浪人して就職を選ばずに大学受験の準備をしている方は多いでしょう。
しかし、将来的に浪人していることや高卒であることが就職に不利にならないかなど、気になることもあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、高卒で浪人中に就職するメリットや注意点、就活のポイントなどを解説します。進学か就職か進路に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
浪人中に就職したいと感じたらどうするべきか
大学受験に失敗し、再度受験するため浪人生活を送っている中で、大学進学ではなく就職をしたいと感じ始める方もいるでしょう。しかし、大学に進学するか就職するか、どちらの進路に進むかは人生において非常に重要な選択であるため、一体どのような判断をすべきなのか悩むこともあるはずです。
悩んだときには、自分が進学を目指す意味を今一度考えてみてはいかがでしょうか。例えば、大学で専門的な分野を学ばなければなれない職業に就きたいのであれば、大学進学は必要でしょう。
しかし、もし特別な理由が思い浮かばなければ、大学進学をする意味はないのかもしれません。あるいは、進学以外の道を考え始めたということは、自分でも大学進学に大きな魅力を感じていない可能性もあります。就職という選択肢が視野に入ってきたら、浪人中に就職するメリットや注意点を加味しつつ、将来設計なども見据えながら、総合的に判断の上、進路を決めるべきでしょう。
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浪人生が就職を選ぶメリット
それでは、高校卒業後、浪人から就職を選ぶメリットをご紹介しましょう。
早いうちから社会人経験を積める
高卒で浪人中に就職した場合、早ければ19歳から社会人として働き始めることになります。大卒で就職する場合、スムーズに進んでも社会人として働き始めるのは22、3歳頃からです。つまり、大卒の人よりも3~4年早く社会に出ることができます。早いうちから社会に出て経験を積むことで、同年代の大学生より一足先に、社会人ならではの目線や感性を身に付けることができるでしょう。
また、年齢が若いほど職場でも丁寧に指導してくれることが多く、失敗した場合もまだ若いからと厳しいお咎めを受けずに済む可能性もあります。職場がじっくり育ててくれることも、社会人経験を積みやすい要因の1つです。
実務経験が重視される職場なら早期に出世できる可能性がある
学歴、資格、経験など、仕事によって何を重視するかはさまざまです。高卒の場合は、実務経験が重視される職場なら、勤続状況によって早い段階で出世できる可能性があります。大卒よりも数年早めに社会に出ることになるため、真面目に実務経験を積んでいけば、将来的に同年代のほかの人よりも頭1つ抜きん出た立場になることも可能でしょう。
お金に余裕ができる
就職して感じられる大きなメリットの1つは、お金に余裕ができることです。同年代の学生は、学業に時間を使う必要があるため、なかなか大きな稼ぎを得られるような働き方はできません。大学以外の時間を利用してバイトをするくらいでしょう。それゆえ、なかなか思うようにお金を使うことはできないかもしれません。
しかし、高卒で正社員として就職すれば、職種にもよりますが月15~20万ほど給与をもらうことができます。お金に余裕ができるので、好きな物を買ったり、外食したり、旅行に行ったり、さまざまな楽しみにお金をかけることができるでしょう。
大学進学にかかる費用がカットできる
大学進学には多額のお金がかかります。国公立か私立かや、学部の違いなどにもよりますが、4年間でおおよそ250~500万円ほどの学費が必要です。学生の中には奨学金として一時的にお金を借り、学費を払う人もいます。その場合、就職した後も長期間にわたり、奨学金の返済を続けていかなければなりません。
しかし、大学進学前の浪人中に就職すれば、大学にかかる費用は全てカットできます。教育費の中では大学の部分がとりわけ高額なので、これがカットできることは非常に大きいと言えます。奨学金のプレッシャーを背負う必要がないため、お金の心配が少なく、伸び伸び働くことができるでしょう。
