「第二新卒の転職は難しいのかな?」と不安に思っていませんか。この記事では、第二新卒の転職事情をお伝えしつつ、転職で失敗してしまう理由や、その解決策も紹介します。
結論からお伝えすると、ポイントをしっかりと押さえて対策をすれば転職は決して難しくはありません。逆に、不安な気持ちを抱いたまま手当たり次第に対策をしていくと非効率になる可能性もあるので、まずはお伝えするコツなどを踏まえ、着実に対策を進めていきましょう。
- 第二新卒は一般的に、新卒で企業に入社した後「3年以内」の求職者
- 第二新卒の転職難易度は、70.7%の第二新卒が「転職に満足している」
- 「第二新卒が転職を成功させるポイント」で、具体的な準備・対処法を確認しよう
- 第二新卒が未経験転職を成功させるコツは「資格」「ビジョン」「未経験歓迎の求人」
この記事の目次
第二新卒とは?
第二新卒とは、学校卒業後、新卒扱いで企業に入社した若者を指す言葉です。転職市場で主に使われる言葉で、「社会人経験が少ない求職者」を示す際に使われます。
なお「新卒」とは新規卒業者の略で、学校を卒業したその年に就職する人のことを指します。
「第二新卒」の定義を改めて確認したい場合、または同年代の人がどういった理由で転職を考えているか知りたい場合には、次の記事もチェックしてみてください。
第二新卒は何年目まで?
明確な定義はありませんが、新卒で企業に入社した後「3年以内」の求職者が第二新卒と呼ばれることが一般的です。リクナビ、マイナビ、dodaなどの各サイトでもこうした定義がされており、「3年以内」というのが共通の認識のようです。
また、大学卒業時の年齢が通常は22歳のため、そこから3年後の「25歳まで」を第二新卒として扱う、といった考え方もあります。
第二新卒と既卒の違い
既卒とは、大学や専門学校などを卒業してから、正社員として企業に就職していない人たちのことを指しています。「卒業後、就職はしていないがアルバイトをしている」という場合も、既卒に含まれます。
第二新卒と既卒は混同されがちであるため、ここで改めて違いを確認しておきましょう。
- 既卒:学校を卒業後、働いた経験がない人
- 第二新卒:学校を卒業後、新卒で働いていた会社を入社から3年以内に退職した人
卒業後に短期間でも正社員になった人は第二新卒となり、既卒とは呼びません。
第二新卒とは違って、既卒はビジネスマナーなどをゼロから身に付ける必要があります。社会人経験の有無やスキル面では明確な違いがあるため、転職市場での評価にも大きな差があります。一方、既卒は卒業後3年以内であれば新卒扱いがされやすいという傾向もあります。
第二新卒で転職はやめておいた方がいい?
世の中には、第二新卒での転職に対するネガティブな意見があります。なぜ、そうした意見が少なからず聞かれるのかについて考えてみましょう。
なぜ「第二新卒はやめとけ」なのか
もしかするとあなたも、上司や先輩、親に転職したいと伝えた時、「とりあえず3年は今の仕事を続けたほうが良い」と言われた経験があるかも知れません。これまでは、ある程度の期間の勤務経験がないと転職で不利になるとされてきました。
また、中途採用の応募資格として「職務経歴3年以上」というような条件が多く見られてきました。そのことから、「3年は同じ仕事を続けた方がいい」と一般的に言われるようになったと推察されます。
ただ、日本における少子高齢化による若手人材の不足や、最近の転職市場の盛り上がりが影響し、第二新卒を取り巻く状況に変化が生じています。
第二新卒は増えている
実は現在、第二新卒の転職市場が伸びています。日経XTECHの記事によれば、その背景には「企業側のニーズの高まり」と共に、「転職を希望する第二新卒者数の増加」があります。
現在の第二新卒は、コロナ禍の初期に新卒での就職活動をせざるを得なかった世代です。コロナ禍の初期は一時的に採用を抑制する業界もあったため、新卒時の就職活動は簡単ではなく、選択肢が少ない中で「とにかく仕事をしなければ」と考えて第一希望とは異なる業界に就職した人が少なくないそうです。
その後コロナの流行がやや落ち着き、求人数も増加傾向にあります。そこで改めて今後のキャリアを考え、「就職活動をやり直してみよう」「新卒時に第一志望だった業界の求人を見てみよう」と考える若者が増えています。
このように、採用企業側と第二新卒側、需給どちらの意欲も高まっているため、第二新卒の転職市場が活況となっているのです。
参照:日経XTECH/第二新卒の転職が活況な理由「コロナ禍で不首尾だった新卒就職をやり直したい」
第二新卒で転職することは悪いことではない
現代は「個人のキャリア形成は、個人が行わないといけない時代」です。そうした時代において、キャリアの「軌道修正」はより早いタイミングで行ったほうが良いという考え方もあります。第二新卒で転職することは、それが適切な軌道修正に寄与するものであれば、決して悪いことではないのです。
そもそも「キャリア形成」とは、人生設計に沿って必要な能力や資格を手に入れ、経験を積み重ねていくことによって、将来なりたい姿の実現を図るプロセスです。終身雇用が当たり前だった頃は、企業が社員のキャリア形成に関与していました。しかし、経済状況が不安定で将来の見通しが立ちにくくなり、さらに転職や再就職など人材の流動化が促されたことで、社員ひとりひとりが自身でキャリア形成を考える時代に突入しました。
そして、それは企業側にもメリットがあります。キャリア形成は人材育成を促すものであり、社員のスキルアップや長期にわたる活躍を目指すうえで欠かすことができない要素であるからです。
参照:MarkeTRUNK/キャリア形成とは?重要性や社員のキャリア形成の進め方を人事視点で解説!
