フリーターが就職活動をする際に1つの障害になるのが、実務経験が少ないという点です。アルバイトの場合は、責任のある仕事を任せてもらえないことが多いため、経験できる業務内容がどうしても限られてきます。
このような障害をカバーするために、資格を取得するという方も少なくありません。
ここでは、フリーターが資格を取得しておくと、本当に就職活動に有利になるのかどうかをご紹介していきます。
- 普通自動車免許
営業などの業務、出張先での運転、運送業への応募など多岐に渡って活躍する資格で、仕事内容にかかわらず取得しておくと有利になりやすい - 日商簿記
経理や財務のスキルが問われるこの資格は、企業の経理部や財務部、総務部といったさまざまな職場で活かせる - 宅地建物取引士
不動産業界などで正社員を目指すときには、宅地建物取引士の資格があると有利になることが多い - 秘書検定
ビジネスマナーや事務処理の知識など社会人としての一般常識が問われるため、社会性があることを人事担当者にアピールすることができる資格 - MOS
マイクロソフトオフィスのスキルをアピールでき、パソコン操作に慣れていることを評価してもらいたいときには取得していると有利
この記事の目次
フリーターが資格を取っても意味がない?
フリーターが資格を取ることについて、「意味がない」と言われることがあります。しかし、それは全てのケースに当てはまるわけではありません。それぞれの状況に応じた資格選びと、その活用方法次第で資格は強力な武器となることがあります。ここでは、フリーターが資格を取っても意味がないとされるケースについて紹介します。
資格を取っても意味がないケース
特定の職種への就職を目指す場合、必須とされる資格がないとその職に就けないことがあります。しかし、希望する職種に必須ではない資格を取得することに時間と資金をかけてしまうと、あまり意味がない場合があります。
例えば、趣味や自己啓発のために取得する民間資格は、企業側にとってあまり価値を感じられないことも多いです。そのため、フリーターが資格取得を目指す際には、しっかりと自分の就職目標に関連する資格を選ぶことが重要です。
資格不要で就職でき、働きながら資格取得が可能なケース
一部の業界では、資格がなくても就職でき、働きながら資格を取得することが可能です。例えば、介護職や施工管理の分野では、最初は資格がなくても就職できることが多く、その後働きながら資格取得を目指すことが一般的です。
他にも、営業職や販売職、製造業なども資格が不要で就職が可能です。
このような場合、それほど急いで資格取得を目指すよりも、まずは就職して実務経験を積むことが重要です。
経験を積んでから資格を取得することで、より実践的な知識とスキルを身に付けることができます。
資格よりも経験が重視されるケース
多くの職種では、資格以上に実務経験が評価されることがあります。特に中小企業やスタートアップ企業などでは、実際の仕事の中でどれだけ成長できるかが重視されるため、資格の有無よりも実際の経験や具体的な業務スキルが求められます。
そのため、フリーターは短期間でも実務経験を積むことに非常に価値があります。資格があることはもちろん有利ですが、それ以上に経験を持っていることが評価されることが多いです。
まずは資格の種類について知ろう
資格には幾つか種類がありますが、代表的なのが国家資格と民間資格です。
国家資格は国が認めている資格になりますので、民間資格よりも評価が高いのでは、と考えている方もいるでしょう。
しかしながら、実際には必ずしも国家資格のほうが優れているというわけではありません。
民間資格の中にも知名度の高い資格はたくさんあり、取得するに当たっても一定の知識やスキルが求められてきます。
国家資格は国の法律に則った国家試験の合格者に与えられる
国家資格は、「国が法律に基づき、国家試験等によって能力や技能を判定し、特定の職務に従事する資格を付与するもの」です。
この国家資格を取得するためには、所定の国家試験を受ける必要があります。
国家資格の代表的なものに挙げられるのが、医師や薬剤師、公認会計士などです。
こういった国家資格は、それぞれ難易度や受験資格などが異なります。
例えば、医師や薬剤師などは、大学で所定の課程を修了していること、などが受験資格の条件になっているため、高卒の方は現実的に取得が困難です。
また、女性から人気が高い管理栄養士の場合は、大学や短大、専門学校などの養成校を卒業していることや、実務経験が受験資格になっています。
このように、いろいろな受験資格が定められていることから、国家資格を取得するのは概して難しいというイメージがあります。
ただ、高齢化でニーズが高まっている介護福祉士や宅地建物取引主任者などは、高卒程度でも受験することは十分に可能ですので、取得する際の難しさはケースバイケースです。
