失業保険の受給が出来る条件はご存知ですか?
雇用保険に加入している方に適用される給付制度が失業保険ですが、どんな条件で失業保険が貰えるのか知らない人も多いかと思います。
ここでは、退職してから失業保険を給付してもらうための手続きや、ハローワークとの関係についてまとめていきます。
今後の転職活動にぜひ役立ててみて下さい。
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この記事の目次
失業保険を貰えるかどうか知りたい!受給の条件は?
失業保険を受給するためには、幾つか条件があります。
例えば、「雇用保険に12ヶ月以上加入をしている」などは基本的な条件の1つです。
退職の日以前に、1年以上雇用保険の被保険者として働いていれば条件に該当しますので、失業保険受給の手続きが出来るでしょう。
ただ、失業保険の認定を行うハローワークでは、次のような条件を満たしているかどうかもチェックします。
- 本人に再就職する意思があり、仕事をする能力がある
- 積極的に求職活動を行っている
失業保険を貰った後に仕事を探す意欲があるか、という点が失業保険の認定では特に重要になります。
つまり、病気やケガ、妊娠などの事情ですぐに仕事に就けない状態の時には、失業保険給付の条件に該当せず、手当を貰うことが出来ません。
しかしながら、このような事情がある時には、傷病手当の受給期間延長の申請が出来る場合があり、傷病手当を貰うことで生活が出来ます。
病気やケガの場合は、傷病が完治して仕事を始められるようになるまで、どのくらいの時間がかかるかが重要になってきます。
2週間以内で治る軽い傷病については、そのまま通常通りの流れで失業保険の受給が出来て手当を貰える可能性が高いでしょう。
一方、療養に2週間以上かかりそうな時には、傷病手当を利用出来るかもしれません。どのような手当を貰えるのかはあなたの影響されます。
まずは早めに管轄のハローワークで相談をしてみましょう。
まずはハローワークへ!失業保険を受給する時の手続き
失業保険の申請に必要な書類は、退職後に元の勤務先から貰うことになります。
それらの書類に加え、本人確認書類を最寄りのハローワークに持参し、手続きをしていきましょう。
保険を貰えるまでのステップ1:ハローワークでヒアリング
以下の持ち物を忘れずにハローワークに持っていき、雇用保険の窓口で受付してもらいましょう。
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 印鑑
- 写真
- 運転免許証
- 口座の預金通帳、キャッシュカード
受付後は、担当者による簡単なヒアリングがあります。退職をした経緯や現在の状況などがもらった離職票の内容と相違ないかどうかをチェックするのが目的です。
特に問題がなければ、書類は受理され、以後7日間の待機期間に入ります。
待機期間の間は、仕事はもちろんですが求職活動なども出来ないので注意しましょう。
保険を貰えるまでのステップ2:失業保険の説明会へ
失業保険の説明会についてのスケジュールが案内されますので、まずはその説明会に出席しましょう。
説明会では、求職活動計画書や雇用保険受給資格者証、失業認定申告書といった3つの書類がもらえます。
説明会に出席し、このような書類をもらえば、その後はハローワークで就職活動が出来るようになります。
保険を貰えるまでのステップ3:認定日にハローワークへ
3週間後にある失業保険の初回認定日には、必ず出席することが必要です。
失業保険の認定日は、1ヵ月に1回の頻度で設定されています。
このような認定日で失業の状態であると認められれば、数日後に指定した口座に失業保険の給付金が振り込まれ、手当が貰えます。
ただ、認定日から次の認定日までの間に、2回以上求職活動をしていることが給付の条件になっています。
ハローワークにて、職業相談や求人への応募などを積極的に行う必要があるでしょう。
一般受給者と特定受給者の条件の違いは?
