いられ、それが精神的な負担になります。さらに、キャリアパスや個人的な目標との不一致も、自分の成長や夢を追求することの妨げとなります。
このように、仕事と私生活とのバランスが取れていない状況では、燃え尽き症候群や家庭生活の問題を引き起こす原因にもなり得ます。
これらの状況において仕事が辛い、辞めたいと思うことは、単なる甘えとは違い、自己実現や自己保護のための重要な一歩となるでしょう。
3. 仕事が辛い、辞めたいが甘えだと思われてしまうケース
仕事が辛い、辞めたいと思うことは、一部の状況下では甘えだと思われてしまうことがあります。
たとえば、「楽をしたい」という理由で仕事を辞めたいと考える場合、自分本位の「甘え」と捉えられることがあります。
また、「仕事で大きなミスをしたから辞めたい」「自分の理想とする仕事内容でないから辞めたい」というのも、成長や学習の機会を逃す甘えと思われることが多いです。仕事は時にはミスもしますし、自分の好みや興味と異なる課題にも取り組むことを要求されますので、これを拒否するのは責任逃れ、短絡的とみなされるのです。
さらに、「人間関係が理由で辞めたい」というのも、甘えと捉えられる可能性があります。
組織内では、様々な人たちと協力して働く必要があり、個人的な好き嫌いなどを理由に職務を放棄するのは、社会人としての義務を果たしていないと見なされるのです。
これらの理由で仕事を辞めたいと考えることは、環境や状況を変える努力をせずに逃避を選ぶことと同じで、職場や社会生活においては通常、責任感や忍耐力の不足と捉えられてしまいます。
よって、仕事を辞めたいと考える場合は、その理由が自己中心的でなく、合理的かつ建設的であることを自問自答することが大切です。
仕事が辛いと感じる7つの原因と対処法
仕事が辛いと感じる原因と対処法1:上司が怖くて辛い
先述のストレスを感じる原因アンケートでも1位であったように、上司との人間関係でストレスを抱えている人はたくさんいます。
その中で仕事が辛いと感じるレベルとなるとこのようなことをしてくる上司もいます。
- 言葉の暴力。「バカなの?お前」「お前は給料泥棒だな」「何やってんの?遅いよ」「使えねぇな」と罵られる
- 毎日怒られる。怒られない日が無い。
- 部下指導というより、説教。
- 密室で1対1で長時間、延々と罵られる。
- 大声を出されたり、机を叩いたり、椅子を蹴ったり、恫喝される。
- 声をかけるのにも機嫌を伺いながら恐る恐る声をかけなくてはいけない。
- 理不尽なことで責められる。
- 機嫌が悪いときには八つ当たりのように怒られる。
もしこのような上司ならば、完全にパワハラなので、人事部があるなら人事部に、人事部が無ければもっと上の上司に相談をしましょう。
スマホで録音して、事実を元に相談すれば、まっとうな会社であれば対処してくれます。相談しても変わらないのであれば、退職を検討すべき状況かもしれません。
ここまで極悪ではないですが、下記のような上司との状況で辛いを感じる人も多くいます。
- いつも忙しそうにしているので、相談しにくい。
- 考えた案を却下されて、やりたいと思ったことができない。
- 言うことがコロコロ変わる。
- 手柄を横取りする。ミスを部下のせいにする。
- 指示がバラバラ。
上記のような上司との人間関係が辛いと感じる場合の対処法を紹介します。
対処法①:上司が辛いときは報連相の回数を増やす!