ちなみに、気象予報士や中小企業診断士なども、国家資格の1つに挙げられます。
民間団体が発行するのが民間資格
一方、民間資格は、国家資格のような法的な裏付けなく、民間団体が一定の分野の能力を担保するために発行する資格です。
民間団体や企業などが独自に試験を行い、資格を付与するのがこのような民間資格と言えます。
民間資格の場合にも、実務経験や所定の課程を修了することが受験資格になっているものがあり、国家資格と同様に取得するためにはしかるべき準備が必要です。
民間資格の中でもとくに知名度が高いのが、臨床心理士や秘書検定、英検といった資格です。
実のところ、民間資格には高卒の方や就活中の学生から人気があるものが少なくありません。
語学関係の仕事を目指す方が多く受験しているTOEICやパソコンスキルを評価するMOSも、民間資格の1つ。
また、注目が集まりつつあるファイナンシャルプランナーやアロマテラピー検定なども、民間資格に含まれます。
正社員になる上では国家資格か民間資格かは余り関係ない
フリーターから正社員を目指す場合、国家資格、民間資格のどちらを取得しておけば有利になるということはありません。
仕事内容にマッチした資格であれば、いずれの資格でも相応に評価されることが多いです。
また、難易度が高いからといって必ずしも評価されるわけではなく、あくまでも仕事の実務に役立つかどうかという点が就活ではチェックされます。
高卒、大卒を問わず、仕事に有利になるような資格を取得しておけば、就活を有利に進めて正社員になることも夢ではありません。
フリーターの就職におすすめの資格5選
正社員の求人の場合でも、一般事務や営業の仕事に応募するときには、とくにこれと言って資格が必要ない場合もあります。
ただ、資格があると、選考での評価が高くなる可能性が高いため、ニーズの高い資格を優先的に選んで、取得しておくのも1つの方法になるでしょう。
一般的にフリーターが取得しておくと良いと言われているのが、次のような資格です。
いろいろな仕事に応用ができる「普通自動車免許」
普通自動車免許は、仕事内容にかかわらず取得しておくと有利になりやすい資格です。
ルート営業の仕事などは業務の中でも頻繁に車を使用することになりますので、自動車免許は高卒、大卒を問わず必須の資格です。
内勤の一般事務の場合も、買い物や出張の際に車を使う可能性はあります。
また、公共交通機関が利用しにくいエリアに会社があるときには、毎日の通勤にも普通自動車免許は必要になってきます。
実のところ、普通自動車免許を持っていると、運送会社のドライバーの求人にも応募することが可能です。
大型のトラックでなければ、普通自動車免許でも十分にトラックの運転ができますので、正社員のドライバーの求人に応募する際にも免許は役立ってきます。
経理や財務の知識が問われる「日商簿記」
日商簿記は、日本商工会議所が主催する検定試験です。
経理や財務のスキルが問われるこの資格は、企業の経理部や財務部、総務部といったさまざまな職場で活かすことができます。
募集要項の応募条件にとくに資格が記載されていなくても、こういった業務に応募するときには取得しておいて損はない資格です。
事務職の場合も、中途採用などは概して実務経験が問われますので、正社員を目指すときや就活を有利にしたいときには取得を前向きに考えてみるのも1つの方法になるでしょう。
高卒でも取得しやすい「宅地建物取引士」
就活中の学生からも人気がある宅地建物取引士は、れっきとした国家資格です。
この資格試験の場合、受験資格に学歴や実務経験などはとくに設けられていません。
試験では不動産取引の知識などが問われますが、テキストを勉強していれば高卒程度でも合格することは可能です。
したがって、大学や専門学校などを卒業していなくても取得できる可能性があります。
不動産業界などで正社員を目指すときには、宅地建物取引士の資格があると有利になることが多いです。
ビジネスマナーをアピールできる「秘書検定」
秘書検定は、高校生の間でも人気がある資格の1つです。
秘書検定では、ビジネスマナーや事務処理の知識などが試験内容になっており、社会人としての一般常識が問われるのが特徴です。
就活中にこの資格を取得しておくと、社会性があることを人事担当者にアピールすることができます。
したがって、社会人経験がないフリーターにとっても役立つ可能性が高い資格です。
パソコンスキルを評価してもらえる「MOS」
マイクロソフトオフィスのスキルをアピールできるのが、こちらのMOSです。
ちなみにMOSの試験では、ワードやエクセル、パワーポイントなどのスキルが問われます。
実務能力にポイントを置いた試験内容になっているため、パソコン操作に慣れていることを評価してもらいたいときにはぜひ取得しておきたい資格と言えるでしょう。
就活中の学生の受験率も高くなっています。
フリーターが資格を取得すると就職に有利?