第二新卒で転職するメリット・デメリット
ここからは、第二新卒として転職するメリットとデメリットについてお伝えします。
第二新卒のメリット
まず、第二新卒として転職するメリットをお伝えします。
- 最低限のビジネスマナーやスキルが備わっていると評価される
- ミスマッチが減らせる
- 未経験・異業種への転職も可能で、応募できる企業の選択肢が多い
- プレッシャーが少なく、会社の雰囲気に溶け込みやすい
第二新卒の“武器”は若さ、そして仕事経験を多少なりとも積んでいるということです。これらを活かすことで、今よりも理想的な環境で働ける可能性があります。
では、それぞれのメリットについて見ていきましょう。
最低限のビジネスマナーやスキルが備わっていると評価される
第二新卒には、一度は正社員として働いた経験があります。新卒者の多くは、入社後の数か月間に研修を受け、一定のビジネスマナーや社会人スキルを習得します。それらを身につけた上で、第二新卒として転職活動に臨むことができるのです。
また、他社での勤務を経た上で、あえて転職してくるので、次の会社の仕事に対する高い意欲を持った人材である可能性が高いとみなされます。
第二新卒として入社してくる人材は、最低限のビジネススキルを備えており、高い意欲を持って仕事に当たってくれるものと企業側は期待しています。社会人経験があるので、さらなる育成がしやすい点も評価されるでしょう。
ミスマッチが減らせる
新卒時は社会人経験がない状態での就職活動であるため、必ずしも自分がつきたい仕事や適性がある仕事につけるとは限りません。第二新卒が転職活動を行うのは、「思っていた仕事と違った」という何らかのミスマッチや反省点があるからでしょう。
実際に働いてみると、学生の頃と比べ、会社組織や仕事についての理解が深まります。「自分は意外とコツコツとした業務に向いていないんだな」「オフィスが騒がしいのが苦痛…」というようなことが見えてきます。そして、こうした実感をもとに次の会社を選ぶため、次は自分にもっと合っている会社を選択できる可能性が高まるのです。
これは採用する企業側から見ても早期離職のリスクを低減できるメリットとなります。
未経験・異業種への転職も可能で、応募できる企業の選択肢が多い
企業側が「若手人材を採用したい」という意欲が強いことも、第二新卒にとっては追い風になります。第二新卒の最大の武器は「若さ」です。まだまだ「ポテンシャル」を評価してくれる企業が多く、色々な業界や職種にチャレンジしやすいというメリットがあります。
プレッシャーが少なく、会社の雰囲気に溶け込みやすい
第二新卒に特有のメリットとして「プレッシャーが少なく、会社の雰囲気に溶け込みやすい点」が挙げられます。
職務経験が重視される中途採用では、即戦力としての活躍が求められます。また、新卒では多くの同期が一斉に入社するため、業務上の優劣を比較されやすい状況になることもあります。このように、中途も新卒も一定のプレッシャーを受けるケースがあります。
しかし、第二新卒は比較的にプレッシャーが少ない状況下で働ける可能性があります。一度は社会人として働いてはいるものの短期間であるため、中途採用ほどには即戦力としての働きを期待されていません。
また、人は良い意味でも悪い意味でも、環境に染まりやすい傾向があります。これは、会社も同じです。社風やカラーに馴染めるかどうかは、仕事のやりやすさに大きく影響します。第二新卒は短期間で1社目を退社したため、まだそのカラーに染まり切ってはいない場合が多いようです。そのため、転職先で「わが社の雰囲気にもすんなりと馴染める可能性が高い」と期待されます。企業の社風やカラーに合うかどうかという観点で見ると、他の年代よりも転職のハードルは低いと言えるでしょう。
第二新卒のデメリット
転職してから後悔しないために、次にお伝えするデメリットもしっかり理解しておきましょう。
- 「また辞めるのでは?」と不安を持たれてしまう
- 経験に乏しいので「即戦力」とは見られにくい
- 新卒を重視する企業がまだ多い
では、それぞれについて解説します。
「また辞めるのでは?」と不安を持たれてしまう
企業は、人材採用に多くの費用を投じています。こうした費用を無駄にしないため、そして会社に貢献できる人材を採用するために、短期間で辞めるおそれが高い人よりも長く働いてくれる人を採用したいと考えています。
第二新卒は、新卒で入った会社を短期間で辞めようとしています。特に、入社後すぐに退職を考えている人に対して、「何かあれば、すぐに逃げてしまう人なのでは?」と不安視する採用担当者は少なくありません。
こうした懸念点が面接で払拭できれば採用の可能性がありますが、「結局はわが社も短期で辞めてしまうかもしれない」と捉えられるケースが続くと、なかなか内定をもらえないという状況に追い込まれてしまう場合もあります。
経験に乏しいので「即戦力」とは見られにくい
これはメリットの裏返しでもあるのですが、「即戦力」としては見られにくいことが第二新卒の転職時にデメリットになる場合もあります。