上司との人間関係を改善するために、劇的な効果がある手法があります。極めて単純なのですが、報連相を増やすことです。
コミュニケーション量が少ないと、相手が何を考えているかわからないし、自分が何を考えているかも相手にはわかりません。
プライベートでコミュニケーション量を増やすのは、なかなか難しいことですが、仕事においてコミュニケーションを増やすのは意外と簡単で、それが報連相です。
報連相、特に報告を頻繁にする部下を上司は高く評価する傾向があります。指示された仕事が終わったときだけでなく、途中の進捗報告をするために、毎日1回ルーチン行動として報告時間をとると決めてしまうと思いのほかスムーズに報連相ができます。
報連相をして、コミュニケーション量を増やすと、上司はあなたが何を考え、何をやっていて、何に困っていて、どこで間違えているか、把握できるようになるため、安心できます。安心して仕事を任せることができる相手に対して良く扱うというのは人間として自然な感情です。声をかけづらいという環境は少なくなります。
また、頻繁に報連相をしていると、上司が何を考えているか聞く機会も増えます。指示がバラバラだ、言うことがコロコロ変わる、と感じていたことが、実はそうすべき事情があったからだと、多分わかるようになります。事情が分かっていれば、方針変更・作戦変更のストレスは激減するはずです。
新入社員研修で、報連相は大事だからやりなさい、と教わったと思います。会社にとって、社員に報連相をやってほしいから、そう指導するのですが、一方であなたにとっても、やればやるほど自分にメリットがあるのが報連相なのです。
嫌いな上司を好きになる必要はありません。同じ趣味を持って媚を売る必要もありません。ただただ、仕事として報連相の回数を増やしてください。それだけで上司との人間関係は劇的に改善することを保証します。
報連相をするにも会話をすることすら辛い、と今感じているのなら、会話ができる精神状態になるための準備を2つご紹介します。
対処法②:相手の長所を紙に書き出す
おそらく何も意識せずに、あなたが嫌いな上司の顔と名前を思い浮かべたら、嫌なところ、嫌いなところ、短所が、いくつも出てくるでしょう。
短所だらけの人間と話なんてしたくない!と思うのはわかります。そこで、敢えて上司の長所を探してみましょう。
最低20個上司の長所を紙に書き出してください。どうしても20個の長所が見つからないならば、同僚に聞いてみるのも一つの手です。
自分は見ようとしていなかった、その上司の長所が見つかるかもしれません。
対処法③:相手の立場になって考える
少し難しいかもしれませんが、あなたが係長や課長になったと想像してみましょう。
コロコロと指示が変わるのは、部長や社長がいきなり指示を出してきたときの可能性が高いです。
そのときあなたも、「昨日まで右に行けって言ってたじゃないですか?2週間前からその方向でずっと進めてきてるんですよ。もう少しで完成だったのに、今から左っすか?今から方向転換したら、チームメンバー全員残業しなくちゃならないですよ。残業代を減らせと言ってるのと矛盾しません?勘弁してくれよ」と部長や社長に対して不満を覚えませんか?
あなたの上司があなたの上司の気分で言うことをコロコロ変えている訳なのではないかもしれません。あなたと上司が考えていること不満に思っていることは同じ、実は同士の可能性もあるのです。
仕事が辛いと感じる原因と対処法2:仕事ができない
自分の仕事ができないことで辛いなら、解決策はシンプルです。成長して仕事ができるようになりましょう。成長して仕事ができれば自信もつき、やる気も出ます。
そして、入社数年の新人が成長するためのコツは、とてもシンプルです。 今やっていないことをやるだけですぐに成長できます。
仕事の内容、仕事の難易度、勤続年数によってによっても異なりますが、入社1年目2年目の若手社員が先輩や上司から「仕事ができないな」と言われてしまう最大の原因は、1)何度も同じミスをする 2)何度も同じ質問をする この2つです。
上司や先輩は「教えたんだから、メモをとれよ!で、メモを見てやれよ!」と思うので、メモをとらない新人には厳しくなります。
そのため、絶対にやった方が良い行動は『メモ』です。
対処法①:新しい仕事を教わるときにはメモをとる
何か新しい仕事を教わるときには、必ずメモを取りましょう。
メモをとるとき、「今はスマホの時代なんだから、手書きとかパソコンとか時代遅れでしょ?スマホで写真撮ればいいんですよ」と先輩に確認せずに自分ルールで進めると、たいてい悪い印象を持たれます。
