人手不足の仕事を辞めたいと言えない時の対処法｜退職の伝え方も紹介

「仕事が忙しくて辞めたいけど、人手不足だから退職を言い出せない…」と悩んでいませんか？

この記事では、「引き止めに遭いにくい退職理由を考えておく」といった方法をはじめ、人手不足の会社を辞めたいと言えない時の対処法を紹介します。

上司に退職を伝える時のポイントもお伝えしますので、人手不足の会社を円満に辞めたい方は参考にしてみてください。

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人手不足の仕事を辞めたいと言えない・怖いと感じる理由

人手不足の仕事を辞めたいと言えない理由や、怖いと感じてしまう理由を8つ紹介します。

1. 申し訳ない気持ちが強くて退職を言いづらい

人手不足の会社を辞めると、残された同僚に大きな負担がかかるため、申し訳ない気持ちから退職を言いづらくなります。
たとえば自分の担当業務を引き継ぐことで、他の人の仕事量が増加し、残業時間が増えてしまうかもしれません。業務の引継ぎには時間がかかるので、同僚の貴重な時間を奪ってしまう可能性もあるでしょう。
このように人手不足の会社を辞めると、周囲に与える影響が大きくなります。そのため申し訳ないと感じることが多くなり、会社を辞めることを躊躇（ちゅうちょ）してしまうのです。

2. 引き止められそうで怖い

人手不足の会社は人材を必死に確保しようとするため、強く引き止められる不安から退職を切り出しにくくなります。
たとえば「いま辞められると困る」と上司から言われたり、「給料を上げるからもう一度考え直してほしい」と提案されたりする可能性もあるでしょう。 「今まで一緒に頑張ってきたのに裏切るのか」と、情に訴えかけてくるパターンも考えられます。

人手不足の会社は強引に社員を引き止めるケースもあるため、仕事を辞めたいと言えない人が多いのです。

3. 上司からのプレッシャーが強い

上司からのプレッシャーが強い場合、特に人手不足の会社では退職を言い出しにくくなります。なぜなら、会社を辞める罪悪感が強くなるからです。
たとえば「誰かが休むと業務が回らない」といった言葉を上司から頻繁に聞かされていると、自分が辞めることでさらに状況が悪化するのでは…と感じてしまうでしょう。

上司が感情的なタイプの場合は、「こんな時に辞めるなんて無責任だ」と強く叱責されることを想像し、退職を切り出す勇気を失ってしまうかもしれません。
このように上司からのプレッシャーが強いと、退職を言い出しづらくなってしまうのです。

4. 気まずい雰囲気に耐えられそうにない

退職を伝えたことで肩身の狭い思いをしてしまうのでは…という不安から、人手不足の仕事を辞めたいと言えない人も少なくありません。

退職者が出ると残された社員の負担がさらに増えるため、特に人手不足の会社は同僚から反感を持たれる可能性があります。
「裏切り者」「自分勝手」といった印象を持たれてしまい、退職の意向を伝えたあとに冷たい態度を取られる場合もあるでしょう。

以上のことから「気まずい雰囲気に耐えられそうにない」と感じ、退職を言い出すのをためらってしまう人も多いのです。

5. 人手不足の職場を辞めると「退職連鎖」が起きそう

人手不足の職場で働いていると、自分の退職が他の社員の退職も誘発してしまうのでは…という不安から退職を言い出しにくくなることもあります。

自分が最初に退職を言い出すことで「自分も辞めてもいいんだ」という空気が職場に広がる可能性があり、こうした“退職連鎖”が起きると会社はさらに人手不足の状況に陥ってしまいます。
そのため退職することを先陣を切って言い出しにくく、仕事を辞めたいと言えない状態が続いてしまうのです。

6.これまで築いてきた人間関係を壊したくない

「職場の人間関係を壊したくない」という気持ちから、人手不足の仕事を辞めたいと言えない人も少なくありません。
たとえば長年一緒に仕事をしてきた同僚や、親しくしている上司がいる場合、自分が退職することでこれまでの関係性が崩れてしまうのでは…と心配になることもあるでしょう。

「苦楽を共にしてきた仲間を裏切りたくない」という気持ちが心のどこかにあり、退職を言い出すのをためらってしまう人も多いのです。

7.家族や友人からの批判が怖い

人手不足の仕事を辞めることに対し、家族や友人から批判されることを恐れて退職を言い出せない人もいます。
たとえば「人手不足で大変な時に辞めるなんて無責任だ」と家族や友人から言われるかもしれません。特に子供が生まれたばかりのタイミングや、ローンを組み始めた時期は退職自体をパートナーから反対されることもあるでしょう。
こうして大切な家族や友人から批判されることを想像することで、退職を言い出すのが怖くなってしまうのです。

