仕事でモチベーションをキープし続けるのは大変です。この記事では「仕事におけるモチベーションを重要視する理由とその大切さ」をふまえたうえで、「モチベーションが下がる理由と上げる方法」についてご紹介します。この記事を読めば、自分のモチベーションを上げるために取るべき行動がわかるようになり、実際にモチベーションが上がるイメージを持てるようになるでしょう。
- モチベーションとは目的意識であり、人がやる気を出して行動する理由のこと
- 「仕事のモチベーションが下がる原因 7選」で、低下の原因を明確にしよう
- モチベーションはコントロールできる!「仕事のモチベーションを上げる方法 6選」に取り組んでみよう
この記事の目次
仕事の「モチベーション」とは?
モチベーションとは、人が「何かをしよう!」とやる気を出して行動する理由のことです。「動機づけ・目的意識」といわれることもあります。自分の心の中からわいてくる興味や関心などが「内発的動機づけ」と、誰かから与えられる「メリット」によってわいてくる「外発的動機づけ」の二種類があります。
「内発的動機づけ」は、自分の心の内側から欲求がわきおこってくるのが特徴です。たとえば、「仕事で認められてお金をたくさん稼ぎたい」というのは「お金」という自分の興味や関心が元になっています。一方、仕事をして上司に褒められて認められたい」というように、「上司からの評価」という第三者の興味や関心が引き金となっている場合は、「外発的動機づけ」になります。一般的に、外発的動機づけより、内発的動機づけの方が長くやる気が持続するという特徴があります。
仕事においてモチベーションの維持が大切な理由
仕事において、モチベーションが下がってしまうと、次のような弊害があります。
- 仕事に対する情熱や責任感が失われ、業績が下がる
- 無理やり仕事をさせられている感覚に陥り、主体性がなくなる
- モチベーションが下がった姿を見た上司や同僚が「やる気がない」といった良くない印象を持つ
- モチベーションが低下した自分に対して自己嫌悪に陥り、自己否定や無力感につながる
このような状況に陥ると、精神的に追い詰められてしまい、仕事だけではなく私生活にも悪影響を及ぼすことがあります。そのため、モチベーションを維持して仕事をすることは生活をする上でも大切です。
仕事のモチベーションが下がる原因
仕事のモチベーションが下がる原因1.仕事に魅力を感じられない
仕事に対して「内容が合っていない」、「理想とのギャップがある」「意義を見出せない」など仕事自体に魅力を感じられないと、モチベーションが下がる大きな原因になります。人はやりたくないことに対してはなかなかエネルギーを注げません。それでも我慢して仕事をしているうちに、他にやりたいことが見つかってしまうケースもあります。その場合、自分の心がどんどんやりたい仕事の方に傾いてしまい、今の仕事に対しての魅力が急速に失われます。
そして、「自分の人生をこんなことに使っている場合じゃない」と焦りが生じる場合もあります。結果として、さらにモチベーションが低下してしまうのです。
仕事のモチベーションが下がる原因2.仕事に達成感がない
毎日、同じ仕事の繰り返しで飽きている場合によくあるケースです。成果が感じられにくいまたは目に見えにくい業務が多い仕事を続けていると、「何のために仕事をしているのだろう」という虚しさを感じることもあります。それでも、時々、自分の行なっている業務に対して褒められたり、感謝の言葉を述べられるなど評価をもらえれば、充実感を感じてやる気も出てきますし、仕事を頑張ることもできます。
しかし、そのような経験もなく、仕事で達成感を感じることがほとんどない状況が続いた場合、次第に意欲がなくなってしまいます。さらに、喜びを感じられないまま、仕事が苦痛であるレベルまで達することもあります。すると、さらにモチベーションは低下してしまうのです。
仕事のモチベーションが下がる原因3.人間関係
仕事のモチベーションが下がるよくある原因として、人間関係があります。人間関係のいい場所にいると多少肉体的に辛いことがあっても「頑張ろう」という気持ちになってやる気が出たり、反対に人間関係のあまり良くない場所にいると思ったように作業がはかどらないという経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。このように、人間関係とモチベーションには密接な関わりがあります。
