退職したい時はどうしたらいい？上司への切り出し方やタイミングを解説

「会社を退職したいが、いつ、誰に伝えたらいい？」、「円満退職する方法は？」、「退職日までの一般的な流れを知りたい」など、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

ここでは、上司に退職を伝える時期、切り出し方や理由の伝え方、避けるべき行動、退職までの流れや退職後の有意義な過ごし方について、詳しく解説します。

ぜひ最後まで読んで、スムーズな退職を叶えてください。

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退職したい意思は就業規則に書いてある日までに伝える

退職の意思表示は、自社の就業規則を確認し、期限を守って伝えましょう。

就業規則に定めがない、または退職までの期間が短くてよい場合でも、退職の意志は「退職日の1〜3カ月前」が目安です。仕事の引き継ぎや退職手続き、有休消化期間などを考慮しましょう。

期間の定めのない雇用契約の場合、法律上では「14日前までの申告で退職できる」とされていますが、上司や同僚の負担軽減のためにも余裕を持った申告がおすすめです。

（参考：日本労働組合総連合会 労働相談 よくある労働相談Ｑ＆Ａより）

また、繁忙期での退職の申し出は避けましょう。上司の都合がつきやすく、周りへの影響が少ないタイミングで伝える配慮が必要です。

退職したい時の切り出し方【言い方の例文あり】

退職を決意した際、退職意思は最初に直属の上司へ伝えましょう。

基本的には口頭で、上司に面談のアポを取ります。上司に話しかけづらい、タイミングが合わない場合は電話やメールでも構いません。

いずれの場合も、いきなり退職すると突発的に話し出ないよう注意してください。上司に時間を取ってもらい、1対1で話ができる会議室などで「退職したい」と話を切り出しましょう。

退職したいと伝える時のコツ5選

退職を切り出す際に、気をつけたいポイントを5つ紹介します。

退職を決意したら、自分の言葉で会社へ退職の意思を伝えなくてはなりません。退職交渉をスムーズに進めるための第一歩です。ぜひ参考にしてください。

1. お詫びの言葉を添えながら退職意思を伝える

退職の意志を伝える前置きとして、「申し訳ございませんが」、「突然で恐れ入りますが」など、お詫びの言葉を添えて退職意思を伝えましょう。

自身の退職により、新しい人材の採用や引き継ぎなどで職場に迷惑をかけてしまう可能性があります。相手に「退職します」とだけ簡単に伝えてしまうと、自分勝手な印象を与えかねません。

これまでお世話になった感謝の気持ちも込めて、お詫びの言葉を丁寧に使うと、角が立ちにくいでしょう。

2. あらかじめ話す内容は決めておく

退職したい理由や会社へ伝えたい内容は、事前に考えておきましょう。

緊張でうまく話せなかった、と後悔しないための準備が必要です。想定される質問への回答も、準備しておくと安心でしょう。

「退職を考えていまして…」など、あいまいな表現は避け、退職の意思が固いことをアピールしてください。

冷静に退職の意思を伝えるためには、あらかじめ話したい内容を決め、できればシミュレーションしておくことがおすすめです。

3. 個人的な理由で退職したいと伝えるようにする

退職したい本当の理由が職場にあっても、「個人的な理由で退職を決めました」と伝えるようにしましょう。

「不満点を改善するので退職は考え直してほしい」と、会社側からの引き止めを避けるためです。

退職を切り出す際には、新しい職場でなければ叶わない理由、家庭やプライベートな事情を述べるとよいでしょう。上司に、「退職はやむを得ない」と思ってもらえる理由がベストです。

4. 退職理由はできるだけポジティブに伝える

本当はネガティブな退職理由であっても、できるだけポジティブな言葉に言い換えて上司に伝えましょう。

仕事内容に不満がある場合は、「ここで培った〇〇の経験を活かし、△△に挑戦したい」など、前向きな表現がおすすめです。

また、職場への不平不満は口にしないように気をつけてください。会社への心証が悪くなり、今後のやり取りに支障をきたす恐れがあります。

何もかもを正直に伝えるのではなく、円満な退職を目指し、なるべくポジティブな言葉を選びましょう。

5. 退職したい事情がはっきりしていれば細かく伝える

退職したい事情が明確な場合は、端的に状況を説明し、退職の意思を伝えましょう。詳細を伝えることで会社側の納得度が高まり、退職交渉がスムーズに進みます。

例えば飲食店勤務で結婚予定がある場合、「シフト上、帰宅時間が毎日23時のため家庭と仕事の両立が難しいと考え、退職を決めました」などです。「働くのが嫌になったのではない」という気持ちを伝えるとよいでしょう。

