第二新卒として就活を進めていく人の中には、就活事情を知らずに困惑する人が大勢します。
新卒で入社したものの、すぐに会社を辞めてしまう人というのは意外と多いものです。退職したからといって働く意思がまったくなくなったわけではなく、第二新卒で就職したい人や第二新卒の就活事情を知りたいという人も少なくありません。
「就職したいけれど不安もある」といった人を対象に第二新卒の就活事情を解説します。
この記事の目次
第二新卒が企業に求められる理由とは?
第二新卒が企業に求められている理由はいくつかあります。その中で特に大きな理由は2つです。
理由その1:新卒入社後すぐに辞める人が多い
ひとつは、新卒で入社したもののすぐに辞めてしまう人の多さです。「不況で就職することが難しいのだから、せっかく入社した企業を辞める人が大勢いるというのはおかしい」と考える人もいるかもしれません。
ですが、企業は長引く不況を経験してきたため、人手が足りない状況下でも正社員の採用に慎重になっています。
その結果、正社員の採用数が減少し、自分に合った就職先に就くことが難しくなっている人が大勢いるのです。
当然自分に合った就職先に就けなかった人は不満やストレスを抱え込むことが少なくありません。
そしてそのまま我慢して仕事を続けるか、転職するか、という厳しい選択を迫られることになる場合があるのです。
厚生労働省が平成29年に公表した「新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)」によると「新規学卒就職者の3年以内の離職率は新規高卒就職者40.8%、新規大卒就職者32.2%」です。
およそ3人に1人が辞めている状況です。企業としては無視できない高い離職率だとわかるでしょう。
第二新卒にあたる層が30%以上という高い割合でごっそりと抜けてしまっているので、企業は補充する必要があります。
そのために採用されるのが第二新卒なのです。
社会人としてのマナーがすでに身についている
もうひとつは、第二新卒は1度社会人になっているので、最低限のマナーは身につけていると考えられている点です。
新卒では、まだアルバイトの経験くらいしかないため、ビジネスマナーを身につけさせて育成するのに時間と労力がかかります。
その点、社会人経験のある第二新卒は手間がかかりません。
即戦力としての能力まで求められることは少なく、前職の経験などを活かせなくても社会人のマナーさえ身につけていれば、第二新卒としては十分と考えられる傾向があります。
学校を出たばかりの新卒とも、転職を希望する社会人とも違います。第二新卒は、新卒と社会人の中間のような立ち位置です。
一方で、まだ最初の企業に染まっていないので、社員教育がしやすいとも考えられています。
前職の経験が3年未満であり、若くて柔軟性があると判断されているからです。
第二新卒が企業に求められている大きな理由はこの2つですが、他にもできる限り優秀な学生を採用しようとするあまり、予定の人数を採用しきれなかった企業が、第二新卒を採用することがあります。
ですが辞めてしまった人の補充などの理由の方が一般的です。
【2023年度版】第二新卒が秋冬の時期に転職するメリット
第二新卒が企業に求められていると言っても、年中同じくらいの採用数を見込めるわけではありません。
当然企業の人員などの状態によって、その数は変わってきます。第二新卒で就職したい人は、この時期を見極めることが大切です。
一般的に、第二新卒が転職しやすい時期は、期が変わる春前と夏前の3月、7月から9月の二つの時期です。
では、夏から冬にかけて(10月~12月)の時期は転職できないのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。有効求人倍率が上がっている業界・職種は、通年で求人募集をかけていることも多いため、秋以降も転職タイミングがあります。
ここからは秋冬に転職するメリットを大きく4点ご紹介いたします。
秋冬のメリットその1:秋冬に募集を増やす業界がある
百貨店や旅行・観光業界は、年末年始~正月が大きな商戦期です。商戦期の繁忙までに人員を補充しておきたいため、10月~11月頃の求人募集が生まれることがあります。
さらに、製造業や建設業は、プロジェクト単位で動いているため、プロジェクトの切れ目で人員を募集します。年明けからはじまるプロジェクトでの人員募集に期待することができるでしょう。
秋冬のメリットその2:冬のボーナスをもらってから退職できる
