3ヶ月で辞めるのは迷惑？短期離職すべき人の特徴や転職のコツも解説

転職して3ヶ月で辞めるのはさすがに迷惑だよね…と思っていませんか？

たしかに「採用コストが無駄になる」といった点で会社に迷惑をかける可能性はありますが、むしろ短期離職を検討したほうが良いケースも少なくありません。

この記事では、3ヶ月で辞めることが迷惑と思われる理由や、短期離職すべき人の特徴などを解説しますので、転職にあと一歩踏み出せない人はぜひ最後までお読みください。

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3ヶ月で辞めることが迷惑だと思われてしまう理由

3ヶ月で辞めることが迷惑だと思われてしまう理由としては、次の4つが挙げられます。

採用にかけたコストが無駄になるから

3ヶ月で会社を辞めると採用コストが無駄になるため、会社に迷惑をかけてしまいます。

たとえば、企業の求人広告費用は全職種平均で38.5万円です。これに加え、採用担当者や面接官の人件費、適性検査代、採用イベントの開催費などもかかっています。

3ヶ月で辞めるとこうした費用が無駄になってしまうため、迷惑に思われてしまうことがあるのです。

出典：マイナビキャリアサーチLab「中途採用状況調査2024年版（2023年実績）｜採用者1人あたりの求人広告費 ＜全職種平均＞p.121」

人材を新たに採用する必要があるから

人員の穴埋めのために再び採用活動を行う必要があることも、短期離職が会社に迷惑をかけてしまう理由の一つです。

欠員が出ると、複数回にわたる面接や、入社手続きなど、こうした採用プロセスを再び行わなければなりません。
面接担当の役員との調整作業など、1人の退職によって多くの関係者に影響が及んでしまうこともあります。

人材の補充は手間と時間がかかるため、早期退職は企業に大きな負担をかけてしまうのです。

他の社員の業務量が増えるから

3ヶ月で辞めると職場の同僚にも迷惑がかかります。
辞めた社員の仕事を分担する、または1人の社員がすべて請け負うことになるため、業務量が増えてしまうからです。

3ヶ月といえども、プロジェクトの一部を担当していたり、特定の顧客との窓口役を務めていたりする場合もあるでしょう。

特に人手不足の会社は社員が1人でも欠けると業務が滞り、残された社員に大きな負担がかかります。

退職者の業務は他の社員がカバーする必要があるため、「迷惑な人」「自分勝手な人」と同僚から思われてしまうケースも多いのです。

職場の士気が下がるから

3ヶ月で辞めると社員が不安を感じやすく、職場全体の士気が下がりやすいため、管理職や役員から迷惑に思われることもあります。

すぐに辞めた人がいると、「この会社に何か問題があるのかな…」と不安を感じたり、「自分も辞めたほうが良いかもしれない」と考えたりと、こうした疑心暗鬼の空気が社内に広がってしまうこともあるでしょう。

早期退職は社員の不安感を増長させ、退職を考えるきっかけにもなるため、社員のマネジメントを務める管理職から迷惑な存在に思われてしまうことも多いのです。

3ヶ月で辞めるほうが良い人の特徴

3ヶ月で辞めると迷惑をかける可能性はあるものの、次のいずれかの特徴に当てはまる人は早期離職を考えたほうが良いかもしれません。

1. 入社前に聞いていた情報と違う

入社前に聞いていた情報と、実際の待遇などが異なる場合は会社側に非があるため、3ヶ月で辞めても問題ないでしょう。

たとえば求人票に「月給25万円以上」とだけ書かれていたのに、実際には「基本給20万円（各種手当込みで25万円）」だったというケースが考えられます。
こうした場合、手当の支給条件が厳しく、結局は20万円しかもらえないことも多いのです。

