転職する上で、年間休日はしっかりチェックしておきたい項目の一つです。しかし、求人情報に記載されている年間休日を見ると、105日や114日、120日など様々。プライベートと仕事の両方を充実させるには、年間休日が120日あれば十分なのでしょうか。そこで今回は、年間休日120日とはどのぐらい休むことが出来るのかとメリットについて詳しく解説していきます。
- 年間休日120日は完全週休二日制に加えて、祝日やお盆・年末年始休暇があるイメージ
- 年間休日120日のメリットだけでなく、デメリット(注意点)も解説
- 年間休日120日を取れる仕事の特徴は「法人営業」「大規模企業」「メーカー」
この記事の目次
年間休日の定義は?年間休日の平均日数って?
前知識として年間休日の定義と、1企業当たりの年間休日について解説します。
年間休日の定義は?
年間休日とは、会社や事業所における1年間の休日数の合計のことです。労働基準法で定められている法定休日(週に1回あるいは4週を通じて4日の最低基準の休日)のほかに、企業が独自に定める法定外休日を含んだ日数が年間休日日数となります。法定休日さえ満たせば年間休日の日数をどう設定するかの判断は各事業所にゆだねられています。夏季休暇・年末年始休暇・祝日などが就業規則により「休日」として定められている場合、これらも年間休日に含まれます。
なお「有給休暇」は労働基準法によって定められた「法定休暇」であり、年5日以上取得させことが義務化されています。しかしながら「有給休暇」は会社が定める「公休日」ではなく、取得できる日数やタイミングなどが個人毎に違うため「年間休日」には含まれません。
また、事業所が独自に設定している「誕生日休暇」や「慶弔休暇」なども同様の理由から、年間休日には含まれません。
年間休日の平均日数
厚生労働省が令和4年に発表した『令和4年就労条件総合調査の概況』では、令和3年1年間の年間休日総数の1企業平均は107.0日・労働者1人あたりの平均は115.3日と報告されています。
令和3年の調査では、年間休日総数の1企業平均は110.5日・労働者1人あたりの平均は116.1日となっており、若干減少傾向であることがわかります。
また、企業規模別にみると、企業規模が大きいほど年間休日総数が多い傾向です。
年間休日120日は多い?125日・110日・105日との比較
今回の記事テーマである年間休日120日がどれくらいの休みなのか、具体的に見ていきましょう。
1年間365日を7で割り、週に換算すると52週になります。毎週土日が休日になると52週X2日で104日になり、土日だけで年間約104日の休日があることになります。そこに年間16日ある祝日をプラスすると120日になります。
ただ、これは単純計算をした場合の話で、実際にカレンダー上にある月曜日から日曜日までに日付を当てはめると53週~54週になります。祝日も土日と被ってしまうこともあるので、カレンダー通りに休む=120日ピッタリ、とはいいきれませんが、求人に年間休日120日とあれば、休日日数のボリューム感として(シフトにもよるのであくまでボリューム感の参考として)、毎週土日が休日になる完全週休二日制に加えて、祝日やお盆休み、年末年始休暇を人並みに取ることができるくらいのイメージでだいたいOKではないでしょうか。
年間休日125日の内訳
年間休日125日の内訳は下記のとおりです。
- 週2回の休み
- 国民の祝日
- 夏季休暇・年末年始休暇
完全週休2日制であれば、年間休日は104日です。
加えて国民の祝日と夏季休暇・年末年始休暇が付与されることで、年間休日125日になります。
年間休日110日の内訳
年間110日の内訳は会社によって異なりますが、下記のような内訳が考えられます。
- 週2回の休み(原則祝日は出勤)
- 一部の土曜出勤+祝日は休み
完全週休2日制の休日日数は104日なので、原則として祝日は出勤するパターンや、祝日を休みにして一部の土曜日を出勤とするパターンなどです。
残りの6日間を夏季休暇・年末年始休暇・ゴールデンウィークなどで補填し、年間110日となります。年間休日110日の場合は、数字上3日に1日は休める計算になりますが、長期的な休暇を確保することは難しいのが現実です。
3日以上連続して休みを取る場合は、会社の定めた休日に加えて、有給休暇を取得しなければいけなくなるでしょう。
年間休日105日の内訳
年間休日105日は、労働基準法の最低ラインです。
厚生労働省は法定労働時間として下記のように定めています。
『使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。』
1年間のうちに働ける時間は、52週間×40時間÷8時間の計算で260日です。
365日から260日を引くと105日となり、最低限の休みしかないことがわかります。
年間休日105日の場合は、長期休暇をとることが難しくなります。
長期休暇があるケースでは、1週間の休日が1日である可能性が高く、シフト制が導入されていれば土日祝日や夏季休暇、年末年始休暇を取得できないかもしれません。
年間休日120日はホワイト企業なのか
労働基準法で定められた年間休日の最低ラインは105日です。