先に確認し許可を取れたなら、どんなメモの取り方でも構いませんが、確認せずにやって、先輩がそれを良くないと考えている場合、心象が悪くなり、風当たりが強くなることも覚悟しなくてはなりません。
手書きでメモするのか、パソコンでメモするのか、スマホでメモするのか、どの方法でメモすると良いかは、教えてくれる先輩に訊いて、その先輩の指示に従うのが無難です。
メモだけなく、ボイスレコーダーやスマホに録音させてもらったり、動画を撮らせてもらったりするのも一つの方法です。
対処法②:教わった後、すぐに試しにやる
手取り足取り状態で教わっている時には、当たり前ですがその仕事はできます。しかし、だからと言って、その仕事ができるようになったわけではありません。
教わって、記憶が鮮明なうちに、メモを見ながらひとりで同じ仕事をやると、その仕事が身に付きます。特に、毎日やる仕事ではない場合、忘れる可能性があるため『教わった後、すぐに試しにやる』のは効果的です。
ひとりでやってみて、うまくできなかったときも、その場ですぐに先輩に質問にいくと、なぜか嫌な顔をせず優しく教えてくれます。
対処法③:実際にその仕事をやるときは、メモを見ながらやる
メモをとって、メモを見ながら一度やっていたら、実際にその仕事をやるときには、メモを見ながらやれば、問題なくできるはずです。唯一の懸念は、そのメモがどこにあるか行方不明になることかもしれません。
仕事ができないと言われてしまう人は、整理も下手な場合が多いですが、メモを行方不明にしないよう管理しましょう。パソコンやスマホでメモを取る場合は、ファイル名をわかりやすくすることと、仕事のやり方を集めたフォルダを作ることが、行方不明にしないコツです。
仕事が辛いと感じる原因と対処法3:パワハラ、セクハラ、いじめを受けている
パワハラ・セクハラ・いじめも無視が一番です。いじめっ子は、反応するからエスカレートするんです。
業務と関係ないことは、徹底的に無視してください。業務に集中すれば、あなたが正しいです。
パワハラ・セクハラ・いじめをしてくる人は、かわいそうな人なんです自分の人生を向上させられないから、弱いものいじめをしてるだけ。
「あ~あ、かわいそうに」と思いながら、無視してOKです。
男性の場合の対処法
一番は仕事ができるようになって、出世してやることです。パワハラやいじめをしてくる人の、上司になるのが一番。
だから、パワハラやいじめは無視して、業務に集中しましょう。仕事ができれば、何も言われなくなります。
女性の場合の対処法
セクハラやマタハラがあり得ますね。これらは、録音・録画が一番です。いざというとき、あなたを守ってくれます。
録音・録画して、嫌がらせをしてくる人の上司に見せましょう。
仕事が辛いと感じる原因と対処法4:労働時間が長い
労働時間が長く、仕事が辛くなってくる場合も往々にしてあるでしょう。その場合は、以下の問いを考えてみてください。
- 目標達成していないなら早く帰るな、という社内の雰囲気があるのでしょうか?
- 上司や同僚が帰らないから、自分は仕事が終わっていても帰れないのでしょうか?
- 業務量に対して人が少ないのでしょうか?
3つそれぞれの場合に当てはまる際の対処法について紹介します。
対処法①:「目標達成していないなら早く帰るな、という社内の雰囲気がある」場合
こういう社風の会社で、一番簡単なのは、目標達成することです。
おそらく、目標達成している人、大幅に目標達成している人は、ある程度好きに帰ることができるのでしょう。
では、どうすれば目標達成できるのでしょうか?これは、正直会社によって異なります。
ここで私が言えるのは、あなたの会社で目標達成している人に教えを乞うてください、ということぐらいです。
いずれにしても、目標達成さえできれば、長時間労働は解消される会社に勤めているわけです。
あなたがその会社で、長時間労働せずに勤め続けたいのであれば、必死に目標達成できるようになることを目指してください。
ただ目標達成していないと遅くまで残業しなければならないのが、日本のすべての会社ではありません。
目標達成していなくても帰りたいと思うなら、『全員基本的に定時で帰ります!月の残業時間は多くても10時間です!』と謳っている会社への転職活動を検討するのも一つの道です。
対処法②:「上司や同僚が帰らないから、自分は仕事が終わっていても帰れない」場合
確かに、こういう会社は少なくありません。本当にあなたの仕事が終わっているなら、勇気を出して、おもむろに帰り準備をして、大きな声で「お先に失礼します!」と言ってオフィスから出ていく、そして、翌日何か言われたときに対処するとやればよいのではないでしょうか?
