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キャリアブレイクはどのくらいの期間で取られますか?
キャリアブレイクの取得期間は、多くの人が1年以内であるとされています。
また3カ月未満でキャリアブレイクを終わらせる人もいれば、3年以上キャリアブレイクを継続する人もいることから、キャリアブレイクの取得期間は人によって数カ月~数年単位で差があることがわかっています。
そのため、キャリアブレイクの取得期間に悩んでいるのであれば、キャリアブレイクをどのような目的で取得するのかを整理し、目的に合わせて取得期間を考えることが大切です。
1. キャリアブレイクの取得期間
アクシス株式会社がキャリアブレイクを取得した300名に対し、キャリアブレイクの取得期間について調査したところ、次のような結果となりました。
取得期間 | 回答者数 | 割合 |
3カ月未満 | 87名 | 29% |
3カ月~6カ月以内 | 85名 | 28% |
6カ月~1年以内 | 79名 | 26% |
1年~2年以内 | 29名 | 10% |
2年~3年以内 | 9名 | 3% |
3年以上 | 11名 | 4% |
このことからキャリアブレイクを取得したほとんどの人は、1年以内に再就職しているといえます。
ただし1年以上キャリアブレイクを継続している人も一定数いることから、海外留学や子育てといった長期の期間が必要とされるキャリアブレイクを目的とするのであれば、数年単位のキャリアブレイクも視野に入れる選択肢もあるといえるでしょう。
参考:アクシス株式会社|全体の8割の人がキャリアブレイクは個人のキャリアにとって有益であると回答/日本国内のキャリアブレイクに関する意識調査(キャリアブレイクを取った期間はどれくらいですか?)
2. 転職中の離職期間
キャリアブレイクを考慮せず転職した場合、離職期間は4カ月未満であるケースが多いことがわかっています。
厚生労働省が令和2年における直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間を調査したところ、次のような結果となりました。
離職期間なし | 26.1% |
1カ月未満 | 27.6% |
1カ月以上2カ月未満 | 13.3% |
2カ月以上4カ月未満 | 12.9% |
4カ月以上6カ月未満 | 4.6% |
6カ月以上8カ未満 | 3.5% |
8カ月以上10カ月未満 | 1.7% |
10カ月以上 | 5.5% |
不明 | 4.8% |
この調査結果を考慮すると、一般的な転職での離職期間は4カ月以内に次の勤め先に就職した人が全体の79.9%であり、ほとんどの人が4カ月以内には再就職を済ませているといえます。
このことから会社を退職する際にキャリアブレイクという目的を持って退職するのかで、離職期間に差が生まれることがわかりました。
参考:厚生労働省|令和2年転職者実態調査の概況(直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間)
キャリアブレイクの期間が長いほど再就職は不利になる?
キャリアブレイクの期間が長かったとしても、再就職で不利になるケースは少ないと研究結果では示されています。全国就業実態パネル調査の「WorkcReport2023」によると、ブランクなしの基準を0%にした際の離職期間別での再就職率は、次のとおりです。
離職期間 | 再就職確率 |
3カ月以内 | およそ-15% |
4カ月以上6カ月未満 | およそ-20% |
6カ月以上9カ月未満 | およそ-22% |
9カ月以上1年未満 | およそ-25% |
1年以上2年未満 | およそ-21% |
2年以上 | およそ-27% |
この結果から3カ月以内の再就職は、ほかの離職期間と比べると若干高い傾向にはありますが、それ以降の離職期間に関しては再就職確率に大きな差がないことがわかりました。
このことから、たとえキャリアブレイクで離職期間が1年以上あったとしても、キャリアブレイク中の過ごし方を具体的に伝えたりポジティブな表現で伝えたりと工夫することで、再就職の可能性を極端に下げることは回避できるといえるでしょう。
また離職期間ごとの再就職活動確率は、次のような結果となっています。
離職期間 | 再就職確率 |
3カ月以内 | およそ-13% |
4カ月以上6カ月未満 | およそ-19% |
6カ月以上9カ月未満 | およそ-22% |
9カ月以上1年未満 | およそ-29% |
1年以上2年未満 | およそ-35% |
2年以上 | およそ-50% |
離職期間別での再就職活動確率を確認してみると、離職期間が長くなればなるほど、再就職活動を諦めてしまう人が多くいる傾向にあることがわかりました。そのため、キャリアブレイクが長くなるほど再就職で不利になるのではなく、再就職しない人が増えてしまう傾向にあるということがわかります。
参考:WorkcReport2023|なぜ転職したいのに転職しないのか(ブランクの期間が長くなると再就職は難しくなるのか)
キャリアブレイク中の過ごし方とは?