「明示された労働条件と異なる場合は、労働契約をすぐに解除できる」と労働基準法にも記載されているため、入社前に聞いていた情報と違う場合は退職を検討してみましょう。

参照：労働基準法 | e-Gov 法令検索

2. 明らかな法令違反を目撃した

職場で明らかな法令違反を目撃した場合も、3ヶ月で辞めるほうが良いでしょう。
こうした会社に勤め続けることで、心身ともに疲弊してしまう可能性が高いからです。

たとえば残業代が全く支払われていなかったり、労働基準法で定められた休憩時間が与えられていなかったりするケースが考えられます。

こうした状況は法的に問題があるだけでなく、そこで働く社員の士気を下げ、健康面にも悪影響を及ぼす恐れもあります。

法令違反が横行している会社に留まることはリスクが大きいため、たとえ会社に迷惑をかけたとしても、早期の退職を考えるのは当然の判断といえるでしょう。

心身ともに深刻な影響が出ている

心身ともに深刻な影響が出ている場合も、3ヶ月で辞めるのは賢明な判断といえます。

無理をして働き続けると症状がさらに悪化し、その後の生活やキャリアに大きな影響が出てしまう可能性があるからです。

たとえば上司からの過度なプレッシャーによって不眠症や食欲不振になったり、パニック発作を起こしたりしている場合、日常生活を送ることさえ難しいかもしれません。

環境を変えることで症状が改善するケースもあるため、心身に大きな影響が出ている時は自身の健康を最優先に考え、入社後3ヶ月であっても退職を検討しましょう。

3. プライベートに大きな変化が起きた

プライベートに大きな変化があり、仕事を続けられない場合も3ヶ月で辞めるのは仕方ありません。

たとえば親の介護が急きょ必要になって故郷に戻らざるを得なくなった、というケースが考えられます。
パートナーの海外転勤に自分も同行することを決めた、というケースも挙げられるでしょう。

こうしたプライベートの変化は個人の意思ではどうすることもできず、会社としても退職を認めざるを得ません。
迷惑と思われる場合もありますが、上記のようなやむを得ない事情であれば理解を示してくれる上司も多いでしょう。

4. 残業時間が長すぎる

「残業時間が長すぎる」と感じている人も、3ヶ月で辞めることを検討してみてください。
過度な残業が続くと、心身ともに悪影響が及んでしまうからです。

たとえば毎日終電まで残業が続いていたり、休日出勤が頻繁にあったりする場合、体を十分に休める時間がありません。

プライベートの時間を確保できないとストレスを発散できる機会も減ってしまうので、自分の健康のためにも3ヶ月で辞めるのは賢明な判断といえるのです。

3ヶ月で辞めるのはおすすめしない人の特徴

次の特徴に当てはまる人は会社に迷惑をかけるだけでなく、自分自身のキャリアにも悪影響が大きいため3ヶ月で辞めるのはおすすめできません。

1. 仕事が合っていないと感じている

「仕事が合っていない」という理由で3ヶ月で辞めるのはおすすめしません。
3ヶ月という短い期間では、仕事内容を十分に理解できないからです。

たとえば想像していたよりも地道な作業が多い場合、「もっとクリエイティブな仕事をしたかったんだけどな」と感じてしまう人もいるでしょう。
しかしどの仕事をするにしても基礎を固めることは重要ですし、これから経験する業務の中に向いている仕事があるかもしれません。

新しい仕事に慣れるにはある程度の時間が必要なため、まずは焦らず、最低でも入社後半年間は仕事を続けることをおすすめします。

2. 前の会社より残業が増えた

「前の会社より残業が増えた」という理由で3ヶ月で辞めるのも早計な判断といえます。
なぜなら、あとから後悔する可能性が高いからです。

たとえば前の会社は定時で帰れていた一方で、成長を感じられずに転職したとします。
転職後は仕事量が増えて残業が増えたものの、「成長を実感できている」ということには満足しているかもしれません。

残業が増えたという点だけ見るとデメリットに感じられますが、上記の例のように「スキルアップにつながる」「手取りが増える」などメリットも多いものです。

転職するとこうしたメリットを捨てることにもなるため、残業が増えたから辞めると短絡的に判断するのはおすすめできないのです。

3. 前の会社より給料が減った

収入アップのチャンスを逃してしまう恐れがあるため、給料が下がったことを理由に3ヶ月で辞めるのも避けましょう。

成果を上げている社員を積極的に昇給させる会社は多いですし、資格手当や退職金などを踏まえると、生涯年収という点では前職よりも増える可能性もあります。

目先の増減だけ見ると前職より減ったように思えても、長期的な目線で見ると収入アップにつながることは多いものです。

早期退職は会社にも迷惑がかかるので、「前の会社より給料が減った」という理由だけで3ヶ月で退職を決めるのもおすすめできません。

4. 人間関係がうまくいかない

人間関係は時間と共に変化していくため、「同僚と気が合わない」といった理由で3ヶ月で辞めるのも賢明な判断とはいえないでしょう。

転職したばかりの時期は相手の性格が分からず、どう接していいか分からないことも多いものです。
しかし半年、1年と過ごしていくうちにお互いの性格が分かり、居心地の良い関係性を築けるケースは少なくありません。