失業保険の制度では、退職をした理由によって一般受給者と特定受給者に分けて扱われます。ここでは、それぞれの定義や給付期間について説明します。
一般受給者の場合
一般受給者は、自己都合や定年で仕事を離職した方です。懲戒解雇で会社を辞めた場合も、一般受給者にの条件に当てはまります。
一般受給者の給付日数は最高で150日で、7日間の待機期間の他に3か間の給付制限が設けられます。
つまり、初回の説明会から失業給付が始まるまで約3か月かかりますが、この期間も認定日には必ず行くのが受給の条件です。
3か月の期間は、給料も手当も貰えないため、一般受給者の条件に該当する方は、退職前に貯蓄をしておくのがベストと言えます。
家族の扶養に入るなどの方法で、社会保険料の負担も抑えましょう。
特定受給者の場合
特定受給者は、特定理由離職者とも呼ばれています。
倒産や解雇などの会社都合で仕事を辞めざるを得なかった方や、雇用期間が予め決まっていた方が、特定受給者の条件に当てはまります。
特定受給者の場合、給付日数は330日です。
給付日数は、被保険者の年齢や勤続年数などの条件で変化しますが、特定受給者の場合は一般受給者より給付日数が多くなる傾向があります。
特定受給者の特徴
特定受給者には、一般受給者のような3か月間の給付制限がありません。
従って、7日間の待機期間という条件を満たせば、失業給付金を貰えます。
初回の認定日で失業の状態と認定されれば、1週間前後で所定の給付金が口座に振り込まれます。
特定受給者は、再就職の準備をする時間を確保出来ないまま、急に退職せざるを得ないケースが多いです。
そのため、失業保険の保障も一般受給者に比べると手厚くなっているのが現状です。
失業保険の基本手当や貰える金額の計算方法は?
実際に給付金として貰える失業保険の金額は、離職する前の給与の額を元に決定されます。
基本手当の計算方法
退職前の6か月の給与の額を180日で割り、算出された金額の50パーセントから80パーセント相当が、支給される基本手当日額です。
ちなみに60歳から64歳の方だけは、45パーセントから90パーセントとなりますので、若干日額が減る場合があります。
基本手当の計算方法
一般的に、給与の額が少ない方ほど高い率が適用される条件になっています。基本手当日額には、年齢ごとにそれぞれ上限額がある点も押さえておきましょう。
例えば、30歳未満の方は6,710円が貰え、45歳以上60歳未満の方は8,205円(平成29年8月現在)貰うことが出来ます。
基本手当がいくら貰えるかは、説明会の時に配られる雇用保険受給資格者証に記載されています。多くの場合、この雇用保険受給資格者証を見て、初めて貰える基本手当日額が分かります。
職業訓練を受けた場合には、すぐに失業手当がもらえる?
ハローワークでは、全国の専門学校などと提携をして随時職業訓練のサービスを行っています。
失業保険受給中も職業訓練を受けられる
こういった職業訓練は、失業保険の受給中でももちろん利用が可能です。
ハローワークで職業訓練を受けることになった場合、一般受給者の条件に該当しても、すぐに失業手当を受け取れるようになります。
3か月間の給付制限がなくなるため、特定受給者と同様に手続きをすれば給付金が貰えます。
職業訓練中は、失業手当だけでなく、通所手当や寄宿手当といったプラスアルファの手当てが貰えることも。
その方の状況によって、様々なサポートが用意されているのが、職業訓練という制度です。
職業訓練の内容
職業訓練は、一から専門的な技術や知識を学べるような内容が多く、キャリアアップに役立てることが可能です。
ハローワークにはパソコンや介護、医療を始め、あらゆる分野の職業訓練があり、自分の進路に沿ったプログラムが選べます。
無料で資格が取得出来るプログラムもあり、スキルアップを狙う方にとっても大きなメリットがあると言えるでしょう。
職業訓練を受けると失業保険をより貰える
また、職業訓練を受けていると、失業保険の受給期間が延びるケースがあります。
多くの方の場合、失業保険の給付金が貰える期間は90日前後で終了しますが、職業訓練を受けている方に限っては期間が延長されます。
職業訓練の期間によっては、かなり長期に渡って失業保険を貰うことが出来ますが、時期によって募集がかかっているプログラムが異なります。
自身が失業保険を受給している時に、タイミング良く希望するような職業訓練があれば、前向きに検討する価値があるでしょう。
失業保険受給中にアルバイトは出来る?
