フリーターのメリットとデメリットは様々なあります。現在フリーターとして働いて、今後もこの働き方を続けようと考えている方もいるかもしれません。しかし、なかには将来的に収入面や雇用面に関して不安を抱えており、本当にこのまま続けるべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
今回は、フリーターとして働き続けることのメリットやデメリット、フリーターから正社員になると得られることについて解説していきます。
- フリーターという働き方のメリット4選の共通点は「自由さ」と「身軽さ」
- フリーターのデメリット4選の共通するのは「収入の低さ」と「雇用の不安定さ」
- 若い内は魅力的な働き方に見えるが、30代以降は苦境におちいる危険性が高い
- 正社員として採用されやすい20代のうちに、就職活動をスタートしよう!
- シフトを自由に組みやすい
勤務日や時間が柔軟で、たくさん働きたいときに働ける職場もある - バイトの掛け持ちができる
掛け持ちや副業など、正社員ではできないことができる - 正社員より気軽に仕事ができる
重い責任はほとんどない - 正社員より仕事を辞めやすい
本人の意思で契約の更新を選択できる
フリーターのメリット
フリーターという働き方の4つのメリットについて、それぞれご紹介します。
フリーターのメリット1.シフトを自由に組みやすい
フリーターのメリットとして、自分の自由な時間を取りやすい、ということが挙げられます。
勤務日や勤務時間が比較的柔軟
アルバイトとして雇用されている場合、労働時間や勤務日数といったシフトの希望を出して働くケースが多くなります。勤務日や勤務時間の定めがある正社員と異なり、フリーターの場合は自分で予定を決めて働くことが可能です。
採用後に雇用契約を結ぶ際、週ごとの勤務日数や勤務時間を決めることになりますが、都合が変わった場合には、相談して契約内容を変更してもらうことも可能です。
たくさん働きたいときに融通が利く職場も
フリーターはシフト制が一般的ですが、たとえば「今月はたくさん稼ぎたい」と考えた場合、職場によっては勤務日を増やしてもらうことも可能です。また、希望を伝えておけば、ほかの人が入れなくなったシフトなどに優先的に入れてもらえるケースもあります。
どの程度シフトを増やせるかは勤務先の都合にもよるものの、人手不足の職場であれば、ある程度希望が通ることも多いでしょう。
フリーターで楽しいと感じる人は、こちらの記事も参考にしてください。
フリーターのメリット2.バイトの掛け持ちができる
フリーターにはアルバイトの掛け持ちが自由、というメリットもあります。
アルバイトの掛け持ちは禁止されていない
正社員は掛け持ちでほかの会社の正社員になることはできませんが、フリーターはそういった制限がないため、複数のアルバイトを掛け持ちすることも可能です。
たとえばこの日は早朝のコンビニのバイト、この日は深夜の居酒屋のバイトなど、日によって違うバイトをすることもできます。
アルバイト以外の副業も問題ない
たとえばアルバイト以外に、UberEatsやクラウドソージングの案件といった「スキマ時間に稼げる副業」をしても、フリーターの場合は問題ありません。正社員でも副業OKの企業も増えていますが、フリーターはほぼ100%副業ができます。
自分の時間を有効活用して収入を得やすいという点も、フリーターのメリットのひとつといえるでしょう。
フリーターのメリット3.正社員より気軽に仕事ができる
フリーターは正社員と比べて、仕事に対する責任が少なくなっています。そのため、仕事の重圧を感じることなく、気軽な気持ちで仕事を続けられるという点があります。
重い責任を課されることはほぼない
たとえばスーパーのアルバイトとして働いている場合、たとえばレジや品出し、接客などのように、業務内容が限られているのが一般的です。
一方、職場の責任者はその企業の正社員であるため、仮にフリーターが仕事でトラブルを起こしてしまっても、最終的にその責任を取ったり謝罪したりするのは正社員であることがほとんどです。
たとえばスーパーの正社員の場合、店やスタッフ全体の管理を任されているため、店の売上やシフト調整などの業務も常にあり、上司や本部などからのプレッシャーもあります。
アルバイトの場合は決められたことをしっかりとやるのが仕事になるため、そこまでプレッシャーを感じることは少ないでしょう。
多大な損失を与えた場合は別
ひとつの職場で長期間アルバイトをしていると、場合によっては、バイトリーダーというアルバイトの管理や店の経営に関わるポジションに就くこともあるかもしれません。しかし、最終的な責任の大半はやはり、その企業の正社員が取ることになります。
とはいえ、フリーターという立場であっても、あまりに大きなミスで企業や店舗への多大な損失を与えてしまった場合は、解雇になる可能性もあります。
