就職浪人をすると「どのように就活を進めればいいのかわからない」と感じる人もいるのではないでしょうか?
この記事では、就職浪人の現状や、就職に不利になるのか、企業がどのように就職浪人を見ているのかについて解説していきます。就職浪人向けの就活方法や就職浪人の就活体験談も紹介しますので、参考にしてください。
この記事の目次
就職浪人とは-割合や新卒扱いになるのか解説-
就職浪人とは「学校を卒業してからも就職活動を続けている人」のことです。就職活動において、就職浪人は新卒ではなく「既卒」という扱いになります。
就職浪人の割合
就職浪人になる人はどのくらいいるのでしょうか?
令和3年度の文部科学省「学校基本調査」によれば、『大学卒業後の状況』として下記のデータが公表されています。
- 就職した人 74.2%
- 進学した人 11.8%
- 就職でも進学でもないことが明らかな人 9.6%
就職浪人の人は「就職でも進学でもないことが明らかな者」に含まれています。他に進学準備中の人なども含まれると考えられますが、同時に一定数の人が就職浪人になっているであろうことも推測できます。
就職浪人の就職成功率
「就職浪人をした人の就職成功率」のデータは、残念ながら見当たりません。
ただ、前述のとおり就職浪人となった人は「既卒扱い」となるため、既卒者の就職成功率の統計を参考にしてみましょう。リクナビとマイナビが発表した、新卒・既卒の就職率は下記のとおりです。
- 新卒の就職内定率:92.4%
- 既卒の就職内定率:42.4%
既卒の就職内定率は、新卒の半分程度しかないことがわかります。就職浪人している人にとっては厳しいデータですが、それでも既卒者が就職する可能性はゼロではなく、就職を成功させている既卒者が4割以上いることも事実です。あとから紹介する「成功者の事例」から学び、正しい対策を進めていきましょう。
就職浪人は新卒扱いになる
既卒になると、新卒枠での選考を受けられないと思いがちですが、実際はそうとも限りません。
2010年、厚生労働省から「3年以内の既卒者は新卒枠で応募受付可能にする」という通達が出されました。これにより、社会人経験や仕事のスキルを持たない既卒は新卒として扱われるようになりました。そして、2020年の厚生労働省「労働経済動向調査」によれば、約68%の企業で既卒者は新卒枠で応募が可能となっていました。
引用:2020年の厚生労働省「労働経済動向調査」
このように、現在は既卒であっても、新卒と同じ条件で採用選考を受けられる機会が増えたため、以前に比べて既卒者は就活において不利ではなくなってきました。
ただし、採用面接の場では必ずと言っていいほど「新卒で就職しなかったのはなぜですか?」「就職浪人をした理由は?」と聞かれるでしょう。新卒時よりも答えづらい質問がされますので、より万全な準備が必要になると認識しましょう。
就職浪人はやめとけ?就活で不利になるは本当?