企業としては、入社後なるべく早めに活躍できる人材を採用したいと考えます。一方で、第二新卒を採用する場合には「若手人材を増やしたい」という意向が働きます。そのため、新卒採用とほぼ同じ基準で評価する傾向があり、第二新卒が1社目でどんなにスキルの習得などに励んでいたとしても、新入社員と同列の扱いを受ける可能性もあるのです。前職の実績を認めてもらえず、転職先の新卒社員と給料が同じ額といったケースも珍しくありませんので、転職活動中に給与などの条件面もしっかり確認しましょう。
新卒を重視する企業がまだ多い
日本では、今でも新卒採用を重視している企業が多数派です。大企業や有名企業ほど、その傾向が強いようです。新卒時は選考を受けられた企業でも、第二新卒になると選考を受けられないこともあります。
ただ、このデメリットは、第二新卒を積極的に採用している企業を中心に転職活動することで解消できます。
第二新卒の転職の難易度
前章で第二新卒のメリットを紹介しましたが、現実にはなかなか厳しいケースもあるようです。第二新卒の転職の難易度について、見ていきましょう。
第二新卒の転職の成功率
全国求人協会による調査では、70.7%の第二新卒が「転職に満足している」という結果が出ています。一方で、転職がうまくいかなかったと悩んでいる人も少なくありません。上記の70.7%というデータに関しても、裏を返せば約3割の人が「転職に満足していない」という事になります。
参照:全国求人協会|若者にとって望ましい初期キャリアとは〜調査結果からみる“3年3割”の実情〜(P.5)
第二新卒に対する企業からの見方
「企業側がどのように第二新卒を見ているか」については、その企業の人材の年齢構成や育成状況、企業業績や採用状況によって異なります。
肯定的に見る企業は、第二新卒を「ビジネスパーソンとしての土台ができあがった状態の若手人材」と見ています。
一方で、否定的に見る企業は「前職と同じように、すぐ辞めてしまうんじゃないか」と定着性に疑念を持ちます。そうした傾向にある企業にとって「職歴3年以内」は、やはり「短い」と判断されてしまいます。
ただ、これは良い悪いの問題ではなく、それぞれの企業の文化によるところも大きいため、外部から批判したり変化を求めても難しいのが現実でしょう。そもそも縁がないと割り切って、肯定的な企業を転職先の候補と捉えれば済む話です。
第二新卒の転職が失敗する理由
第二新卒が転職で失敗してしまう理由を5つ紹介します。
- 衝動的に辞めてしまう
- 転職理由がネガティブ
- 実績を盛って話してしまう
- 志望動機と軸に一貫性がない
- 基本的なマナーができていない
これら5つを踏まえ、対策を打っていけば、多くの第二新卒が転職で陥りがちなワナを回避できます。では、それぞれについて見ていきましょう。
衝動的に辞めてしまう
転職失敗の理由としてまず挙げられるのが、衝動的に辞めてしまう、ということです。
たとえば仕事でイヤなことがあり、会社を辞めてから転職活動を始める、といったケースが該当しますが、仕事を辞めてしまうとお金の問題などが頭をもたげてきます。「貯金が底をついたらどうしよう……」「内定できるかな……」といった心配事が増え、転職活動に集中できないケースは少なくないのです。
もちろん心身の不調などで辞めざるを得ない場合には仕方ありませんが、そうでない場合には、不要な心配事を増やさないためにも現職で働きながら転職活動を進めることをおすすめします。
転職理由がネガティブ
転職理由がネガティブ、ということも失敗する理由の一つです。
面接では「どうして今の会社を辞めようと思ったのですか?」と聞かれることが一般的ですが、このとき「給料が低いから」「上司と仲が悪くなったから」といった前職の不満や愚痴を転職理由として伝えると、内定は遠のいてしまいます。なぜなら「この人はイヤなことがあれば、ウチの会社もすぐに辞めてしまうんだろうな」と面接官から思われてしまうからです。
そのため可能な限り、転職理由はポジティブに伝えることを意識してみましょう。たとえば給料が低いことが本心であったとしても、「成果が報酬として表れるほうが、仕事にモチベーション高く取り組める性格だと自負しています」などと伝えると、面接官が感じる印象を変えられます。
実績を盛って話してしまう
実績を盛って話してしまうのもおすすめできません。なぜならたとえ入社できたとしても、その後に周囲からの期待に苦しむ可能性があるからです。
そもそも企業は、できる限り「即戦力」として働いていてくれる人材を求めています。そのため年齢がたとえ若くても、高いスキルや実力を持っていると感じれば難易度の高い仕事を任せることも当然あり得ます。そしてこれは裏を返すと、自分の実力を偽って入社してしまうと、身の丈に合わない仕事をする可能性があるということです。この場合、転職先の社員との期待と、自分のできなさとのギャップに打ちひしがれてしまうこともあるでしょう。
第二新卒が仕事経験に乏しいのは、採用する企業側も十分に理解しています。そのため「良く魅せよう」と過度に思う必要はありません。むしろ実力が追いついていないことを素直に認めることで、好印象につながることも多々あるのです。