キャリアブレイク中の過ごし方には、これまで仕事で溜まってきたストレスや疲れをリフレッシュする以外にも、資格の取得などで自己成長に力を入れることなどが挙げられます。
そこでここではキャリアブレイク中の過ごし方を4つ紹介するので、どのような過ごし方をキャリアブレイク中にすればいいのか参考にしてください。
1. 心身をリフレッシュさせる
キャリアブレイクは、これまで蓄積されてきた疲労やストレスなどを解消する時間として有効です。そのため、心身をリフレッシュさせることをキャリアブレイク中におこなうことも一つの手段だといえます。
たとえば、山や海など自然豊かな場所で数日間過ごしてみたり、新しい趣味を見つけてその趣味に没頭してみたりなどです。
心身をリフレッシュさせるためのキャリアブレイクを数週間から1カ月ほど確保し、会社員時代にはできなかったような気分転換をしてみると、肩の荷が下りるような気持ちになれるかもしれませんよ。
2. 自己成長に力を入れる
キャリアブレイクが通常の離職期間と異なる点としては、離職期間中に自己の成長に力を入れることが挙げられます。そのため、キャリアブレイク中の過ごし方として、資格の取得やオンライン講座、副業などで自己のスキルを高めることも一つの手段です。
キャリアブレイク中に自己成長に力を入れることで、再就職後のキャリアを広げられるほか、企業選考でキャリアブレイク中の過ごし方をポジティブな表現で伝えやすくなるため、おすすめの過ごし方だといえます。
3. 海外に訪れてみる
キャリアブレイクの期間を6カ月以上確保できるのであれば、思い切って海外に渡航してみることも一つの手段です。たとえば、複数の国を訪れて現地の人々と触れ合うバックパック旅行をしたり、語学のスキルアップを目指して語学留学に挑戦してみたりなどがあります。
キャリアブレイク中に海外に渡航することで語学力を身に付けられるほか、これまで以上に幅広い視野で物事を考えられるようになるため、再就職する際に企業側に興味を持ってもらえやすい経験だといえるでしょう。
4. 子育てに専念する
子どもの成長スピードは早く、赤ちゃんや子供時代に接する時間は限られています。そのため、子どもの成長を近くで見守りたいと考えているのであれば、キャリアブレイク中に子育てに専念するという選択肢もあるでしょう。
子育ては社会人としての成長につながりにくい経験ではありますが、子育ての期間は今後の人生で残り続ける記憶だといえます。したがって、キャリアブレイクとして求められる「将来的に記憶に残る過ごし方」にはマッチした過ごし方だといえるのです。
また子育てに専念することを理由にキャリアブレイクをすると、再就職の際に正当な理由での離職期間であると認識されやすく、選考で深堀りされるケースが少ない過ごし方だといえます。
キャリアブレイクの期間を長くするメリット・デメリット
キャリアブレイクの期間を長くした場合、しっかりと休養が取れるメリットがある一方、収入が途絶えることから経済的なリスクが大きくなるというデメリットがあります。
そのため、これからキャリアブレイクの期間を6カ月以上確保しようと考えている人は、キャリアブレイクの期間を長くするメリットとデメリットをそれぞれ確認しておきましょう。
メリット
キャリアブレイクの期間を長くするメリットは、以下のとおりです。
- しっかりと休養が取れる
- 難易度の高い資格の取得に挑戦できる
- 海外留学など人生を変えるイベントに挑戦できる
キャリアブレイクを長く取得することで、自由な時間を長期間確保できます。そのため、これまでの疲れをしっかりとリフレッシュできるほか、海外留学など今後の人生に大きな影響を与えるイベントに挑戦できるなどのメリットがあります。
デメリット
キャリアブレイクの期間を長くするデメリットは、以下のとおりです。
- 経済的なリスクが大きくなる
- 再就職に抵抗を感じる可能性がある
- 将来の生活に不安を感じる
前述したとおり離職期間が長くなるほど、再就職確率が下がる傾向にあります。そのため、何も目的を持たない状態でキャリアブレイクの期間を長くしてしまうと、再就職に抵抗を感じてしまう可能性があるのです。
また再就職に抵抗を感じることで、将来の生活に不安を感じやすくなってしまうデメリットにも注意が必要です。
キャリアブレイクの期間を短くするメリット・デメリット
キャリアブレイクの期間を短くするメリットには、少ない貯蓄でもキャリアブレイクに挑戦できることが挙げられます。一方デメリットとしては自己成長の機会が限られてしまうことなどがあります。
そのため、キャリアブレイクの期間を6カ月以内で考えている人は、キャリアブレイクの期間を短くするメリット・デメリットを確認してみてください。
メリット
キャリアブレイクの期間を短くするメリットは、以下のとおりです。
- 少ない貯蓄でもやりくりができる
- 社会人としての生活スタイルを維持したまま再就職できる
キャリアブレイクの期間を短くした場合、その分キャリアブレイク中の生活費を抑えられるため、少ない貯蓄でもやりくりができます。また再就職する際に、規則正しい生活を体が覚えている状態で社会に復帰できるメリットもあります。
デメリット
キャリアブレイクの期間を短くするデメリットは、以下のとおりです。
- 心身の疲れが取れない可能性がある
- 自己成長の機会が限られる
キャリアブレイクの期間を短くするデメリットとしては、心身の疲れが満足するほど取り切れない可能性があることです。たとえば、キャリアブレイクの期間を1カ月に設定したとします。たしかに1カ月間の休息を取ればある程度の疲れはリフレッシュできるでしょう。
しかし、1カ月後に仕事が始まるという考えを持っているため、本心から気持ちをリフレッシュさせることは難しいかもしれません。
ほかにも短期間のキャリアブレイクでは、自己の成長を考えたとしても難易度の低い資格にしか挑戦できなかったり短期間のスクールにしか通えなかったりするため、自己成長の機会が限られてしまうデメリットもあります。
まとめ
キャリアブレイクの取得期間は、多くの人が1年以内であるとアクシス株式会社の調査結果からわかっています。
そのため、これからキャリアブレイクの取得を考えているのであれば、多くの人が実施している期間を参考に1年以内を想定したキャリアブレイクにすることも一つの手段です。
しかし、キャリアブレイクを取得する人のなかには1年以上の期間をかけて自己の成長に力を入れている人もいます。したがって、人それぞれキャリアブレイクの取得期間が異なることを前提として、あなたがキャリアブレイクを取得する理由に合わせて取得期間を決めることが大切だといえます。