前の章で「就職浪人を含む既卒者も、新卒枠に応募可能になった」とご紹介しましたが、それでも不利になってしまう傾向はまだあるようです。
就職浪人はやめとけと言われる3つ理由
「就職浪人をするのはやめておけ」とよく言われるのはなぜでしょうか?いくつか理由があるようです。
理由1.負のイメージを持たれやすいため
「就職浪人(既卒者)」と「新卒者」、企業が両者のどちらを採用するか判断する場合、書類選考や面接での評価が同等であれば「新卒者」を採用する傾向にあることはご理解いただけると思います。なぜなら「新卒者向けの就職活動をせずに(あるいは就活に失敗して)就職浪人している人」よりも、「新卒のタイミングに合わせて準備を進め、就職活動を行っている人」の方が、入社後の仕事も安心して任せられるという印象を与えるからです。
新卒枠への応募が可能になったとは言え、企業が「就職浪人」に対してネガティブなイメージを持つ可能性が高いことは理解しておきましょう。
理由2.面接で理由をうまく答えられないため
先ほどと矛盾するようですが、「企業は就職浪人に負のイメージを持っている」ことを必要以上に気に病むことは避けましょう。なぜなら、面接での受け答えが『後ろ向きな感じ』になってしまったり、『自分に都合の悪い質問にきちんと答えられない』負のスパイラルに陥ってしまうからです。
「就職浪人になったこと」自体は、変えられない事実です。それをしっかりと受け止め、もし過去の自分に非があれば素直に認めること。
「どのような経緯や理由で既卒になったのか」、「その経験(失敗)から自分は何を学び、今どうしているのか。これから何をしたいのか」を、自分の言葉でしっかり説明することが重要です。
面接官も人間ですから、「過去の失敗や過ちを認める謙虚さ」や「その経験を未来に活かそうとする前向きな姿勢」に共感してくれたり、むしろそこに魅力を感じ評価してくれる人も中にはいることでしょう。相手に共感してもらえたり、納得感をもってもらう説明をする為には、まずは逃げずに現状に向き合い、きちんと自己分析することから始めましょう。
理由3.精神的に追い込まれるため
「就職浪人は精神的にもキツい」とされる理由は、主に3つあげられます。
- 1.一足先に社会人になった友人への劣等感
- 2.家族との関係も気まずくなりがち
- 3.誰にも相談することができず、孤立してしまう
就職浪人になると、新卒で就職した友人に対して劣等感を抱いてしまうのはやむを得ない事でしょう。社会人と就職浪人では話題がかみ合わず、連絡の頻度や会う機会が減ってしまうようです。
また、家族はあなたのことを心配し、あなたも家族に対する申し訳ない気持ちから、関係が気まずくなることもあります。
さらに、「就職支援を行っている機関」への相談も、就職浪人している人にはハードルが高いようです。大学の就職課やキャリアセンターは、主に在校生が新卒での就職活動の際に利用することを想定しています。誰にも相談できないでいると、ますます孤立を深めてしまいます。
後述しますが、このような時におすすめなのは「既卒の就活に強いエージェント」の活用です。精神的に追い詰められる前に、対処方法が存在することは知っておいてください。
企業から見た就職浪人とは
企業の面接官の立場になってみれば「この人はどうして就職浪人になったんだろう?」という理由を確認したいのは当然のことでしょう。「新卒時の就活がうまくいかなかったのかな?」「新卒の就活で失敗したのなら、そういう人を採用しても大丈夫かな?」企業側が、就職浪人に対してこのような負のイメージを持つことは実際にあります。
ただ、既卒者の採用枠を設けている企業であれば、そうした事情も承知のうえで、就職浪人になった人を採用しています。就職浪人した理由を無理に繕ったりせず、事実は事実として伝えた上で、「その経験から何を学んだのか」「それを今後どう活かしていくのか」を、面接の場で臆せずしっかり伝えられるかどうかが、とても重要になってくるのです。
人は、誰でも失敗を経験します。だからこそ、失敗した人がそこから立ち上がろうと努力する姿や、経験から学んで再チャレンジする姿に心を動かされます。その人の話に耳を傾け、どんな人なのかもっと知りたいと感じるのです。
これが面接の場であれば、「就職浪人」や「既卒」という経歴の奥にある『あなた自身の人柄・能力』や『入社後のポテンシャル(成長期待)』の方へと目を向けてもらえるようになる、ということです。当初のマイナスイメージは、面接の場で「意外と良さそうな人じゃないか」とプラスに転じることで、良い方向へのギャップ・振れ幅が生じることもあるでしょう。
