パートでも産休がとれる?出産したらお金が貰えるようだけど、いくらもらえるの?職場で嫌な顔されない?・・・結論からいうと、パートでも産休はとれますし、手続きをすれば国からお金をもらうことができます。どんな手続きをして、職場にどんな報告をすれば、スムーズに育休をとれるのか、このページでは紹介します。
この記事の目次
パートでも産休はとれる!
結論からいうと、正規社員でなくても産休を取ることは可能です。労働基準法で、非正規社員でも産休を取ることができると定められているからです。
例えば、扶養範囲内のパートであっても産休を取得できます。「産休は正社員だけの権利」と思われがちですが、決してそんなことはありません。
法律により、妊娠・出産を理由に解雇できない!
男女雇用機会均等法の第9条により、女性従業員の妊娠・出産を理由に解雇することはできません。
産休を取得する権利があるので、産休をとりたい場合は申請をしてお休みをとりましょう。
産休とは?産休を取得する条件とは?
ところで、産休とはどのような休暇制度を指すのかを記載します。労働基準法65条で、以下のように定義づけられています。
- 産前休暇:出産予定日の6週間前から取得可能(双子以上なら14週間前から)
- 産後休暇:出産の翌日から8週間(本人が望んで医師も認めたら6週間以降から働ける)
ただし、「臨月まで働きたい」と本人が望めば、出産直前まで働くこともできます。
全ての出産する女性に認められている権利は、この計14週間の産前休暇+産後休暇です。
育休取得には条件がある。その条件とは?
14週間の産休は全員が取得できます。しかし、最長1年間休むことができる育休(育児休暇)を取得するにはいくつか条件があります。
- 産後から子供が1歳になるまで取得可能
- 同じ事業主に過去1年以上雇用されていること
- 子供が1歳を超えた後も、同じ事業主の元で働くこと
- 週3日以上の勤務をしていること
全員が取得する権利のある産休と異なり、条件をクリアした人が取得することができます。
なお、育休は原則1年ですが、下記のようなやむを得ない事情があれば2歳まで延長できます。
- 保育園が見つからない
- 配偶者が病気で働けない
- 離婚
条件に当てはまり、必要であれば申請してみましょう。
国の支援制度を利用して得られる4つの金銭的支援
出産に伴う支援制度には、下記のものがあります。
- 出産手当金
- 出産育児一時金
- 育児休業給付金(育休取得者のみ)
- 社会保険料・厚生年金の支払い免除
1つずつ解説します。
出産手当金
出産手当金とは、産休期間中に健康保険から給料の2/3が支給される制度です。
取得条件をしっかり確認しておきましょう。
- 勤務先が健康保険に加入していること
- 産休期間中のみ支給(出産前6週間~出産後8週間)
- 産休中に会社の給料がない、または給料が少ない場合
- 夫の扶養に入っていないこと
手続きは健康保険組合に行います。
書類を記入して、申請後2週間~2ヶ月くらいで振り込まれます。
出産育児一時金
出産育児一時金とは、子供を1人出産するごとに42万円を受給できる制度です。※双子の場合は84万円
取得条件は下記のとおり。
- 健康保険に加入している
- 家族の扶養に入っている
育児休業給付金(育休取得者のみ)
育児休業給付金は、育休取得者のみ受給できます。育休期間中、給料の67%が支給される制度です。※育休7ヶ月以降は50%に減額
いくつか取得条件があるので、注意しましょう。
- 雇用保険に加入していること
- 過去2年間、11日以上出勤した月が12ヶ月以上であること
- 育休期間中に、給料の8割以上を支給されていないこと
- 育休期間中に月10日以上働いていないこと(10日を超える場合は80時間以下であること)
育休中に働いて給料が発生する場合、給料と育児休業給付金の合計が育休前の給料の8割を超えると、超えた部分が減額されます。
また、育休中に働いた給料が、育休前の給料の8割を超えると育児休業給付金自体がもらえません。収入があると減額される仕組みになっています。
社会保険料・厚生年金の支払い免除
