
40代で引きこもっている割合は?
40代で引きこもっている割合は、引きこもり当事者全体の17.1%と年代別としては最も多くなっています。
人口およそ70万の東京・江戸川区が、ひきこもりの可能性がある15歳以上のおよそ25万人を対象に初めて大規模な調査を行いました。
その結果、以下のことがわかりました。
- 14歳以下の不登校の子供などと合わせ、区内に9000人あまりの引きこもりの人がいる
- 40代が最も多い
- 女性が男性よりも多い
ひきこもりの定義について厚生労働省は、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人と交流せずに6ヶ月以上続けて自宅に引きこもっている状態」としていますが、江戸川区は、今回の調査では6ヶ月という期間を除き、「仕事や学校等に行かず、家族以外の人との交流をほとんどしない人」と定義しています。
アンケートに回答した人のみの調査結果なので、実際はもっと多いと予想されます。
40代で引きこもっている割合は、全体の2割以上いる可能性もあるでしょう。
参考:NHK ”ひきこもり”初の大規模調査 見えてきたものは
40代が引きこもりになった理由ランキング
引きこもりになる理由は人それぞれですが、その中でも40代が引きこもりになった理由について解説します。
40代は退職や人間関係など、職場にまつわるものが多い傾向にあります。理由を知ることで、引きこもりから脱出する解決策を見つけるヒントになるでしょう。
割合が多かったものから順番に紹介していくので、参考にしてみてください。
1位 退職した
最も多かった理由は「退職した」ことです。
40代の引きこもりの人は、1度就職したものの何らかのきっかけで退職してしまいそのまま引きこもりになるケースが多く見られます。
以前と比べて転職が一般的になったとはいえ、まだまだ日本の社会では退職に対して否定的な意見があるのも事実です。さらに、年齢が上がるほど、再就職のハードルは高くなります。
したがって、一度退職してしまうと再就職が難しくなり、そのまま時間が過ぎて年齢も上がっていくと考えられるでしょう。
2位 人間関係がうまくいかなかった
次に多かった理由は、人間関係がうまくいかなかったことです。職場で同僚や上司とのコミュニケーションがうまくいかずに孤立してしまうなど、人間関係がうまく作れずに引きこもってしまうケースが多くありました。
人間関係がうまくいかないと、再就職するにも新しい職場での人間関係に恐怖心を感じてしまいます。
その結果、家族以外の人とコミュニケーションが取りづらくなり、さらに引きこもりを悪化させる悪循環に陥ってしまうと考えられるでしょう。
3位 病気
3つ目に多かった理由が、病気です。
何らかの病気になってしまい職場へ行けなくなり、そのまま引きこもりになってしまうケースがあります。
たとえば、うつ病や適応障害などの病気になってしまい、職場へいけなくなってしまう事例が考えられます。
仕事のストレスや疲労が原因で発症する場合が多く、一度回復して仕事に復帰しても再発する可能性がある病気です。
その結果、再就職が難しくなり、そのまま引きこもり期間が長くなってしまうことが考えられるでしょう。
4位 職場に馴染めなかった
4番目の理由は、職場に馴染めなかったことです。
先ほどの人間関係と重なる部分もありますが、職場の雰囲気が合わず、うまく馴染めずに孤立してしまうといったケースがあります。
たとえば、体育会系の文化・雰囲気がある職場に就職した場合、自身も体育会系だったらいいですが、控えめな性格の方だと、職場に馴染めず辛くなってしまいます。
その結果、職場へ行きづらくなり、引きこもりとなってしまうケースがあるでしょう。
5位 就職活動がうまくいかなかった
5つ目の理由は、就職活動がうまくいかなかったことです。
現在40代の人は、いわゆる「就職氷河期」の2000年前後に大学を卒業した人たちです。就活に失敗したことを機に引きこもり状態となった人が多いと考えられるでしょう。
当時は、転職も今ほど一般的ではありませんでした。就活に失敗すると、ブランクができてしまい新たな仕事に就くのは難しかったと考えられます。
そのまま年齢を重ね、さらに就職が難しくなってしまったら、引きこもり状態になってしまうのも無理はないでしょう。
40代引きこもりの特徴
40代の引きこもりには以下のような特徴があります。
- 引きこもりが長期化しやすい
- 就労経験がある人がほとんど
就職氷河期などの時代背景もあり、仕事に関するつまづきから引きこもり状態となる人が多いと考えられます。
特徴を知ることで、引きこもりの原因や脱出するための解決策が見えてくるので、参考にしてみてください。
1. 引きこもりが長期化しやすい