志望動機と軸に一貫性がない
志望動機と軸に一貫性がなく、面接に落ちてしまう、といったケースも第二新卒の転職では良く見られる光景です。
たとえば次のように、面接官からの質問に一貫性のない回答をしてしまう人は少なくありません。
- 志望動機(その会社を志望する理由):「成長できそうな環境だと考えたから」
- 転職の軸(会社選びの基準):「マイペースに働いていける環境を探している」
成長できる環境は、スキルアップが叶えられる一方で残業時間が多く、スピーディーな対応を求められることが一般的です。そのため上記のように志望動機と軸を伝えた場合には、「マイペースに働ける環境を求めているならウチではないほうがいいよ」といった形で面接官から矛盾点を突かれてしまう可能性があるのです。
基本的なマナーができていない
第二新卒が転職活動で失敗してしまう理由として、基本的なマナーができていない、ということも挙げられます。具体的には次のようなミスが考えられますが、こうした点への配慮が行き届いていないと企業から不安視されてしまいます。
- 応募する際のメールに誤字脱字が多い
- 面接部屋に入る際の入室マナーを守っていない
- 話し方が雑、敬語が使い慣れていない
第二新卒は就活生とは異なり、少なからず社会人経験を積んでいます。そのため採用する企業側としては「基本的なマナーは押さえているだろう」という前提で選考に臨むものですが、その際にそもそもマナーを押さえていないと、それだけで大きな減点となってしまう可能性があるのです。
第二新卒の転職を成功させるポイント【ステップ順に解説】
ここからは、第二新卒が転職を成功させるためのポイントをお伝えします。転職活動の始まりから終わりまで、意識したいことをステップごとに紹介しますので、これからの対策にぜひ役立ててみてください。
第二新卒の転職 ー準備編ー
まずは「準備編」です。この段階でのポイントは、次の2つです。
- 企業が第二新卒を欲しがる理由を理解しよう
- 転職するまでのスケジュールを組もう
では、それぞれについて解説します。
企業が第二新卒を欲しがる理由を理解しよう
はじめに、そもそも企業が第二新卒をどうして採用したいのか、その理由から考えてみることが大切です。なぜなら相手が求めていることを知ることで効果的なアピールにつながり、選考の通過率を高められるからです。
具体的には、多くの企業は次の点を第二新卒に求めています。
- ビジネスパーソンとしての基本マナー
- 組織文化への柔軟性
前述のとおり、マナーは「できているもの」として見られるので、抜かりなく対策しておくことが欠かせません。また第二新卒は「1社目の環境に染まり切っていないこと」を期待されているケースも多いため、「新しい環境にも積極的に馴染んでいきます」という前向きな姿勢を伝えるとさらに評価を高められる可能性があります。
転職するまでのスケジュールを組もう
転職するまでのスケジュールをおおまかに組み立てておくことも大切です。「いつまでに転職する!」と決めて、そのゴールから逆算して計画を立てていくことで、気持ちも行動も前向きなものになっていくからです。
ちなみに厚生労働省発表の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、20~24歳の約53%が、転職活動を始めてから「3ヶ月未満」で退職しています。そのためまずは「3ヶ月後には今の会社を辞めている」といったイメージを持ちつつ、スケジュールを立ててみると良いでしょう。
第二新卒の転職 ー応募編ー
転職活動の準備が整ったら、次は企業への応募に移りましょう。このときのポイントは、次の2つです。
- 知名度よりも「社風」を重視しよう
- 応募する企業や仕事の「悪い面」も見ておこう
では、それぞれについて解説します。
知名度よりも「社風」を重視しよう
企業選びで特に意識したいのが、「社風」です。たとえば就活で大企業に入れなかったため、リベンジの意味も込めて「転職では有名な企業に入社したい」と考える人もいるかもしれません。この考え方自体を否定するものではありませんが、気を付けたいのが、知名度だけで選んでしまうと入社後に後悔する可能性があることです。
そもそも企業は、10社あれば10通りの社風があります。これは大企業や有名企業でも例外ではなく、入社してそこで働いていくことを考えると、自分にマッチした雰囲気かどうかは特に大切な意味を持ってくるのです。そのため仮に知名度で企業を選んだとしても、その会社の社風をチェックすることは忘れずに行うようにしましょう。
応募する企業や仕事の「悪い面」も見ておこう
企業選びという点では、あえて「悪い面」も見ておくことも意識してみてください。なぜなら、入社後に感じるギャップを減らせるからです。
もしもあなたが「給料の高い会社はないかな」と求人をチェックしていき、今よりも年収が100万円高い会社を見つけたとします。このとき大切なのは、「どうして高いんだろう?」と考えてみることです。すると「残業時間40時間分が含まれている」などの情報に気付くかもしれません。この場合、たしかに給料は高いものの、仕事はかなり忙しい可能性があるのです。