あなただけではなく、みんな仕事が終わっているのに、帰れずに残っていたのであれば、あなたの行動は賞賛さえ、あなたに続く人たちが続々と出てくるかもしれません。
ひとりでやるのが怖いなら、同僚や先輩に「いつも21時まで会社に残っているんですけど、私は18:15には仕事終わってるんですよね。先輩はどうですか?」と相談して、仲間を募るのも一つの手です。先輩が「そうなんだ!私も実は18:30には終わってる」と言うようなら、一緒に「お先に失礼します!」と大きな声であいさつしてオフィスを出ましょう。
ただ、職場の人間関係も気になるなら、帰る前に周囲の人たちに「私、自分の仕事は終わったのですが、何か手伝うことはありますか?」と建て前的に声をかけたほうが良いです。それで実際に仕事を振られることは珍しいです。
あなたがこのように後輩などに声をかけれたときのことを想像してほしいのですが、いきなりこう言われても、頼める仕事などほとんどなく、何かをやってもらうために、いろいろ説明しないとならないし、やってもらったものをどうせチェックしなければならないし、それなら自分でやったほうが早いわ、と思うのではないでしょうか。
という流れで、「何か手伝うことはありますか?」と声をかけた上で、何もなければ、胸を張って帰ることができます。
対処法③:「業務量に対して人が少ない」場合
まずは上司に相談しましょう。
相談すると言っても、雑談風に「課長、毎日残業続きです。人が足りません」と言うだけでは、残念ながら誰も動きません。
課長の一存では採用はできないので、部長や人事部や社長に採用することの許可をとる必要があります。
おそらく、人を増やしたいと課長が上に相談すると、多くの場合「なぜだ?」「今どれぐらいの業務をやっているのだ?」「今いる人員でもっと早くやれないのか?」と詰問され、「そもそも君の部署は残業が多すぎる!もっと効率化しろ!」と怒られます。
今まで何度も増員の依頼をして、そのたびに怒られてきた課長は、人を増やすということはなるべく目をそらしたい話題なのです。
「増やしてください」と部下が詰め寄っただけでは、動かない可能性が高いです。
それでも、あなたが人員を増やしてもらいたいと思うなら、人員増をするべき根拠を用意することをお薦めします。
(本当はそれを課長がすべきなのですがありますが、前述の通り、課長としてはなるべく逃げたい案件です。さらに言うと、あなたが長時間労働しようが課長にはあまり関係ないし、人が増えたからと言って、課長の労働時間が減るわけでもありません。そう考える人間が上司なのはどうかとは思いますが、そうでなければ、とっくの昔に人手不足は解決しているハズです)
あなたが所属している部署メンバーが、1日、1週間、1ヶ月でやっている業務を挙げ、それぞれに何百分投入しているかを出します。
また、それぞれの業務を効率化するために、今までやってきたことを全て書き出して、今の状態が限界まで効率化した結果であることを裏付けます。
これだけ大量のことをこれだけ効率化してやっているのに、月間の総業務時間は●時間、残業時間は●時間、支払われている残業代は●●万円と、明確な数字を出します。
これをもとに人を増やせないか上と交渉してもらえないか、課長に依頼するのです。
ところで、人を一人採用すると、正社員の場合、月収の約3倍のコストが発生します。月給20万円の人を1人採用すると、毎月60万円のコストが発生する計算です。
さらに、一度正社員として採用すると、まず解雇はできないため、経営者としては1億円ぐらいの買い物になります。
「末端の社員が毎日2時間残業していて辛いから、人を増やしてくれ」と言っていても、簡単に採用するものでもないということだけは、頭に入れておいた方が良いかもしれません。
仕事が辛いと感じる原因と対処法5:社風が合わない
仕事が辛いのはそもそもの社風に原因がある場合もあります。
「体育会系のノリが合わない」「軍隊的な厳しい上下関係が嫌だ」「仕事しないおっさんがのさばっている環境に嫌気がさす」「数字数字、金金しか言わないのが嫌」「社員同士が仲良い、とかいって干渉しすぎ」等。あなたの好みと周囲の人たちの雰囲気に違いがある場合もあるかもしれません。
対処法:会社を辞める
それが、『辛い』というレベルまでになっているなら、正直に言うと、あなたはその会社を辞めたほうがいいです。就職活動のミスです。転職活動のアドバイスは「次の就活では、自分を偽って、その会社に受かりやすそうな自分を演じて面接をしてはいけません」です。