今の人間関係がこの先も続くことはなく、時間が経つにつれて関係性は変化していくため、まずはじっくりと人間関係を築いていくことをおすすめします。

5. キャリアプランが決まっていない

短期離職を繰り返してしまう可能性があるため、キャリアプランが決まっていない状態での早期退職もおすすめできません。

たとえば「マーケティングスキルを身につけて独立したい」という目標がある場合、それを実現できない会社にすぐに見切りをつけるのは一つの手といえます。

一方で、何も目標がないまま退職すると「なんとなく良さそうな会社だから」といった漠然とした理由で転職を繰り返し、それぞれの職場で不満を感じて転職する…といった事態になりかねません。

転職回数が増えると採用で不利になるリスクも高まるので、キャリアプランがない人も転職は慎重に考えたほうが良いでしょう。

3ヶ月で辞めるか迷った時の判断基準

「入社後3ヶ月で辞めると職場に迷惑をかけるよね…」と不安な人に向けて、早期離職をするか迷った時の判断基準を3つ紹介します。

会社側に明らかな非がある

3ヶ月で辞めるか迷った時は、まずは会社側に明らかな非があるかどうか確認しましょう。
会社側に問題がある場合、むしろ辞めることは当然の判断ともいえるからです。

たとえば、以下のようなケースは会社側に非があると考えられます。

こうした状況は、決してあなたの責任ではありません。
会社側に明らかな非があることが理由で退職したい人は、入社後3ヶ月であっても転職して良いでしょう。

半年分の生活費を確保している

半年分の生活費を確保しているかも、3ヶ月で辞めるか迷った時の判断基準の一つです。
退職後の生活を安定させるには、ある程度の貯蓄が必要だからです。

転職活動後4ヶ月以内で転職先が決まった人は約8割というデータもあるように、次の会社ですぐに働き始められる人は多くありません。

特に3ヶ月で会社を辞める人は転職活動の期間を十分にとれないため、退職後に求人を探すことを考えている人も少なくないでしょう。

半年分の生活費がないと経済的な面で不安を抱えやすいため、早期離職はおすすめできません。一方で貯蓄が十分にある人は、退職後も比較的安心して生活を送れるでしょう。

出典：厚生労働省「令和2年転職者実態調査 p.21」

3ヶ月で辞めるデメリットを理解している

短期離職のデメリットを理解しているかどうかも、3ヶ月で辞めるか迷った時の判断基準です。
安易に転職してしまうと、この先のキャリアに悪影響が及ぶ可能性が高いからです。

3ヶ月で辞める主なデメリットは「会社に迷惑をかける」ことですが、その他には以下のようなことも挙げられます。

ここでは、それぞれのデメリットについて解説します。

3ヶ月で退職すると転職で不利になりやすい

「うちの会社もすぐに辞めてしまうのでは？」と思われやすいため、3ヶ月で退職すると転職活動で不利になる可能性が高いでしょう。

ワークポートの調査によると「前職の在職期間が1年未満だと採用に影響しますか？」という質問に対し、63％の企業が「影響する」と回答しています。
3ヶ月の退職となると、この割合はさらに高まるはずです。

まずは短期離職は採用で不利になることがある、というデメリットを理解しておきましょう。

※出典：ワークポート「転職・仕事の調査データ【採用担当者編】」

辞め癖がついてしまう可能性がある

3ヶ月で退職すると“辞め癖”がついてしまう場合もあります。
人によっては「辛かったらまた辞めればいい」という考えに陥りやすいからです。

早期離職を繰り返すと忍耐力が育たず、多くの会社に迷惑をかけ続けたり、挑戦をすぐに諦めてしまったりする、といった事態にもなりかねません。

短期離職は“辞め癖”がつく可能性があることも理解したうえで、3ヶ月で辞めるかどうかを冷静に判断しましょう。

スキルが十分に身につかない恐れがある

スキルを身につけるにはある程度の時間が必要なため、3ヶ月で退職すると専門性が身につきません。

業務の流れを理解したり、専門知識を習得したりするには、最低でも半年〜1年以上の時間がかかります。
一方で、3ヶ月という短い期間では仕事の表面的な部分しか理解できないでしょう。

特に第二新卒や、アルバイト期間が長い人は、専門スキルがないことが原因で希望の職に就けない可能性もあるため、「スキルが身につかない」というデメリットもしっかりと踏まえたうえで転職を決めてください。

