「仕事が終わらない」というのは、就職して働き始めたときに抱える悩みとしてしばしばあるものです。仕事が終わらない原因にも色々なものがあるので対処の仕方もそれに応じて考えなければなりません。
まずはどんな理由で仕事が終わらないことがあるのかを紹介します。それを理解した上で仕事が終わらないデメリットや早く終わるメリットなども把握し、具体的な対処をできるようになりましょう。
この記事の目次
仕事が終わらない理由
仕事が終わらない理由1:計画性に欠ける
よくある理由としてまず挙げられるのが計画性の欠如です。入社してまだ月日が経っていない人の場合には指示通りに作業をしていく場合も多くて計画を立てるのが困難なこともありますが、現場に慣れた人でも必ずしも計画的に働いているとは限りません。計画性がないと順番に仕事をこなしていくことになり、時間配分を適切に行うことができないのが一般的です。簡単な作業に時間を使い過ぎてしまって、重要な仕事が残ってしまっていつまでも仕事が終わらないというのはよくある失敗例です。何を優先して取り組むべきかがわからない、どの作業にどのくらい時間がかかるのかがわからないという状況の場合には仕事の計画を立てるのが難しくなります。
仕事が終わらない理由2:自分1人で抱え込む
自分1人で仕事を抱え込んでしまっているのが理由で仕事が終わらないというパターンもよくあります。自分の力で仕事をこなそうと頑張ってしまい、他の人の力を借りようとしない人はしばしばいます。さらには、すでにこなしきれないような量の仕事を抱えているのに、他の人から仕事を頼まれても断らずに引き受けてしまう人もいるでしょう。気遣いや人間関係の兼ね合いで頼まれたら引き受けるということもよくありますが、それが原因で周りも仕事が多いときにあの人に任せれば良いという認識を持つようになります。すると悪循環が生まれてしまって、いつも忙しいのにさらに仕事が増えてしまうことになるのです。
自分は優れていると考えていたり、もっと仕事ができるようになりたいと考えていたりすると人に仕事を頼めなくなりがちです。結果としてその現場で必要とされている仕事を抱え込むことになってしまいます。また、特に仕事を頼まれることがなかったとしても、もともと職場の雰囲気として人に仕事を任せる雰囲気がなくて抱え込んでいるケースもあります。
仕事が終わらない理由3:仕事量が多い
割り当てられる仕事量が多いために仕事が終わらないという単純な理由の場合もあります。業務としてこなさなければならない量に比べて人材が不足している結果として、1人の社員あたりの仕事が多くなり過ぎているのが典型的です。人件費をこれ以上かけられないために人材を追加で採用できないなどの経営上の理由もあって仕事量を軽減できないこともあります。あるいは必死に求人を出しているのに応募者がいなくて採用できないということも少なくありません。
一方、現場によってはある人は仕事が終わらずに苦労しているのに、別の人は悠々と仕事をしていていつも楽をしているように見えるということもあります。人材の数は足りていても仕事の分担や配分に偏りがあって一部の人に負荷がかかり過ぎていることもよくあるのです。仕事が早くできる優秀な人には仕事が集中してしまいやすい傾向があり、人一倍仕事を手早くこなせる人も終わらないほどの仕事を抱えてしまいがちになります。上司がきちんと仕事を適切に配分するか、融通できる環境を整えないと一部の社員だけが仕事に追われる状況が続いてしまうのが通例です。
仕事が終わらないデメリットには何がある?
仕事が終わらなくても納得できていれば良いではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、仕事が終わらないことには数多くのデメリットがあります。仕事が終わらないと焦る気持ちが生まれてしまい、早くこなそうとして雑になる場合も多く、仕事の出来栄えに悪影響を及ぼしてしまいがちです。
きちんと時間を確保して取り組もうとすると残業をすることになるでしょう。すると、毎日のように長時間の残業が続くことになってしまい、ワークライフバランスが悪化してしまうことは否めません。さらには休日出勤をして仕事をするようになったり、自宅に仕事を持ち帰ってこなそうとしたりするケースもあります。そうなってしまうと日常的に仕事を考えて生活するようになってプライベートの時間を充実させにくくなりがちです。さらに疲労も蓄積してしまって仕事の効率も低下し、悪循環を生んでしまいかねません。さらに無理を続けているとうつになってしまうリスクもあるので、仕事が終わらない状況から脱却することは重要です。
仕事が定時で終わると多くのメリットがある!
逆に仕事を定時で終わるようにできるとどのようなメリットがあるのでしょうか。特に今まで仕事が終わらない苦境に立たされていた人の場合には定時で仕事を終わらせられたという達成感が得られます。きちんと自分に割り当てられた業務を時間通りにこなせたという点で能力や仕事の管理力などに自信を持てるようになるのもメリットです。それがやりがいになって仕事を定時で終わらせようという意欲も湧いてくるでしょう。
一方、残業や休日出勤、持ち帰りの仕事などがなければしっかりと休む時間を確保できます。ゆっくりと眠って朝を迎えられれば体調も良くなり、仕事のパフォーマンスも向上するでしょう。ワークライフバランスも充実するので趣味などのプライベートも楽しめるようになります。リフレッシュしてストレスも解消され、メリハリのある生活を送れるようになるでしょう。体調管理がきちんとできるようになるので仕事にも精が出るようになり、定時通りに仕事をこなせるエネルギーも生まれるという好循環が生まれます。
仕事が終わらないときの対策
仕事が終わらないときの対策1:優先順位をつける
それでは具体的に仕事が終わらない状況に陥ったときの対策を考えてみましょう。まずは重要な仕事を先に終えられるようにするために優先順位をつけるのが良い方法です。とりあえず目の前にある仕事をやろうと考えるのではなく、自分がやるべき仕事には何があるかを考え、優先すべきものから順に手をつけると効率的に仕事をこなしていけます。例えば、今日が締め切りの仕事があったら残してしまうと残業になるのは必至なので先に手を付けましょう。急ぎではなかったとしても重要度が高いものは優先して取り組んで終わらせるようにするのも大切です。
来客への対応やメールの返信などは基本的には即対応すべきものなので、気づいたら処理するというのが基本です。逆に周囲の同僚とのコミュニケーションなどのように後回しにしても問題がないものについては優先順位を下げて余力があったときにやれば良いと考えましょう。
仕事が終わらないときの対策2:時間を意識する
時間意識の欠如が問題で仕事が終わらないケースも多いので、時間を意識するように心がけるのも有効な対策です。締め切りが決まっている仕事ならそれまでに終わらせれば良いと考えて必死に取り組むでしょう。しかし、締め切りのない仕事だったとしてもいつまでに終わらせるかを自分で決めて取り組むと効率が上がります。時間配分をすることで取りこぼしなくやるべき仕事をこなせるようになるのです。仕事の内容によって必要な時間が違うので、すぐに終わるものと時間をかけなければならないものに分けて時間配分を検討するようにしましょう。
重要なのは考えた時間配分を実現するように努力する習慣を作ることです。基本的には予定時間の前半で仕事の大半をこなせるようにすることで余裕を生むことができ、しっかりとその仕事に取り組めるようになります。さらに、余裕を持って終えられれば確認作業をする時間も確保することができるため、仕事の質も上がるでしょう。どの仕事をいつまでに終えるかを決めて仕事に取り組むのは仕事の効率も質も向上する重要なやり方なのです。
仕事が終わらないときの対策3:協力し合う
自分なりの努力で仕事を終えられるようになる場合もありますが、1人の力でできることには限界があります。周囲を巻き込んだり、頼んだりするのも重要な対策です。自分は苦手な仕事でもそれを得意としている人の力を借りれば速やかにこなすことができるでしょう。1人で抱え込む習慣をなくして、他の人に頼むことも考えるようにするのが大切です。仕事を他の人に任せてしまうことはできないという人もアドバイスを聞くだけでかなり違いが生まれます。経験がある人に仕事の進め方やうまくこなすコツなどを聞いていき、短時間で仕事を上手にこなせるようになることを目指すのは合理的な方法です。
また、上司に仕事の割り振りを変えてもらうのも良い方法です。自分で頼んでも断られてしまう場合でも上司の指示なら同僚も指示を受け入れざるを得ません。いざというとき協力し合ったり、仕事の割り振りを変えてもらったりすることができるように、上司や同僚などと良好な関係を築いておくようにしましょう。
仕事が終わらないときの対策4:計画を立てる
仕事の計画を具体的に立てるのは仕事を終わらせられるようにするための対策として重要なものです。基本的にはあらゆる仕事を時間や段取りを決めて計画的に進める必要があると考えておきましょう。計画を立てるといつ何をすべきか、次に取り組むべきものは何かが明確になるので時間の無駄がなくなります。全体的な見通しがついていると心理的にも余裕が生まれ、落ち着いて業務に取り組むこともできるでしょう。そして、その日は計画の通りに仕事をしていけば良いため、先の心配をしながら働く必要もありません。
計画を立てるときに重要なのが過密スケジュールにしないことです。予定よりも早く進められるように計画を立て、早期に大部分の仕事を進めることで時間にも心にも余裕が生まれます。余力が生まれた分は確認や修正に費やせば良いので決して無駄になることはありません。仕事の完成度が高まってより大きな成果が生まれる可能性も上がります。
仕事が多過ぎて終わらない!断ることも必要?
仕事が多過ぎて終わらない状況に陥ったら断った方が良いのかと悩む人もいるでしょう。過重労働を避けるためには断る勇気を持つことも重要になりますが、断り方には注意しましょう。無下に無理だと言うのではなく、相手の立場への敬意や自分を頼ってくれたことへの感謝を表しながら、理由を添えて仕事を引き受けられないと伝えるのが大切です。
また、仕事が多過ぎる原因が同僚から仕事を引き受けているのではなく、上司がたくさん仕事を任せてくるからというケースも少なくありません。この場合には率直に仕事が多過ぎるという相談を上司に持ちかけてみましょう。仕事の配分について上司が再検討するきっかけになるだけでなく、上司も仕事の進捗状況を詳しく把握できるというメリットがあります。そして、理由を伝えて断れば確かに無理だから他の人に任せようと考えてくれる可能性も十分にあるでしょう。
仕事が終わらない不安に対処する方法
仕事が終わらない不安に対処する方法1:書き出す
きちんと対処をして仕事に取り組んでいるはずなのに仕事が終わらないという不安が生まれてくることもあります。その不安に対しても適切な対処をすることで定時通りに終えられるようになる可能性もあることは念頭に置いておきましょう。仕事が終わらない不安への対処の仕方としてまず挙げられるのが、終わらない仕事が何かを書き出す方法です。書き出すだけでは仕事が終わるわけではないと考えてしまいがちですが、焦っていると何を先にこなすべきかがわからなくなってしまう傾向があります。一旦仕事を辞めて気持ちを落ち着けた上で、冷静に何をこれからやるべきかを考えるのが重要なのです。
終わらない仕事を列挙したら、その内容ごとにどのくらいの時間がかかるかも書き出しましょう。そして、この時点であらためて優先順位をつけて仕事に取り組むのが効果的です。見通しを持った状態で仕事を進めた方がミスが少なく、効率が良くなるのが一般的です。まだやることがたくさんあるというプレッシャーによるストレスも軽減されるので、心身の健康のためにも重要な対処と言えるでしょう。
仕事が終わらない不安に対処する方法2:ストレス解消をする
仕事が終わらない不安にかられているとストレスを抱えてしまいがちになります。自分はストレス耐性があるから大丈夫だと思っている人もきちんとリフレッシュする機会を作っていくことが不安を解消することにつながります。ウォーキングをして体を動かしたり、音楽を聴いて気持ちをリラックスさせたりするのが効果的です。また、睡眠時間は6時間以上とし、呼吸を意識してリラックスしてから眠るにようにしましょう。不安は話すことによっても解消されるので、周囲の信頼できる人に自分の悩みを話してみるのも効果的です。
仕事が終わらないときは適切な対策を!不安をなくすために
仕事が終わらない状況を続けていると心身にも負担がかかってしまい、仕事の効率も悪くなるのが一般的です。悪循環に陥らないように仕事が終わらない理由を考えて適切な対策をしていきましょう。それによって焦りや不安が解消されると前向きに仕事に取り組む気持ちが生まれ、定時に仕事を終えられるようになって好循環が生まれるでしょう。