その会社の社風は、その会社のマジョリティが作っています。みんながそれを好み、みんながそれを良いと思っているから、そういう社風なのです。あなたがそれを辛いと思うなら、その会社に限ってですが、あなたはマイノリティで異端者です。
そんな異端者が採用されたのは、採用担当者が無能だったのもありますが、あなたが就活時に「その雰囲気になじめそうな人材である」と上手に演じたからでもあります。『体育会系のノリに会いそうな自分』『目上の人に気遣いができる自分』『達成意欲の強い自分』『リーダーシップを発揮し、仲間と協力して成し遂げてきた自分』を演じたのが原因です。
今いる会社がどんなに待遇が良くても、どんなに世間体が良くても、仕事が辛いと思うぐらい社風が合わないのなら、あなたの心を健康に保つためにも、離れるのが吉です。素の自分に近い状態で採用面接を受けて、それを「良い。ウチに合っている」と内定を出してくれる会社を見つけてください。今は超売り手市場なので、必ず見つかります。
少しでも早く行動することをお薦めします。
仕事が辛いと感じる原因と対処法6:仕事量が多すぎる
作業量が多すぎたり、納期が迫っている仕事がたくさんあるのに、次から次へと仕事を振られるようならば、とても効果的な対処法があります。
対処法:週間業務スケジュールをつくり、月曜日の朝に上司に提出する
それは、週間業務スケジュールをつくり、月曜日の朝に上司に提出することです。週間業務スケジュールには、今週一週間でやらなければならない仕事を書き出し、それぞれの仕事に何分必要か想定し、それを何曜日の何時から何時までの間にやる、とアポイントや会議と同様に時間を入れ込みます。
上司は神様ではないので、あなたが今何をしていて、いつまでにそれを仕上げる必要があるかを完璧に把握しているわけではありません。あなたの仕事の詰まり具合がそれほどわかっていないため、次から次へと仕事を振ってきて、そのせいで『仕事量が多すぎる!』状態になっている可能性があります。
この週間業務スケジュールを上司に提出すると、2つの利点があります。
あなたがどれぐらいの仕事を抱えていて、いつどの仕事が納期なのか把握できる。「忙しい」と言っているあなたが、本当に忙しいことを心から理解できる。
週間業務スケジュールを見た上司が「この仕事はやらなくていい」と仕事を切り捨ててくれる可能性がある。
これだけ仕事が詰まっているのに、さらに仕事を振ってこられたとき、「すみません、週間業務スケジュールで提出した通り、本日締め切りの仕事がこれだけあります。今、依頼された仕事をやるとなると、その仕事の完成が明日以降になるのですが、それでも大丈夫でしょうか?」と尋ねることできる。こう尋ねると上司は仕事の優先順位を考えて、「それだったら、この仕事はいいや。私が自分でやるわ」とか「その仕事は明日でいいから、この仕事さきにやって」とか適切な指示をしてくれるハズ。万が一、「それもこれもどっちもやって。今日中に。残業すればできるだろ?残業代は出ないけど」みたいな対応する上司なら、会社に相談しましょう。会社に相談してもそれの何が悪い?という考えなら、転職を考えるのも間違いではありません。
週間業務スケジュールを作ると、なぜか思ったほど仕事が詰まっていないと感じる可能性もあります。すこし心が楽になるかもしれません。
しかし、仕事が詰まっていないのに仕事量が多いというのは、あなたが予想していない仕事が当日増えているか、集中して仕事をしていないために、一つ一つの仕事が予定より時間がかかっているということです。スカスカの週間業務スケジュールを上司に提出しても、「コイツいつも遅くまで残っているけれど、暇なんだな。もっと仕事振らないと」と思われる危険があるので、一週間の仕事をよく把握して、週間業務スケジュールを組めるように訓練しましょう。
仕事が辛いと感じる原因と対処法7:給料が安い
給料を増やすには3つの方法があります。
対処法①:今の会社であなたが希望する給料をもらえるようにする
あなたの会社には、どうやって給料が決まるか定められた『給与規定』はあるでしょうか?あるならば、まずはじめにそれを確認してください。
今いる会社で、あなたが欲しい給料を得るためには、どの役職になり、どれぐらいの評価を得ればよいのか、理解する必要があります。
理解して、今の自分と希望給料に差があるのであれば、そこを目指して仕事をすればよいだけです。
万が一、給与規定がないのであれば、どのようにして給料は決まるのか、わかる人に訊いてみましょう。最初に上司に訊いてみて、解らなければその上司に、あるいは人事に、それでもダメなら社長に。
