次が決まらずに退職したら何をすればいい?
次が決まらずに退職したら、以下の7つのことをしましょう。
- 節約や生活費の確保
- 失業手当の手続き
- 年金の切り替え手続き
- 健康保険の切り替え手続き
- 住民税の支払い
- 確定申告(12月までに就職が決まらなかった場合)
- 短期のアルバイトを見つける
- 転職活動
節約や生活費の確保
次が決まらずに退職した場合、収入が途絶えることになるので、まずは節約や生活費の確保が重要です。
固定費の見直しや、必需品購入の際の節約を心がけ、支出を抑えるようにしたり、再就職するまでの期間の生活費を親に援助してもらうよう相談するなど、退職後の生活費をどうするかについて考えましょう。
加えて、退職前に退職金や貯金をどれだけ確保できるかを確認し、数ヶ月間の生活を維持できるか計画を立てましょう。
失業手当の手続き
退職後、次の仕事が決まっていない場合、失業手当の手続きを行うことが重要です。まずは、失業手当の受給条件を確認しましょう。退職後に失業手当を受けられるのは、以下の条件を満たす場合です。
- 退職前の2年間に12ヶ月以上の被保険者期間があること。ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者は、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。
- すぐに働ける状態にある
- 就職意思があり、就職活動を行っている
参考:基本手当について – ハローワークインターネットサービス
一般的には、退職前の2年間に12ヶ月以上の被保険者期間があることが条件です。手続きは、ハローワークで行います。申請には、離職票や雇用保険被保険者証などの書類が必要です。申請が受理されると、受給資格認定が行われ、その後、待機期間を経て手当が支給されます。
失業手当の申請方法
失業手当の申請は、早めに行うことで受給開始が早まります。まずは、会社から雇用保険被保険者証や離職票を受け取ることが必要です。次に、最寄りのハローワークでの申請を行います。その際には、身分証明書や印鑑、銀行口座が確認できる通帳が必要となります。
申請が完了すると、ハローワークで受給資格認定が実施されます。この際に求職活動が義務付けられるため、就職活動の計画を明確にしておくと良いでしょう。この過程を理解し、迅速かつ正確に手続きを進めることが大切です。
年金の切り替え手続き
退職後、次の仕事がすぐに決まらない場合、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。退職時には、厚生年金の加入期間が終了するため、その後の年金を国民年金でカバーする手続きを行います。
国民年金は20歳以上60歳未満の全ての人が加入する社会保険制度で、退職後14日以内に市区町村役場での手続きが求められます。この切り替え手続きを怠ると、未納期間として扱われ、将来の年金受給額に影響を及ぼす可能性があります。
したがって、退職後は速やかに役所へ行き、必要書類を提出することが大切です。厚生年金から国民年金への手続きをするには、資格喪失証明書や身分証明書を持参し、市区町村の役所または年金事務所で手続きを行います。
国民年金の保険料は、収入に応じて免除申請も可能ですので、経済的な負荷を軽減する方法も検討しましょう。
健康保険の切り替え手続き
次が決まらずに退職したら、退職前の会社で加入していた健康保険は、退職と同時に使えなくなるため、任意継続健康保険、国民健康保険、ご家族の健康保険(被扶養者)のいずれかに加入する手続きが必要となります。任意継続保険とは、加入していた健康保険に継続して加入することができる制度です。
国民健康保険の手続きは退職後14日以内、任意継続健康保険の手続きは退職後20日以内に行わなければなりません。この期間以内に切り替えを行わないと、医療費全額を自己負担することになる可能性があります。
国民健康保険の加入費用は、前年の所得に基づいて計算されるため、人によって異なる金額が設定されます。また、未払いを防ぐため、お金の準備も忘れずに行いましょう。
住民税の支払い
退職後に次の会社にすぐ入社する場合は、給与から住民税が天引きされる普通徴税が継続されますが、次が決まらずに退職した場合、自分で納付しなければならないことがあります。
住民税は、会社を退職した後も支払い義務が継続する重要な税金です。住民税は前年の1月1日から12月31日までの所得に基づいて計算され、通常、特別徴収という形で、毎年6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされて納付されます。しかし、退職すると給与からの天引きができなくなり、自身での納付が必要となります。
退職後の住民税の納付方法は、1月から5月に退職した場合と6月から12月に退職した場合で異なります。1月から5月に退職した場合、退職月の給与または退職金から一括で住民税が徴収されます。これに対して6月から12月に退職した場合、自治体から納付書が送付され、それを用いて個人で納付することが求められます。
1月1日から5月31日までの退職の場合
5月までに支払うべき「住民税」を、退職月の給与または退職金から一括で住民税が徴収される
6月1日から12月31日までの退職の場合
自治体から送付された納付書を用いて個人で納付する
収入が減少している時期に納税通知書が届くことが多く、支払いを忘れると延滞金が発生するため、期限内の納付が重要です。
確定申告(12月までに就職が決まらなかった場合)
年の途中で退職し、12月までに次が決まらずに年末調整がされなかった場合は、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告をする必要があります。12月までに次の会社に入社し、12月分の給与が支払われる場合は、転職先の会社で年末調整が行われるため、確定申告をする必要はありません。
「年末調整」とは、雇用主が従業員の1年間の所得税額を計算し、12月の給与支給時に確定させて国に申告する仕組みです。簡単に言えば、会社が従業員に代わって「確定申告」を簡略化して行うものです。そのため、12月の時点で会社を退職している場合は「年末調整」は行われません。
