休職したら終わりという声を聞いて、「休職を考えている自分はこれからどうしたらいいのか」と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、休職したら終わりと言われる理由について詳しく解説します。
合わせて、休職・退職・転職のどれを選択すればいいのか判断するための軸を分かりやすくまとめてご紹介します。
今の会社に不満を感じていて休職をするかどうか悩んでいる人は、記事の内容を参考にして、後悔をしない選択肢を選ぶようにしてみてください。
この記事の目次
休職したら終わりと言われる理由
休職したら終わりと言われる理由としては、以下の4点が挙げられます。
- 復帰後に職場に居づらくなる
- キャリアへの影響を心配する
- 社会復帰をする気力がなくなってしまう
- 次の転職活動で休職について聞かれることがある
それぞれの理由について詳しく解説します。
復帰後に職場に居づらくなる
休職をした後は基本的に職場に復帰することが大半ですが、復帰後に職場にづらくなるといった感覚を味わうリスクが考えられます。
特に精神的な理由で休職をしてしまった場合、復帰後に妙な気遣われ方をしている雰囲気を味わうことがあるでしょう。
他にも、仕事を極端に割り振られなくなったり、よせよそしい話しかけられ方をしたりなど、周囲が再び休職してしまわないように、不自然な関わり方をしてくることがあります。
また、復帰から時間が経っても、同僚や上司から影で「あの人は、昔精神的な理由で休職をした」などと噂話を広げられてしまうことも少なくなく、職場に居づらい気持ちを感じながら働き続けることも少なくありません。
キャリアへの影響を心配する
休職をするとキャリアへの影響も生じてきてしまいます。
仕事を任せられすぎて耐えられなくなり休職をしたようなケースだと、復帰してからチャレンジングな仕事を任せてもらえる機会がなくなる可能性があります。
そうなれば、社会人としてキャリアを積んでいくことが難しくなるだけでなく、仕事に対してやりがいを感じにくくなることもあるでしょう。
また、自分が休職をした事実は人事情報として管理され続けることもあります。
休職をしたことで、将来今の会社で昇格をしていくことが難しくなることも考えられますので、中長期的な観点で休職したら終わりと言われてしまうこともあります。
社会復帰をする気力がなくなってしまう
心身ともに疲れ果てて休職をした場合、1日中働かないような生活を長期間に渡って過ごすことになります。
場合によっては、休むことに慣れてしまって職場復帰をしたくないと感じ、社会復帰をする気力がなくなってしまうことが考えられます。
本来、休職は心身のリフレッシュをして、再びモチベーションを上げた状態で職場に戻ってくることを目的としています。しかし、社会復帰をする気力がなくなってしまうことで、復帰が遠のいてしまったり、キャリアがストップしてしまうこともあるでしょう。
次の転職活動で休職について聞かれることがある
休職をする事は、今の会社で様々なデメリットやリスクがあるだけでなく、今後の将来の転職活動にも影響してくることがあります。
転職活動においては休職した過去について聞かれる事が少なくありません。
もし休職をしている事実が面接官に伝わることがあれば、「この人を採用してもまた休職をしてしまうのではないか」といった不安を与えることに繋がり、結果的に見送りになるケースが考えられます。
休職をすることで、将来の職業選択で自分の首を絞めてしまうことにも繋がりかねず、面接対策に余計に時間がかかるといった点も、休職したら終わりと言われる理由としてあげられます。
休職したら終わりということはない
休職をすると、様々なデメリットやリスクによって、今後のキャリアの成長が終わりを迎えてしまうという見方が多いですが、決して休職したら終わりというわけではありません。
休職をしたら終わりと言い切れない理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 休職は従業員の権利とされていることが多い
- 休職したら退職しろは法律違反になりうる
- 必要以上に休職期間を延ばさないこと
それぞれ詳しく解説します。
休職は従業員の権利とされていることが多い
実は休職に関する法律上の定めは特にありません。
したがって、休職に関しての制度は、そのすべてが会社ごとに判断が委ねられているということになります。多くの会社においては、それぞれの就業規則で休職に関する取り決めが定められている傾向にあります。
休職における取り決めがある会社の場合は、従業員の権利として休職という選択肢があると判断できますので、休職したら終わりという事はないと言えます。
ただし、休職に関しての取り決めは会社や職場によって様々なため、休職できる期間や条件、申し出の期限などは勤め先の会社の就業規則を確認する必要があります。
もし休職に関する就業規則が定められていない場合は、人事に確認することをおすすめします。
休職したら退職しろは法律違反になりうる
