履歴書には健康状態という項目があります。
就職活動というものは、初めて行う場合でも、再就職や転職を考えている場合でも、うまくいくのかどうか非常に不安が付きまとうものです。履歴書からはじまり、面接などと様々な段階を経て就職活動をしていくのですが、その中でどのようにすれば最良なのかわからないということも多々あります。
健康状態も記入の仕方に少々悩んでしまう項目の一つでしょう。もちろん、健康状態に問題がなければよいのでしょうが、そうでない場合、あるいは健康であってもそれをどのように伝えればよいのかわからないという場合について紹介します。
履歴書に健康状態を書く理由とは?
就職や転職のための活動をする際には、履歴書の健康状態の項目からはじまり健康診断証明書の提出を求められる場合もあります。
なぜ、就職・転職をする上で健康状態を聞かれなければならないのかといった疑問を持つ人も多いでしょう。
健康状態が必ずしも良好ではなく持病などをもっていて不安のある人であれば、それを理由として就職できないのではないかといった不安を感じる人もいるでしょう。
しかし、履歴書に健康状態が良好なのか、あるいは持病を持っているのかを記す項目があり、企業側でもそれを調べることにはしっかりとした意味があります。
その人が長く働けるかどうか知るために聞く
基本的に、採用のための活動は応募者にとっても大変なものですが、企業側にとっても大きな負担となります。
採用基準を決めたり、採用のための履歴書をくまなく調べ、面接試験のための会場準備や時間を設けるなどしなければならず、とかく時間と手間を要するものです。
このこともあり、一度採用をした人には途中で離職されることなくできるだけ長く働いてもらいたいと考えています。
そのため、あらかじめ履歴書などで健康状態を把握して、問題がないかどうかを判断したいというわけです。
持病などで採用の有無を決めないように企業は指導されている
まず、たとえ持病を持つなどして健康状態が良好であると言い難い場合でも、それを理由にして採用がされないということはありません。
ただし、業務を行うのに支障のあるような健康状態である場合にはその限りではないということは言っておきます。
厚生労働省の指示のもと、企業側は健康状態を把握したうえで採用の有無を決めることは避けるようになっています。
これを行ってしまうと差別につながってしまい公平な雇用が保たれないからです。
このこともあり、履歴書で軽く健康状態を尋ねられたとしても、細かな健康診断は採用が決まり就職後に行われることが通常です。
持病で不採用にしても罰則はない
しかし、これはあくまで指導の範囲であり、罰則規定があるわけではありません。
職業安定法には「その業務の目的達成のために必要な範囲内で求職者等の個人情報の収集」することは認められています。
よって必要に応じて健康状態を応募者に尋ね、業務を追行するために支障があると判断された場合(肉体労働が主なものであるのに、腰痛持ちでできないなどといった例)には採用されないこともあります。
しかし、ほとんどの場合ではありえないので、必要以上に不安に駆られる心配はありません。
健康状態を知らせるのは就活をするあなたにもメリットがある
健康状態を知らせることは、企業側にばかりメリットがあるわけではありません。
転職・就職応募者にとってもメリットとなることがあります。
先ほども言ったように、企業側は一度採用した人にはできるだけ長く働いてもらいたいと考えています。
そのため、長く働いてもらうために、応募者の健康状態に合わせた企業側の対策を立ててくれることもあるのです。
職種によっては、健康状態を把握したうえでフレックス制や時短勤務を検討してくれるケースもあります。
これは、ライフワークバランスを保つためにも、そして健康的に働く上でも非常に重要なことです。
無理のない働き方を実践するためにも、正直に申告することが勧められます。
履歴書に「良好」と書いて良いケースとは?