浪人から就職を目指す際の注意点
浪人から就職を目指す場合、注意すべきこともあります。どのような点き気を付ければ良いのか解説していきます。
学校のサポートは受けられない
高校3年生の段階で就職活動を行う場合は、在学中の高校がサポートしてくれることがほとんどです。例えば求人を紹介してくれます。企業の中には、従業員にその学校の卒業生がいて、働きぶりが良いとその学校の生徒を優先的に採用してくれることもあります。
また、学校によっては就職支援専門のスタッフがいる場合もあります。求人に関して企業とのやり取りをしたり、求人の紹介をしたり、就活についてのアドバイスをしたり、さまざまな角度から生徒をサポートしてくれます。そのほか、応募書類の添削や面接指導を行ってくれることもあります。このように、サポートが受けられるため、在学中でも安心して就活することができるのです。
しかし、卒業してしまえば、かつて在学していたとしても、高校からこのようなサポートを受けることはできません。
応募できる求人が限られる
求人の中には大卒を必須条件としているものも多数あります。高卒の場合、そのような求人に応募することはできないため注意が必要です。
また、専門的な職業の場合、大学でその分野に関して勉強、あるいは資格取得していることが求められる可能性があります。そのような求人も、高卒で採用されることは難しいでしょう。
大卒と給与に差が出る可能性もある
職種によっては、実務経験の年数よりも学歴を重視することもあります。
また、同じ企業の中でも大卒でなければ就けない職種・部署が設けられていることもあります。そのような場合、高卒と大卒で初任給や昇給・昇進ペースが異なり、給与に差が出る可能性があることも留意すべきでしょう。自分よりも後に入社した大卒社員に給与の金額や役職を追い越され、悔しい思いをするかもしれません。
大学生活を経験できない
大きな目標はなくとも、大学生活を満喫するため進学したいと考えることもあるでしょう。好きな分野を学びながら、サークル活動をしたり、友達と遊んだり、バイトをしたり…楽しいキャンパスライフに憧れる人は少なくありません。
高卒で就職すると、同年代の大学生が大学生活を謳歌している姿を見てうらやましく感じる可能性もあります。ただし、大学は入学する際に年齢制限があるわけではないため、試験に受かって学費が払えれば何歳でも大学生になれます。社会人として世に出た後で大学に入学する人も少なくないので、将来的に大学進学も叶えることは可能です。
浪人生に対する企業の印象は?
浪人生が就活を行うか検討する際、もう1つ気になるのが企業からの印象ではないでしょうか。受験に失敗し浪人しているという状況は、なんとなくイメージが悪いと考えてしまいがちです。
しかし、企業からしてみればあまり浪人中であるということは大きなマイナスポイントにならない可能性が高いでしょう。浪人は、大学進学を目指して勉強するという明確な理由があってなるものです。
ただ単にフラフラ過ごしているわけではなく、目標を達成するため浪人という選択をしています。しっかり理由があれば、浪人であることが良くない印象を与えることはあまりないと考えられます。反対に、大学受験に失敗してもくじけずもう1度チャレンジしようと頑張っている人物だと、好印象を与えられるかもしれません。
また、売り手市場の状況だと、とにかく人員を確保したい企業が多いため、特別大卒である必要がない限りは、高卒でも浪人生でもあまり関係なく選考されることが多いでしょう。浪人が全ての企業に歓迎されるわけではありませんが、必ずしもマイナスにとられるわけでもありません。就活に関して、浪人であることを負い目に感じることはないと言えるでしょう。
浪人中に就活をする流れ
それでは、浪人中に就活をする場合、どのような流れになるのでしょうか。具体的な過程を解説します。
STEP1:求人を探す
まずは応募する求人を探します。求人を探すには、求人サイトなどを使ってネット上で探す方法、地域情報誌やチラシ・広告など紙媒体で探す方法、職業安定所を利用する方法などがあります。なお、求人サイトはさまざまな条件を設定し、該当する求人をピックアップすることが可能なため、効率的に求人探しをすることが可能です。