上記は一例ですが、良い面だけに注目してしまうと入社後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔するリスクが高まります。そのため悪い面にも目を向けてみるなど、企業選びはあくまで慎重に行っていきましょう。
第二新卒の転職 ー書類編ー
応募する企業が決まったら、次は履歴書や職務経歴書を作成するステップに移ります。このときのポイントは、次の2点です。
- たとえ短くても仕事経験を振り返ろう
- 応募する仕事で求められる力をアピールしよう
では、それぞれについて解説します。
たとえ短くても仕事経験を振り返ろう
第二新卒が書類を作成する上で大切なのは、仕事経験をしっかりと振り返ることです。なぜなら「誰でもやっていることだし……」といった理由で過度に謙虚になってしまい、せっかくアピールできることがあるのに盛り込まない、といったケースが多々見られるからです。
たしかに、これといった実績は少ないかもしれませんが、第二新卒の転職では「先輩から言われたことを忠実に守っていた」といったことでも十分にアピールにつながります。「指示は常に復唱し、同じ指示をされないようにメモ帳に書き留めていた」などの工夫があれば、それも職務経歴書に盛り込みましょう。
第二新卒を採用する企業は、応募者に対してそこまで高いレベルを求めていないケースがほとんどです。自分では当たり前だと思っていることであっても評価されることもあるので、臆せず記載してみてください。
応募する仕事で求められる力をアピールしよう
職務経歴書の作成においては、「応募する仕事にはどんな能力が必要か?」と考えてみることも大切です。
たとえば未経験からプログラマーを目指す場合には、仕事の特性上「コツコツと作業を進められる」という強みが求められます。このとき「上司から指示された資料作成において、データを細かく集計していった」などのような経験があれば、それを書類上でアピールすることでプログラマーとしての適性をピンポイントに伝えられる可能性があるのです。
書類の通過確率を高めるために、「応募する仕事にはどんな能力が求められているのか?」という視点を持ち、今までの職務経験や身に付けたスキルの中に該当する要素があればしっかり言語化し、応募書類で明確に伝えることをおすすめします。
第二新卒の転職 ー面接編ー
書類が通過したら、次は面接です。この段階でのポイントは次の2点です。
- 「今の会社ではダメな理由」を考えておこう
- 服装や言葉遣いなどのマナーにも気を配ろう
では、それぞれについて解説します。
「今の会社ではダメな理由」を考えておこう
面接で特に意識したいのは、「今の会社ではダメな理由」をしっかりと考えておくことです。なぜなら「その理由なら転職しなくても今の会社で叶えられるよね?」と面接官から思われてしまうと、面接通過が難しくなってしまうからです。
このとき大切なのは、相手企業の情報をしっかりとリサーチしておくことです。その上で、勤めている会社と応募する会社との違いを整理しておくと安心でしょう。
志望動機の例文を紹介しますので、面接で話す際の参考にしてみてください。
「将来はグローバルな環境でプロジェクトをけん引する人材となりたく、御社を志望しています。現在、私は国内をメインに展開する機械メーカーに勤めていますが、入社後にさまざまな情報を自主的に調べる中で、日本の機械メーカーが生き残るためには世界に目を向けることが欠かせないと考えてきました。しかし現職の方針はあくまで国内重視ということで、私の志向性とは異なり、同業界での転職を考えています。なかでも御社は国外への進出にいち早く着手し、中期経営計画を拝見する限り、海外への投資を増やしていくという情報を目にしました。そこで貴社であれば、機械製品を海外へと展開する一員として他社以上にアグレッシブに働けると考え、志望しております。」
こちらの記事では、第二新卒の面接で「よく聞かれる質問」と、その「回答例」を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
服装や言葉遣いなどのマナーにも気を配ろう
面接では、マナーも重視されています。そのため繰り返しにはなりますが、服装や言葉遣いをはじめ、面接のマナーはしっかりと対策するようにしてください。
特に服装はその人の第一印象を決めてしまう可能性もあるなど、面接においても大切な意味を持ちます。どんなに人柄が良くても、シャツにしわが寄っていたり、靴に汚れがついていたりすると印象を下げてしまう可能性もあるので、不備がないか、面接前には念には念を入れてチェックしておきましょう。
第二新卒の転職 ー退職編ー
面接が無事に通過して内定を受けても、まだ転職活動は終わりではありません。就活とは異なり、「現職を辞める」というステップが残っています。このとき意識しておきたいポイントは、次の2つです。