秋冬に退職するメリットとして大きいのは、冬のボーナスをもらってから辞めることができることでしょう。9月退社では、ボーナスをもらえる期間に働いていたにもかかわらず、ボーナスは手にすることができません。退社する際は、もらえるものはもらっておきましょう。
秋冬のメリットその3:超短期間で就活が終わる可能性がある
人事担当者は、採用計画を約3か月ごとの区切りで行っている場合が多いです。例えば、年内までに〇〇名、3月の年度内までに〇〇名といった形です。
秋冬の場合は、年内に人数を揃えたい企業が募集をかけている可能性がありますので、超短期間で転職活動を終わらせられる可能性があります。
秋冬のメリットその4:ライバルが少ない
先ほどもお伝えしましたが、一般的な転職タイミングは2~3月と8~9月になるため、秋冬はライバルが減ることも予想されます。
とはいえ求人を出す会社はありますから、うまく自分のやりたい業界があるようであれば、ぜひチャレンジするべき時期でしょう。
第二新卒が就活に失敗する理由とは
第二新卒が就活しやすい時期を選べば、絶対に失敗しないのでしょうか。もちろんそんなことはありません。
就活しやすい時期とは、あくまで企業側が積極的に採用したいと考え、求人が増える時期でしかなく、最終的に採用されるには本人の努力が不可欠です。
第二新卒が就活に失敗する理由として、よく挙げられるものが2つあります。
転職理由と将来設計の一貫性のなさ
ひとつは、一貫性のなさです。転職の理由と将来設計が一致していない場合、不採用となる可能性が高いです。
以前に勤めた会社がある第二新卒は、当然「どうして会社を辞めたのですか?」というような質問をされます。
退職理由を聞かれて、自分の思い描く将来設計と、転職をした理由が上手く重なり合わないと面接官の印象が悪くなります。
言うまでもなく、退職理由を答えられないとか、言葉を濁すとかは問題外です。
退職した理由さえ答えられないような人を採用する企業はないでしょう。
だからといって無理やり適当なことを言っては、当然ながら将来設計と一致しない支離滅裂な回答になってしまいます。
新卒の頃を思い出そう
ポイントは新卒の頃を思い出すことです。志望理由と将来のキャリアに一貫性を持たせて論理的に答えるようにしてください。
新卒の面接でも、志望理由やキャリアプランなどを質問されたことでしょう。その際、曖昧に返答したり、整合性のない回答をしたりはしなかったはずです。
そんなことをしていたら新卒で入社できていないはずです。別に新卒の頃とまったく同じキャリアプランを話す必要はありません。
変更した場合は、なぜ変更したのかの理由を話せば、論理的にも破綻しませんし、説得力が増します。
これができないと、面接官から「なんとなく嫌になるとすぐ仕事を辞める人」というような評価を下されてしまうかもしれません。
ネガティブな転職理由が多い
もうひとつは、ネガティブな転職理由を話すことです。転職理由は人によって様々です。中には、勤めていた企業がブラック企業で上司のパワハラに毎日悩まされていたから辞めた、という人もいるでしょう。
退職しているわけですから、そういったネガティブな理由が多少はあるはずです。
仮に将来のキャリアを考えての転職であっても、現職ではそれが不可能であるという判断からの転職ですから、企業への不平不満があるに違いありません。
マイナスの発言はなるべく控える
ですが面接の場で「人間関係が悪かったから」や「仕事が合わなかったから」などのようなネガティブな発言は控えるべきです。面接官の立場で考えてみてください。
もし世話になった企業にネガティブな発言をする人間がいたとして、採用したいと考えるでしょうか。当然採用したくないでしょう。
なるべくポジティブに話そう
大切なのは、転職理由がネガティブなものであっても、ポジティブに話すことです。
したいことがあるから転職をする、ということを具体的に話しましょう。
上手く志望企業の仕事内容を絡めることができればアピールポイントにさえなります。
多くの面接官は、なぜ新卒の時その企業を選んだのかも聞いてくるでしょう。
そして辞めた理由と将来設計との整合性を確かめてくるはずです。そういう場合は、新卒の頃にその企業を選んで入社した理由を誤魔化したりする必要はありません。
正直に企業研究が足りなかったと反省し、その上でこれからどう行動しようと考えているのかを語ればいいのです。
企業は第二新卒のどのような面を見ている?