就活をしていると分かるように、仕事にはそれぞれ求められている知識や能力があります。
正社員の経験がなくても、一定の知識や能力があるフリーターは、就活でも有利になる可能性が高いです。
知識や能力を評価してもらえるような資格を取得していれば、実のところ就活もスムーズに進められることが多いでしょう。
ただ、一概に「資格を持っていれば必ず就職に有利になる」とは言い切れないのが、就活の難しいところです。
仕事内容によって求められる知識や能力が微妙に変わりますので、応募をする際にはしっかりと求められている人材像を把握しておきましょう。
実際に資格を持っていると有利になるかどうかをチェックしたいときには、求人の募集要項が1つの参考になります。
募集要項を見ると、その企業が求めている人材像が大体見えてきます。
資格を持っていると有利になる可能性が高いのは、例えば以下のようなケースです。
資格を取得していることが応募条件になっている
即戦力を求める正社員の求人には、パソコンや語学のスキルが応募の条件になっている場合があります。
MOSの取得実績やTOEICのスコアなどが募集要項に明記されているときには、資格を持っていたほうが有利になることは確かです。
そもそもこのような場合には、応募条件である資格を持っていないと選考の対象にしてもらえません。
応募書類を送付してもそのまま返却される可能性が高いため、やはり資格は必須です。
資格取得をしている応募者は、応募の時点で相応のスキルや能力があるということになります。
したがって、会社の戦力となって力を発揮してくれるのでは、と評価されるケースが多いのです。
募集要項に「資格取得者を優遇する」といったコメントがある
「資格取得者を優遇する」といったコメントが募集要項に明記されているときも、資格は就活を有利にしてくれます。
例えば医療事務の求人に応募をするときには、医療系の資格を取得していればすぐに仕事に対応できると評価されます。
医療事務ではレセプトの処理などが発生することがありますので、資格取得者は即戦力になれるだけの実務能力があると評価されるわけです。
資格取得をしている方は、待遇なども上がる場合が多く、正社員として採用される可能性がアップします。
実務能力が重視される仕事に応募する
建設業界の求人など、仕事をする上で実務能力が必要とされる仕事に応募する場合には、1級建築士や2級建築士などの資格があると有利になるでしょう。
このような資格を取るためには、知識や技能とともに一定の実務経験が必要になります。
資格を持っている方は、既に建築の分野である程度経験を積んでいると評価されますので、やはり採用される確率も高くなるでしょう。
募集要項に「高卒以上」とだけ記載されているときには、高卒以上の方であれば基本的に誰でも応募ができます。
ただ、このような場合も建築士の資格があると、資格を持っていない他の高卒の応募者よりも遥かに有利になるでしょう。
グレードの高い資格を取得していれば、アルバイトや契約社員の募集であっても、後に正社員になれる可能性がでてきます。
資格取得のデメリット
時間とコストの問題
フリーターが資格取得を目指す際、まず考慮すべきデメリットは時間とコストです。資格取得には勉強時間が必要であり、その間は就職活動や実務経験を積む時間が減少します。また、書籍や講座の受講料、試験の受験料など、金銭的な負担も少なくありません。特にフリーターにとって、このような負担は経済的な安定にも関わる問題です。
必ずしも効果がない
資格取得が必ずしも就職に直結するわけではありません。特に民間資格の場合、その資格がどれほどの市場価値を持ち、実際に就職にどのように活かせるかは不確実です。
希望する職種や業界によっては、資格よりも実務経験やスキルの方が重視されるケースも多いため、資格を取得しても意味がないと感じることもあります。