8.収入が減る可能性がある

会社を辞めると収入が減ってしまう恐れがあるため、転職に踏み出せない人も少なくありません。

人手不足の職場は残業が多いぶん、残業代によって一定額の貯金ができている人も多いものです。一方で転職によって残業が減ると、基本給は変わらなくても手取り収入が減ってしまう、ということが起こります。

転職先がすぐに決まらないと、一時的に無収入になる可能性もあるでしょう。
こうした経済的な心配から、人手不足の会社をなかなか退職できない人も多いのです。

人手不足でも辞めたほうが良い仕事・会社の特徴

人手不足の仕事を辞めたいと言えないのは「責任感の表れ」ともいえるため、自分自身を過度に卑下する必要はありません。
ただし、あなた自身の健康やキャリアを考えると、以下の特徴に当てはまる会社や仕事はすぐに辞めたほうが良いでしょう。

労働環境が改善されない

人手不足の職場は労働環境が劣悪なケースが多いですが、こうした状況が改善されない場合は退職を考えたほうが良いでしょう。
たとえば連日のように深夜まで残業が続いているにも関わらず、人員の補充や、業務分担の見直しといった改善策が講じられない場合は過労による病気のリスクが高まります。

労働環境が改善されない状況が続くと、心身の健康やモチベーションを維持しながら働き続けることが難しくなります。そのためまずは自分自身の健康を第一に考え、働く環境を変えることを検討してみましょう。

給料が上がらない

人手不足の仕事は昇給が見込めないことが多いので、退職を考えたほうが良いかもしれません。
そもそも人手不足の会社は社員に辞めてほしくないため、本来であれば同業他社よりも給与水準を上げることで慰留に努めるはずです。しかし実際は会社の業績悪化などにより、給与が据え置かれるケースも珍しくありません。

人手不足で業務量が増加しているにも関わらず給与に反映されない場合は、仕事への意欲が低下し、業務に積極的に取り組む気持ちも失せてしまうでしょう。
そのため、給料が上がらない職場を退職するのは前向きな選択といえるのです。

異動の希望が叶わない

異動の希望が叶わない場合も転職を考えたほうが良いでしょう。

人手不足の会社は最小限の人数で部内の仕事を回す必要があり、上司は部下を手放さない傾向があるため、異動の希望を聞き入れてもらえないケースが多いからです。
そのため上司に異動の希望を伝えても、「今は人が足りないから無理だ」と突き放されることも多いかもしれません。

人手不足の仕事を辞めたいと言えない気持ちもわかりますが、自分のキャリアプランや、興味があることを犠牲にしてまで今の会社に留まる必要はないでしょう。

以上のことから、異動の希望が叶わない場合は仕事を辞めることを検討してみてください。

自分の成長につながっていない

成長が停滞しているように感じる時も、転職を考えるべきタイミングといえます。
人手不足の職場で働いていると日々の業務に追われ、新しいことに挑戦する余裕がないため、スキルアップなどの機会がどうしても得にくいからです。

人手不足が理由で複数の仕事を任されることも多いかと思いますが、こうした場合は本来の業務に集中できず、期待していたような成果を上げられない可能性もあるでしょう。

自身の成長を実感できる仕事に就くことはキャリアアップだけでなく、自己肯定感の向上にもつながります。今の仕事に停滞感を覚えている人は、思い切って会社を変えることを考えてみてください。

身体的・精神的な不調が続いている

心身ともに不調を抱え、日常生活に支障が出始めている人も仕事を辞めることを検討してみましょう。

人手不足の会社は業務が常に逼迫（ひっぱく）しており、休むことが難しいため、不調の原因が根本的に解決されないままズルズルと時間だけが経過してしまうことが多いからです。
具体的には、慢性的な睡眠不足や食欲不振、または「憂鬱な気分になる」といった精神的な不調が続いている場合、それらは過重労働やストレスのサインかもしれません。