このように面接を成功させるには、後述する準備をどれだけ丁寧に行えるかにかかってきます。このあとの章を読んで、しっかり準備を進めてください。
就職浪人はきつい?成功/失敗の体験談を紹介
就職浪人の就職活動は苦戦すると言われがちですが、内定を獲得できる人も多く存在します。ここでは「内定獲得できた人」と「できなかった人」、それぞれの事例から「就職浪人の就活のコツ」を掴んでください。
就職浪人から就活に成功した体験談
まず、就職浪人を経て、就活で内定を獲得できた人の体験談をご紹介します。
Aさんの場合
就職浪人をしてしまった理由は、自己分析ができていなかったということにつきます。新卒の就活スタート時は明確なキャリア選択の軸はなく、就活しながら少しずつ見つければいいと考えていました。「自分は本選考で受かるはず」という、根拠のない思い込みがありました。ただ結局、内定をもらえたところはありませんでした。有名企業という点でのみ応募先を選んでいて、10社も受けなかったです。
就職浪人をした翌年は、まずいろんな選考会を受けました。社会人の方や先輩と話すことで、相手からどんな風に見えているのかが分かり、自分を客観視できるようになりました。すると、自分が何をしたいのかも明確になっていきました。社会人と話していて、働き方や仕事内容に違和感があったら、それを徹底的に言語化してみました。少しずつ、自分が何をしたいのか、何ができるのか、どんな人なのかを言葉にできるようになりました。それが自己分析となり、自分の「就活軸」に沿って就活を進められました。
独りよがりな就活をしないこと。人の役に立つことでビジネスは成立します。就職して社会や人のためになれるか。そして、選考を受ける会社の仕事もリンクさせて、そこまで想像できているか。それが重要だと思います。
Bさんの場合
新卒の就活では商社ばかり受けていました。当初は特に明確な軸などなく、セミナーで出会った商社の社員さん達が魅力的だったこと、多忙でも高い収入を得たいという自分の理想に合っていたためです。けれど、まったく上手くいきませんでした。面接では自分の考えを整理して伝えられず、面接官には「結局、何がしたいのか分からない」と思われていたのではないかと思います。
就職浪人をすることに、抵抗や不安はあまりありませんでした。浪人した理由は聞かれるだろうし、それを理由に不採用にする企業もあるとは思っていました。ただ、多分そういう企業と自分はそもそも縁がないのだろうと考えるようにしました。「自分を変えるために浪人して、もう一度就活に挑戦する」という自分の判断を受け入れてくれて、その上で自分を選んでくれる企業に行きたいと考えました。
就浪時代に徹底したことは「自分の言葉で伝える」ための練習です。軸の深堀りや自分の想いを伝える練習を繰り返したおかげで、いざ就活を再開してみると選考で落ちることはかなり少なくなっていました。自分の企業選びの軸は『人にチャンスをつくる仕事』だと気付いたので、応募先を商社だけに絞る必要はなくなりました。今働いているのはIT企業ですが、地方在住者にビジネスのチャンスを提供できる事業もあり、企業理念にもすごく共感できたので、内定をもらった時点で他の企業を辞退して就活を終えました。
まだ決めかねて悩んでいる人は「決めるための行動」を早くした方がいいと思います。例えば、いろんな人に話を聞いてから決めたいのであれば、早く行った方がいい。相談して「やっぱり就職浪人しよう」と決めるのが明日なのか1か月後なのかで、次の行動に移るまでのスピードも、来年の就活のために使える時間も大きく変わりますから。意思決定するための行動は、早くすることをおすすめします。
Yさんの場合
就活では、突然大きなジレンマに直面しました。警察官の仕事に興味を持ったのですが、銀行員の父親の影響を受けて、銀行の面接を受けるも失敗しました。この挫折から、警察試験に向けて入念に準備はしたものの、身体検査と面接の段階で不合格となり、大きな失望を経験しました。
その後、就職浪人となり、彼女との共同生活を続けながらアルバイトで生計を立て、様々な職業への道を探り、自分の適性や興味を深く理解する時間を持ちました。