内閣府の調査結果では40〜64歳の引きこもり期間は、半数近くが7年以上で、30年以上の人も6.4%いることがわかっています。
現在のような引きこもりへの支援が進んだのは、まだ最近のことです。それ以前から引きこもっている人は、相談したり、支援を受けたりする先がなかったと考えられます。
また、当時は引きこもりへ対する偏見が強かったことも原因のひとつでしょう。「甘え」「家庭の問題」「引きこもりは恥ずかしいこと」といった認識を持つ人も多く、家族内で隠す風潮があったのも事実です。
その結果、必要な支援を受けられず、引きこもりの長期化へ繋がったと考えられるでしょう。
2. 就労経験がある人がほとんど
KHJ全国ひきこもり家族会連合会の調査によると、40歳〜69歳で就業経験がある人は90.3%との結果が示されました。
多くの人は、社会に出て何らかの就労を経験したのち、引きこもり状態になっていることがわかります。
引きこもりと聞くと、就労経験がない印象を持つ人も多いかもしれませんが、実際は違います。
40代の引きこもりの大部分は就労経験があり、就職したいという意欲がある人も多いです。
引きこもり状態になってしまったのは、本人だけの問題ではなく、時代背景や社会の仕組みなどさまざまな要因があると考えられます。
就職氷河期に就職活動をしなければならなかった世代でもあり、決して「甘え」で引きこもりになったわけではありません。
40代引きこもりから抜け出すステップ
何とか引きこもりから抜け出したいとは思いつつも、具体的にどうしたらいいかわからない方も多いでしょう。
そこでここからは、40代引きこもりから抜け出すためのステップを4つ紹介します。
このステップを1つずつクリアしていけば、引きこもりを抜け出すことにつながるので、参考にしてみてください。
1. 小さな成功体験を積み重ねる
1つ目のステップは、小さな成功体験を積み重ねることです。今自分にできることを、どんなことでもいいので挑戦してみましょう。
- 朝早起きして近所を散歩する
- 筋トレする
- 家族以外の人と会話する
- コンビニに行って買い物をする
- 料理をしてみる
- 電車に乗ってみる
- 店員さんに挨拶する
たとえ小さなことでも、成功体験を積み重ねた先に引きこもりの脱出があります。自分のペースでいいので、少しずつ挑戦してみましょう。
2. 生活リズムを整える
2つ目のステップは、生活リズムを整えることです。
引きこもり状態にあると、生活リズムが乱れ、昼夜逆転生活になってしまう方も多いでしょう。生活リズムを整えることで、健康になり気持ちも前向きになります。
- 朝は決まった時間に起きる
- 3食きちんと栄養のある食事を取る
- 散歩やストレッチなど軽い運動をする
- 夜は日が変わる前に寝る
規則正しい生活リズムはすべての土台となります。少しずつ改善していきましょう。
3. 無理せず自分のペースを大切にする
3つ目のステップは、無理せず自分のペースを大切にすることです。
早く引きこもりから抜け出したいと焦るあまり、自分の気持ちがついていかないまま行動を進めてしまうと、また別のきっかけで引きこもってしまうようになる可能性もあります。
たとえば、いきなりアルバイトをはじめようと面接にいって不採用となり、そのショックから引きこもってしまうといったケースが考えられます。
自分のペースでいいので、少しずつできることを増やしていきましょう。
4. 引きこもりの方向けの行政支援を利用する
4つ目のステップは、行政の支援を利用することです。
現在は引きこもりへの支援が充実しており、氷河期世代の引きこもりの方への行政の支援があります。たとえば以下のような支援があります。
- 社会参加への準備支援
- 家庭への訪問支援
- 居場所づくり
- 自立相談支援事業
- 住居確保給付金
- 家族支援
社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を持つ専門家が相談支援を行ってくれます。引きこもりから抜け出すためのきっかけになるかもしれないので、知っておくだけでも良いでしょう。
参考:厚生労働省 各種支援期間
まとめ
この記事では、40代で引きこもっている割合と引きこもりになった理由や特徴、引きこもりから抜け出すステップについて解説しました。
- 40代で引きこもっている割合は17.1%で年代別で最も多い
- 引きこもった理由は「退職した」が最も多い
- 40代の引きこもりは就労経験があり、長期化しやすい
- 40代が引きこもりから抜け出すには小さな成功体験からはじめる
- 行政支援を利用するのが重要
自分のペースを大切に、引きこもりからの脱出を目指しましょう。




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