フリーターのメリット4.正社員より仕事を辞めやすい
アルバイトという雇用形態は、契約期間を更新する有期雇用契約が基本です。そのため、契約更新をするかどうかは、フリーター本人が決めることができます。
仕事を辞めたり変えたりしやすい
フリーターの場合、たとえば「結婚することになった」「就職先が決まった」などの生活の変化に伴って、契約満了に合わせて仕事を辞めやすいという特徴があります。
また、現在就いている仕事が自分に合わない、別の仕事に興味が出てきたなどのときは、自分に向いている仕事を見つけるまでアルバイト先を変えることも、若いうちは比較的気軽にできます。
ただし、いきなり辞めるのはNG
仕事を辞めやすいとはいっても、「今週いっぱいで退職します」などと急に辞めるのはもちろんNGです。職場としてはほかのスタッフを探したり、シフトを調整したりしなければいけないため、いきなり辞めると迷惑がかかってしまいます。
バイト先を辞めることを決めた場合は1~2ヶ月前までに、職場の責任者に相談するようにします。お世話になった職場の人たちへの感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
フリーターのデメリット
フリーターという働き方の4つのデメリットについて、それぞれご紹介します。
フリーターのデメリット1.雇用が安定しない
フリーターの大きなデメリットとして、雇用が安定しないことが挙げられます。正社員の場合は雇用期間が決まっていないため、自主的に辞めるまではずっと働くことが可能です。
フリーターは契約更新なしのリスクも
正社員は法律によって雇用が保証されているため解雇されることはほぼありませんが(※重大な過失がない場合)、アルバイトは雇用期間が定められているため、企業側の都合により契約更新がなされなければ契約は終了します。
もちろん本人に問題がなく、継続的に契約更新がなされている場合、企業の一方的な都合だけで契約終了にはできないことも少なくありません。ただしあきらかに経営状況が悪化していたり、大幅な人員削減が必要になったりした場合に対象になるのは、やはり正社員よりもフリーターにはなりがちです。
シフトに入れなくなる可能性もある
たとえば個人経営の飲食店などでアルバイトをしている場合、その店の経営がままならずアルバイトを雇う余裕がなくなってくると、これまで入っていたシフトにほぼ入れなくなったり、「ほかのアルバイト先を探してほしい」と言われたりする可能性もゼロではありません。
フリーターの仕事で生活費を稼いでいる場合、急に収入が大幅に減る状況になってしまうと、お金に困ってしまうこともあり得ます。
フリーターのデメリット2.収入が増えにくい
フリーターは時給制がほとんどで、大幅な昇給などは少ないため、たとえば週5フルタイムで働くとしても、正社員と比較すると収入差は広がっていきます。
貯金が難しい
フリーターの場合は収入が少ないことで貯金が難しくなり、毎月の出費で手元にお金がほとんど残らない、ということにもなりがちです。
若いうちはまだそれでもよいかもしれませんが、何年同じ職場で働いても劇的に収入が上がるわけではないため、年齢を重ねても生活が楽になっていかないのです。
ライフプランに影響することも
フリーターの収入には限りがあり増えにくいため、定職に就かないフリーターのままでは、結婚したり子育てをしたりすることは難しいのが現実です。たとえフリーターのまま結婚しても生活にゆとりがなく、老後なども心配です。
将来的に家庭を持ちたいと考えている場合、やはり生活を維持していけるだけの収入は欠かせません。ずっとフリーターのままでは、自分のライフプランに影響が出てしまう可能性があるのです。
フリーターのデメリット3.社会的な信用がない
フリーターは、雇用の不安定さや収入面などが理由で、正社員よりも世間的な信用には欠けます。
世間的な信用がないことで、車や家を購入する際のローンが組めなかったり、クレジットカードを作ったりすることができなくなる恐れがあります。
金融関係の審査とフリーターは相性が悪い
金融関係(ローンやクレジットカードの発行)の審査には明確な審査基準が存在します。たとえフリーターとして一定の収入があるとしても、正規雇用ではないという点で、収入が不安定であると評価されて信用度が下がることがあるのです。
もし、金融会社の審査基準に非正規雇用は契約できないといった規定が定められている場合、年収が1000万円以上あったとしても審査に通ることが難しくなります。
賃貸物件が借りられないケースも
アパートやマンションといった賃貸物件を借りる際、十分な貯蓄がある等の具体的な信用がない限り、フリーターは家を借りることが難しくなることがあります。
正社員とフリーターでは社会的な信用に大きな開きがあるため、フリーターを続けようと考えている場合は、このようなデメリットも把握しておくことが大切です。