休職における取り決めは法律で定められていないものの、会社から従業員に対して一方的な申し出による労働契約の終了である解雇を言い渡すことは法律で禁じられています。
労働契約法第16条によれば、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は会社が労働者を辞めさせることができないと定められています。
休職で言えば、労働者と会社であらかじめ休職の合意がなされているにもかかわらず、休職期間が長引いたなどの理由で解雇を言い渡すことはできないと解釈することができます。
また、「休職するなら退職しろ」という言葉は、不当な解雇通達に該当するケースもあるため、法律違反になり得るという点も理解しておくと良いでしょう。
もちろん、様々な事情が考慮されて正当な要求なのかどうかをケースバイケースで判断する必要がありますが、休職と退職は決してイコールではない点を認識しておいてください。
必要以上に休職期間を延ばさないこと
会社ごとの就業規則によりますが、一般的には休職できる期間があらかじめ定められている会社が多い傾向にあります。もし就業規則に記載されている以上の休職期間を無断で取ってしまうようなことがあれば、解雇されるリスクが高まります。
また、休職を申し出る際に、あらかじめ復帰日を決めるケースも少なくありません。
そのような場合において必要以上に休職期間を延ばしてしまうと、社会復帰が難しくなったり、仕事のブランクが長くなり、復帰後にストレスを感じやすくなる可能性もあります。
したがって、休職をする際はあらかじめいつまで休職をするのか、しっかりと会社側と相談した上で休職期間に入ることを意識しましょう。
休職のメリット
休職をすることで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 心身の回復に時間を費やせる
- スキルアップなどに時間を使える
- 自分の状況を一度客観視できる
これから休職をしようとする際は、休職の悪い面ばかりを見るのではなく、メリットも見た上で後悔しない判断をすることが大切です。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
心身の回復に時間を費やせる
仕事をしていると、場合によっては仕事のプレッシャーでメンタルが落ち込んでしまったり、長時間残業や休日出勤で身体的な疲労が溜まっていくことがあります。
心身ともに不健康な状態が続いてしまうと、やがて働けないほどの状況になりかねません。
休職をすることで心身の回復に時間を費やせるというのは大きなメリットと言えます。
社会人になった後は長期的な休みが取りづらくなります。一方、心身の疲労は休む以外に回復する手段がほとんどありません。
心身の状態が不健康にあると感じている人は、最悪の状況になる前に休職で回復に専念すると良いでしょう。
スキルアップなどに時間を使える
休職期間中は自由に使える時間を増やすことができます。
もちろん休職中は心身の回復に専念すべきですが、ある程度回復の目処が立ってきたら、資格取得や長期留学などのスキルアップに時間を使えるというのも大きなメリットと言えます。
日頃忙しく働いていると、スキルアップを考える余力がなくなってしまいます。
休職で時間的余裕ができると、いずれ暇な時間ができることもありますので、将来を見据えたスキルアップに取り組んでみるのも良いでしょう。
人によっては、難関資格を取得するために戦略的に休職をするようなケースもあります。
今まで挑戦してみたかったものの、働く時間がネックで諦めていたようなことがある人は、休職を有益に活用することができるはずです。
自分の状況を一度客観視できる
休職によって精神的にも時間的にも余裕ができるため、自分の状況を一度客観視できるというのも大きなメリットの1つです。
例えば、今の会社で働くことが本当に自分に向いているのか分からなくなってしまった場合、休職をして一度会社を客観的に見直してみるというのも良いでしょう。
これにより、自分が今の会社に向いているかどうかが分かるだけでなく、今の会社の問題点や良いところを、客観的な視点で言語化することができます。
客観視することができれば、再び職場に復帰をするのか、それとも別の会社に転職するのかを判断することにも繋げられるため、中長期的に見たときの自分の人生を豊かにすることもできるかもしれません。
休職する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も読んでみてください。
退職よりも休職がおすすめできる人の特徴
休職を考えている人の中には、並行して退職するかどうかも検討しているケースもあるでしょう。
退職よりも休職がおすすめできる人の特徴としては、以下の3点が挙げられます。
- 仕事に復帰するイメージが持てる人
- 職場の雰囲気や人間関係に不満がない人
- 直近1〜2ヶ月で急激に仕事にやる気がなくなった人
退職をするか休職をするか悩んでいる人は、これらの特徴に当てはまるかどうかを基準に判断してみてください。
仕事に復帰するイメージが持てる人