- 就業規則をチェックしよう
- 退職の意思は明確に伝えよう
では、それぞれについて解説します。
就業規則をチェックしよう
まずは「就業規則」をチェックしましょう。就業規則とは、社員の働き方についてのルールが定められている書類のことで、企業ごとに定められているケースが一般的です。企業によっては「退職日の1ヶ月半前までに退職の意思を伝えること」と定められている場合もあります。そのためまずは就業規則を確認し、いつまでに退職を伝えればいいかを把握するようにしてください。
なお民法上は「退職の2週間前までに退職の告知を行えば問題なく退職できる」と定められています。そのため就業規則で定められた期限を過ぎてしまっても大きな問題はありませんが、会社としては直前に退職の意思を伝えられると、手続きや引継ぎなどでバタバタしてしまいます。「立つ鳥跡を濁さず」とも言いますが、円満に退職するためにも、可能な限り就業規則を踏まえて退職を進めることをおすすめします。
退職の意思は明確に伝えよう
退職の意思を伝えるのは直属の上司が一般的ですが、場合によっては引き留めに遭う可能性もあります。このときのポイントは、辞めるという意志を明確に伝えることです。
「辞めようと思っているんですが……」といった相談ベースで話してしまうと、「辞めないほうがいい」と上司が引き留める口実を与えてしまいます。一方で「大変お世話になりましたが、1ヶ月後に退職させて頂きます」と明確に伝えると意志の強さを示すことができ、退職交渉をスムーズに進めやすくなります。
第二新卒の転職のサービスの選び方は?
ここからは、第二新卒が転職する際に利用する支援サービスの選び方について解説します。
第二新卒として利用したいサービス5選
第二新卒の転職におすすめのでサービスを5つ紹介します。
- 求人サイト
- 転職エージェント
- 新卒応援ハローワーク
- 口コミサイト
- スカウトサイト
それぞれ、転職活動をスムーズに進める上でぜひチェックしたいサービスばかりです。特徴をお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
求人サイト
求人サイトとは、求人情報が一覧で確認できるWebサイトのことです。マイペースに転職活動を進められることがメリットで、移動時間やランチ休憩などのすき間時間でも求人を確認できます。
ただ、一人で転職活動を進める必要があるので、転職の相談がしにくいのはデメリットです。特にはじめての転職は不安も大きいかと思いますので、誰かに相談しつつ進めたい場合には、この後に紹介する転職エージェントの併用も考えてみましょう。
転職エージェント
転職エージェントとは、専任の担当者が転職活動全般をサポートしてくれるサービスです。特に私たちジェイックは、主に第二新卒の方の転職支援をメインに行っています。次のような特徴もあるので、どの転職エージェントを使えばいいか迷った場合にはぜひ相談にいらしてください。
- 安心して働ける会社の紹介
- 自己分析のサポート
では、それぞれの特徴についてお伝えします。
安心して働ける会社の紹介
ジェイックでは、第二新卒の方が安心して働き続けることができる会社を紹介しています。紹介する企業には実際に足を運び、この会社であれば自信を持って勧められる、と感じられたところばかりです。そのため「次こそは長く働きたい」と考えている方にぴったりの会社を紹介できます。
自己分析のサポート
専任の担当者が、マンツーマンで自己分析もサポートします。「自分の強みが分からない」「どんな環境が自分に向いているんだろう?」といったことは多くの第二新卒の方が抱える悩みですが、こうした悩みにも親身にお応えしますので、一人で転職活動を進めるよりも安心して対策が可能です。
新卒応援ハローワーク
新卒応援ハローワークとは、厚生労働省が運営する職業相談所です。学生を主な対象とした施設ですが、第二新卒もサポートの対象としています。具体的には、企業の紹介を受けられたり、求職活動に役立つセミナーを受講できたりします。
親身なサポートは魅力的ですが、紹介される企業は中小企業や零細企業が多いため、「大手企業に転職したい」といった人には不向きと言えるかもしれません。
口コミサイト
口コミサイトとは、企業の中で実際に働いている現役社員などの声を集めたWebサイトのことです。求人票には載ってこないような「リアルな評判」が分かるので、応募企業の就業環境を細かく確認したい人には打ってつけのサービスと言えるでしょう。サイトによって異なりますが、主に「残業時間」や「若手に裁量権があるか」、「女性の働きやすさ」などの情報を確認できます。
スカウトサイト
昨今はスカウトサイトも多く出てきています。スカウトサイトとは、企業や転職エージェントから直接”スカウト”が受けられるサービスです。求職者があらかじめ経歴やスキルをサイトに登録しておくと、それを見た企業やエージェントからあなたに直接連絡がくるという流れです。前出の「求人サイト」にスカウト機能がある場合もあります。
求人サイトと転職エージェントの違いは?