その1年後に彼女にフラれてしまい、すごくショックだったのと同時に「このままではヤバい」という気持ちが強くなりました。そのころにジェイックの就職支援サービスに出会い、新たな希望を見い出しました。ここでは、集団での就職活動を通じて、単に職を得るだけでなく、共同体の一員として成長することの重要性を学びました。
最終的には、ジェイックを通じて行われた2回目のグループ面接で、エンジニアリングおよび施工管理職の職を得るオファーを受けました。この職は、幼少期からの興味である模型作りと、大構造物に対する情熱を活かす完璧な機会でした。
現在、その道での成長と、同じような困難に直面している他の就職浪人への助言者として、経験を共有しています。挫折から立ち直り、自分の情熱とスキルを生かした仕事を見つけることができました。
成功のコツ:自己分析で強み・弱みを理解
Aさん、Bさん、Y・Tさんの体験談から得られる「就活成功のコツ」として、下記の3つがあげられます。
- なぜ新卒時の就活がうまくいかなかったのか、反省点をしっかり振り返る
- 就活完了の期限を決め、逆算して就活スケジュールを組み立てる
- 自分の強みと弱みから就活軸を決めた上で、業界や職種を選択する
就活を進める中で、自然と「社会人として必須のスキル(PDCA、スケジューリングなど)」が体得できます。面接の場でも企業側にそのことは伝わりますので、「就職浪人の経験をプラス(自分のスキルアップ)に転換できる人材」であることがアピールできるように心がけてください。
就職浪人に失敗した体験談
続いて、就職浪人後の就活が残念ながらうまくいかなかったという体験談もご紹介しましょう。
Cさんの場合
私はどうしても有名企業な企業に入りたかったため、就職浪人の道を選択しました。新卒の就活時に、規模は大きくはないですが今思えば優良な企業から内定をいただいたのですが、辞退してしまいました。
就職浪人になってからの就活は、自分で想像していた以上に厳しいものでした。企業から「何か問題がある人物ではないか?」という目で見られているような気がして卑屈になってしまい、面接で浪人した理由について聞かれるとうまく答えられず、何とかその場をやり過ごすような対応になってしまいました。また「既卒の採用枠」があっても、海外留学から帰ってきた優秀な学生が応募していたりして、実情はさらに狭き門になっていることもありました。
最終的に就職はできましたが、浪人した理由である「有名企業への入社」は叶いませんでした。就職浪人をしたからといって、翌年に希望通りの会社に入社できるとは限らないのです。
Dさんの場合
新卒の就活がうまくいかないまま卒業を迎えてしまい、アルバイトをしながら就職浪人をすることにしました。ただ、浪人してからも、自分は何をやりたいのか、どんな仕事に向いているのかを真剣に考えることもなく、手あたり次第に応募するような就活をしていました。
ある企業の既卒枠でなんとか内定をもらいましたが、入社してからも仕事内容が自分に合っていないように感じ、そんな思いが周囲の人に伝わってしまうせいか職場の人間関係も良好とは言えません。できれば、あらためて転職をしたいと考えています。
失敗のポイント:就職がゴールになっている
Cさん、Dさんの体験談から学ぶ「就活の失敗ポイント」は、下記の4つです。
- 新卒就活の反省をしないまま、さらに難易度の高い企業を目指してしまった
- 自己分析を丁寧に行わず、自分の就活軸が明確になっていない
- 面接で「就職浪人した理由」をしっかりと説明できなかった
- 「早く就活を終わらせたい」一心から、就職すること自体がゴールになっていた
成功例と失敗例のエッセンスは、対照的な内容であることが分かります。「過去の体験から学び」、「自己分析から就活軸を明らかにして」、「自分なりの就活スケジュールを組み立てて実行する」。やるべきことを明らかにして、すぐに行動を始めましょう。
就職浪人中の過ごし方3選
就職浪人中の過ごし方は、将来の職業人生においてとても重要な期間です。
この時期は、自己分析を深め、将来のキャリアを再考する絶好の機会となります。この期間を有効に活用することで、将来的なキャリアパスが大きく変わる可能性があります。
1. 志望する業界・企業を考え直す
就職活動中、以前志望していた業界にのみ焦点を当てるのではなく、視野を広げることが重要です。
同じ業界だけを追求することで、前回と同様の失敗リスクが高まるため、市場の動向や個人のスキルに合った新しい業界の探索が求められます。この過程では、現在の市場で求人が多い業界を調査し、自身の強みや興味が他業界でどのように活かせるかを検討することが大切です。