退職したい事情がはっきりしている場合は、詳しく伝えてください。

退職したいと伝える時の言い方5パターン【例文あり】

円満な退職を目指すには、退職理由をどう伝えるかが重要です。ここでは、5つのパターンでの注意点と例文を紹介します。

1. 体調不良で退職したい時

仕事を続けられないほどの体調不良やストレスが理由の場合は、少しでも早く退職し、心身の負担を軽減することが大切です。

すでに通院している場合は、医師に診断書を書いてもらいましょう。退職を伝える際に診断書の提出は義務ではありませんが、添えると説得力が増します。

また、病状次第では引き継ぎ期間を持てない場合も考えられます。できるだけ早めに、会社へ退職意思を伝えましょう。

2.就業環境が合わず退職したい時

社風が合わないと感じる場合、具体的な理由を伝えられるようにしましょう。例えば、「若手の意見が通りにくい」、「利益ばかりを極端に求められる」などです。

個人の力ではどうにもならないことや、「理想に近づこうと努力したが、叶わなかった」というエピソードがあると説得力が増します。

仕事に対する価値観を明確にして、ポジティブな言葉で言い換えられるようにしましょう。

3.ワークライフバランスが取れず退職したい時

心身ともに健康な生活を送るために、仕事とプライベートのバランスは大切です。ワークライフバランスが整った環境を求めることは、決して悪い退職理由ではありません。

ですが、残業の多さや休日の少なさばかりを伝えるのは控えましょう。できるだけポジティブな言葉を選んでください。

「オンとオフのメリハリをつけ、仕事に集中して生産性を上げたい」など、ワークライフバランスが整った先の目標を明確にするとよいでしょう。

4.給与や評価が上がらず退職したい時

頑張っているのに給与や社内評価が上がらなければ、仕事へのモチベーションが下がってしまいます。

給与や評価に不満がある際は、「自分の努力や実績を正当に評価してくれる会社で活躍したい」という、前向きな気持ちを伝えるとよいでしょう。

現在の評価制度や昇給・昇格制度を切り口に、「より高みを目指したい」と素直に退職理由を述べても構いません。

5.転職先が決まっている状態で退職したい時

転職先を決めてから、退職を申し出るパターンも多いでしょう。

上司に転職先は決まっているか聞かれるかもしれませんが、転職先の企業名を答える義務はなく、本人の自由です。「〇〇業界です」という回答にとどめるか、「企業名は控えさせてください」と伝えるとよいでしょう。

また、転職先への入社日が決まっている場合でも、「〇月〇日で退職します」と伝えるのは好ましくありません。

退職日は上司と相談し、気持ちよく退職、転職できるよう努めましょう。

やってはいけない退職の伝え方5選

円満な退職をするために、やってはいけない退職の伝え方があります。「退職すればもう関係ないから」と、最低な辞め方をしてしまうのは好ましくありません。

ここでは、5つの例を挙げて解説します。

1. 即日で退職したいと急に伝える

突然、「即日で退職したい」と申し出るのは避けましょう。

法律上は、やむを得ない事情がある場合など即日での退職も可能ですが、上司や同僚へかかる迷惑を考慮する必要があります。引き継ぎや新しい人材の確保に十分な時間が取れず、現場の混乱を招く可能性があるでしょう。

