
職歴がなくても正社員になれるのは何歳までですか?
職歴がなくても正社員になれる年齢に明確な基準はありませんが、一般的には34歳までだと言われています。
というのも、多くの就職・転職支援サービスの利用上限を34歳にしているからです。若い世代の就労支援を行っている「わかものハローワーク」の利用は34歳以下の人が対象となっています。
35歳以上となると、仕事のスキルやマネジメント経験などが求められるため、これまで職歴がなかった人が採用されるのは難しいです。
一方で、正社員になれる年齢の目安として27歳までと言われるケースもあります。一般的に業務を一通り覚えるのに3年かかると言われていることから、27歳ともなると企業によっては役職がついている人もいます。
そのため、20代も後半になるとポテンシャルでの採用が難しくなる可能性があるでしょう。
なお、正社員になれる年齢の最終ラインは40歳と言われています。これ以上の年齢になると、管理職としての採用が多くなるからです。
職歴なしの場合、管理職として正社員になるのは厳しいでしょう。
実際には厚生労働省は募集や採用において、年齢制限を設けることを禁止しているため、明確な基準はありません。
しかし、平成29年版「就業構造基本調査」の「無業・非家事非通学・無配偶で卒業者」(非休職無業+求職者)であった者の現状」によると、年齢が上がるほどに正社員として就職するのは難しくなることが読み取れます。
正社員として就職するなら、できるだけ早く行動するのがおすすめです。
20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40〜44歳 | 45〜49歳 | |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 20.6% | 22.0% | 12.5% | 9.8% | 7.9% | 6.1% |
女性 | 22.7% | 18.3% | 10.7% | 8.4% | 7.1% | 10.2% |
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 平成29年版「就業構造基本調査」
年代別「職歴なし」が与える印象
あくまでも学歴や職歴がなかった理由(新卒で就職に失敗した・夢を追っていたが挫折した・自分の病気や親の介護をしていた等)によっても変わってきますが、職歴がない場合に企業側に与える印象について解説していきます。
自身の年代が企業側にどういった印象を持たれているのかを知れば、就職活動の対策がしやすいでしょう。
1. 20代職歴なしの場合
20代職歴なしの場合、まだ若く将来性があると印象を与えられます。体力や気力、柔軟性があり、今後のポテンシャルに期待できるからです。
20代であれば経験がなくても、これから育てていけると考える企業も多いです。体力があり、頭も柔らかいので、新しいことをどんどん吸収していけるでしょう。
また、職歴がない理由についても、20代であれば寛容に見てもらえる可能性もあります。面接で新卒の就職活動がうまくいかなかった、夢を追っていたが挫折したなどと伝えても問題ないでしょう。
反省して今後頑張っていきたいという姿勢が大切です。
20代はまだやり直しができる年代です。あきらめずに就職に向けて行動していきましょう。
2. 30代職歴なしの場合
30代で職歴なしの場合、その理由とこれまでやっていたことについて、面接官に懸念を持たれる可能性があります。一般的に、30代で転職活動を行うと、即戦力としてのスキルやマネジメントの経験を求められることが多いからです。
新卒で就職していた場合、30代だと入社から10年以上経っていることになり、多くの人は相応のスキルや実績があると考えられます。
企業側は、30代の応募者にはこうしたスキル・経験を求めているため、職歴がないと応募条件に合致しないことも多いかもしれません。
面接官は職歴がない理由とこれまで何をしていたのかについて疑問を持ちます。就職エージェントなどを利用して、適切な準備をする必要があるでしょう。
3. 40歳職歴なしの場合
40代職歴なしの場合、面接官からはさらに厳しい印象を持たれるでしょう。新卒で就職していた場合、40代だと入社から20年近く経っています。
その間職歴がなかったとなると、面接官からは何か問題があるのではと懸念を持たれるかもしれません。
再就職する場合、40代であれば管理職候補として採用されることが多いです。企業からは、特化したスキルや大きな実績、マネジメント経験が求められるでしょう。
これまで職歴がなかった場合、相応のスキルや実績を作るのは難しいです。就職するには、綿密に対策を立てる必要があります。
就職エージェントなどを利用して、年齢・経験不問の仕事を探したり、面接対策をしたりして万全の準備をするのがおすすめです。
職歴なしから正社員を目指すステップ
これまでお伝えした通り、年齢とともに正社員になる難易度は高くなるため、早めに行動するのがおすすめです。