求人サイトと転職エージェントの違いについて解説します。
サービスの仕組みが違う
求人サイトと転職エージェント、それぞれのサービスの流れを見てみましょう。
・求人サイトのサービス
登録する際、年会費や書類などの提出は不要であることがほとんどです。インターネットに接続できる環境であれば、どこからでもサイトに登録できます。
転職希望者は無料でサービスを利用できる求人サイトがほとんどです。なぜなら、人材募集をする企業が求人サイト側に費用を支払っているためです。
ステップ1:個人情報を登録する
求人サイトへ利用登録するのは、氏名・生年月日・メールアドレスなどの基本情報のみである場合が多いです。住所や電話番号などの情報は、利用する中で必要に応じて登録してください。また、企業からのスカウトシステムがあるサイトの場合、学歴(職歴)・保有している資格・自己PRなどの登録が必要になります。
ステップ2:求人情報を検索する
登録すればすぐに利用できるため、さっそく求人情報を検索してエントリー(応募)してみたい企業を選びましょう。その際、一つの業界だけに絞り込むのではなく、たとえば関連する隣接業界も閲覧する等、リサーチの範囲をなるべく広げて検索することをおすすめします。今まで知らなかった業界や企業に出会うチャンスを増やすための工夫です。
ステップ3:企業情報の収集を行う
エントリーしたい企業をいくつか選定したら、求人サイトやその企業のホームページなどをチェックして情報収集を行いましょう。求人サイトからは説明会やセミナーの日程確認・予約もできるので積極的に参加しましょう。ネットだけではなく、実際に人と会う中で得られる情報もあわせることで、より多角的に企業や業界の理解を深められます。
ステップ4:希望の企業にエントリーする
求人条件があなたの希望に適うようであれば、その企業にエントリーしてください。なお、求人サイトや企業によってはエントリーシート等の提示を求められる場合があります。また、求人情報の更新によって募集が終了することもあるので、こまめにチェックしてエントリーのタイミングを逃さないようにしましょう。
ステップ5:面接などの選考過程を経て、入社する
エントリー後、書類選考や面接などの進め方も求人サイトや企業によって異なります。企業からの連絡や指示に従って、選考を受けていきましょう。内定が出たら、勤務条件などを確認した上で、受諾するか否かを判断します。受諾する場合は入社前の諸手続きを行い、入社日を迎えることとなります。
・転職エージェントのサービス
エージェントのwebサイトから、簡単にアクセスできます。
転職エージェントも、転職希望者側は費用が掛からない場合がほとんどです。採用する企業も、紹介された人材が実際に入社した段階で、コンサルティングフィーを支払います。成功報酬型で手数料が発生するビジネスモデルで企業側もリスクを低減でき、安心して採用活動を行えることが特徴です。
ステップ1:個人情報を登録する
転職エージェントを利用する際、まずは登録が必要です。登録はネット上で行うことが多く、個人情報や希望業界・職種などを入力します。登録が完了したら、初回面談の日時をweb予約します。エージェントから電話かメールで連絡が来て、面談日時を決める場合もあります。
ステップ2:エージェントと面談を行う
面談では、登録した情報の確認や、就活の状況についてヒアリングします。あなたの適性やキャリアプランなどについても話し合います。志望業界や企業選びの軸などについても知ることができます。
ステップ3:エージェントから企業の紹介が来る
志望職種や勤務地といったあなたの希望と、キャリアアドバイザーの客観的な意見などを踏まえた上で、マッチングする求人が紹介されます。求人サイトにはあまり掲載されていない非公開求人や、就職エージェント経由でないと参加できない選考会なども案内されることがあります。
ステップ4:希望の企業にエントリーする
紹介企業に関して、あなたが応募を希望すればエントリーが行われます。面接など選考日程の調整連絡も代行してもらえます。
ステップ5:面接などの選考過程を経て、入社する
選考対策として、履歴書などの応募書類の作成方法や、面接対策などのアドバイスを受けることができます。キャリアカウンセラーは採用する側の判断基準を熟知しているため、企業に好印象を残すための助言もしてくれます。紹介先の企業から内定が出て、あなたにも受諾の意向があれば入社となります。内定獲得後も、何か疑問点があればエージェントに相談することが可能です。