今働いている仕事や職場に復帰するイメージが持てる場合は、退職ではなく休職をすることがおすすめです。
一度職場を離れて自分の心身をリフレッシュすることで再び働くイメージが持てる場合は、退職をすることで後悔をしてしまうリスクが高まります。
仕事に対するストレスや不満が自分の気の持ちようだと判断できる場合は、すぐに退職をしてしまうのではなく、一旦休職をして自分自身を客観的に見つめ直す時間を作ることを優先してみてください。
職場の雰囲気や人間関係に不満がない人
職場の雰囲気や人間関係に特に不満を感じていない人で、興味関心が今の会社以外に向いているようなケースの場合は、退職ではなく休職を選ぶと良いでしょう。
一度退職をしてしまうと、基本的には元に戻ってくることができません。
場合によっては、退職をした後にそれまで働いていた会社の良さを感じてしまい、退職そのものを後悔するといったケースも考えられます。
職場の雰囲気や人間関係が自分にマッチしているというのは、ある意味で運が良い状態とも言えます。そうした職場を退職によって手放してしまう事はもったいないため、できれば会社に籍を残したままでいられる休職を選ぶべきと言えます。
直近1〜2ヶ月で急激に仕事にやる気がなくなった人
先ほど触れた通り、退職は元に戻ってくることのできない片道切符です。
そのため、感情的に退職をしてしまうと、後々後悔をするリスクが非常に高まってしまいますので避けるべきだと言えます。
特に直近1〜2ヶ月で急激に仕事にやる気がなくなった人の場合は、感情的に会社を辞めたいと感じてしまっている可能性が高いと考えられます。
上司から怒られたり、仕事で大きなミスをしてしまったりなど考えられる理由は様々ですが、何か特筆する理由があって仕事を辞めたいという気持ちが強くなってしまっているのであれば、休職をして自分を客観的に見直す時間を作ってみることをおすすめします。
休職ではなく退職や転職が向いてる人の特徴
先程とは反対に、休職ではなく退職や転職をする方が向いてる人の特徴としては以下の3点が挙げられます。
- ハラスメントを受けている人
- ストレスの原因が解決できる見立てが持てない人
- 別の仕事やキャリアにチャレンジしたい人
これらの特徴に1つでも当てはまる場合は、休職で時間を無駄に使ってしまうのではなく、早い段階で退職や転職の決断をしてしまうのも1つの手です。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
ハラスメントを受けている人
今の職場でハラスメントを受けているような人は、休職をするのではなく退職や転職をした方が良いと考えられます。
セクハラにしろパワハラにしろ、一般的にハラスメントが起きるのは、会社全体の雰囲気が原因という見方があります。したがって、休職をして時間を稼いだとしても、復帰した後に再びハラスメントを受けてしまう可能性があります。
また、運良く別の部署に復帰できたとしても、「ハラスメントを受けて休職をした人」という先入観を持たれ続けてしまいますので、仕事を任せてもらえなかったり、人間関係がギクシャクしたりなど、様々なデメリットに発生するリスクが考えられます。
ストレスの原因が解決できる見立てが持てない人
仕事をしていると様々なストレスに見舞われることも少なくありませんが、それらのストレスの原因が解決できる見立てが持てないような場合は、働き続けていてもストレスを抱え続けるだけになりますので、退職や転職を検討した方が良いでしょう。
ただし、この場合は自分自身のストレスが言語化できていることが条件です。
なんとなくストレスのようなものを感じているだけの状態の場合は、自分がなぜストレスを感じているのかが特定できていないことになります。
まずは、自分のストレスを言語化し、その原因が解決できるのかどうかを判断するようにしてください。その上で、今の職場や仕事でどうしようもなくストレスが解消できないと判断した場合は、別の職場への転職を検討しましょう。
別の仕事やキャリアにチャレンジしたい人
別の仕事やキャリアにチャレンジしたいと考えている人は、すぐにでも転職を目指して行動していきましょう。ただし、この場合も自分がどんなことにチャレンジしたいのかを具体的に言語化しておく必要があります。
「なんとなく今の仕事に飽きたから別の仕事に変えたい」などといった理由で退職してしまうと、次の職場でも同じようにすぐに仕事に飽きてしまう可能性が高まります。
もし次のキャリアを明確にイメージできない場合は、就職エージェントのキャリア面談を活用し、自分にマッチしている職場や仕事を見つけることもおすすめです。
休職を申し出た際に理解が得られなかった時の対処法
休職の申し出は基本的に上司に対して行いますが、場合によっては上司から休職について理解が得られないケースがあります。
特に仕事が忙しい状況だと休職の承諾をしてもらえないことがありますが、そのような時は以下の対処法を試してみてください。
- 人事部に直接相談する
- 労働組合に相談する
- 弁護士に相談する
それぞれの対処法について解説します。