とはいえ、具体的にどうしたらいいかわからない人もいるでしょう。そこでここからは、職歴なしの人が正社員を目指すステップを解説します。
このステップを1つずつこなしていけば、職歴なしでも正社員を目指せるので参考にしてみてください。
1. 自己分析・企業研究をする
1つ目は、自己分析で自分の強み・適性を把握することです。これまでの人生を振り返ったり、自分の得意なことや苦手なことを分析してみたりしましょう。
自己分析に関する書籍を参考にしたり、転職サイトの無料の自己診断ツールを使うのがおすすめです。
その後、自分のやりたい仕事や適正のある仕事を探し、企業研究をしましょう。その際は、やりたい仕事だけでなく、職歴がなくても積極的に採用している業界や職種を狙うと良いです。
たとえばITや介護、営業職などが当てはまります。これらの業界は人手不足の傾向にあるので、職歴に関係なく採用してくれる可能性が高いでしょう。
以下のような情報を参考にして、企業研究をするのがおすすめです。
出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2024年7月)」
2. 基本的なスキルを身につける
2つ目は、応募する業界や職種に必要な基本的スキルを身につけることです。基礎スキルがあるとアピールできれば、面接官に好印象を与えられるからです。
たとえば以下のようなスキルがあります。
- IT分野→基本的なプログラミングやパソコン操作
- 事務職→ExcelやWordといったビジネスソフトの操作スキル
スキルを身につけるにはさまざまな勉強方法がありますが、その中でもハローワークが開催している求職者支援訓練がおすすめです。
手当をもらいながら、パソコンの基礎スキルやプログラミングなど、実践で役立つスキルを身につけられます。受講するには条件があるので、詳しくはお住まいの地域のハローワークで相談してみてください。
参考:東京ハローワーク「求職者支援訓練受講者募集のご案内」
3. 資格を取得する
3つ目は、希望する業界に必要な資格を取得することです。資格があれば、職歴なしでも仕事に必要な知識がある証明になるからです。
たとえば、不動産業界であれば宅地建物取引士の資格など実際に現場で役立つ資格を取得するのがおすすめでしょう。
不動産会社は法律で宅地建物取引士の資格を持った社員がいないと営業できないと定められているため、資格を持っていると就職活動を有利に進められます。
会社によっては宅地建物取引士の資格を持っていれば、資格手当が出るなど優遇措置があるでしょう。
資格を取得するのは簡単ではないですが、決して不可能なことではありません。職歴なしでも採用してもらえる可能性が高まるので、資格取得を目指すのがおすすめです。
4. アルバイトで経験を積む
4つ目は、希望する職種のアルバイトで経験を積み、正社員登用制度を利用して正社員を目指すことです。
アルバイトであれば、正社員より採用されるハードルが低いため、職歴がなくても雇ってもらえる可能性が高いでしょう。
この方法のメリットは、実際に働いて人となりや仕事ぶりを知ってもらえることです。通常の正社員採用試験だと、面接の短い時間だけしか自分をアピールできません。
一方で、アルバイトとして実際に働いていれば、長い時間をかけて自分の仕事振りをアピールできます。職場の人とも直接コミュニケーションがとれるので、人となりを知ってもらうこともできるでしょう。
いきなり正社員を目指すよりも可能性が高いのでおすすめです。
5. 就職エージェントを活用する
5つ目は、就職エージェントを活用することです。プロである就職エージェントを利用すれば、就職できる確率を高められるからです。
たとえば、自分に合った求人を見つけてくれたり、面接対策や履歴書の添削をしてくれたりといったサービスが受けられます。職歴のない人にも適したサービスと言えるでしょう。
ポイントは、職歴なしの人に特化した就職エージェントを利用することです。履歴書の空白期間の書き方や、面接で職歴がない理由について聞かれたときの回答方法などを教えてくれます。
また、書類選考なしの求人を紹介してくれる就職エージェントもあります。書類選考がなければ、経歴ではなく面接で自分のことをアピールできるので、職歴がない人に適した求人と言えるでしょう。
まとめ
この記事では、職歴がなくても正社員になれるのは何歳までかという疑問について解説しました。ポイントは以下の通りです。
- 年齢に明確な基準はないが一般的に34歳までと言われている
- 27歳までと言われるケースもある
- 年代が上がるほどに企業が持つ印象は悪くなっていくので早めに行動するべき
- 職歴なしから正社員を目指すステップを着実に踏んでいく必要がある
正社員になれる年齢に明確な基準はありませんが、年齢が上がるほど難しくなるのは事実です。思い立った今日から行動していきましょう。




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