ほめてくれる上司や仲間がいる人間関係の良い職場では、頑張ろうという気分になり、仕事をするのが楽しくなります。反対に、苦手な人がいたり、常に否定的なことを言う人がいると、次第にモチベーションは低下する人が多いです。
仕事のモチベーションが下がる原因4.評価されない
仕事のモチベーションが下がるよくある原因として、評価されないことがあげられます。多くの人が、「仕事に対する頑張りを評価してほしい」という思いで仕事を頑張ります。そのため、自分の頑張りが思ったように周りに評価されなかったり、評価が正当でないと感じると、モチベーションは低下します。
給与や賞与、昇格など目に見えるものだけでなく、ねぎらいの言葉などでも人は評価をされていると感じます。結果としてやる気がでてくるものです。しかし、プロセスを見るのではなく結果のみを重視する職場では、どんなに頑張ってもそれすら得られないケースもあります。すると、「こんなに頑張っているのに誰もわかってくれない」という不満が生まれ、モチベーションが低下し、ますます評価されなくなるという負のスパイラルに陥ることもあります。
仕事のモチベーションが下がる原因5.残業が多すぎる
残業が多すぎることもモチベーションの低下につながります。仕事量が多く、さらに職場での拘束時間も長いことはストレスです。自分の意思で進んで残業を行なっている場合は、「成長できる」「スキルを上げて市場価値を上げられる」という理由から、モチベーション高く仕事をすることもできます。
しかし、自分の意思ではなく、職場で強制的に残業をやらされているケース、やってもやっても仕事が終わらないというケースはどうでしょうか。精神的にも肉体的にも疲れてしまい、かなりのモチベーション低下になります。また、「やらされている」感覚が続けば続くほど、不満が募り、やる気がどんどんそがれていきます。
仕事のモチベーションが下がる原因6.給与が低い
「お金を稼ぐために頑張って仕事をしているのに、思っているより給与がもらえない」という場合もモチベーション低下の原因となります。例えば、趣味の時間を削って残業をしているのに、残業代が出ないなど労働にみあった給与が支払われていないと感じると、モチベーションはがくっと下がってしまいます。
仕事というのは、基本的に、やりたくないこともやらねばならないもので、その対価として給与があります。しかし、その給与が低いと、「せっかくやりたくない仕事を我慢してやっているのに、何のために仕事をしているのだろう」と思うようになってしまうのです。
仕事のモチベーションが下がる原因7.心身が疲れている
仕事のモチベーションが下がるよくある原因として、心身が疲れていて体調不良であることがあげられます。体がだるい日は思うように体が動かず、やる気も出ないということはないでしょうか。また、睡眠不足の場合にもモチベーションの低下と効率の悪化を招きます。睡眠はエネルギーを回復してくれるのですが、そのエネルギーが少なければ、動くのも大変です。
このように、心身の疲労はモチベーション低下の一因です。家でじっとして体力を温存したい衝動に駆られます。しかし、このような時こそ運動して体を動かすと気分が明るくなってむしろモチベーションの維持につながります。体に負担をかけるほどの激しい運動は必要ありませんが、ウォーキングやストレッチの軽い運動で体を動かしてみましょう。心身がリフレッシュされ、モチベーションが上がってくるかもしれません。
仕事のモチベーションを上げる方法
仕事のモチベーションを上げる方法1.目標設定する
仕事に対して具体的な目標を設定してみましょう。長期的な目標と、長期的な目標にリンクしたその日の目標など短期的な目標のどちらも立てることが効果的です。むずかしい場合は短期的な目標だけでも良いでしょう。大事なのは「期限」を明確にすることと、具体的な目標を立てることです。「先月から営業成績を2倍にするために今月中に30人のお客さんにアプローチする」など、具体的かつ数字を入れ込んだものだとイメージがつかみやすくなります。
このように、具体的なゴール設定をすることで、達成感が得られないマンネリ化した仕事や魅力がない仕事内容でも、モチベーションを上げられることがあります。目標を達成したら、自分を褒めるだけではなくご褒美をあげるのも有効です。たとえば、「前から見たかった映画を観に行く」、「カフェの新作ドリンクを飲む」などでもかまいません。あとで楽しいことが待っていると思えば、仕事もやる気が出るのではないでしょうか。
仕事のモチベーションを上げる方法2.ライバルを設定する
