大学院の中退率は?
文部科学省の調査によると、令和5年度の大学院中退率は2.85%です。内訳は「修士・専門職課程」が2.60%、「博士課程」が3.49%となっており、修士よりも博士のほうが中退率が高い傾向にあることが分かります。
なお、こちらのデータを見る限り「短大(3.95%)」の中退率が最も高く、その次に「博士課程」と「修士・専門職課程」が続きます。
▼令和5年度における学校種別中退者数及び中退者割合
学校種別 | 中退率(学生数に占める中退者数の割合) |
---|---|
大学院 (修士課程・専門職学位課程) | 2.60% |
大学院 (博士課程) | 3.49% |
大学 | 2.04% |
短期大学 | 3.95% |
高等専門学校 | 2.09% |
出典:文部科学省「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」
大学院を中退する人は何人くらいいますか?
文部科学省の調査によると、令和5年度に大学院を中退した人は7,647名でした。内訳は、修士課程・専門職学位課程が4,986名、博士課程が2,661名です。
大学院の中退理由4つ
中退に関する厚生労働省の調査や、労働政策研究・研修機構の調査をもとに、「大学院を中退したい」と考える主な理由を4つ紹介します。
- 授業について行けないため
- 教員や友人との関係がうまくいかないため
- 研究を続けるよりも、就職した方が良かったと後悔しているため
- 経済的な理由で通学が難しいため
出典:文部科学省「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 |図表2-9 中退しようと思った理由(平成27年)p.72」
理由1. 授業について行けないため
大学院を中退したい理由としてまず挙げられるのが、大学院の授業について行けなくなったことです。
大学院の授業は高度な専門知識があることを前提に進むことが多く、学部時代とは異なるレベルの理解が求められます。
自分の興味関心とは違う研究分野に進んでしまった場合は、授業の内容を理解するのに特に苦労するでしょう。
結果的に、授業や研究のモチベーションが低下して欠席が続いたり、周りの友人との熱意の差を感じて居心地の悪さを覚えたりしたことで「大学院を辞めたい」と思うようになってしまうのです。
理由2. 教員や友人との関係がうまくいかないため
大学院の研究室は“閉鎖的な空間”のため、人間関係の問題から中退を決意するケースもよく見られます。
たとえば、教授との相性が合わないと研究がうまく進まないだけでなく、研究に行き詰まったときに相談もしづらいためストレスがたまっていくでしょう。
ちなみに労働政策研究・研修機構の調査を見ても、「教員とうまく関われなかったから」という理由は、大学院生の中退理由の中でトップに位置しています。
また、研究室内の友人関係がうまくいかない場合は孤立感を覚えることが増え、研究へのモチベーションを維持することも難しいはずです。
このように人間関係の悩みはストレスが大きいため、中退を考えるきっかけとなるのです。
理由3. 研究を続けるよりも、就職した方が良かったと後悔しているため
大卒の時点で就職に迷いがあったり、応募する側に不利な経済状況やタイミング(買い手市場)であったことから、大学院に進学することで就職を先延ばしにした場合にあげられる理由です。
進学当初から研究に対するモチベーションが低いため、なかなか打ち込めず、「こんなことなら、大学院に進まずに就職しておけば良かった」と後悔し、中退することを考えはじめるようです。
理由4. 経済的な理由で通学が難しいため
学費を払うことができず、大学院に通えなくなるケースも少なくありません。
大学院の学費は高額なため、家庭の経済状況が急に悪化したり、奨学金が予定通りに支給されなかったりすることで学費の支払いが難しくなることがあります。
親の負担を減らそうと自分で学費を稼ぐ学生もいますが、大学院の研究は忙しいため、アルバイトに十分に時間を割けないケースも少なくありません。
以上の理由から、大学院を中退せざるを得なくなるケースも多いのです。
大学院を辞めたいと思う理由を詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
大学院中退後は就職支援サービスを活用しよう
この記事では、大学院の中退率と、中退理由で多い理由について解説しました。
大学院を中退後の就職を検討している方は、就職支援サービスを活用してみてください。
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