また、異なる業界への挑戦は、キャリアの選択肢を広げ、自己成長に繋がる重要なステップとなります。新しい分野での経験は、自身をさらに磨く貴重な機会を得られるでしょう。
2. 就職浪人した理由を説明できるようにしておく
就職浪人をしていた理由を面接で聞かれることは非常に多いため、納得のいく説明ができるよう準備しておくことが重要です。
この期間に何をしていたか、どのように自己を向上させたかを明確に伝えることができれば、面接官に対してポジティブな印象を与えることが可能です。
また、この期間を通じて得た経験や学びは、自分のキャリアにどのように役立つかを具体的に説明することが求められます。
これらの点を踏まえ、自信を持って就職浪人期間の経験をアピールしましょう。
3. 強みとなるスキルを身につけておく
就職浪人中に即戦力となるスキルを身につけることは、中途採用の競争相手と対等に渡り合うために不可欠です。
これには、業界固有の専門知識、最新の技術トレンドへの理解、効果的なコミュニケーション能力、チームでの協働能力、問題解決能力などが含まれます。また、デジタルツールやソフトウェアに精通することも、多くの業界で価値が認められます。
これらのスキルを磨くことで、面接時に自信を持ってアピールでき、求職市場での競争力を高めることができます。
就職浪人の期間を利用して、これらのスキルを向上させ、将来的なキャリアの成功につなげましょう。
就職浪人の就活法
就職浪人が内定獲得を目指すために必要な就職活動について、ご紹介していきましょう。
履歴書・面接対策は必須
就職浪人の場合、「履歴書と面接の対策」は新卒以上に重要です。また、新卒とは異なる工夫が必要になります。既卒である=学生ではなく社会人であることを意識しましょう。
いきなり履歴書を書き始めるのが難しい場合、まずは「書くための材料」になりそうな要素をノートに書き出してみましょう。自分の長所や短所、趣味・特技、アルバイトの経験があれば仕事内容やそこで得た経験などを書きます。思いつくまま自由に書き出すことで、自分の特徴・経験の「棚おろし」ができ、履歴書作成の材料が揃います。
また、面接では、就職浪人をした理由を必ず聞かれます。企業は採用活動に時間とお金をかけているため、ミスマッチや早期離職をできるだけ避けたいと考えています。そのため、既卒である就職浪人の採用を検討する場合は、新卒以上に突っ込んだ質問をして本気度を確かめようとする傾向があるのです。就職浪人した理由や経緯を簡潔に説明し、「その経験から何を学んだのか」「それを今後どう活かしていくのか」を自分の言葉でしっかり伝えられるよう、準備をしましょう。
ここでも、ノートに書き出すことから始めましょう。いきなりまとまった文章を作ろうとせず、最初は箇条書きにすると進めやすいです。箇条書きした要素を組み立てて文章にまとめたら、面接の場で伝えられるように音読してみましょう。これらの作業を繰り返していくことで、緊張を強いられる面接の場でも焦らずに、自分自身の言葉でしっかり説明できるようになります。
このような「履歴書と面接の対策」をひとりで行うのが不安な人は、就職エージェントへ相談することをおすすめします。私たちジェイックも「既卒者への就活アドバイスの実績」が豊富であるため、お気軽にご相談ください。
既卒者、就職浪人の「履歴書の書き方」については、こちらの記事も参考にしてください。
就職浪人がするべき就活準備
就職活動を始める前にしておいた方が良い準備について解説します。
▼自己分析をする
これまでの人生を振り返り、転機となったり印象深かった出来事、成功・失敗の経験などについて、当時の気持ちやそこから得たものなどを書き出してみましょう。自分の価値観や大切にしていること、強みや苦手なことが見えてきます。
人の本質は、あまり大きくは変わりません。過去を振り返ることで、自分の考え方や行動パターンなどが見えてくるため、今後のキャリアを考える上で重要な要素になります。
▼強みを整理し、就活軸を考える
「自分はこう生きていきたい」という人生像をイメージしてください。イメージしたような人生を送るために、あなたはどんな風に働いていきたいか、具体的に考えてみましょう。それが、あなたの『就活軸』となっていきます。
特に就職浪人の人は「自分がしたいこと」よりも「自分にできること」を意識すると良いでしょう。自分の強みや能力が活かせる仕事・職場であればこそ、企業側も採用したいと考えますし、あなた自身も長く安定して働いていくことができます。