求人の量
個々のサービスにより差はありますが、一般的に求人サイトの方が求人の数は多いようです。掲載されているすべての求人を閲覧することが可能で、業界や職種、企業規模など問わず、あらゆる求人を比較、検討したうえで応募できます。そのため、たとえ不合格になったとしても、「自分が希望する企業に自由に応募できる」点で納得感が高いようです。
一方、転職エージェントの方が検討できる求人数は限られています。求職者は、エージェントに紹介された求人の中から応募を検討していくことが一般的です。エージェントは求職者の経歴や適性を見たうえで、マッチングする求人を紹介しますので書類通貨や内定の確率は高い傾向にあります。
サポートの質
求人サイトと転職エージェントのサポート面での違いは「専任でサポートしてくれる人がつくか・つかないか」です。求人サイトでは、応募をするか否かを判断するのはあなた自身です。自分で企業や職種を選び、応募の手続きや面接の日程調整など企業と直接やりとりをすることになります。一方、転職エージェントは、専任のキャリアアドバイザーが求職者の希望をヒアリングし、適性を見た上でマッチする企業を紹介します。応募先の企業との連絡業務もエージェントが代行し、応募書類や面接対策などの相談にも応じてくれます。
また、求人サイトでは、応募した企業から「求めている人材とはマッチしない」と判断されれば、書類選考を通過できません。この点、転職エージェントでは、企業側と求職者側の情報を把握しているアドバイザーが客観的にマッチングを考慮した上での応募になるため書類選考を通過しやすい傾向があります。
うまく組み合わせての利用がおすすめ
ここまでお読みいただいてお分かりいただいたと思いますが、求人サイトと転職エージェントにはそれぞれのメリットとデメリットがあります。そのため、最初からどちらかに絞り込まず、両方のサービスを併用するのがおすすめです。どちらも活用した上で、最終的にあなたにとって最適な転職先が見つけられれば良いのです。
ただし、求人サイトと転職エージェントのどちらにおいても、第二新卒の転職を専門にしていたり、第二新卒の転職に強みや実績があるサービスであることが、もっとも重要な基準になります。その点は、あらかじめしっかり確認した上で利用しましょう。
【Q&A】第二新卒が転職を考える時に抱く疑問
では最後に、第二新卒が転職を考える時に抱く疑問についてお答えします。
- 「第二新卒の転職」とは、そもそもいつまでを指すの?
- 第二新卒の転職と既卒の違いは?
- 第二新卒の転職では大手に行ける?
- 第二新卒の転職は未経験業界・職種も大丈夫?
今の悩みに当てはまるものがあれば、ぜひ回答をチェックしてみてください。
第二新卒の転職とは、一般に学校卒業後1~3年での転職を指します。この場合の学校とは、大学以外にも中学・高校、専門学校なども当てはまります。ちなみに似た言葉に「既卒」もありますが、既卒が就業経験がない人を指すのに対し、第二新卒は少なからず就業経験を持っている人を指す言葉です。
第二新卒は「学校を卒業後、新卒で働いていた会社を入社から3年以内に退職した人」で、既卒は「学校を卒業後、働いた経験がない人」です。
第二新卒でも、大手に行くことは可能です。ただし大手の場合には社員の離職率が低い傾向もあるので、そもそも第二新卒を採用しない会社も多く見られます。
また、いざ募集があったとしても多くの人が応募に殺到する可能性があります。そのため企業研究や面接対策などをはじめ、他の企業に応募する以上にしっかりとした準備が必要になることは理解しておきましょう。
企業側は、第二新卒を即戦力としては見ていない場合が多い状況であるため、未経験業界・職種への転職も可能であるケースがあります。
まとめ
第二新卒の転職事情について、失敗する理由や、成功するためのポイントも交えて解説してきました。第二新卒の転職活動には、新卒時の就職活動とは異なるコツが存在します。
特に初めての転職で不安を感じたり、何から手を付ければいいかわからないという方は、私たちジェイックが運営する就職エージェントにぜひご相談ください。
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