給料が安くて不満なのはわかりますが、何をやれば給料が上がるのか知らずに、不満に思うって仕事が辛い、辞めたいと思うのは不毛です。まず調べてみてください。
対処法②:副業して収入を増やす
会社からもらう給料ではなく、個人で副業をやって増やすのも一つの手段です。ここでは詳しく記載しませんが、今の時代、お金を稼ぐ方法は数多くあります。
月5万円稼ぐことができれば、年収は60万円増えます。アフィリエイトでもせどりでもyoutuberでもインスタグラムでも、それで稼ごうとしている人の中で上位5%の成績を出せば5万円以上は稼げるので、やってみるのも一つの手です。
対処法③:試しに就職活動をする
本当に転職をしなくても良いので、試しに転職活動をすることもお薦めです。
リクナビやマイナビに登録して、履歴書と職務経歴書を登録して、希望年収を入力して、めぼしい会社に応募してみてください。
そして、できれば面接に行ってみると良いです。
こちらとしては『試しの転職活動』なのだけど、希望年収を言って相手は内定を出すのか、あるいは、いくらの給料を提示してくれるのか、確認するのです。
あなたが希望する高い給料を、他社が出してくれるというなら、その時本気で転職を考えれば良いでしょう。
ところで、『適正年収査定』などのツールで出される金額は、だいぶ盛られた数字である場合が多いです。
あれは、他人が転職することによって、お金が儲かる会社が作っているツールです。
お試し転職活動をやって、本当にそれだけ払ってくれる会社があるのか、確かめてみてください。
また、ナビサイトに『年収例 25歳 480万円』などと載っているのは、その会社の最高額であるというのが採用広告業界の常識です。
社内で最も評価が高くて、最も早く出世していて、もっとも高い給料をもらっている人の額を書いているにすぎません。
あなたを採用するときにその金額が貰えると期待していると、失望することになるでしょう。
(自社が採用しているなら、試しにナビサイトのページを見てください。あなたが貰っているよりも多い金額が書かれていると思いますよ)
仕事が辛いときに身体に起きる異変
このページでは、仕事が辛いと思う原因を特定し、それに対処するにはどのように考え、どのような行動をすれば良いか、紹介するつもりですが、そんな悠長なことを言っている場合ではなく、あなたが『心が死んでしまうレベルの苦しさ』を抱えている可能性もあるため、どのぐらいまずい状態なのかチェックしてほしいとので、危険度チェックのお話をしたいと思います。
仕事が辛いときにあらわれる身体・心のサインにはどんなものがあるでしょうか?
数年前、月に100時間を超える残業を強いられて、社員が自殺してしまった痛ましいある企業の過労死事件がありました。超有名企業だったこともあり、大々的にテレビやネットで取り上げられましたが、自殺者3万人の日本という国では、テレビで取り上げられないけれども起きている、合わない会社合わない上司による死は起きています。
過酷な労働環境で働いていたために、大事な社員を自殺に追い込んでしまうなど、本当にあってはならないことです。あなたを守れるのはあなたしかいません。
そのため、末期の症状になってしまう前に身体や心のサインに気付く必要があります。仕事が辛いときにあらわれる身体・心のサインの例を挙げましたので、あなたに同じような症状がないかチェックみてください。
1. なかなか寝付けなくなった
なかなか寝付けなくなったのであれば注意が必要です。交感神経が働き過ぎていたり、ストレスが原因となっているからです。
今まではすぐに眠りに付けていたのに、なかなか寝付けない最悪の場合は一睡もできないということもありえます。
一睡もできない状態が続けば、あなたの身体は確実にボロボロになるのは目に見えているので、早めの対処を検討しましょう。
2. 身体のあちこちが痛い
身体のあちこちが痛い場合も注意が必要です。
今までは感じていなかった頭痛、肩こり、背中の痛み、脚の痛みなどを急に感じるようになったら安易に考えたりしないでください。
ただの頭痛や肩こりと思って放っておいたら、病気に繋がってしまったということにもなりかねませんので、早めの対処を検討しましょう。
3. 家を出る時間が遅くなった
家を出る時間が遅くなっているようなら注意が必要です。精神的、心身的ストレスが原因で無意識に会社に行く時間が遅くらせているからです。
会社に行く前にしなくても良い作業を始めたり、朝の身支度に異様に時間をかけてしまうということはありませんか?