年末調整がされなかった場合は、自分で確定申告をする必要があるため、12月までに就職が決まらなかった場合は注意が必要です。
短期のアルバイトを見つける
次の就職先が決まっていない場合、短期のアルバイトを見つけることが収入を確保するための一つの方法です。短期アルバイトは、職種や業界を選ばずに柔軟に働けることが特徴で、幅広い選択肢があります。
まずは、求人サイトや人材派遣会社を活用し、自分の興味やスキルを生かせるアルバイトを探してみましょう。
しかし、失業手当を受ける際は、ハローワークに申請が必要となり、一日の労働時間が4時間以上となる日は失業手当を受給できなくなってしまうので注意が必要です。
転職活動
次のステップを見据えるために、即座に転職活動を開始することも重要です。まずは自己分析を行い、自身の強みや希望する仕事を明確にしましょう。
その後、求人サイトや就職支援サービスに登録し、情報を収集します。業界や職種を絞り込み、求人情報をチェックし定期的に応募するように心がけましょう。
また、面接に備えて模擬面接を行い、自己PRや志望動機をしっかり準備します。転職活動は、計画的で根気強く取り組むことが成功の鍵です。新たな職場での活躍を目指し、現状を冷静に分析しながら、最良の選択を探って進みましょう。
次が決まらずに退職した時の注意点
空白期間が長いと再就職しづらくなる
次が決まらずに退職した後の空白期間が長くなると、転職市場での自分の評価が厳しくなることがあります。空白期間が長すぎると、企業側は「仕事に対する意欲が低いのではないか」とか「転職できない何らかの理由があるのではないか」といった懸念を抱くことがあるのです。
したがって、退職後はすぐに就職活動をはじめ、計画的に進めることが重要です。
また、スムーズに就職活動を進めるには、一人で就職活動をせず、転職エージェントやハローワークなどのサポートを活用することをおすすめします。
失業手当をもらうには就職活動をしなければならない
退職した後、経済的な支えとして失業手当を受ける場合があります。この手当を受けるためには、定期的にハローワークへ出向き、就職活動を行っていることを証明しなければなりません。
つまり、単に「休みたい」という理由だけで失業手当を受け取ることはできません。退職後の手続きとして、健康保険や年金の切り替えとともに、失業手当の手続きを早めに済ませ、求職活動をきちんと行うことが重要です。このプロセスをスムーズに進めることで、次のステップでも問題なく再就職を目指すことが可能です。
退職から再就職までの流れ
自己分析とキャリアプランニング
次が決まらずに退職したら、まず、自己分析とキャリアプランニングは欠かせません。自分の強みや弱みを明確にし、どんな職種や業界に向いているのかを考えることが重要です。退職後の時間を利用して過去の経験を振り返り、自分の価値観やライフスタイルに合ったキャリアを考える良い機会となります。
また、今後のキャリアで達成したい目標を設定し、それに基づいた行動計画を立てることが、目標達成への第一歩となります。情報収集を行い、業界や職種のトレンドを把握することも大切です。これにより、自分に合ったキャリアパスが見えてくるでしょう。
求人サイトや就職支援サービスへの登録
自分のキャリアプランが明確になったら、次に行うべきは求人サイトや就職支援サービスへの登録です。これらのサービスを利用することで、職種や業界に特化した求人情報を得ることができます。
特に、転職エージェントを利用することで、履歴書や職務経歴書のアドバイス、面接対策、企業紹介などの強力なサポートを受けることができます。また、求人サイトでは希望条件を登録しておくことで自動的にマッチする求人を知らせてくれる機能もあり、効率的に情報収集が可能です。
退職 手続きや健康保険の切り替えと並行して、早めにこれらのサービスを活用することで、再就職活動をスムーズに進めることができるでしょう。
履歴書・職務経歴書の作成
再就職活動を円滑に進めるため、履歴書と職務経歴書の作成に注力しましょう。履歴書には、自己PRや志望動機を明確に記載し、自分の強みをアピールすることが大切です。
また、職務経歴書では、具体的な成果や経験を数字やエピソードで示すことで、採用担当者に対するインパクトを高めることができます。過去の実績を振り返り、どのような状況でどのような成果を上げたのかを詳細に記載することで、自分の価値を十分に伝えることができます。
また、応募先企業のカルチャーや求める人物像に合わせて内容をカスタマイズすることも推奨されます。これにより、面接につながる確率が高まるでしょう。
面接
面接は自身を企業に売り込むチャンスです。そのためには事前準備が必要不可欠です。まず、企業研究を徹底的に行い、その企業の課題やビジョンに対して自分がどのように貢献できるかを考えてみましょう。
また、一般的な質問に対する準備だけでなく、自分自身の退職理由や職務経歴のポイントを明確に説明できるように練習を重ねることが重要です。健康保険の手続きなどで新たな環境に適応する際に持つストレスに耐える力も評価されるポイントとなります。最後に、面接後のフィードバックを真摯に受け止め、次回の面接に活かすことで、より効果的な自己アピールができるようになるでしょう。
まとめ
次が決まらずに退職したら、まず必要なのは明確な計画を持つことです。退職後にやるべき手続きをしっかりと把握し、計画的に進めることが大切です。特に、健康保険や年金の切り替え、失業手当の申請など、早めに対応すべき手続きを漏れなく行うことが重要です。
また、次のステップに向けての準備も並行して進めましょう。自己分析やキャリアの再構築を通じて、次の仕事で何を実現したいかを考える時間を持つことが不可欠です。これにより、転職活動でもぶれない軸を持って面接に臨むことができます。また、離職中の経済的な不安を軽減するために、短期のアルバイトを活用するのも一つの戦略です。
後悔しないための心構えは、前向きな気持ちを維持し、自分の状況を客観的に見つめ続けることです。これにより、充実した次のステップを踏み出すための確かな一歩が踏み出せるでしょう。
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