フリーターとしてメリット、デメリットを理解しつつ、さまざまな理由でフリーターとして仕事をしている人の中には現状になんとなく不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。
不安を抱いている場合には、フリーターで働いていることによって生じるメリットとデメリットを整理することで、不安の軽減に繋がっていきます。
ここではフリーターでいることによるメリットとデメリットをいくつか解説していきます。
この記事の目次
自分のペースで働ける!フリーターで働くメリット
現状、フリーターとして仕事を続けている人の中には本当は正社員として働きたいけれど、なかなか就職先が決まらないためやむを得ずフリーターとして働き続けている人もいれば、中には自ら望んでフリーターとして仕事を続けている人もいます。
自ら望んでフリーターとして働き続けている人は、そこに何らかのメリットを見出しているからこそ、そういった考えになることは間違いありません。
フリーターとして働いていることによって感じるメリットとはどういったものになるのでしょうか。
働く時間や曜日を自由に決められる
フリーターとして働くことによって得られる大きなメリットとしては、やはり働く時間や曜日を自分の自由に決めることができるという点ではないでしょうか。
正社員は働く時間の自由度が低い
正社員の場合、職種にもよりますが一週間のうち5日程度は必ず会社に出勤しなければいけません。
自分が行きたいイベントなどが出勤日になった場合には有給休暇を提出し、許可を取れれば休むことは可能ですが、一年のうちに取得できる有給休暇は限られていますし、会社の仕事が忙しい時にはなかなか有給休暇の許可を取れるような雰囲気ではない場合もあります。
フリーターは自分の提出するシフトで出勤日を決める
一方、フリーターの場合、仕事をする日は基本的に自分が提出するシフトによって組まれます。
事前に自分が遊びたい日や仕事をしたくない日をチェックしておき、その日以外に仕事を入れるようにすれば、趣味や遊びを自分の希望通りにこなすことができます。
そして働く時間も自分の自由に組むことができます。
あまり仕事をしたくない場合は勤務時間を短くすることも可能ですし、逆にお金を稼ぎたいというのであればたくさんシフトを入れることも可能です。
自分の現在の状況によって自由に働く時間を決めることができるのはフリーターにしかできません。
仕事の責任感が少ない
責任感をそれほど感じなくて良いというのもメリットといえます。
正社員は給料に伴い責任も重くなる
会社員として長期的に同じ会社で勤務していると、役職に応じて給料はだんだん上がっていきますが、それと共に責任も重くのしかかってきます。
営業であればノルマを課せられ、毎月一定の仕事を取ってきたり、契約を結ばなければいけないような状況になることもありますし、仕事をしていて客先から何らかのクレームが発生した場合は責任を取って対応しなければいけません。
フリーターの仕事は負わされる責任が少ない
一方、フリーターにはそのような重い責任を負わされるようなことはほぼありません。
フリーターとしての仕事内容はあらかじめ決められています。
経験を積めば少しずつ仕事の数は増えていくことはあったとしても、会社の存続に関わるような重要な仕事を任されるようなことはありません。
基本的には毎日同じような仕事をこなすだけなので、慣れてくれば力の入れどころと抜きどころが分かってきます。
するとだんだんと仕事をしている中で余裕も生まれてくるでしょう。正社員と比べて気楽に仕事をすることができるのもフリーターならではです。
責任ある仕事はつらくても辞めづらい
責任があまりないということは仕事場での立場としてもそれほど重要とは見なされていません。
例えば正社員の場合、仕事での人間関係などでストレスが溜まったとしても、よっぽど精神的に限界が来ない限りは辞めるという選択肢を取りにくいのが現状です。
加えて、正社員を辞めて再び別の場所で同じような収入を得られる正社員として就職することがなかなか難しいのが現状です。
嫌な仕事があれば辞めやすい
ところが、フリーターの立場として働いていると、仕事先で嫌な上司などがいて仕事をしたくないなという気持ちになればある程度簡単に仕事を辞めることができます。
仕事を辞めたとしても再び別の職場でフリーターとして働ければいいだけなので、辞めることに対してそこまでリスクを感じる事も無いでしょう。
勤務先もフリーターに対してはそこまで長く仕事を続けてもらえるとは考えていないというのも比較的簡単に辞めることができる要因の一つと言えます。