心身の不調を放置すると取り返しのつかない事態にもなりかねないため、健康面の不安が大きい人も環境を変えることを検討しましょう。

人手不足の仕事を辞めたいと言えない時の対処法

人手不足の仕事を辞めたいと言えない人は、次の5つの方法を試してみてください。

1. 転職する会社を先に決めておく

人手不足の仕事を辞めたいと言えない時は、転職先を先に決めておくことが有効です。

人手不足の会社は引き止めが強いケースが多いですが、「すでに他社から内定をいただいているので」と伝えることで会社側も無理に引き止められないからです。
「転職先が決まっている」という事実は自分自身の精神的な支えにもなるため、上司に退職を伝える時の不安も減らせるでしょう。

現在の忙しい仕事の合間に転職活動をするのは大変かと思いますが、精神的な負担を軽減しつつスムーズに退職するためにも、転職先を先に決めておくことをおすすめします。

2. 引き止めに遭いにくい理由を考えておく

人手不足の会社は退職を引き止めてくることが予想できますが、「引き止めに遭いにくい理由」を考えておくと退職をスムーズに進められます。

具体的には、以下のような理由がおすすめです。

これらの理由は現在の会社では実現しにくいため、上司としても引き止めにくいでしょう。

これとは反対に、「年収を高めたい」といった退職理由はおすすめできません。なぜなら、年収アップを提示する余地を上司や会社に与えてしまうからです。

退職交渉を有利に進めるためにも、会社が引き止めにくい理由を考えておきましょう。

3. 業務マニュアルをしっかり作成しておく

退職による会社への影響を抑えるためにも、業務マニュアルを作成しておくことも大切です。

人手不足の仕事で働いていると、自分が抜けることで業務が回らなくなることを懸念し、仕事を辞めたいと言えない人も多いでしょう。
その点、業務マニュアルをしっかりと作っておくと後任者や同僚に業務を引き継ぎやすくなり、退職の混乱を最小限に抑えられます。

職場に迷惑をかけないためにも、業務マニュアルはしっかりと用意しておきましょう。

4.民法の規定を確認しておく

退職を申し出る際は、民法の規定を確認しておくこともおすすめです。「人手不足の仕事を辞める」という罪悪感を払拭しつつ、自信を持って退職の意志を伝えられるからです。

民法第627条には、退職の2週間前までに申し出れば退職が可能、といった文言が明記されています（期間の定めのない雇用契約の場合）。
つまり、仕事を辞める2週間前に退職の意思を伝えれば、会社は原則として退職を認めなければならないのです。

退職にあたって会社から不当な扱いを受けたとしても、法律の知識があれば冷静に対処できます。そのため退職を決意した時は、まずは民法第627条の内容に目を通しておきましょう。

5. 相談相手を考えておく

誰かに話を聞いてもらうと気持ちが楽になるので、退職を考えている時は相談相手を考えておくことも重要です。

人手不足の仕事を辞めたいと言えない人は、職場に対する申し訳ないという気持ちを強く感じているかと思います。
この場合、ただでさえ忙しい毎日で疲弊しているにも関わらず、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまうとストレスが蓄積し、精神的に追い詰められてしまう可能性があります。
そのため、信頼できる友人や家族、転職エージェントのキャリアアドバイザーなどをリストアップしたうえで、人手不足の仕事を辞めたいと言えない時は話を聞いてもらいましょう。

人手不足の仕事を退職する時の伝え方【5ステップ】

人手不足の仕事をスムーズに退職したい人は、次の5ステップをもとに退職交渉を進めましょう。

ステップ1：就業規則を確認する

退職を検討し始めたら、まず就業規則を確認することが重要です。
就業規則には、退職に関する手続きや必要な事項が記載されていることが多いからです。
具体的には、次の3つを確認しましょう。

就業規則を確認せずに退職の手続きを進めてしまうと、たとえば申し出の時期が過ぎていたために希望日に退職できなかったりする可能性があります。
円滑に退職するためにも、退職を決意したら就業規則を確認しましょう。

ステップ2：有給の残日数を確認する

最終出社日を確定するために、「有給休暇の残日数」を確認しておくことも大切です。
たとえば有給休暇が15日残っている場合は、実質的に退職日を15営業日ほど早められます。

人手不足の仕事を辞めたいと言えない人の中には、ただでさえ同僚に迷惑をかけているため、有給を取ることをためらってしまう方もいるでしょう。
しかし、有給休暇は労働者の権利のため、取得にあたって後ろめたさを感じる必要はありません。