就職・転職をする際の履歴書内で健康状態を尋ねられますが、実際にどのように書けばよいのかわからないという問題があります。
持病を持っていないかどうかの健康状態を尋ねる理由は、企業側が「業務を行う上で支障がないかどうか」を判断するためです。
そのため、健康状態が悪くなく、業務を行う上で支障がないだろうと考えられるならば基本的には「良好」と書いて問題はありません。
しかし、どのような状態までが「良好」に当てはまるのかといったことを不安に思う人も多いです。
また、健康に全く不安がない場合は、書き方により工夫をこなすこともできるということを知っておけば、より採用に有利になるかもしれません。
業務に問題が無ければ持病があっても「良好」と書けるが・・・
また、持病があり定期的に通院している場合も判断に困るところですが、必ずしも持病について言及しなければならないわけではありません。
たとえ通院していたとしても、日常の業務に問題がないと判断されるならば「良好」と書いて問題がありません。
ただし、持病が業務に支障をきたすかどうかは会社も判断をすべきことなので、持病について聞かれた場合は正直に答えましょう
薬を服用している場合
薬を服用しなければならない持病がある場合でも、それが業務に支障をきたすようなものでなければ「良好」と書いてよく、貧血や生理痛、体が弱いなどといった定期的ではないけれど会社を休む可能性のある程度の体調不良があると予想される場合であっても「良好」と書いても良いでしょう。
職種によっては体力が必要不可欠な仕事も
また、職種によっては体力・健康状態が業務上必要不可欠な場合もあります。
例えば外回りの多い営業職や肉体労働を主に担当する職種がこれらにあたります。
この他「体力には自信がある」、「風邪もすぐ治る」などといった様々なアピールが可能です。
書き方を迷ってしまうパターン
ややこしいのが既往歴がある場合や前職を病気や怪我で辞めている場合です。
現在は、問題がないけれど大きな病気や怪我をしていたとなると、その時の経験もあり素直に「良好」と書くことに抵抗を覚える人もいますが、現在業務に支障がないと判断できるならば、「良好」と書いてかまいません。
以前に大きな病気や怪我をしており既往歴があるが、後遺症もなく現在では健康状態に問題がないのならば「良好」と書きましょう。
また、病気や怪我をきっかけとして以前の職を辞めていたとしても、重要なのは現在の状態です。働くことに問題がなければ「良好」と書きます。
ただし、面接などで退職理由を聞かれたのならば、下手に隠すことをせずに答えるようにします。
その際、現在は問題なく働くことができることをきっちりと伝えることは大切です。
持病があるときはどう書くべき?
健康状態に問題がないと判断できる場合は履歴書にも「良好」と書くことができます。
しかし、問題となるのは、働けないほどではないけれど持病があるという場合です。
通院が必要ならその旨を書くべき
たとえ持病があったとしても、定期的に服薬をしていれば問題なく業務を追行することができるという場合は、先ほど述べたように「良好」と書いて問題ありません。
しかし、月に一度通院しなければならないなどといった業務になにがしかの影響を与える持病を持っている場合は、その旨をきちんと履歴書に書かなければ、就職・転職活動に問題が生じる可能性もあるので注意が必要です。
業務に支障が無いならその旨をアピール
どのようなことが業務に支障があるのかが分からないからと言って必要以上に症状を書く必要はありません。
はじめに、業務に支障はないのだということを示すためにも「良好」と書いておきましょう。
そのうえで添える形で、現在の持病の状態を書くことが、最も適した履歴書の書き方と言えます。
例えば、骨折などを経験しており現在もリハビリのために定期的に通院している、あるいは低血糖症などの疾患を持っており定期的な通院が必要な場合は、「良好(業務に支障はありませんが、○○の治療と検査のために、月に〇度通院の必要があります」などと記載することが書き方の一例です。
休みや遅刻早退が定期的にあるあらば記述すべき
休みや遅刻・早退などが定期的に発生するのならば、その程度や頻度をあらかじめ記しておくということも大事です。
ただし、終業後や休日を利用して通院をして検査・治療をするという場合は、企業側に特別配慮してもらうことはないので「良好」と書いておくだけでも問題ありません。
これらを記入する際には、体調面では全く問題がなく、業務上支障をきたすことはないということをあわせて伝えることも重要です。
もし通院の必要性があることを書けば、就職・転職が不利になるのではないかという不安のもと書かないまま履歴書を提出することは絶対にしてはいけません。
ごまかすとクビになるケースも
就職した後に、それらのことが判明すると意図的に虚偽申告をしたとみなされて、最悪クビなるケースもあります。
事前に伝えておかなければ、働く上で不利になるのは自分であるということをしっかりと意識して書き進めることが重要です。
不利になるからと病歴を隠すのはNG!
履歴書には健康状態を尋ねる項目があるものもあります。
この項目で転職・就職活動がうまくいかないかもしれないといった不安も持つ人も多いですが、正直に書くことが重要です。
持病や通院歴があったとしても、おおよその場合は「良好」と記して問題ありません。
また、定期的な通院が必要な場合でも、企業側で配慮してくれることもあります。
書き方の例を参考にすれば、特に不安を抱えるほどのものではないということです。
絶対してはいけないことは、転職や就職に不利になるからと考えて、虚偽の申告をすることです。
後々に、不利益を被る可能性も十分あります。
大切なことは企業側と自分が気持ちよく働くということです。健康状態には嘘をつかないで、記述してください。
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