産休期間中は、社会保険料・厚生年金の支払いが免除されます。
ただし、産休中に仕事をしてしまうと、その月は免除されません。
ちなみに、育休期間中も社会保険料と厚生年金は免除されます。産休と育休の免除はそれぞれ手続きが必要なので、手続きを忘れないようにしましょう。
産休を取得するための手続き
続いては、産休を取得するための手続きについて紹介します。
- 会社に妊娠を報告
- 産休申請の手続き
2点の内容をそれぞれ解説しますね。
①会社に妊娠を報告
会社側が出産に合わせて業務の調整をする必要があるので、妊娠がわかった時点で会社に報告しましょう。妊娠すると、今まで通りに仕事ができないこともあります。
例えば、妊娠健康診査や体調急変など、仕事より優先すべきことが出てきます。場合によっては、職務内容や部署の変更を会社に相談する必要もあるでしょう。
医師から休むように言われる可能性もあるので、会社側にも理解が必要です。
②産休申請の手続き
出産予定日の6週間前になったら、会社に産休の申請をしてください。人事や総務の人に相談すればOKです。
パートが産休・育休を取得するメリット・デメリット
条件を満たしていれば、パートだとしても産休・育休を取得することができます。経済的な補助もあります。良いことばかりのように感じる産休・育休ですが、どのようなメリット・デメリットがあるか、挙げてみます。
メリット
- 産休育休後に戻って働く場所があることの安心感
- 保育園の入園に関しては、パートを退職して専業主婦になるのと比べると育休中のパートの方が有利
- 手続きをすれば、満額ではないが手当が出る。社会保険料も免除される。
デメリット
- 14週間(産休)あるいは1年間(育休)休んだ後、本当に職場に復帰させてもらえるか不安がある。
- 手当があるとはいえ、それまで稼いでいた収入よりも少なくなる。
- 休暇と言っても、産休育休は定期的に会社から状況を聞かれる。
デメリットに挙がっているものも、退職する場合と比べれば、デメリットとは言えないものが多いと思います(産休育休をとらなければ、職場に復帰できる可能性はゼロだし、収入もゼロとなります)。出産後、子供が1歳になった後、同じ職場に戻って働きたいと思っているのなら、取得のために動くことをお薦めします。
産休を取得するための手続き
続いては、産休を取得するための手続きについて紹介します。
- 会社に妊娠を報告
- 産休申請の手続き
2点の内容をそれぞれ解説しますね。
①会社に妊娠を報告
会社側が出産に合わせて業務の調整をする必要があるので、妊娠がわかった時点で会社に報告しましょう。妊娠すると、今まで通りに仕事ができないこともあります。
妊娠健康診査や体調急変など、仕事より優先しなければならないことが出てきます。場合によっては、職務内容や部署の変更を会社に相談する必要もあるでしょう。
医師から休むように言われる可能性もあるので、会社側に理解してもらうことが必要です。
②産休申請の手続き
出産予定日の6週間前になったら、会社に産休の申請をしてください。人事や総務の人に相談すればOKです。
パートが気持ちよく産休育休をとるためのコツ
パートでも産休を取得できるといっても、職場の事情で取得できない人がいるのも事実です。法律では認められているけど、現場的に難しいという状態です。
労働政策研究・研修機構の調査によると、非正規社員で産休・育休を実施している企業は、パートが約4割、契約社員など:約3割にもなり、パートで産休を取得できない人が6割もいるということになります。
そこで、本当に産休を取得するためのコツを伝授します。
社内の人間関係を良好に保つ
常に職場内の人間関係は良好に保ち、あなたがいると心地よく働ける、と思われる存在でありましょう。
職場の人間関係を良好に保つコツをご紹介します。
- 挨拶や返事は元気よく
- 率先して仕事をする
- 上司の予測を上回る
これらをコツコツ積み重ねておくと、関係が良くなります。職場の人はいい関係の人とは一緒に働きたいので、産休を取っても「また戻ってきて!」と言いたくなりますよね!