「即日で会社を辞めたい」と気持ちが高ぶっても、残りの仕事や周囲への影響を考え、冷静な対応が望ましいでしょう。できるだけ余裕を持って、退職の意思を伝えてください。

2. 退職意思が固まっていない状態で辞めると伝える

退職意思がはっきりしないうちに、相談するのは控えましょう。会社にとどまってほしいと、引き止められる可能性があります。

また「退職しない方法を考えよう」と上司から言われ、意見に流されてしまうこともあるでしょう。

退職交渉が長引くと、退職したいのに退職できない状況が続きます。仕事への集中力が欠け、モチベーションが下がる原因になりかねません。

退職を切り出す際は、意思が固まってからにしましょう。

3. メールやLINEで突然退職したいと伝える

一方的にメールやLINEで退職を申し出るのも、避けた方がよいでしょう。誠意に欠ける行為とみなされる可能性があるため、退職の意思は上司に直接伝えましょう。

しかし、体調不良で直接会って伝えられない場合には、電話やメールでの連絡でも問題はありません。失礼のないように、丁寧な文章を送るように心がけましょう。

4. 上司以外に退職の意思を伝える

退職の意思は直属の上司に最初に伝えましょう。

先に同僚などへ伝えてしまうと、望まない形で上司の耳に入る可能性があります。また、不確定な情報や噂が広まってしまうこともあるでしょう。

しかし、どうしても上司に相談したくない場合は、人事部に退職の意思を伝えても構いません。例えば、退職したい理由が上司にある場合などです。

基本的には直属の上司に、もしくは人事部に最初に退職の意思を伝え、周囲には退職が決定した後に報告しましょう。

5. 上司に伝える前に取引先へ退職すると伝える

退職の意思を上司に申し出るより前に、取引先へ伝えるのは避けましょう。

取引先など社外へ退職を伝えるタイミングや方法は、上司と相談して決める必要があります。自分だけの判断で動いてしまうと、会社の信用問題に関わり、今後の取引に悪い影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

退職の報告は、後任が決まった際に行うことが一般的です。退職の意思はまず上司に伝え、取引先へは会社の判断を待って伝えましょう。

円満退職するためにやること3選

円満な退職を実現するためには、適切な準備と周囲への配慮が欠かせません。ここでは、会社との良好な関係を保ちながら退職するために必要な3つのポイントについて、具体的に解説していきます。

1. 引き継ぎは余裕を持って行う

引き継ぎは、必ず余裕を持ったスケジュールを立てて行うようにしましょう。タイトなスケジュールでは、後任者への十分な説明や質疑応答の時間が不足し、引き継ぎ漏れや理解不足が発生する可能性が高まるからです。

具体的には、各業務の引き継ぎに十分な時間を確保したり、万が一のトラブルに備えて予備日を設けたりするといいでしょう。また、引き継ぎ計画を事前に立て、進捗状況を定期的に確認したり、重要な業務は一緒に行ったりすることも大切です。

2. 最終出勤日まで責任を持って働く意思を見せる

退職が決まった後も、最終日まで真摯な姿勢で仕事に取り組みましょう。期限内に完了できる仕事は責任を持って仕上げ、新しい仕事も退職日までに終えられる仕事量であれば、可能な限り引き受ける姿勢を見せることが大切です。

現在の職場での責任を全うすることで、周囲からの信頼を保ち良好な関係を維持できます。退職をした後も、将来的に仕事で関わる可能性もあるので、最後まで責任感を持って働くことを意識してみてください。必ず将来のキャリアにも良い影響を与えるはずです。

3. お世話になった人へ積極的に挨拶しにいく

お世話になった人たちには、必ず自分から挨拶に行きましょう。直接会って感謝を伝えることは、今後の良好な関係を築く上で非常に重要だからです。

直属の上司や関係部署の方々には、具体的なエピソードを交えながら感謝の気持ちを伝え、共に働いた期間を振り返ることで、より良い関係を築けます。また、取引先にも丁寧な挨拶をすることで、今後のビジネス関係を円滑に進めることができるでしょう。

一般的な退職の流れ6ステップ

円満な退職を実現するためには、適切な手順で準備を進めることが重要です。

ここでは、一般的な退職の流れを6つのステップにまとめました。この流れを把握することで、スムーズに退職準備を進められるでしょう。

1. 退職の意思を示したあと退職日が確定する

退職を決意したら、まず直属の上司に時間を取ってもらい、退職の意思を伝えましょう。民法上では正社員は2週間前までに退職の申し出をすればいいとされています。

（参考：e-GOV 法令検索「第六百二十七条」）

しかし、一般的には1〜3カ月前に伝えることが多いです。就業規則、引き継ぎ期間、有給休暇の消化なども考慮した上で上司と相談して退職日を決めましょう。

2. 退職届を提出する

退職日が決まったら、次は退職届を提出しましょう。退職届は、正式に退職を申し出るための書類です。ただし、期間の定めのない雇用契約の場合は、書面での提出が義務付けられているわけではありません。