自己分析で『自分の強み』を整理し、さらに業界・企業分析をベースにして、自分に向いている仕事・職場とはどのようなものなのかを考え、就活軸を定めていきましょう。
就職浪人におすすめの就活法
就職浪人におすすめの就職方法として、就職エージェント、就職サイト、ハローワークがあります。
就職エージェント
就職エージェントは民間企業が提供するサービスで、専任のキャリアアドバイザーが現状や就きたい仕事などについてヒアリングをして、希望に近い企業を紹介してくれます。必要に応じて講座への参加や、書類添削・面接対策なども利用でき、個々に合った仕事や企業探しを、プロがサポートするサービスです。
就職サイト
就職サイトは、氏名や住所、年齢、学歴や職歴などを登録することで利用できます。希望職種や給料、勤務地などの条件を入力して求人検索し、気になる企業があれば、サイト上から応募できます。大手が運営するサイトのほか、特定の業界や職種が中心、女性向け、若者向けなどの特徴を持つ就活サイトもあり、複数のサイトを併用することもできます。
ハローワーク
ハローワークは国が運営を委託している、全国に設置されている職業紹介施設です。失業者しか使用できないわけではなく、求職登録をすれば誰でも利用可能です。求人の閲覧や応募だけでなく、職員への相談やハローワーク主催のセミナー・イベント参加、条件を満たしていれば職業訓練の受講などもできます。
以上、3つの就職方法の特徴を簡単にご説明しましたが、それぞれのメリット・デメリットについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
「就職浪人」に関するよくある質問
就職浪人に関するよくある質問をまとめました。
就職浪人の人も、試験の年齢制限等の条件がクリアでき、しっかりと試験準備を行えば、公務員を目指すことは可能です。
しかし、「公務員試験の合格率等のデータ」では、受験者が新卒あるいは既卒(就職浪人も含む)であるかどうかの統計が公表されていません。ただし、試験の倍率は高く、公務員は「簡単な就職先」ではありません。
たとえば、国家公務員・総合職試験(大卒程度)の倍率は12.31倍です。
また、地方公務員の一例として、東京都職員(Ⅰ類B/大卒程度)の合格率は倍率3.6倍です。
倍率3.6倍は公務員試験の中では低い方ですが、それでも約4人に1人しか合格できず、決して簡単な試験ではありません。
就職浪人が新卒として扱われるか既卒として扱われるかは、企業により異なります。多くの企業は、「青少年雇用機会確保方針」に基づき、大学卒業後3年以内であれば新卒採用の対象としています。
この場合、就職浪人者も新卒として扱われることが期待できます。一方で、就職浪人者を既卒と見なす企業もあり、そういった場合は中途採用の枠で応募する必要があります。
また、就職留年の場合は通常、新卒として扱われますが、現役学生より不利になる可能性もあるため、留年理由の説明が重要になります。
就職浪人になる人の割合は、約1割程度だと言われています。
文部科学省の統計によると、令和4年(2022年)に就職活動を行った大学生の内定獲得率は90.1%であり、これは就職浪人者が全体の約10%であることを示しています。
就職活動がうまくいかない理由としては、就職活動に積極的でなかった、正社員として採用されることを望まなかった、または履歴書や自己PRが採用担当者に響かなかったことが挙げられます。
就職浪人の状況を改善するためにも、このような背景を理解することが重要です。
「自己分析」を行い、自分の価値観や大切にしていること、強みや弱みを明確にしましょう。「自己分析」のやり方がよく分からない、やってみたが就活に活かせるか不安という人は、私たちジェイックの『就職相談』をご利用ください。無料でご相談いただけます。
まとめ
この記事では、就職浪人の現状、就職に不利になるのか、企業がどのように就職浪人を見ているのかについて解説しました。また、就職浪人した人の体験談や就活方法についてもご紹介してきました。
就職浪人は新卒よりも就職活動が厳しいものになり、その分、特有の準備をていねいに行う必要があることをご理解いただけたと思います。そして、就職浪人の時間を最大限に活かし、自分の目標に近づくための就職を成功させた人もいることを知っていただけたことでしょう。
うまくいった事例から学び、今すぐできることから行動していきましょう。