3ヶ月で辞める職場に迷惑をかけないためのポイント

入社後3ヶ月で辞めることを考えている人に向けて、職場に迷惑をかけずに退職するポイントを紹介します。

1. 就業規則の内容を守る

3ヶ月で辞める会社に迷惑をかけないためには、就業規則の内容を守ることが重要です。
就業規則を守らないと、上司や人事部に余計な手間を増やしてしまうからです。

就業規則とは「職場のルールを定めた規則」のことで、主に次の内容が記載されています。

上司や会社の負担を減らすためにも、まずは就業規則の内容を守りましょう。

2. 引き継ぎを丁寧に行う

3ヶ月で辞める職場を辞める時は、後任者の引き継ぎも丁寧に行ってください。
なぜなら、退職後の混乱を抑えられるからです。

3ヶ月といえども、自分が主に担当していた仕事はあるはずです。まずは手順書を作成したり、取引先とのやり取りを共有したりすることで、後任者がスムーズに業務を引き継げるように準備しておきましょう。

「迷惑な人」という印象が「誠意がある人」「責任感が強い人」へと変わる可能性もあるので、引き継ぎはしっかりと行いましょう。

3. 退職の意志は上司に口頭で伝える

スムーズに退職するためにも、退職の意志は直属の上司に口頭で伝えてください。
退職のマナーを守らないと、上司との関係性が悪化する可能性があるからです。

たとえば、退職の意志を役員にはじめに伝えてしまったり、メールやチャットで簡単に伝えてしまったりすると、法律違反ではないものの、上司からの反感を買う恐れがあります。

退職にあたって余計なトラブルを起こさないためにも、特に規定がない場合には退職の意志は上司に口頭で伝えましょう。

3ヶ月で辞める時の転職活動のコツ

3ヶ月で辞めることを決めた人は、転職成功に向けて次の4つのコツを意識してみてください。

ストレスに感じる要因を特定する

3ヶ月で辞める際の転職活動では、自分自身が何にストレスを感じているか？を特定することが欠かせません。
根本的な原因を把握することで、この先の早期離職を防げるからです。

たとえば人間関係や仕事内容、労働時間など、何がストレスで3ヶ月で辞めたいと思っているかを冷静に分析してみましょう。

同じようなストレスを感じる職場への転職を避けられるので、まずは自己分析をもとに、自分が苦痛に感じていることを考えてみてください。

企業研究ではマイナスな情報も集める

短期離職後の転職活動では、企業の良い面だけでなく、マイナスな情報を集めることも大切です。
入社後のミスマッチを防げるため、次の会社で長く働ける可能性が高まるからです。

たとえば口コミサイトなどで、「残業が多い」「成果が評価に反映されにくい」といった声を意識的にチェックしてみましょう。

次の職場も3ヶ月で辞めるような結果になると、職場にもまた迷惑をかけてしまいます。
短期離職を繰り返したくない人は、応募企業のネガティブな情報にも触れるようにしてください。

退職理由をポジティブに伝える

面接では、退職理由をポジティブに伝えることも重要です。
なぜなら、早期離職に対して面接官が感じるマイナスイメージを減らせるからです。

たとえば「人間関係がうまくいかなかった」という理由で退職を決めた場合、「自身の成長を考えた結果、風通しの良い職場で、積極的に意見交換ができる環境を求めていることに気づいた」と言い換えることで前向きな姿勢を伝えられます。

「この人はうちの会社もすぐに辞めてしまうのでは？」と感じていた面接官にも好印象を与えられる可能性があるため、退職理由はポジティブな表現に変換しましょう。

退職理由の例文

「退職理由をポジティブに伝える」というイメージを深めたい人は、次の例文を参考にしてみてください。

キャリアプランをしっかり考える

3ヶ月で辞めることで会社に再び迷惑をかけたくない人は、キャリアプランをしっかりと考えましょう。
将来の明確な目標を持つことで、希望に叶う職場をしっかりと選び取れるからです。

たとえば、次の項目について考えてみてください。

転職活動の軸が定まると自分に合った求人を見つけやすくなります。
結果として、転職先で長く働き続けられる可能性が高まるでしょう。

キャリアプランの例文

面接ではキャリアプランを質問されることもあります。
どう答えれば良いか分からない人は、次の例文を参考にしてみてください。

まとめ

3ヶ月で辞めると、会社や同僚に迷惑をかける可能性が高いでしょう。

とはいえ以下のようなケースでは自分自身のキャリアや健康を考え、すぐに会社を離れたほうが良いかもしれません。

早期離職のメリットとデメリットを踏まえ、まずは焦らず、自分にとって納得のいく結論を出しましょう。