人事部に直接相談する
上司から理解を得られなかった場合は、会社の人事部に直接相談することをおすすめします。
どうしても上司は目の前の業務に向き合う傾向にありますので、1人でも休職者が出てしまった場合、仕事が回らなくなることを懸念して休職申し出に難色を示していると考えられます。
その観点で言えば、人事部は現場の仕事の忙しさを客観的な視点で捉えられる存在のため、休職の申し出を認めてもらいやすくなるでしょう。
そもそも最終的には休職の手続きは人事が行いますので、上司からの理解を得られなかったとしても、人事からの承認をもらえていれば、休職の手続き自体を進める事は不可能ではありません。
ただし、上司の理解を得ないまま休職をすると、復帰した際に気まずい思いをするリスクがある点は注意が必要です。
労働組合に相談する
勤め先の会社によっては、労働組合が組成されていることがあります。
動労組合とは、労働者が主体となって運営する組織の団体のことであり、会社に対して賃金アップの交渉や残業の抑制などの交渉を行っています。
もし上司に話しても休職の理解を得られなかった場合は、労働組合に相談し、労働組合経由で会社に打診をしてもらうというのもおすすめです。
第三者からの立場で休職の相談を進めることができますので、自分1人だけではどうしようもない状況であっても、解決策が導き出せるかもしれません。
ただし、会社によっては労働組合がそもそもないケースもありますので、まずは勤め先の会社で労働組合があるかどうかを確認するところから始めてみてください。
弁護士に相談する
労働契約は全て法律に基づいて行われていますので、第三者である弁護士に相談してみるのもおすすめです。
弁護士の観点で、休職の申し出に応じないことが違法なのかどうかという検証も行ってくれますので、正当な申し出をしている自覚がある場合は、弁護士の相談で休職を実現できると考えられます。
他の方法よりも休職ができる可能性が高いと考えられる一方で、弁護士への相談費用がかかってくる点がネックです。
休職しても終わりではない!次の職場を見つけるコツ
休職をしたとしても人生終わりという事はありません。
もし休職をした後に次の職場を見つけたいのであれば、以下のコツを意識することが大切です。
- 自己分析を徹底する
- 企業研究をしてミスマッチを防ぐ
- 就職エージェントを活用する
それぞれのコツについて詳しく解説します。
自己分析を徹底する
次の転職先で再び同じ理由で休職をしてしまわないようにするためにも、自己分析を徹底することをおすすめします。
自己分析とは、今までの経験を棚卸しし、強みと弱みを言語化することで、自分らしく働ける職場の特徴を明らかにする分析のことを言います。
自己分析が徹底できていると、効率的に転職活動を進められるだけでなく、ストレスを感じて休職をしてしまうリスクを減らすことが可能です。
転職活動を進める際は、いきなり求人を見始めるのではなく、まずは自己分析をして自分を客観的な視点で言語化することに努めてみてください。
企業研究をしてミスマッチを防ぐ
自分にとってマッチしている仕事であったとしても、職場の雰囲気が自分と合わなければ、人間関係を理由に休職をしてしまうことが考えられます。自分にマッチした仕事かどうかに加えて、居心地の良い職場だと感じられるかどうか判断するためには企業研究が大切です。
企業研究とは、求人票や企業ホームページ、就職口コミサイトなどを確認し、就職後にその会社で働くイメージを具体的にするリサーチのことを言います。
企業研究がしっかりとできていると、ミスマッチを防ぐことに繋がり、結果的に休職をせずに働き続けられる日々を過ごせるでしょう。
就職エージェントを活用する
自己分析や企業研究のやり方をレクチャーしてもらいたかったり、少しでも気になる会社への内定獲得率を高めたいと考える場合は、就職エージェントの活用がおすすめです。
就職エージェントを活用することで、自分専任のアドバイザーが担当につき、転職活動の幅広いサポートをしてもらえるようになります。
応募書類の添削や模擬面接の実施など、先行通貨率に直接関わるようなサポートだけでなく、自分の希望や特性にマッチした求人を紹介してもらえるため、自分で求人を探す手間を省くことも可能です。
就職エージェントの登録から内定獲得までは全て無料となっていますので、気になるサービスを見つけたらまずは登録をしてみてください。
まとめ
休職したら終わりと言われる理由について解説しました。
確かに休職をすることで将来のキャリアに影響してくるといったデメリットがある一方で、自由に使える時間を増やせることにより、中長期的に見たときのメリットがあることも考えられます。
一概に休職したら必ずしも終わりというわけではありませんので、この記事の内容を参考にして後悔のない選択を意識しましょう。
また、別の会社に転職をしたい場合は、後悔しない転職を実現するためにも、就職エージェントの活用をおすすめします。
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