もし、思い当たるようなら知らず知らずのうちにストレスをため込んでいる可能性があります。
うつ病にまで発展するおそれもあるので早めの対処を検討しましょう。
4. ちょっとしたミスでも落ち込みやすい
ちょっとしたミスでも落ち込みやすい人も注意が必要です。
ちょっとしたミスをして怒られると落ち込みやすい・傷つきやすい人は、「自分は仕事ができないんだ」と思い込み、マイナス思考に陥ってしまうからです。
マイナス思考に陥ったまま立ち直れず、そのまま精神疾患を患ったりうつ病を発症してしまう人もいます。
ですので、上司に怒られたことは自分への愛情と受け止めるようにしたり、怒られたことを気にし過ぎないなど楽観的な気持ちを持つことも重要です。
5. 簡易診断を使ってうつ病かどうかチェックする
仕事が辛くて身体・心に上記のサインが見られるようであれば、一度うつ病の簡易診断を受けたほうが良いと思います。
うつ度チェック:https://www.cbtjp.net/qidsj/
このサイトで公開している「簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)」で16問の選択式の質問に答えれば、うつ病の可能性があるのか、すぐに結果が出ます。 診断を受けて『うつ病ではない』と結果が出れば、少しは心が安らかになると思います。少し安心したら、この後に記載している『仕事が辛いときの対処法』に取り組めば良いでしょう。万が一、うつ病の可能性があるとの診断結果が出たら、無理して我慢せず早めに病院に行くことをお薦めします。
辛い仕事が乗り越えられなかった場合
辛い仕事が乗り越えられなかった場合の最終手段はやはり退職することです。退職するまでの手順を以下にまとめましたので、参考にしてみてください。
1. 就業規則を確認する
まずは就業規則を確認することです。就業規則の退職に関する項目に「退職は〇ヶ月前に申し出ること」と書いてあります。
会社によって期間が違いますので、よく確認しておいてください。
2. 消化してない有給休暇の確認
消化してない有給休暇の確認をしておきましょう。有給休暇が残っていれば、転職活動に充てられるからです。
有給休暇を消化しづらいことを理由に使いきれない人が多いようですが、退職する旨を伝えた後でも有給休暇を取っても大丈夫です。
あなたのための有給休暇なので、有意義に使いましょう。
3. 仕事の引継ぎをしっかりしておく
仕事の引継ぎもしっかりとしておきましょう。退職するなら、引継ぎをしておくことは社会人として最低限のマナーです。
次の人がしっかり引き継げるような一例として、記録の仕方・保存方法については下記の通りです。
- ファイリングして見やすくしておく
- 動画や写真に収めておく
- PDFにまとめておく
あなたが作りやすく、次の人にも分かりやすいことが1番です。また、引き継いだ人も明確にできるため有効的です。
4. 退職理由を考えておく
退職理由を考えておきましょう。退職理由は、会社が引き留めにくい理由がベストです。
例えば、理由としては以下のような退職理由があります。
- 起業する友人の仕事を手伝うことになった
- やりたい仕事がみつかった
- 家族の介護をすることになった
引き留められにくい理由の主な例です。ただし、ウソをつくことは絶対やめましょう。
特に「家族の介護」はウソであれば、絶対にバレないということはありません。よく自分で考えて、退職理由を用意しておきましょう。
5. 上司と1対1で話す機会を作る
上司と1対1で話す機会を作りましょう。上司に「お話があるのですが…」と切り出し、30分くらい時間を割いてもらうようにお願いしましょう。
立ち話では流される危険性もあるので、じっくり1対1で話せる時間を設けることが重要です。
6. 辞めるとはっきり伝える