資格取得に時間とコストをかけた結果、就職活動においてさほど効果がないなら、それはフリーターにとって大きなデメリットとなるでしょう。
フリーターは資格取得よりも早めの就活スタートが有利
フリーターの立場からすると、資格取得は実務経験が少ない中で自分をアピールする手段の一つとなります。しかし、資格取得よりも早めに就職活動をスタートする方が有利なケースも多いです。なぜなら、資格を取るための時間とコストをかけることで、その間に得られる実務経験が失われる可能性があるからです。
企業は資格よりも実務経験やその人の実際の働きぶりを重視する傾向があります。フリーターとして働きながら、早めに就職活動を始めることで、実務経験を積んだり、自分にとって適切な職場や職種を見つける機会が増えます。実際の業務に携わることで、自分の適性や興味をより具体的に理解することができ、それが長期的なキャリア形成に役立ちます。
また、フリーター期間が長いほど就職しづらくなるというデータもあります。未経験での就職は若い方が有利になるため、資格取得よりも就職活動を始めることを優先するといいでしょう。
就職支援サービスを活用して内定をゲット
就活中のフリーターの方が早く内定を獲得したいときには、次のようなポイントを意識すると良いかもしれません。
- 仕事の実務に関係がある資格を取得する
- 社会人としての常識やパソコンスキルをアピールできる資格を取得する
- 就職支援サービスを利用する
就活をしている間は、情報収集や応募書類の準備などで忙しい日々が続きます。
このような中で資格取得を目指す場合、いろいろな資格に無暗に手を出すのではなく、優先順位を決めてトライするのがコツになるでしょう。
就活に有利になるかどうかを最優先し、仕事に関係がある資格から取得を目指していくのが現実的です。
例えば、英語を使った仕事に応募するときには、英検やTOEICなどの語学関係の資格を中心に取得を進めていきます。
資格があれば、実務経験が少なくてもやる気やポテンシャルなどを評価してもらえる可能性があるでしょう。
これと言って特殊な能力やスキルが求められていない場合は、正社員に必要とされるビジネスマナーや一般常識、パソコンスキルを評価してもらえる資格を取得しておくという方法があります。
この手の資格は、フリーターから正社員にステップアップする上でも有利になるケースが多く、就活に活かすことができます。
また、就職支援サービスを通じて必要なスキルを身につけるのも、1案になるでしょう。
就職支援サービスでは、就活を有利にするようなさまざまなサービスを提供しています。
この手のサービスは、高卒、大卒を問わず利用できる場合が少なくなく、自分に必要なサポートが受けられるというメリットがあります。
各種セミナーや相談サービスなども頻繁に利用が可能で、高卒や大学中退から正社員を目指したい、というときにも手厚いサポートを受けられるのが魅力です。
高卒や大学中退、フリーターの経験が長い方などは、自己アピールの仕方などで戸惑うケースもあるでしょう。
就職支援サービスを利用すれば、このような問題はほぼ解決することが多いです。
担当者が一人ひとりの状況に合わせたサポートをしてくれるため、採用担当者に評価してもらえるような自己アピールができるようになります。
実務経験のない未経験者でも応募できる求人を紹介してくれるなど、徐々にキャリアをアップできる方法で就活をサポートしています。
仕事を始めた後のアフターフォローも徹底しており、フリーターから正社員へのステップアップを全力で支えてくれるのが良い点です。
便利なサービスを利用して、ぜひ正社員の内定を獲得してみましょう。
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