人兼関係を調整しやすい
人間関係に関しても、フリーターはシフトを自分の自由に組むことができますから、もしも一緒に働いていて嫌だなと思う相手とは一緒に仕事をしないように働く曜日や時間を調整することができるというのもフリーターの利点です。
副業しやすい
副業を自由にこなすことができるのもフリーターならではのメリットです。
正社員は副業しにくい
正社員として働いている人の中には、現在勤務している会社の給料だけでは不安を感じている人が増えてきています。
日本の景気は一時期に比べると良くはなってきてはいますが、まだまだ先行きが不透明な状況で、会社員の給料は経済が好調な時期と比べるとあまり上がっていないのが現状です。
そこで副業をしたいと考えていても、会社の就業規則の中で一切の副業を禁止している会社がとても多いです。
それでも副業をしたいと会社に隠れて副業をしている人もいますが、発覚すれば場合によっては厳しい処分を下される場合もあります。
フリーターはいくらでも副業出来る
しかし、フリーターに関しては副業をしてはいけないという規則は一切ありません。
2つ以上の仕事場をかけもちすることは案外普通ですし、フリーターをしながらそのお金を基にネットビジネスをすることによって正社員よりも稼いでいるフリーターもいます。
副業が軌道に乗ればシフトを徐々に時間を副業メインに組むことができるというのもフリーターならではでしょう。
フリーターは転勤がない
正社員は職種によっては勤務先が頻繁に変わることもあります。
勤務先が変われば住む場所を変えないといけないので転勤が多い人はそれだけでもかなりの負担になります。
そしてよっぽどのことがあれば断ることも可能ですが、基本的には会社側からの指示なので従わなければいけません。
一方フリーターの場合、ヘルプなどで一時的に勤務先が変わることもありますが、それでも自分が住んでいる場所から通える範囲に限定されます。
住む場所を変えなければいけないような勤務先の変更はありません。
フリーターのメリットについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
将来のことを考えている?フリーターで働くデメリット
一方、フリーターとして働き続けることによってデメリットも生じます。
責任ある仕事をしていないので収入が高まらない
先ほどフリーターに対しては責任が発生するような仕事を任されることが無いと解説しました。
従ってフリーターとしての仕事内容は誰でもこなせるような単純な作業のものがメインとなります。
長期的に勤務していれば多少仕事の内容が増えることがあるものの、それでもすぐにできるような事ばかりです。
正社員は責任ある仕事を重ねて収入を増やす
正社員の場合、だんだんと責任の重い仕事を任されることになります。
すると場合によっては自分以外の人では担当できないような仕事を任されるようになってスキルアップを図ることができます。
他の人が積めないような経験を積むことができますし、責任ある仕事を続けることによって得たスキルや経験を基に、もっと待遇の良い会社を求めて転職をすることも可能です。
経験やスキルが高まらないので収入も増えない
一方、フリーターは単純作業の繰り返しなので仕事は楽ですが、経験を積んだりスキルアップを図ることが難しいです。
同じ業種で再びフリーターとして働く場合には多少経験が役に立つものの、基本的にそれまでの仕事が生かされるような状況が生まれることはあまりありません。
世間体がまだよくない
世間体がまだ良くないというのも大きなデメリットと言えるでしょう。
フリーターは自由に働ける立場ではあるものの、正社員として働いている人と比べるとどうしてもフラフラしているという印象を持たれやすいです。
本人はフリーターとしてプライドを持って働いているかもしれませんが、世間にはそのように見てもらえないのが現状で、フリーターとして働き続けるということはそういった厳しい目に耐え続けなければいけません。
生涯収入が少ない
そして、フリーターとして勤務する上で最も大きなデメリットであり、大きく不安を感じることが収入面ではないでしょうか。
昇給がほとんどないフリーター
会社員で勤務していると、昇給すれば月数千円程度、会社の景気が良ければ1万円近く昇給することもあります。
毎年昇給していけば数年経過すれば月給は数万円上昇することになります。
一方、フリーターとして働き続けても収入が上がることはなかなかありません。
せいぜい時給が数十円上昇することがあるくらいです。年収の上昇率は同じ年数働いている正社員にはとても敵わないでしょう。