辞めるとはっきり伝えることも重要です。退職を決めたなら「辞めます」とはっきり伝えてください。
あいまいな言い方をすると、会社によっては引き留められる可能性もあるからです。なので、あいまいな言い方はせず「辞めます」と一言はっきり伝えましょう。
7. さらに詳しい退職方法
さらに詳しく退職方法を知りたい場合は、ブラック企業を辞めたい人の退職方法【ほんとに辞めていいかチェック】を読んでみてください。
特に、ブラック企業の辞め方について解説しています。引き留めに遭った場合の対処法もまとめているので、事前に読んでおきましょう。
もう辛い仕事はしたくない!ホワイト企業に転職に成功するコツ
コツ1. 今より“辛くない”会社は数多くある
あなたが辛いと思っている仕事や会社、対処法をいろいろと書いてきましたが、日本だけでも534万社の会社あるので、今よりも辛くない会社は、かなり高い確率で存在します。とは言え、転職活動を間違えると、転職したのにまた辛い会社を選んでしまう危険もあります。
それから、“辛くない”会社があなたを採用するかどうかはわかりません。“辛くない”会社に採用されるための対策も必要です。
コツ2. 辛い会社からホワイト企業に転職した人の声を幾つか紹介しましょう
「風邪をひいて熱が38度あり辛かった時に、病院に行ってから出社して良いですか?と会社に電話をしたら『無理をしないで休みなさい』と優しく言われた」
「終業時間は18:00だが、18:30ぐらいまでは残業することがあります。けれども、その分が全て残業代として支給されて、驚きました」
「土日が普通に休みだった。出勤する人はいないと、面接のときに言われたけれど、本当に出勤する人はいなかった。当たり前だが、来いと言われなかった」
「社会人歴6年目ですが、初めて有給休暇を使いました。前職では結局1日も使えなかったので、有給なんてあってないものだと思っていましたが、会社が変わると常識も変わるのだとわかりました」
「上司が罵声をあげない。声を荒げるのを見たことが無い。成果が出ないときには、何で出ないの?と延々と詰めるのではなく、アドバイスしてくれる」
「年末年始に連休がある。この時期に5連休以上できるなんて夢みたい」
「終電時間が退社時間だとずっと思っていた。平日の睡眠時間は4時間が最高だと思っていた。平日に友人と食事に行けるなんて夢のよう」
コツ3. 退職届を出す前にエントリーしよう
もしかしたら1日でも早く会社を辞めたいと思っているかもしれませんが、退職届を出して受理されたら、あなたは無職です。
しかも自己都合退職となるので、3カ月間は失業保険も出ず、無収入です。
十分な貯金があったり、あなたのためにお金を払ってくれる人がいるなら良いのですが、無収入で貯金がどんどん減っていくと、冷静な判断ができなくなり、1日でも早く就職しなくてはと焦って、また辛い仕事/辛い会社を掴んでしまう危険性が高まります。
ですから、退職届を出す前に、ナビサイトに登録して何件か応募し、面接を受けて、内定獲得寸前まで転職活動を進めたり、転職支援の会社に登録して、キャリアカウンセリングを受け、いくつか紹介を受けて面接をしたりして、次の目途が立っている状態を作ることをお薦めします。
まとめ
本記事では、仕事が辛いと感じる原因について詳しく解説しました。
仕事が辛いという感覚は、必ずしも甘えから来るわけではなく、労働環境の問題、パワハラ、モラハラ、いじめ、給料の低さ、健康上の問題など、多様な要因による場合があります。
これらの問題は個人の努力だけでは解決しにくいため、問題の根本原因を会社側で検討し、適切な対処を考えることが重要です。
また、仕事のストレスが身体や心に異変を引き起こすこともあるため、早めの対処が必要です。
仕事が辛く悩む時間が多くなってしまったら、第三者に相談する・転職を考えるなど前向きな行動に繋げていきましょう。