フリーターで保険証を持っていなくても必ずしも恥ずかしいわけではありません。しかし、保険証があれば、医療費を大幅に軽くし、身分証明として利用できます。
医療保険には国民健康保険や社会保険の2種類があり、加入方法や条件もさまざまです。
この記事では、保険証の3パターンの作り方や国民健康保険と社会保険の違い、保険料の概算について解説していきます。
また記事内では、紛らわしさを回避のため、社会保険制度の医療保険にあたる健康保険を「社会保険」と表現しています。
この記事の目次
フリーターが保険証を持っていないと恥ずかしいの?
フリーターの方で保険証を持っていなくて恥ずかしい思いをされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。病気にかかり、病院に行った時には、保険証の提示を求められます。また、運転免許証やマイナンバーカードを持っていない場合、身分証として保険証が必要になってくる場合も多いでしょう。
保険証を持っていないからといって恥ずかしいわけではありません。転職や親からの自立、退職など、人生の節目で健康保険が変わる方も多く、保険証を持っていない状態になることも珍しくありません。
しかし、日本は「国民皆保険制度」といって国民全員が公的医療保険に加入することが定められています。だから、保険証を持っていない=健康保険に加入していないという連想から、恥ずかしい、周りからの見られ方が気になる、という方もいらっしゃるようです。
保険証を持っていないフリーターの理由
一般的に保険証を持っていない人の理由としては、
- 入社、転職で職場の保険証がまだ交付されていない。
- 退職で、職場の保険から抜けたばかり。
- 親の扶養から抜けたことに気づいていない。
- 保険の制度がわからず、加入していない。
といったものがあります。
特にフリーターの方の場合、
- 親の扶養から抜けたことに気づいていない。
- そもそも保険の制度がわからず、加入していない。
- 社会保険に加入させてくれたアルバイト先をやめて、国民健康保険の加入方法がわからない。
などの理由が考えられます。
特に、親の扶養から抜ける場合=年収が130万円以上(条件によっては106万円以上)の場合は、通常、住んでいる地域の国民健康保険に加入する必要があります。しかし、本人が市区町村で手続きをしないといけないため、難しく感じ手続きしないままの方が多いのです。
フリーターでも保険証を持つべき理由
健康保険に加入するべき主な理由は、医療費が大幅に少なくなることにあります。
原則として医療費の自己負担額が3割になります。これを””3割負担””といいます。
医療費は、健康な時はその大きさを実感しませんが、いざ大きな怪我や病気をすると非常に高額になります。その時に、医療費の100%が自己負担となるとかなりの額となり、最悪の場合、個人の貯蓄で払いきれないということにもなりかねません。
20代の若者の貯金額は2021年のマイナビの調査によると、約30%の人が10万円未満、さらに約10%は貯金なし、という結果になっています。
文字通り、””保険””をかけておくことが必要になるのです。
参考:マイナビニュース「20代で貯金ゼロの人は何割? コロナ禍における若者の貯蓄事情を調査」
国民健康保険は恥ずかしい?
国民健康保険を持っていると恥ずかしいと感じる声もあるようです。国民健康保険と社会保険では保険証の色が違います。(実際は保険の種類により多くのパターンがあります。)国民健康保険は、会社の正社員や公務員ではない方が主に持っています。そのため国民健康保険の場合は、安定していないなどの印象を持たれないか不安に思う方もいるようです。
しかし、国民健康保険の対象となる方は非常にたくさんいます。
- 社会保険未加入のアルバイト・パートの方
- 自営業の方
- 勤務先が5人未満の事業所の方
- 非適応業種(農業、林業、漁業飲食店や理容店などのサービス業、神社など)の方
など
そのため、一概に国民健康保険だから恥ずかしがる必要はありません。
フリーターの健康保険について知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
フリーターの保険証の作り方3パターン
フリーターの方で、保険証を持っていない方もいらっしゃるでしょう。 医療費負担を減らすためにも、身分証のためにも、保険証は持っておきたいところです。
フリーターの方で、保険証を手に入れるための方法は3パターンあります。ご自分に合う方法を考えてみてください。
フリーターでも社会保険と国民健康保険によって異なる
まず、覚えておくべきなのが、社会保険と国民健康保険によって加入の方法が異なる、ということです。そのため、保険証の作り方も異なってきます。
国民健康保険の保険証の作り方は、各市区町村の役場窓口で申請手続きを行い保険証を受け取ります。
社会保険の保険証の作り方としては、役所で手続きをすることができません。社会保険は、協会けんぽや各企業の社会保険組合が運営しているものなので、アルバイト先の企業を通してそちらへと申請手続きをする必要があります。
フリーターの方でも、アルバイト(パートも含む)先次第では、社会保険に入ることができます。