自分の中の競争心をあおることでモチベーションを上げる方法です。人間には、相手に勝ちたいという本能的な欲求があるのですが、これをうまく利用します。明確な目標を持つことで、仕事に対する意識が前向きに変わります。また、ライバルの存在は職場で刺激になります。
まず、職場で「この人には負けない」というライバルを心の中で設定します。そして、相手に勝つために、「自分の業務をいかにスピード感を持って効率的に進めるか」、「成績を上げるためにはどうしたらいいか」など頭をひねるのです。競争することを楽しむようになれば、仕事も楽しくなります。結果としてかなりのモチベーションアップの効果が期待できますし、実力アップにもつながっていくでしょう。
仕事のモチベーションを上げる方法3.ロールモデルを設定する
ロールモデルとは、お手本となる人物のことです。仕事上で自分が尊敬できる人物を設定します。身近な人であるほどいいので、直属の上司などが理想となる存在ならピッタリです。しかし、「近くにぴったりの人物がいない」という場合は取引先の人、メディアで有名な企業家、歴史上の有名人でもかまいません。また、人ではなく繁盛している店を設定してもよいです。
ロールモデルを決めたら、「成功に至るプロセスや行動」を具体的にイメージし、自分自身に取り入れることができないか検討します。イメージしやすい目標を持つことで、「相手に追いつこう」という気持ちが生まれ、仕事へのモチベーションを上げられます。人が成長するためには、「成功した方法」を徹底的に真似するのが有効だといわれているので、ロールモデルを真似することは自分を高めることにもつながります。
仕事のモチベーションを上げる方法4.同僚や友人と話す
信頼できる同僚や友人と話すこともおすすめです。気分転換になるだけでなく、立場や状況の違う人と話すことで自分では気がつかなかった発見を得ることもできます。自分の仕事とは違った業界、職種の話を聞くことで「自分だけが大変なわけじゃない」という気づきもあります。
もしも、職場で信頼できる同僚と話す場合は、モチベーションが上がらないことを相談してみてもよいでしょう。ただし、愚痴っぽく話すのではなく将来の目標や理想の人生についてなどを交えて前向きに話せると効果的です。モチベーションの低下を相手に悟られることなく、アドバイスを受けることもできます。また、相手も同様の悩みを抱えていたことがわかり、ホッとすると同時に相手との仲が深まるという可能性もあります。
仕事のモチベーションを上げる方法5.ゆっくり休む
心身が疲れている場合は特に、休息が必要です。心も体もリフレッシュすると、モチベーションが上がることがあります。休みを取る場合、職場の上司に自分の状況について相談し、有給休暇などを利用して休みを取るのがよいでしょう。
休みが取れたら思うままにリラックスするなど、遊ぶことでストレスを発散するのが大切です。旅行に行ったり、趣味に没頭するなど、完全に仕事から離れます。外の空気を吸うことで気分を入れ替えることもできますし、職場で会う人とは違った種類の人と会うことで視野が広がり、考え方が変わることもあります。仕事で感じていた行き詰まりを解消することができ、新たな気持ちで働くこともできるかもしれません。
仕事のモチベーションを上げる方法6.転職を考えてみる
どうしても今の仕事ではモチベーションを上げることが期待できない場合の手段として転職を視野に入れたシミュレーションを行います。「自分は今の職場で何が不満なのか」「どんな仕事をしたいのか」「どんな働き方を希望しているのか」書き出してみるのです。可能ならば、他業界や職種について調べてみるのも良いでしょう。
情報を集めることで、新たな視点で今の職場を見ることができます。また、結果として今まで気がつかなかった発見を得られることがありますし、現在の仕事の思わぬよいところが見つかる可能性もあります。とはいえ、実際に転職するかどうかは、さまざまなことを慎重に検討する必要がありますし、リスクも大きいです。あくまで、シミュレーションにとどめておいたほうがよいでしょう。
仕事のモチベーションはコントロールできる
仕事においてモチベーションを持ち続けることは大切です。モチベーションが下がる原因にはさまざまなものがありますが、一方でモチベーションを上げる方法もたくさんあります。工夫をすればモチベーションをコントロールして仕事をすることができるでしょう。ぜひ自分の状況と照らし合わせ、実践してみてはどうでしょうか。