また、紙媒体はネットに掲載されていない求人を探せる可能性があります。気になる求人があったら、会社の公式HPを見たり評判を確認したり、求人を出している企業について詳しく調べてみましょう。
STEP2:応募する
求人が見つかったら実際に応募します。応募方法は求人によって異なるため、求人情報をしっかり確認することが大切です。応募時に履歴書など必要書類も必要であれば揃えて提出します。もし面接時に提出するなら、応募後に整えて忘れず持参しましょう。
また、面接対策も必須です。面接で聞かれることを想定して、しっかり受け答えを考え準備しておきます。なお、面接本番をイメージし、実際に誰かと対面しながら話す練習をすることも必要です。
STEP3:選考を受ける
応募後、企業から採用選考を受けて欲しい旨の連絡をもらったら選考に進みます。選考の内容は筆記試験や面接、適性検査など企業によって異なります。選考の日程や持ち物などを確認し、万全の態勢で本番に臨みます。
なお、選考後に選考に対応してもらったことに関するお礼メールなどを企業に送ると、より丁寧です。
STEP4:結果が届く
後日選考結果が届きます。内定がもらえたら就活成功です。その後、細かな勤務条件や入社日などの調整を行い、社会人生活をスタートさせます。
浪人中に就活を成功させるためのポイント
最後に、浪人中に就活を成功させるためのポイントをご紹介します。
ポイントその1:浪人した理由はしっかり話す
浪人しているからといって不利になるわけではないということは前述しました。加えて、面接の際などに、浪人した理由はしっかり話すことが大切です。大学進学という目標のため、敢えて浪人という道を選んだなら多くの企業が好意的に解釈してくれるでしょう。
しかし、もし不自然に取り繕ったり口を濁したり、浪人したことを隠そうとしたりすると、実は浪人というのは建前で、何かほかに知られたくないことがあるのではないかとあらぬ勘繰りをされかねません。変にごまかそうとせず、浪人した理由から就職を目指そうと思った経緯まで、具体的に話しましょう。
ポイントその2:間口の広い求人案件を探す
高卒の浪人の場合、応募できる求人はある程度限られます。ただし、選び方によってさまざまな求人にチャレンジすることが可能です。
例えば「学歴不問」とうたっている求人は、大卒高卒関係なく応募を募っているため、チャレンジしやすい案件です。「未経験者歓迎」とされている求人も狙い目です。経験に関わらず採用しているので、高卒や浪人生でも採用される可能性が高いでしょう。
ポイントその3:熱意を伝える
高卒で浪人となると、就職に有利な資格などを所持していることは少ないでしょう。社会人経験もないため、即戦力となるスキルもありません。そのような浪人生がアピールできるもの、それは仕事に対する熱意です。働く意欲の高さには経験者も未経験者も大卒も高卒も関係ありません。
自分がなぜこの職場で働きたいと思ったのか、自分のどのような部分を仕事に活かせるのか、採用されたらどのような部署でどのような仕事を頑張りたいのかなど、その仕事に対する熱意を具体的に伝えましょう。
ポイントその4:就職支援サービスを利用してみる
就活はしなければならないことが多くあるため、1人で全てこなすことに不安を感じる方や、何からすれば良いのかわからないという方もいるでしょう。そんなときには就職支援サービスを利用するのもおすすめです。
就職支援サービスには専任のアドバイザーがおり、求人を紹介してくれるだけでなく、履歴書の書き方や面接対策、ビジネスマナーのアドバイスなど、就活に関するさまざまなサポートをしてくれます。就活に関してわからないことや不安なことを相談できるため、安心して就活に励むことができるでしょう。
浪人中に就職を目指すことも1つの選択肢
大学進学を目標に浪人している間、進路の方向転換をし、新たに就職を目指すのも1つの選択肢です。浪人から就職することのメリットや注意点などを理解し、幅広い視野で考えてみましょう。そしてもし就職という道を選んだ場合は、ぜひこの記事で紹介した就活のポイントなどを押さえつつ、就活を成功させ、社会人としてのスタートを切ってください。
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