フリーターはボーナスが無い
そして会社員には勤務している会社の状況にもよりますが夏と冬の年2回、ボーナスが支給されます。
ボーナスは基本給の2か月分程度出るのが一般的です。これだけで単純計算で月給で4か月の差が生じます。
月給でも大きく差が付きますが、年収で計算すると更に大きく差が生まれるでしょう。
フリーターの生涯収入は正社員の半分以下
生涯賃金で比較すると更にその差が顕著になります。男性の一般的な正社員の場合、生涯賃金は約2億円と言われています。
一方、男性の非正規雇用の人、つまりフリーターの場合は生涯賃金は1億円に届かないとされています。
単純計算で倍以上生涯賃金の差が生じます。毎月の出費に対する負担もそうですが、何より将来に向けての貯金がフリーターにはなかなかできないのが現状です。
正社員よりもクビになりやすい
そして、世間的な立場だけではなく勤務先での立場もフリーターは弱いです。
もしも勤務先の業績が悪化した場合、真っ先に雇用を切られるのがフリーターです。
正社員の場合は会社の業績が悪くなってもよっぽどのことが無い限りは突然解雇されることはありませんが、フリーターの場合は突然雇用を切られることも十分考えられます。
フリーターとして勤務し続けていると、この先ずっと今の雇用先で働き続けられるかという不安を常に感じながら仕事を続けることになります。
更に年齢を重ねれば重ねるほど突然解雇された際に新しく働く場所を見つけるのが難しくなります。
フリーターは保障がほとんどない
そして、万が一の際の保障も正社員とフリーターでは比べ物になりません。正社員の場合は社会保険に加入することになります。
社会保険があれば病院での治療費が3割負担で済むだけではなく、勤務中の怪我によって長期的に仕事ができなくなった場合など、さまざまな面での保障をしてくれます。
一方、フリーターには基本的にそういった保証はなく、ケガや病気をした場合には自分で対応しなければいけません。
若いうちはあまり不安に感じないかもしれませんが、年齢を重ねれば重ねるほどケガや病気に対して不安は大きくなっていくでしょう。
ケガや病気に対して保証をしてほしければ、国民健康保険に加入し毎月保険料を支払わなければいけません。
老後も不安
老後に対しての不安もフリーターが感じる大きなデメリットです。
フリーターとして働いていても国民年金を支払っていれば老後に年金が支給されますが、それだけではとても老後の生活を賄うことは難しいです。
一方正社員には厚生年金があります。厚生年金を既定の年月を超えて支払っていれば、国民年金と併せて厚生年金も支給されます。
老後に得られるお金もフリーターと正社員では大きな差が生じます。
フリーターから正社員になりたい!
以上のようなメリットとデメリットを比較して、フリーターとして働き続けることに危機感を感じた人もいるのではないでしょうか。
フリーター時代のアピールポイントを探す
フリーターの人が正社員として就職を希望する場合、何よりも自分が勤めたい就職先に対してのアピールポイントを見出すことが重要です。
難しい仕事をしていなくても何らかの仕事はこなしてきているはずなので、もしその経験を活かせる業種に就職を希望するのであれば十分その経験をアピールできます。
また、仕事の経験でなくても、学生時代に運動部に所属していたのであれば体力面をアピールするなど、さまざまな方向から自分のアピールポイントを見つけ、就職先に貢献できそうなものであれば伝えていきましょう。
就職支援サービスを利用
それでも自分だけではなかなか就職活動が困難になることも多々あります。そんなときは就職エージェントや就職支援サービスなども積極的に利用しましょう。
就職エージェントは担当者と面談をすることによってこちらのアピールポイントを分析してくれ、それを基に有利に就職活動をおこなえるような企業を紹介してくれます。
フリーターの人にとって強い味方になってくれるでしょう。
フリーターで働くデメリットを知ろう、見て見ぬふりは禁物
今回はフリーターとして働き続けることによって生じるメリットとデメリットについて解説しました。
フリーターには仕事の時間などを自由に決めることができるメリットがあるものの、収入面では大きく差が生じたり、将来や老後に関しても不安があるなど、デメリットも数多くあります。
安定性を求めるのであれば、正社員への就職を検討数方が良いでしょう。
フリーターから正社員への就職は自分一人では困難なことも多々あります。そんな時は就職エージェントに登録することによってさまざまな支援を受けることができます。