基本的に保険料の一部をアルバイト先が負担してくれる社会保険の方がメリットは大きくなります。
アルバイト先が社会保険に加入可能かどうかは、アルバイト先の条件と自分の働く時間の条件などを満たしているかどうかによります。可能かどうかを知りたければ、働く時間を考えることと、アルバイト先、もしくはアルバイトを検討している先に問い合わせてみることが一番確実です。
条件については、下記でも解説していますので、アルバイト先を選ぶ際などに確認してみてください。
①アルバイト先の社会保険に入る
保険証の作り方の一つとしては、アルバイト先の社会保険に入るというものがあります。
そのためには、まず、アルバイト先に相談してみることが先決です。
申請の手順としては、以下になります。
- アルバイト先に社会保険に加入可能かどうかを問い合わせる。
- 加入をお願いをする。
- 手続きのための必要書類へ記入し提出する。
- アルバイト先から各健康保険組合へと申請。
- 申請受理後、職場を経由して社会保険証が発行される。
ちなみに、申請後、通常の場合はおよそ1~2週間ほどの期間がかかります。
アルバイト先を変わってから保険証が手元に来るまでには、タイムラグが生じますので、病院にかかるときは注意してください。
フリーターと社会保険に加入するメリットや、年金についてもっと知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
社会保険の加入条件
保険証を作るにあたって、社会保険の加入条件を知っておいた方がいい場合もあります。特に2022年現在、法改正が進み、社会保険の適用範囲は拡大する傾向にあります。職場が気づいたら適用範囲になっていたということもありますので、一度条件をチェックしてみてください。
社会保険の適用の条件は以下になります。(2024年10月現在)
- 勤務先の従業員数が51人以上
- 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
- 月額賃金が8.8万円以上
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない(休学中や夜間学生は加入対象)
これらの条件を満たす場合、社会保険の加入することができます。
参考:厚生労働省「パート・アルバイトのみなさまへ」
社会保険の適用拡大
このたび2024年10月から、社会保険の適用範囲が拡大しています。
従業員が社会保険に加入できる事業所の対象が、「従業員数101人以上」から「従業員51人以上」への変更されました
今回の変更で、アルバイト先が社会保険の適用範囲になった方も多いでしょう。
社会保険への加入義務が発生してしまい、手取りが減ってしまう方もいるかもしれません。もしかして?と思う場合はしっかりチェックしておきましょう。
参考:厚生労働省「パート・アルバイトのみなさまへ」
②親、配偶者の扶養に入る
保険証の作り方の2番目は、親や配偶者の扶養に入るという方法です。親や配偶者が社会保険に加入している場合、条件を満たすことで、保険料を支払わずに健康保険への加入が可能となります。
扶養の場合は、保険料支払いがなくなるため、もっとも安価に健康保険に加入する方法とも言えます。
被扶養者となるための条件は、原則としては以下になります。
- 年収130万円以下
- 同居なら扶養者の収入の半分以下、別居なら収入が扶養者からの仕送り額未満
コチラはあくまで原則ですので、検討される場合は、自治体のHPや問い合わせをご活用ください。
年収が重要になってきますので、扶養に入ることによって結果的に、手取りの収入が増える場合もあります。
③国民健康保険に入る
保険証の作り方の3番目は、国民健康保険に入るというものです。
国民健康保険は、住んでいる自治体で手続きすることで加入が可能です。
主な手続きは、自治体の窓口で国民健康保険に加入することを伝えると、加入申込書を渡され、これに必要事項を記入するというものです。
しかし、事前に必要書類を準備しておく必要があるため、詳しい案内はお住いの自治体のHPや問い合わせによって確認しましょう。
フリーターと国民健康保険に関してもっと知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
④就職して正社員になる
フリーターから正社員として雇用されると、会社の社会保険に加入することができます。社会保険に加入すると、健康保険と厚生年金がセットで提供され、保険証を持つことができるため医療費の負担が軽減されます。
保険料は会社と折半して支払われるため、国民健康保険より負担が軽減されることがあります。フリーターの方が社会的信用を得つつ安定した保険環境を整えるためには、正社員として働ける機会を探すことも一つの方法です。
フリーターが国民健康保険に加入する方法
フリーターが国民健康保険に加入するためには、必要な書類を揃えて住民票のある自治体で手続きをする必要があります。
それぞれの流れや手続きについて詳しく解説します。
手続きに必要な書類をそろえる
フリーターが国民健康保険に加入するためには、まず手続きに必要な書類を揃えるところから始めましょう。
国民健康保険の加入に必要な書類としては、以下のようなものが挙げられます。
- 本人確認書類
- 個人番号カードや通知カードなどのマイナンバーが確認できる書類
- 健康保険の喪失年月日(扶養から外れた日)が記載されている証明書
- キャッシュカード、預貯金通帳、銀行届出印
これらの4つの書類を準備することで、手続きを進められるようになります。
なお、本人確認書類とは一般的に運転免許証やパスポートなどの顔写真付きの公的な書類のことを指します。
運転免許証やパスポートを持っていなかったとしても、自分の名前が確認できる公的な書類を2点以上揃えれば本人確認としてみなしてもらうことができます。
どのような書類であれば本人確認書類として認められるかは、自治体ごとでルールが異なりますので、住民票のある自治体の役所に問い合わせてみましょう。
住民票のある自治体で手続きをする
必要な書類が準備できたら、自分の住民票がある自治体で手続きをします。
特に予約は必要ありませんので、自分が足を運べるタイミングで役所に向かいましょう。
手続きについては、窓口だけでなく郵送やインターネット申請でも行うことができます。
直接窓口に行く場合は、役所の営業時間も確認しておきましょう。一般的に役所の営業時間は平日の8時30分から17時であることが大半ですが、自治体によって異なりますのであらかじめ調べておきましょう。
フリーターが保険証を持っていないと困る3つのポイント
フリーターの場合、健康保険への加入を行えていない方もいらっしゃいます。
原則として、健康保険の加入には義務があります。しかし、親から独立してアルバイトしていて年収が130万円を超えたことに気づかずそのまま、などが多いのです。
フリーターとして生活していて、健康保険に加入するためには、勤め先での社会保険の加入条件や自身がその条件に当てはまっているのか、または国民健康保険に加入すべきなのかを知らなければなりません。
それらを調べたうえで、加入のための手続きをしなければならないため、煩雑であると感じる人もいるでしょう。
面倒であるから加入を見送ろうと考える人もいるかもしれませんが、健康保険証がないと、日常生活においてさまざまな困りごとが生じる可能性が大きいので、しっかりと手続しなければなりません。
①医療費が全額自己負担
いずれかの健康保険に加入して健康保険証をもらっていないことで困ることの第一が医療費の全額自己負担です。
そもそも健康保険とは、病気やケガなどの不測の事態に備えるための制度であり、病気やケガによって治療を受けたときや、その病気やケガによって働くことができなくなり休業したとき、出産や死亡したときに、給付を受けることができるという仕組みです。
もし病気やケガにより治療を受けた場合、健康保険に加入しているという証明である保険証を持ち、6歳から70歳未満であるならば自己負担は全体の治療費の3割で済みます。
しかし、保険証をもっていないならば全額負担となってしまいます。
高額な治療費がいつか必要になるかも
どれだけの治療費がかかるのかは、病気やケガの規模にもよりますが、症状によっては相当高額となってしまう可能性も少なくありません。
その場で保険証をもっておらず、あとから保険証を持っていくにしても、まずは医療費の全額を自分で立て替える必要があり、これはフリーターにとって大きな負担となります。
健康には自身があり、それまでに大きな病気をしたことがないという場合でも、それは単に運がよかっただけです。
病気は予期せずなるものであり、またケガも自分で気をつけていても、事故などで突然降りかかってしまうものです。
その際に、健康保険に加入せず健康保険証をもっていないならば、心身の負担も大きければ、金銭的な負担も大きなものとなってしまいます。
②延滞金が発生する
フリーターが国民健康保険に加入する義務があるにもかかわらず、手続きをすることなく14日が経ってしまうと、保険料をさかのぼって支払わなければならなくなるだけでなく、延滞金が発生してしまいます。
また、延滞金が発生したにもかかわらず、保険料と延滞金を支払わないままでいると、最悪の場合、預貯金や自分の資産を差し押さえられる可能性がありますので気をつけてください。
③身分証明書にできない
フリーターの方で、金銭的な不安がないならば健康保険に加入して健康保険証を持っている必要がないと感じる方もいるかもしれません。しかし、健康保険証をもっていないことで困ることのひとつとして、身分証明をすることができないという問題があります。
通常、身分証明書となるものは運転免許証やパスポート、住民基本台帳カード、新しく導入されたマイナンバーカードなどといった顔写真がついたものが使われます。
しかし、車をもっていない人は運転免許証をもっておらず、海外へ行かない人はパスポートを持ちません。
住民基本台帳カードわざわざ発行しないという人も多く、マイナンバーカードも持っていないという人もいます。これらの身分証明書となるものがない場合に役立つものが健康保険証です。
健康保険証は、身分証明書の役割を果たします。身分証明書は本人確認をするために必要であり、日常生活に数多く必要とされます。
保険料が払えない時はどうする?
フリーターであっても、条件を満たせば国民健康保険に必ず加入しなければなりません。
自分の意思で加入するかどうかを選べるものではないため、人によっては健康保険料が支払えないといったこともあるでしょう。
もしフリーターが保険料を支払えない場合は、以下のような方法が考えられます。
- 減額・免除の相談をする
- 分割払いの相談をする
- 親の扶養に入る
- 正社員として就職する
それぞれ詳しく解説します。
減額・免除の相談をする
やむを得ない事情があって保険料が支払えない場合は、保険料の減額や免除を受けられることがあります。相談は健康保険証の手続きをした自治体の役所で行うことができますので、まずは役所に行ってみることがおすすめです。
もちろん減額や免除の相談をしたからといって、必ずしも保険料の支払いを減らせるというわけではありませんが、相談は無料でできますので、保険料を支払えない理由を分かりやすく伝えることを意識して相談してみましょう。
分割払いの相談をする
保険料の減額や免除ができなかったとしても、保険料を分割で支払うような手続きも可能です。
一般的に保険料はある程度まとまった金額の納付を義務付けられていますが、役所も保険料をまるまる支払われないよりも分割して支払ってもらった方が良いと判断することもありますので、分割払いの相談に乗ってくれることがあります。
分割払いが認められるかどうかは自治体ごとの判断によって様々ですが、もし分割払いを認められた場合は、延滞することがないようスケジュールを管理しつつ、保険料の納付を進めていってください。
親の扶養に入る
どうしても保険料の支払いができない場合は、親の扶養に入ることも選択肢の1つです。
親の扶養に入ることができれば、保険料を自分で支払う必要がなくなります。合わせて、所得税や住民税などの支払いも不要になりますので、様々な納税をしなくて済むようになります。
ただし、親の扶養に入ることで年間で稼げる収入に上限が出てしまいます。
フリーターとしてできるだけ多くのお金を稼いでいきたいと考えている人は、本当に扶養に入るべきなのか慎重に検討してください。
正社員として就職する
フリーターが保険料を支払う場合は、支払うべきお金を自分が100%支払わなければなりません。しかし、正社員であれば保険料を会社と自分がそれぞれ50%ずつで支払うようになりますので、相対的に保険料の負担が減ります。
また、フリーターよりも正社員の方が収入が高いことから、正社員として就職ができれば保険料の支払いで生活が厳しくなってしまうといったことを避けることができます。
他にも、正社員の場合は保険料を天引きで納付することになりますので、保険料の納付忘れによる延滞等のリスクを減らせるといったメリットもあります。
フリーターは社会保険と国民健康保険どっちが得?
フリーターとして働くととても自由に働くことできますよね。しかし、親の扶養をすでに抜けてしまっているなどの場合は、保険に関しても自分で決めていかなくてなりません。特に、保険料はばかにならないため、しっかりとお金の計画を立てたいですね。
果たして社会保険(健康保険)と国民健康保険ではどちらに加入する方がお得かなのでしょうか。
こちらでは、年収ごとにかかってくる社会保険と国民健康保険の保険料と、よく言われる106万円・130万円の壁について解説しています。自分の見越したい収入に合わせて、お金の計画を立ててみてください。
社会保険と国民健康保険どっちが得?
フリーターの場合の社会保険と国民健康保険の年収別の保険料の概算は以下になります。
詳細な保険料は自治体によって異なるため、詳しく計算したい場合は、お住いの地域に基づいて調べてみてください。
年収 | 社会保険 (健保) | 国民健康保険 |
---|---|---|
100万円 | 年間約52,000円 | 年間約57,000円 |
150万円 | 年間約74,000円 | 年間約104,000円 |
200万円 | 年間約100,000円 | 年間約139,000円 |
250万円 | 年間約118,000円 | 年間約172,000円 |
300万円 | 年間約153,000円 | 年間約205,000円 |
400万円 | 年間約200,000円 | 年間約275,000円 |
500万円 | 年間約241,000円 | 年間約350,000円 |
700万円 | 年間約350,000円 | 年間約506,000円 |
年収が上がるほど、国民健康保険の方が保険料が高くなることがわかります。
フリーターの平均年収は200万円前後ですから、平均的な年収の場合、社会保険と国民健康保険の差は年間3~6万円ほどであることがわかります。
参考:税金・社会保障教育「社会保険と国民健康保険どっちが安い?年収別に比較」
また、支払う保険料は健康保険だけではありません。
もっと詳しく知りたい方は下記の記事で、支払う保険料についてさらに詳しくまとめています。参考にしてみてください。
106万円・130万円の壁とは
フリーターが年収と保険料のバランスを考える際に知っておくべきなのは、106万円・130万円の壁です。いわゆるその年収を超えれば、保険料や税金の支払いで実質の手取りが減るというものが、年収の壁と言われるボーダーラインになります。年収の壁は他にも103万円の壁などが有名です。
年収の壁について簡単に解説すると、年収103万円を超えると所得税が発生し、106万円を超え条件を満たすと社会保険料が発生、130万円を超えると社会保険の扶養から外れてしまい、保険への加入義務が発生するというものです。(社会保険と国民健康保険の保険料はどちらかしか発生しません。)
以下の表にまとめています。
壁一覧 | 壁を超えたら起こること | 関係する制度 |
---|---|---|
103万円の壁 | 所得税と住民税が発生 | 所得税、住民税 |
106万円の壁 | 条件に当てはまる人は、社会保険の加入義務が発生 | 社会保険 |
130万円の壁 | 条件に関わらず、社会保険の加入義務が発生 | 社会保険 国民健康保険 |
特に、フリーターが年収130万円を超えてしまうと、必ず保険への加入義務が発生します。
年収を増やしていきたい方は、社会保険と国民健康保険どちらに入るかよく考える必要があります。
もっと知りたい方は、フリーターにとって最初に行きあたる103万円の壁について解説した、こちらの記事も参考にしてみてください。
社会保険に入ったほうがお得
フリーターにとっての社会保険と国民健康保険の違いについて比較してきました。社会保険の方が保険料が安いのは、保険料を勤務先が半分負担してくれるからです。
加えて国民健康保険は、勤務先ではなく、自分で、自治体に行き手続きする必要があります。
お金も手間も社会保険の方がカからないことを考えると、社会保険の方がお得といえるでしょう。
また、社会保険と国民健康保険の違いは保険料だけではありません。そのカバー内容にも違いがあり、国民健康保険では出産手当金や傷病手当金が支給されません。フリーターを続けていく中で子供が欲しいという方もいらっしゃると思います。また、万が一の怪我の可能性は常にあります。
そんな時に、カバー範囲が広い社会保険に加入している方が、安心は多いかもしれません。
フリーター保険証を持つなら、正社員で社会保険も
保険証を持っていれば、いざという時に安心です。そして保険に入るときに社会保険はフリーターでも加入できる上、意外とメリットがたくさんあるなと思われるのではないでしょうか。そして正社員になると社会保険への加入がさらに楽になります。
フリーターで条件のよい仕事を探すよりも、いっそ社会保険に加入し続けられる正社員の就職先を目指してみるのも手かもしれません。
一人で探さず、転職エージェントなどを利用すれば、正社員になりたいという希望も叶えやすくなります。
まとめ
フリーターの方の保険証への加入方法や保険証に関する国民健康保険と社会保険の違いについて解説してきました。
保険証を持っていないと恥ずかしいということはありませんが、日本国民の場合、国民全員に健康保険の加入義務があります。
保険証を持っていると
- 医療費の負担が原則3割になる
- 身分証明として使える
- 各種保険制度がカバーしている保険内容を利用できる
等のメリットがあります。
保険証の作り方は
- アルバイト先に問い合わせ、アルバイト先の社会保険に入る
- 親、配偶者の社会保険の扶養に入る
- 住んでいる自治体で国民健康保険に入る
の3ポイントがあります。社会保険と国民健康保険のどちらの制度がご自分に合っているかを考えて、
それに合わせた保険証を作るようにしましょう。