フリーターのデメリット4.ボーナスがない
フリーターの収入には、ボーナスがないケースも多い傾向にあります。これはフリーターの年収が低いことにもつながっています。
正社員はほぼ確実にボーナスを貰える
正社員は、月給とは別にボーナスが支給されるのが一般的です。毎月の給料以外に、ボーナスが年2回程度支給されます。
フリーターとして働いている場合、会社の業績などによって寸志などが支給される企業もなかにはあるかもしれませんが、基本的にはボーナス支給はないと考えておいてよいでしょう。
まとまったお金を得にくい
たとえば海外旅行や高い買い物をしたいとき、ボーナスがあれば、そのお金を使うことができます。人によっては、ボーナスは貯蓄に回していざというときに備えておくという人もいるでしょう。
しかし、ボーナスがないフリーターはまとまったお金が入ってきづらいということになるため、その部分を大きなデメリットに感じる人もいるかもしれません。
フリーターのメリット、デメリットについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
フリーターのデメリットは、正社員のメリットで払拭できる
今回ご紹介したデメリットを払拭するには、正社員になることを検討しましょう。
正社員として就職すれば、収入面や雇用の安定、社会的な信用等に関するメリットを得られます。
自分や家族が安心して生活できる
正社員になれば、結婚したり子育てをしたりするうえでも安定した仕事と収入があるため、お金の心配は減ります。
社会的な信用を得ることができるため、マイホームの購入や車の購入でローンを組むことも可能になります。
正社員として就職することで、プライベートでも安心して暮らしていけるようになる可能性は高いでしょう。
年金が多くもらえる可能性が高い
老後の生活を安定させるには、年金は重要な要素のひとつになってきます。フリーターでも年金はもらえますが、正社員のほうが収入額が高かったり、企業年金などがあったりするため、老後の年金額が多い割合は正社員のほうが高いといえます。
老後の生活に備えておきたい人は自分で積み立てて準備する方法もありますが、正社員の場合は、年金という部分では有利になりやすいといえます。
いまのバイト先で正社員登用を目指せる可能性も
フリーターから正社員になる場合、就職活動をするほかに、いまアルバイトとして勤めている企業の正社員になる方法もあります。
中途採用で正社員を雇いゼロから教育するよりも、すでにある程度仕事を知っているアルバイトを正社員にする方がコストもかからず、人となりもわかっているため安心と考える企業もあります。
もし、いまの職場に正社員登用制度が用意されている場合は、挑戦してみてもよいかもしれません。
正社員になると仕事の範囲や責任は増すため、覚えることや負担は大きくはなります。しかし、フリーターでいることのデメリットは払拭できます。
フリーターの就職に関する実際の就職率や具体的な就職方法などについて、以下の記事でくわしくご紹介しています。
フリーターを脱出して正社員になることを目指したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
フリーターのメリットはありますが、ずっとフリーターとして働き続けることで、収入面だけでなく雇用面においても、デメリットが多くなってきます。年齢を重ねていくごとに、正社員として働いている人との収入差が大きくなり、時間が取れても自由に使えるお金が少ない状態になります。
老後のことを考えても、年金の支給額が正社員に比べて少なくなるため、不安な要素が大きくなってしまいます。ほかにも、フリーターのまま高年齢になると、やがてアルバイトとして雇ってもらえる企業も少なくなってきます。
フリーターからの正社員就職は、若いうちの方が採用されやすい傾向にあります。フリーターから正社員になることを検討している方は、早めに対策しましょう。
「フリーターのメリット」に関するよくある質問
フリーターのメリットのひとつに、正社員と比べて気軽に働けるという点があります。アルバイトなどの場合は正規の従業員ではないため、ノルマがあったり、クレーム対応をしたりすることもほとんどありません。
フリーターを続けるなかで将来に不安を感じたら、不安を感じた時点で早めに行動しておくことがおすすめです。行動しないままでいると、いずれ将来の自分に影響してしまうためです。ジェイックの「就職相談」では、フリーターの現状に不安を感じている方にアドバイスさせていただくことが可能です。
フリーターのデメリットのひとつに不安定さがあります。フリーターは有期雇用のため、会社の経営状況や情勢などによっては契約が更新されない可能性があります。フリーターで生計を立てるのは、やはりリスクが高いといえます。