アルバイトなどの短期間の就業は、失業保険の制度を利用して給付金を受給していても可能な場合があります。
例えば、給付制限を受けている方でも、このような給付制限期間中にちょっとしたアルバイトをすることは出来ます。
ただ、週の労働時間や1ヵ月当たりの勤務日数などに条件があるため、仕事をする時には問題がないかどうか、ハローワークに確認しておいた方が良いでしょう。
失業保険を貰ってからもアルバイトが出来る
失業手当の受給が始まってからでも、アルバイトは不可能ではありません。
毎月の認定日にアルバイトをした日数や勤務した時間、受け取った金額などをきちんと申告すれば、そのまま手当の給付が継続されます。
受給金が減るケースも
しかしながら、受給中に何らかの収入があった時には、その金額分が貰える手当から減額されることになります。
従って、所定の貰える給付額を超えて収入を得ることは出来ないのが現実です。
アルバイトが出来ない期間としては、手続きを開始して以後の7日間が挙げられます。
この時期は、1日数時間のアルバイトであっても給付条件を満たさなくなります。
失業保険の制度では、アルバイトの事実を故意に隠す場合はもちろんですが、認定日に提出する書類に記載漏れなどがあると、不正受給として扱われてしまうため注意が必要です。
失業保険以外に、再就職手当はどんな条件でもらえる?
失業保険を受給している方が早期に就職が決まった場合や、新たに事業を始めた場合、支給されることがあるのが再就職手当です。
厚生労働省では、次のような条件を満たしている時に再就職手当の支給を行っています。
- 手続きをした後、7日間の待機期間を経て就職、事業の開始をしていること。
- 就業する前日までに、給付日数の3分の1以上の日数が残っていること。
- 雇用保険の被保険者となっていること。
- 過去の3年間に、再就職手当や常用就職支度手当などを受給していないこと。
さらに細かい条件も
こういった基本的な4つの条件の他にも、細かい条件がさらに4つほどあります。
例えば「離職した勤務先と関係のない事業所に就職する」という条件は、再就職手当の条件の1つです。
以前の勤務先や取引先などに就職をした場合は、再就職手当の給付対象にはなりません。
また、受給資格が決定する以前や求職の申し込みをする以前に内定していないこと、なども条件の1つになっています。
給付制限を受けている方の場合は、求職の申し込みから待機期間を過ぎて1ヵ月までの間は、ハローワークや職業紹介事業者の紹介によって再就職したことが条件です。
また、1年以上の雇用が確実であること、なども再就職手当支給の条件に含まれます。
派遣社員などの更新制の仕事の場合、1年以上の雇用が見込まれない時には、再就職手当の条件には該当しませんので要注意です。
8つの条件を満たすと再就職手当が貰えるかも
このような8つの条件をすべて満たしている場合は、再就職手当が貰える可能性があります。
給付日数が3分の1以上残っている方は、日数分の手当の60パーセントの金額、3分の2以上残っている場合は、70パーセント相当の金額が支給されます。
3倍返しもあり得る?!不正受給に注意!
失業保険の制度を利用している時に特に気を付けたいのが、不正受給です。
失業保険の条件をしっかりと押さえていないと、知らない間に不正受給をしてしまっていることもあり得ます。
不正受給によくあるパターン
例えば、認定日までの間に行っていたアルバイトをうっかり記載し忘れて、失業認定申告書を提出してしまう、などは良くあるパターンです。
アルバイトをしているにもかかわらず、事実を申告せずに失業保険を受給し続けてしまうと、不正受給になってしまいます。
また、再就職が決まったことをハローワークに伝えずに、そのまま失業保険をもらっている場合も、不正受給の条件に該当します。
不正受給が発覚するとどうなる?
このような不正受給が万が一発覚すると、受け取ったお金を全額返金しなければなりません。
悪質な不正受給とみなされてしまった場合は、3倍の金額を返さなければならないケースもあります。
こういった事態に陥ると、その時点で失業保険の受給資格がなくなってしまうため、以後の給付金を貰えることはありません。
知り合いの個人商店や会社の手伝いなどは、失業認定の際にもつい書き忘れてしまうことがあるので注意しましょう。
失業保険の申請は慎重に
もらったお金が少額であれば、申請書に記載するのを面倒に感じるかもしれません。例え少額であっても、忘れただけ、で済ませることが出来ないのが失業保険です。
悪意がない記載漏れのケースでも、条件に該当したら不正受給したという事実が残るので、認定日には慎重に記載した書類を提出する必要があります。
こんな人におすすめ!
- 自分に合った仕事や場所を見つけたい
- ワークライフバランスを重視したい
- 会社に属する安定ではなく、能力/スキルの獲得による安定を手にしたい