復帰後も働きたい旨を伝える
働く意欲のある人には、みんな協力的なものです。特にあなたが職場にいなくてはならない人なら、会社側も協力してくれるでしょう!出産を機に退職してしまうと、会社はお金をかけて新しい人を採用しなければいけませんし、業務も教えなければいけません。だから、会社にとっては、あなたが復帰する意思を伝えるだけでも、とてもありがたいお話なのです。
パートが産休育休をとっても会社の負担は0円
産休育休をとらせてくれない会社、妊娠したらやめてくれという社長は、もしかしたら、ひとつ大きな勘違いをしているかもしれません。それは「産休育休って一切仕事をしていないのに、お金を払うのは難しい。給料以外に会社が負担している社会保険料だってある。1年も働かずにお金をもらい続けようとするのだったら、退職してもらいたい」という勘違いです。
産休育休に後ろ向きな会社は、産休育休がどんなものであるか、調べたことが無い可能性があります。調べればすぐにわかることなのですが、産休中、育休中は、『会社は本人に賃金を支払う必要がない』『社会保険料も全額免除となる』のです。
経済的な負担が無いのであれば、辞めてもらうよりも戻ってきて欲しいと思われているならば、この事実を知ることによって、喜んで産休育休をとらせてもらえるかもしれません。産休育休取得を持ちかけたとき、会社に拒否された場合は、「自分が産休育休をとっても、会社には余計な出費はない」ということを伝えてみてください。辞めてもらって、採用費をかけて、別の人をどうしても雇いたい、と思っていない限り、話は好転することでしょう。
復帰後の働き方【子育てと収入を両立させる方法】
復帰後はとりあえずパートでも良いでしょう。子供が小さいうちは、短時間労働の方が子育てもしやすいです。
ただし、知っておかなければいけないのは子育てにかかるお金です。
一般的に、子供1人を自立させるまでにかかるお金は、1人1500万円と言われています。子供が2人なら合計3000万円。
私立の大学に行けば、1人2000万円以上かかります。
子供が大きくなるにつれて、パートでは家計がきつくなります。子育てと収入を両立させるには、「時間の自由が効いて稼げる仕事」が必要です。
時間の仕事が効いて稼げる仕事は、下記の2つです。
- 在宅ワーク
- 営業職
それぞれの職種を解説します。
在宅ワークについて
在宅ワークは、子育てと収入の両立ができます。家で働けるので、子供の面倒も見やすいからです。
近年はクラウドソーシングサービスが充実しているため、在宅ワークをやりやすくなりました。
主な在宅ワークは、下記のとおり。
- プログラミング
- Webライティング
- Webデザイン
- Webサイト制作
- 動画編集
- 翻訳
どれか当てはまるスキルを持っている人は、在宅ワークで稼ぐこともできます。
ただし問題なのは、上記のスキルを何も持っていない人。上記のスキルがない人は、「頑張ってスキルを身につける」「他の仕事を探す」のどちらかになります。
営業職について
営業職も、子育てと収入の両立をしやすいです。アポイント以外の時間が自由がきくからです。
ほとんどの営業職は正社員なので、ある程度の収入も稼げます。
例えば、営業職の1日のスケジュールは、以下のようなスケジュールが一般的です。
6時:起床、朝の家事、子供たちを送り出す
9時:出勤、朝礼
11時:1件目のアポイント
13時:一時帰宅、家事を行う
15時:2件目のアポイント
17時:帰社、事務作業
18時:帰宅
23時:就寝
会社のルールや、どんな営業職かにもよりますが、アポイントの間は自由な会社もあります。
子供の行事や、急な体調不良があっても、臨機応変に対応できるのは営業職の強みです!子育てをしながら営業職をしているママさんたちも、たくさんいます。
営業職に向いている人
「でも、営業ってノルマあるんでしょ?私には無理じゃないかな…」と思う人もいますよね。
では、営業に向いている人の特徴を知っておきましょう。
もし当てはまるものが多ければ、あなたは営業職に向いているかもしれません。
- 自分で話すより、人の話を聞いている方が多い
- 友達に悩み相談をされたことがある
- 自分で友達を増やそうと思ってなくても、友達が増えていく
- 仕事でわからないことがあると、わかるまで聞く
- 頼まれた仕事+αをやって、喜んでもらえるのが好き
- スーツを着る仕事をしたい
- 実は「稼ぎたい」と思っている
いくつ当てはまりましたか?
4つ以上あてはまったら、営業の素質ありです。「でも、私は上手に話せないよ…」という人でも大丈夫です。
営業は「上手に話す仕事」と思われがちですが、実は「上手に聞く仕事」です。相手の悩みを聞き、その悩みを解決するのが営業の仕事。
決して、いらないものを無理やり買わせる仕事ではありません。
なので、上手に話せるよりも「上手に聞ける能力」が重要です。
もし先ほどの特徴に当てはまり、営業職に向いている可能性があるようなら、将来的に営業職も検討しましょう。稼ぎながらも、育児をする時間をもつことができます。
終身雇用が崩壊した現代は、営業できると強い
すでに日本では終身雇用が崩壊しているので、営業ができる人は強いです。営業は「手に職」だからです。
どんな業界でも、優秀な営業マンを求めています。
業界が変わっても人を相手にするのは変わらないので、営業スキルがあればどの業界でも働くことができます。
終身雇用が崩壊したということは、1つの会社で定年まで働けないということ。そうなると、頼れるのは自分のスキルしかありません。
既婚者の方であっても、スキルを身につけることをおすすめします。旦那さんがずっと働けるという保証はないからです。
例えば、こんな悲しいことが旦那さんに起こる可能性もあります。
- ガンになって働けない
- うつ病になった
- 交通事故に遭って働けない
そのとき、妻に何らかのスキルがあれば、生活の維持がしやすくなります。
営業スキルを身につければ多様な業界で働くことができるので、安心感があるでしょう。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい