「フリーターから転職して正社員になりたい」という方もいるのではないでしょうか?
フリーター経験しかない人の就職は苦労を伴うものの、元フリーターでいまは正社員として活躍している人も一定数います。
この記事では、フリーターの転職に転職エージェントの利用が有利な理由や、フリーターにおすすめの転職エージェントやその特徴、フリーターが正社員への転職を成功させるためのコツなどについてご紹介します。
- フリーターから転職した正社員就職の成功率は20代がピーク。30代からは下がり始める
- フリーターが転職エージェントを利用するメリット3選
- フリーターの転職成功3つのポイント「理由」「調査」「経験・スキルの棚卸し」
この記事の目次
フリーターとは
「フリーター」のイメージと言えば、アルバイトで生計を立てる若者でしょう。では30代、40代でもアルバイトならばフリーターなのでしょうか。結論からいうと、フリーターという用語の厳密な定義は存在しません。
そのため、総務省や厚生労働省が統計データなどをとる場合には、それぞれフリーターを次のように定義しています。
<総務省>の調査の定義
年齢が15~34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者かつ未婚の者のうち、 以下に該当する者。
- 雇用形態が「パート・アルバイト」
- 完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」
- 家事も通学もしていない者のうち、 就業内定しておらず、希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」
<厚生労働省>の調査の定義
年齢が15~34歳で、以下に該当する者
- 雇用形態が「パート・アルバイト」かつ男性は継続就業期間が1〜5年未満の者、女性は未婚の者
- 家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」
ここで着目したいのが年齢で、総務省も厚生労働省もフリーターは34歳までとしています。このことから「フリーター」という言葉自体が20代、30代前半の若年層に作られたものであると想像できます。
未経験の就職では、年齢は非常に大きな要素となるため、本記事においても基本的には35歳未満の方を対象に転職活動のポイントを紹介します。
フリーターが正社員になれる割合とは?
「フリーターが正社員になれる確率はどれくらいあるのだろう?」と不安に思う人もいるでしょう。せっかく正社員への転職活動をしたとしても、そもそも成功率が極端に低ければ、いくら努力しても仕方ありません。
結論から言えば、フリーターの正社員就職の成功率は30歳未満の男性であれば約30%ほどです。
ただしこの数字は年齢、景気によっても大きく左右されるため、さまざまなデータから詳しく解説していきます。
フリーターから正社員就職を成功させる確率
厚生労働省が公表した、令和3年1月の求人有効求人倍率は1.10倍でした。
求人有効倍率とは、ハローワーク(公共職業安定所)に申し込まれた求人数を、求職者の数で割った値です。つまり値が高いほど求職者に対して人材を募集する企業が多いため、就職しやすい傾向にあります。フリーターの就職成功率も、この求人倍率によって大きく左右されます。
引用元: 一般職業紹介状況(令和3年1月分)について|厚生労働省
また、フリーターの就職成功率は年齢とも大きく関係しています。未経験の就職では、一般的に若ければ若いほど有利なためです。独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によれば、年代別のフリーターの正社員就職率は次のようになっています。
【参考】独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・ 職業能力開発の現状 ③」
上図から、男性は20代後半をピークに、30代からは就職率が下がり始めることが見て取れます。これは、企業が若い人材のやる気や意欲に期待して社員を採用するのは20代が限度であるためでしょう。
30代以上になると、企業は即戦力の経験やスキルを求めるようになるため、30代のフリーターは就職に苦労するようです。
続いてリクナビNEXTが企業の人事担当者へ実施した、フリーターに対する調査を紹介します。下の図は、調査対象の46企業がフリーターを正社員として採用した人数を示しています。「採用実績あり」と「採用実績あり」はちょうど半数ほどで、半数の企業はフリーターも採用対象にしており、実際に正社員採用の実績もあることがわかります。
【参考】リクナビネクスト「人事が語る フリーター、派遣社員を正社員採用する理由」
また下図では、人事担当がフリーターの応募者を評価するポイントをまとめています。
【参考】リクナビネクスト「人事が語る フリーター、派遣社員を正社員採用する理由」
1位の結果は「やる気」であり、未経験のフリーターであってもやる気が伝われば、正社員として採用されやすいことを示しています。フリーターがやる気をしっかりアピールする方法はこの記事でも後ほど紹介するので、ぜひ参考にしてください。
さらに、下図では人事担当がフリーターを採用する年齢の限界値を示しています。
【参考】リクナビネクスト「人事が語る フリーター、派遣社員を正社員採用する理由」
調査結果から、若ければ若いほど採用対象として考えてもらえることがわかります。25歳を超えると採用対象となる企業が一気に減ることから、25歳が1つの節目と考えると良いでしょう。
フリーターから正社員登用される職種とは?