現職をスムーズに退職するためにも、給与明細などの記載情報をもとに、有給休暇の残日数をあらかじめ確認しておきましょう。

ステップ3：退職届を書く

退職の意思が固まったら、退職届を作成しましょう。

退職届とは、退職の意思を正式に伝える書類のことです。
主に、以下の項目を記載します。

▼退職届の例文

退職届は、退職の意志を示す重要な証拠です。
「退職することを言った・言わない」というトラブルを避けるためにも、しっかりと準備しておきましょう。

ステップ4：直属の上司に30分ほど時間をもらう

退職の意思を伝えるため、上司に30分ほど時間をもらえないか相談しましょう。

ちなみに人手不足の仕事は引き止めに遭いやすいため、「会社を辞めたい」と上司に直接言えない人も多いかもしれません。

とはいえ就業規則に記載がある場合などを除き、メールや電話で退職の意思を伝えるのはマナー違反です。向かい合って話すことで感謝の気持ちも伝えられるので、まずは直属の上司と直接話す機会を設けましょう。

ステップ5：退職の意志を伝える

退職の意思は、上司との1対1の面談の中で伝えます。

退職理由は「一身上の都合」と伝えるのが一般的ですが、親の介護や、パートナーの転勤など具体的な理由を伝えても構いません。

退職の意思を伝える際は感謝の気持ちを伝えるとともに、人手不足の仕事を辞めることに対するお詫びの気持ちもしっかりと伝えましょう。退職日がいつになるか、業務の引継ぎをどのように進めていくかも伝えてください。

面談の場で上司から引き止められる可能性もありますが、まずは退職の意思が固いことを明確に伝えることが重要です。円満に退職するためにも、誠意をもって退職の意思を伝えましょう。

人手不足の仕事を辞める時の例文

上司に退職を切り出す時の例文を2つ紹介します。

これらの例文を参考に、ぜひ自信を持って退職の意志を伝えましょう。

人手不足の仕事を辞める時の注意点

人手不足の仕事を辞めたいと言えない方に向けて、いざ辞めるという段階になった時に注意しておきたいことを3つ紹介します。

曖昧な退職理由は引き止めに遭う可能性がある

退職理由を上司に伝える時は、曖昧な表現は避けましょう。「まだ迷っているのではないか」と上司から思われてしまい、引き止めに遭う可能性が高まるからです。
たとえば「将来のことを考えて退職することにしました」と伝えたとします。この場合、「もっと具体的に話を聞かせてほしい」と質問攻めに遭い、曖昧な答えしか返せないと「退職の意思が弱い」と判断されて引き止められるかもしれません。

人手不足の職場は社員が欠けると業務に大きな支障が出るため、上司は必死に引き止めにかかります。

スムーズに退職したい方は、「違う業界で働きたいから」など、上司が引き止めにくい具体的な理由を伝えましょう。

人手不足が退職理由だと伝えないようにする

会社側に引き止める余地を与えてしまうため、人手不足を理由に退職を伝えるのもおすすめできません。
たとえば「社員が少なくて業務量が多いから転職したい」と伝えると、会社側は「人員を補充するので待ってほしい」と提案してくることが考えられます。
このように“引き止める口実”を会社に与えてしまうと、退職までの期間が長引いたり、強く慰留されることで気持ちが揺らいでしまったりする恐れがあるのです。

退職理由を聞かれたら「一身上の都合で」など当たり障りのない理由を伝える、あるいは「田舎で働きたい」など今の会社では実現できないことを伝えましょう。

繁忙期の退職はできる限り避ける

職場に大きな負担をかけてしまうので、人手不足の仕事を辞める時は繁忙期の退職は避けましょう。

決算期や年末年始などに退職を申し出ると、残された社員は膨大な量の仕事に加え、退職者の業務もカバーしなければなりません。繁忙期は引継ぎ時間も確保しにくいので、退職後に大きな混乱をもたらしてしまう恐れもあるでしょう。

人手不足の仕事を辞めたいと言えない方は、残された同僚の気持ちも深く理解できるという点で共感力が高い方が多いはずです。忙しい時期に同僚の負担をさらに増やさないためにも、周りへの感謝の気持ちを持ちつつ、できる限り繁忙期を避けて退職することをおすすめします。

まとめ

この記事では、人手不足の仕事を辞めたいと言えない時の対処法を紹介しました。

円満に退職したい人は、次のポイントを意識してみてください。

今回紹介した内容を参考に、ぜひ勇気を出して退職交渉に臨んでみましょう。