しかし、就業規則によって退職届の提出を定めている場合や、所定のフォーマットが決まっている場合があるので、必ず確認するようにしてください。

3. 後任者へ引き継ぎを行う

後任者への引き継ぎは、業務を円滑に引き継ぎ、後任者が安心して業務を始められるように、段階的に進めていきましょう。

まず業務の全体像を説明し、その後で具体的な手順や注意点を伝えていきます。特に重要な取引先との関係性や、トラブル時の対応方法は具体的に説明を残しておきましょう。

後任者が決まっていない場合でも、誰が見ても理解できる詳細なマニュアルを作成して、上司に提出することをお勧めします。

4. 有給消化や身の回りの物の片づけなどを行う

退職日が近づいてきたら、有給消化や身の回りの整理を始めましょう。残っている有給休暇を業務に支障が出ないよう計画的に消化し、心身ともにリフレッシュしてください。

また、デスク周りの整理も少しずつ進め、会社から支給された備品と私物に分けて、気持ちよく退職の日を迎えられるようにしましょう。

5. 返却物を会社へ渡す

退職する際には、これまで貸与されたものなどを返却する必要があります。社員証、健康保険証、会社のパソコンや携帯電話など多岐にわたるので、以下のようなリストを作成しておくと便利です。

6. 退職最終日以降は公的な手続きを進める

退職後には、様々な公的手続きが必要になります。以下の表を参考に必要な手続きをしていきましょう。

もし、退職後に手続きに必要な書類が届かないようであれば、会社に問い合わせて発行してもらうよう促しましょう。

退職後に仕事を辞めてよかったと思える過ごし方2選

円満退職後は、今後のキャリアについてじっくり考えたり、心身をリフレッシュしたりする良い機会です。これまで仕事に追われて時間が取れなかった分、この期間におすすめの過ごし方を2つ紹介します。

1. 生活リズムを整える

退職後は、まず生活リズムを整えることを意識しましょう。これまで仕事が忙しく、生活リズムが乱れていた人は、早寝早起きを心がけてみてください。規則正しい生活リズムを保つことは、自律神経のバランスを整え、免疫機能を向上させると言われています。

また、朝日を浴びながら軽い運動をすると体内時計がリセットされ、睡眠の質が改善するだけでなく、前向きな気持ちにもなれるとも言われているので、新生活のスタートとして、ぜひ試してみましょう。

2. できるだけ離職期間をあけずに次の職場を見つける

次に、できるだけ離職期間を空けずに、次の職場を見つけましょう。離職期間が長くなると、以下のデメリットが生じることがあります。

次の職場を早めに見つけておくと、新しい生活を安心して始められます。求人情報をこまめにチェックしながら、計画的に転職活動を進めていきましょう。

まとめ

円満退職をするためには、計画的な準備と誠実な対応が重要です。まずは就業規則を確認し、退職したい時期や理由を明確にしましょう。

退職の意思を伝えたら、引き継ぎをきちんと行い、お世話になった方々には感謝の気持ちを伝えてください。基本的なマナーを守ることで、最終日まで良好な人間関係を維持することができます。

また、退職後の過ごし方についても事前に考えておくと、心身ともに健康的な生活が送れ、スムーズな転職活動にもつながるでしょう。この記事で紹介した内容を参考に、ご自身の状況に合わせた計画を立てていただければ幸いです。

退職したいことに関するよくある質問4選

退職したいことに関するよくある質問は、以下の4つです。

1. 退職を伝える最悪なタイミングは？

退職を伝える最悪なタイミングは、会社の繁忙期や、大きなプロジェクトが進行中の時期です。これらの時期に退職を伝えると、引継ぎのための時間や人員の確保が困難になり、会社や同僚に大きな負担をかけることになります。

退職を伝える際は、会社の状況を考慮し、できるだけ迷惑をかけないように配慮しましょう。

2. 最低な辞め方とは？

最低な辞め方とは、急に退職することです。何の連絡もなく、会社に来なくなるのは、絶対にやめましょう。このような辞め方は、会社や同僚に多大な迷惑をかけるだけでなく、あなたの社会人としての信用もなくなります。

退職する際は、必ず事前に会社に伝え、円満に退職できるよう努めましょう。

3. 退職を伝えるのが早すぎると何が起こる？

退職を伝えるのが早すぎると、会社から引き止められる可能性があります。また、退職日が確定するまでの間、日常業務や人間関係に微妙な変化が生じて会社に居づらいと感じるかもしれません。

退職を伝えるタイミングは、退職希望日の1～2カ月前が適切でしょう。退職を伝えるタイミングは、慎重に検討してください。

4. 退職を切り出す勇気が持てない時はどうしたらいい？

退職を切り出す勇気が持てない時は、なぜ退職する必要があるのか明確にしましょう。退職したい理由を自分でしっかり把握していれば、思い残すことなく意思を伝えられるはずです。

もし、退職理由があいまいな場合は、紙に書き出すと考えを整理できます。書き出した内容を見たうえで改善方法が見つからなければ、今の会社に残る意味はないと判断し、退職への決意を固めることができるでしょう。