正社員登用とは、アルバイト・パート・契約社員といった非正規雇用の人材を正社員として採用することを指します。正社員登用制度のある企業でアルバイトやパートをしている場合は、一般的に言われる就職活動をしなくても、現在所属している勤務先で正社員になれる可能性があります。
さらに、正社員登用制度によりフリーターが正社員へ登用されやすい職種や業界というのもいくつか存在するので紹介していきます。その理由も併せて紹介するので参考にしてください。
事務職
事務は、会社経営上で発生するさまざまな庶務を担当するお仕事です。具体的な業務はさまざまですが、データ入力や書類のファイリング、備品整備などがその一例です。事務仕事はマニュアル化されているため、未経験からでも始めやすいと言えます。また、事務というと営業職などの「サポート」の色が強く、重要な判断はメインの担当者が担うため、経験不足はパートナーが補ってくれます。
特に一般事務はデータ入力など簡単な作業からアルバイトとして始められることに加え、正社員になるのにも特別な資格が必要ないため、正社員として登用されやすいと言えます。さらに基本的なPC作業ができる方であれば、正社員になっても強みになるでしょう。
飲食サービス・接客業
飲食業界は人手不足が続いており、正社員としての就職を斡旋されるアルバイトが多いと言われています。正社員になっても大手チェーン店であれば仕事はマニュアル化され、誰でも高品質に仕事をこなせる仕組みが整っているため、未経験でもスムーズに仕事に馴染めるでしょう。
飲食サービスの仕事内容は、主に次の2つです。
- ホール:接客を担当。お客様の案内から注文どり、配膳、レジ、席の片付け等を行います。
- キッチン:調理を担当。調理の準備、皿洗い、調理場の掃除等も大切な任務です。
正社員になった場合、上記の仕事を担いながらゆくゆくはお店の店長として、スタッフの管理を任されるのが一般的です。
製造業
自動車や電気機器の製造ラインに入り、組み立て工程の一部を担う仕事です。ライン工の仕事はマニュアルが完備されており、未経験でも取り組みやすい職業と言えます。工場は田舎にあることが多いため、若い人材はどこでも歓迎される傾向にあります。
製造業の中でも特に自動車業界は正社員登用されやすい傾向にあります。自動車は年間を通じて安定した需要があり生産量が安定しているため、長期で人材を確保しておきたいメーカーの意向があるためです。
宅配員・ドライバー
荷物を各家庭や指定先の場所まで送り届ける仕事です。インターネットショッピングの拡大により需要が拡大していることから、未経験でも採用されやすい職種と言えます。宅配員は重たい荷物を担当することもあるため、若く体力のある人材は需要が大きい業界です。
介護職
介護職は老人ホームやデイサービスなどの施設、あるいは在宅で支援を必要としている利用者の自宅に出向いて介護に関わる仕事全般を行います。具体的には、着替えの介助、食事介助、排せつ介助、入浴介助、口腔ケアなどです。
高齢化が進行する日本において介護職は既に人手不足であり、今後も需要の拡大が確実視されていることから、未経験者も積極的に正社員採用されています。
フリーターが転職エージェントを利用するメリット
フリーターが転職活動を始める際、まずおすすめされるのが転職エージェントへの登録です。しかし、転職エージェントとは何をしてくれるサービスなのかわからない人もいるでしょう。そこで、フリーターが転職エージェントを利用する主なメリットを3つ紹介します。
もしエージェントに登録してみて、この3つのメリットが享受できないと感じれば、他の転職エージェントに切り替えることをおすすめします。転職エージェントの利用料は基本的に無料なので、幾つもサービスを試すことが可能です。
メリット1:長期的キャリアの相談相手になってくれる
転職エージェントは長期の目線でキャリア形成のアドバイスや相談が可能です。ただ就職できればいいという考え方ではなく、生涯にわたって幸福な人生を送るための行動・選択を二人三脚で考えてくれます。
特に次のような不安を持っている方は、エージェントと相談しながらより良いキャリアプランを構築できるでしょう。
- 正社員として就職はしたいけど、やりたい仕事があるわけではない
- 60歳、65歳まで働くイメージが持てない
転職エージェントが長期キャリアの相談に長けている理由は、企業に就職した後もその人の働きぶりや企業との相性について、企業からフィードバックを得ているためです。転職エージェントの役割は企業と人材のマッチングにあり、就職が無事決まった後もマッチングの検証を定期的に行なっています。そのため、紹介する人材が長きに渡って活躍できるよう、長期的なキャリア形成のノウハウが豊富と言えます。
メリット2:フリーターや既卒の採用を積極的な企業が集まっている
転職エージェントにはフリーターや既卒に特化したエージェントがあります。このようなエージェントは、フリーターや既卒を積極採用する企業との繋がりが深く、また豊富な情報を持っています。中には一般公開されていない求人情報も多いため、自分では見つけられなかった、フリーターや既卒を求めている企業を紹介してもらえることも多いでしょう。
フリーターや既卒を採用する企業側としても、繋がりが深く信頼を置いているエージェント会社のフィルターを通すことで、質の高い人材を確保しやすいメリットがあります。
メリット3:履歴書や職務経歴書の添削をしてくれる
転職エージェントを利用すると、専属の担当者がつき、履歴書や職務経歴書の添削をしてくれます。担当者は数多くの求職者をサポートしてきたプロであり、自力で仕上げるよりはるかに魅力的な応募書類が作れるでしょう。
また必要であれば面接練習にも対応してくれるエージェントもあります。転職エージェントの利用料は基本無料なので、積極的な活用をおすすめします。
フリーターから正社員への転職を成功させる3つのポイント
フリーターから正社員への就職は、転職エージェントを活用し、採用されやすい業界を狙えば必ずうまくいくというわけではありません。また、希望の職業が採用されやすい職種に当てはまらない場合もあるでしょう。
フリーターから転職を成功させるためには、あなた自身の努力も欠かせません。しかし、具体的に何をすればいいかわからない人も多いでしょう。そこで、フリーターが正社員就職を成功させるために押さえておきたい具体的なポイントを3つ紹介します。
ポイント1:フリーターだった理由を考えておく
「今までなぜフリーターだったのか」という問いに対して、ポジティブな印象を与えられる回答を用意しておきましょう。この手の質問は面接等で必ずといっていいほど聞かれるため、必ず準備しておきましょう。
例えば、以下のような理由であれば企業も前向きに捉えてくれるかもしれません。
- 叶えたい夢のために努力していた
- 難関の資格取得のために勉強に集中していた
- 視野を広げるために、一定期間は旅行すると計画していた
上記のように、あてもなくフリーターをしていた訳ではないことが伝わると、企業も前向きに捉えてくれるでしょう。
ポイント2:応募企業について調べておく
就職の自己PRでは、自分の強みと企業が求める人材像をマッチングさせることが大切です。
そのためには、応募企業についてしっかりと調べ、求める人材像を把握しておかなければなりません。応募企業が求める人物像については、企業の採用ページや募集要項に記載がある場合がほとんどです。しっかりとチェックし、求める人材像のイメージを明確にしましょう。
また同様に、自分の強みについても明確にしておくことが大切です。自己分析から過去の経験を棚卸し、経験に裏打ちされた自身の強みを見つけてください。
ポイント3:フリーター期間で学んだこと・得たスキルを考えておく
フリーターの期間で実際に得た経験を根拠に自分をアピールするのは非常に効果的です。うまく行った事例に対して「どんな考え方で動いたか」を説明できるとさらに良いでしょう。この経験は特別なものでなくても構いません。企業はアルバイトでの成果よりも、仕事に対するその人の考え方を見ているためです。結果よりもプロセスに重点を置いてアピールポイントを練りましょう。
フリーターの履歴書や面接を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
フリーターが仕事を探す方法
フリーターがいざ就職活動をしようと思い立っても、どう求人を探せば良いかわからない人もいるでしょう。新社会人の就職活動で抜群の知名度がある新卒向けの「マイナビ」や「リクナビ」は、最終学歴から卒業後3年未満でなければ利用できません。
そこで、フリーターが仕事を探すおすすめの方法を3つ紹介します。
方法1:ハローワークを利用
ハローワークとは全国にある「公共職業安定所」のことです。ハローワークは国が運営している公的機関で求職者と事業者双方への情報提供をしています。国の公的機関の為、サービスはすべて無料で利用可能です。
ハローワークは地元の企業や、今住んでいる場所で働きたいと考えている人に特にオススメです。ハローワークは全国に500箇所以上あり、地域に根ざした企業と求職者のマッチングを主目的としているためです。あなたの街にも必ずあるので、一度行ってみると良いでしょう。
またハローワークでは、仕事を探すだけでなく就職のためのサポートが受けられます。未経験のフリーターでも就活に必要な行動が自然と理解できるでしょう。
一方ハローワークのデメリットとしては、次の2つが挙げられます。
- 求人情報が周辺地域に限られる
- 質の低い求人が紛れ込んでいる場合がある
質の低い求人については、ハローワークの求人掲載には費用がかからないことに起因します。「人材採用にできるだけお金をかけたくない」という考えの企業の求人も載せられてしまうためです。人材への給与や採用にかかる経費を「投資」と考えず、費用を投下できない企業ほど給与が低かったり、待遇が悪かったりする可能性が高い傾向にあるので注意してください。
このような悪質な企業を避けるためには、後述する就職サイトや就職エージェントも利用し、多角的な視点で企業を見極めることをおすすめします。
方法2:就職サイトを利用
就職サイトとは、就活関連の情報をまとめたサイトです。新卒者が利用する「リクナビ」や「マイナビ」などが代表例です。就職サイトは新卒者限定のイメージが強いかもしれませんが、既卒やフリーター向けの就職サイトも数多くあります。全国にある多数の求人情報の中から、自分の希望条件をいくつも選択しながら求人を絞り込めます。例えば「フリーター歓迎」で絞り込めば、フリーターを積極採用している企業だけを簡単に調べられます。
就職サイトのデメリットとしては、人気企業の倍率が高くなることです。就職サイトはインターネットさえあればいつでもどこでも応募できるため、人気企業には応募者が殺到します。掲載されている求人も多いのですが、条件の良い求人は競争が激しくなるようです。
方法3:就職エージェントを利用
就職エージェントは、就職希望者にアドバイザーがつき、企業探しから就職までサポートしてくれるサービスです。一人ひとりに担当がつき、さまざまな相談やアドバイスをくれるので未経験のフリーターでも迷うことなく就職活動を進められます。
エージェントは求人情報に精通しているため、求職者の特性を見極めた上で、相性の良さそうな企業を紹介してくれるのも魅力です。自力では見つけきれなかった求人を、エージェントが紹介してくれるケースも多くあります。
転職エージェントのデメリットとしては、担当アドバイザーとのやりとりが手間と感じる場合があることでしょう。アドバイザーは求職者にマッチする企業への就職をサポートすべく面談を繰り返し実施し、選考対策を促します。これらのやりとりを、中には鬱陶しいと感じる人もいるようです。
ただ、実際にはアドバイザーを通した方が、求職者の負担が軽減される場合が多いでしょう。面接練習や応募書類の添削等のやりとりは億劫ですが、プロの目を通すことで通過率は上昇するのも事実です。自力で何社も応募して全滅するより、アドバイザーと二人三脚で志望企業を絞り、合格率を高める方が、求職者の負担も軽くなるでしょう。
ちなみに、私たちジェイックも20代のフリーターや既卒者を中心にサポートする就職エージェントです。利用者の就職成功率は81.1%でかなり高いです。理由は「就職カレッジ®」という就活講座でビジネスマナーや面接対策を徹底しているからです。就職カレッジ®の参加者のうち73%は正社員経験がない人ですが、無事に正社員に就職できる人が多いです。フリーターや既卒の方で正社員に就職したい場合は、情報収集に活用してみてください。
まとめ
本記事ではフリーターから正社員に転職するための方法やポイントについて紹介しました。
未経験から正社員就職する場合、年齢が若いほど一般的に有利です。そのためより良い条件で就職するためには、1日でも早い行動が重要になります。
「でも、なにから始めたらいいかわからない」というかたは、まずは私たちジェイックの無料相談を利用してみてください。1から一緒に考えていきましょう。