企業が第二新卒のどのような面を見ているのかを知ることで、就職できる確率をアップさせましょう。
「第二新卒歓迎」という企業はいったいどのようなことを第二新卒に期待しているのでしょうか。
入社意欲が高いか?
まず当然大事になってくるのは、入社意欲が高いかどうかです。退職してから長い期間が過ぎて、金銭的に苦しくなってきたから、などのような消極的な理由ではいけません。
もし入社意欲を確かめる目的の質問が来たら、どこでも良かったんだろうと取られるような返答はせず、ポジティブに具体的に答えましょう。
社風に合う人柄か?
次に、社風に合う人柄かどうかも大切です。社風に合わない場合、たいてい仕事が上手く回らず、人間関係も悪くなる傾向があります。
本当に社風に合わないと感じる時は、もう1度応募先の企業について考え直すのもひとつの手段です。
長く働いてくれそうか?
さらに、長く働いてくれそうかどうかも、企業はよく見ています。なぜなら第二新卒は3年未満という短い期間で、入社した企業を退職しているからです。
「またすぐに辞めるのではないか」と面接官が考えるのは当然でしょう。
柔軟性や将来性はあるか?
そして、柔軟性や将来性があるかどうかも重要です。
若さがアピールポイントである第二新卒にとって、若さから来る柔軟性や将来性は非常に重要視される点です。
成長の伸びしろがあると判断されるかどうかが合否に大きく関わってきます。
第二新卒に求められていることを理解しよう
新卒で入社してすぐに会社を辞めてしまった人の多くは、就職したいと考えつつも、就職活動をすることに不安を感じていることでしょう。
そういった人達は、第二新卒が企業に求められていることを理解することで、不安が和らぐかもしれません。
企業は第二新卒を求めている
新卒で入社してもすぐに辞めてしまう人が多いため、多くの企業では第二新卒にあたる層がごっそり抜けてしまいます。
そのための補充として第二新卒を歓迎しています。また、第二新卒は1度社会人になっているので、最低限のマナーは身につけているだろうと思われていることも大きいです。
その一方で、まだ最初の企業に染まっていないので、社員教育がしやすいとも考えられています。
第二新卒が就活しやすい時期というものがあります。3月は新年度の4月に合わせて新しい人材が欲しいと思っている企業が多いです。
7月から9月は7月のボーナスをもらってから退職する人が大勢いるため、その欠員を埋めたいと考える企業が多数あります。
ポジティブに一貫性のある転職理由を!
そんな時期であっても、第二新卒が就活に失敗することは少なくありません。転職の理由と将来設計が一致していなかったり、転職理由がネガティブだったりすると失敗する可能性が高い傾向があります。
例えば転職理由が「人間関係が悪かったから」とか「仕事が合わなかったから」とかだと面接官の印象は良くありません。
ポジティブに一貫性のある転職理由とキャリアプランを語ることが重要です。
企業が第二新卒のどのような面を見ているかを知ることも大切です。
入社意欲が高いか、社風にあう人柄か、長く働いてくれそうか、柔軟性や将来性があるかといった部分を企業は主に判断しています。
特に若い第二新卒にとって、柔軟性や将来性は重視されるポイントです。
大事なのは、就活しやすい時期や第二新卒に求められていることを押さえて就活することです。
こんな人におすすめ!