年間休日が120日あれば、週休2日に加えて祝日、夏季休暇や年末年始休暇があると想定されます。年間休日120日ある企業は、ホワイト企業と呼べるでしょう。
年間休日120日のメリット
一企業当たりの平均年間休日数が108.9であることを考えると、年間休日120日は平均以上です。さらに、完全週休2日制で土日が休みであればカレンダー通りに休むことができますね。この章では年間休日120日のメリットを解説します。
メリット1.休日の予定が立てやすい
まず挙げられるのが、家族や友人、知人、恋人などに合わせた休日の予定が立てやすいとい
例えば結婚して子供がいる場合、学校も土日祝日が休みになります。子供たちと休みが合うので家族で買い物に行ったり旅行の予定も立てやすかったりするでしょう。また、運動会など土日に行われることが多い学校行事にも参加することが出来ます。GWや夏季休暇、年末年始の休暇などの長期休暇にも家族とたっぷり過ごすことができます。
メリット2.仕事の疲れがたまりにくい
休日は自分のプライベートを大切にするだけではなく、仕事で溜め込んだ疲労を回復しストレスを解消する時間でもあります。休日の日数次第では、疲労の溜まり方に違いが出てくるでしょう。休みが少なく慢性的な疲労があるほど、心身ともにダメージを受けメンタル面も弱くなってしまいます。休みが少ない上に、残業が多い企業は意外に多いです。
その点、年間休日が120日あれば、しっかりと自分をケアする時間をとることができます。
年間休日120日のデメリット
年間休日120日のデメリットについても考えてみました。
デメリット1.1日の労働時間が長い場合もある
休日の日数が多い場合、勤務日1日あたりの労働時間が長いケースがあります。残業の有無、サービス残業が常態化していないかどうか、残業代はでるのか、などについて注意しておく必要があります。
デメリット2.もっと休める会社もある
世の中には年間休日120日どころか130日以上休める会社も存在します。実際に就職し、自分の中で年間休日120日があたりまえになると、もっと休みたいなあ~などとぜいたくな悩みを抱えてしまうのは人間の常です。
年間休日120日を取りやすい業界3選
年間休日の最低ラインは105日です。
年間休日が120日あれば、仕事とプライベートを両立しやすくなります。
厚生労働省の『令和4年就労条件総合調査』を参考に、年間休日が取りやすい業界をご紹介しましょう。
電気・ガス・熱供給・水道業【年間休日120日を取りやすい業界1/3】
電気・ガス・熱供給・水道業などのインフラ業界は、年間休日120日を取りやすい業界の一つです。
厚生労働省の調査では、インフラ業界の年間休日総数の1企業平均は119.7日・労働者1人あたりの平均は122.8日と報告されています。
インフラ業界の特徴は、ほぼカレンダー通りに休みが取れることです。
メンテナンスなどで休日に出勤する可能性もありますが、労働者1人あたりの平均年間休日総数は1位なので、休みがとりやすい業界といえます。
情報通信業【年間休日120日を取りやすい業界2/3】
情報通信業は、インフラ業界に次いで年間休日120日を取りやすい業界です。
厚生労働省の調査では、情報通信業の年間休日総数の1企業平均は120.9日・労働者1人あたりの平均は122.4日と報告されています。
情報通信業はテレビ局・出版社など公共性や需要が高く、大手の企業も多いため、年間休日は多く設定されていることが特徴です。
職種が複数ある業界のため一概には言えませんが、休日は多いものの激務になる可能性も含んでいるため、ワークライフバランスには注意が必要です。
学術研究、専門・技術サービス業【年間休日120日を取りやすい業界3/3】
学術研究、専門・技術サービス業には、開発研究機関・法律事務所・経営コンサルタント・獣医業・測量業・興信所・公認会計士事務所・芸術家業など、複数の仕事があります。
厚生労働省の調査では、学術研究、専門・技術サービス業の年間休日総数の1企業平均は118.7日・労働者1人あたりの平均は122.2日と報告されています。
学術研究、専門・技術サービス業は、技術・専門性を必要とする業務の多い業界であり、仕事の裁量度が高いことが特徴です。
休日を取りやすい傾向もあり、年間休日が120日を超える求人も多くなっています。
年間休日120日を取りにくい業界3選
業種によっては年間休日120日を取りにくい業界もあります。
カレンダー通りに休めない業界にはどんな特徴があるのか、厚生労働省の『令和4年就労条件総合調査』を参考に3つの業界をご紹介しましょう。
運輸業、郵便業【年間休日120日を取りにくい業界1/3】
運輸業・郵便業は年間休日120日を取りにくい業界です。
厚生労働省の調査では、運輸業・郵便業の年間休日総数の1企業平均は95.9日・労働者1人あたりの平均は106.3日と報告されています。
特に運輸業は法改正の2024年問題に直面し、ドライバーの確保が難しい人手不足の状態です。
労働基準法の最低ラインを何とか死守していますが、休みは取りにくく、年間休日120日を実現するのは厳しい状況だといえるでしょう。
宿泊業、飲食サービス業【年間休日120日を取りにくい業界2/3】
宿泊業・飲食サービス業も、カレンダー通りに休日を取るのは難しい業界です。
宿泊業・飲食サービス業の年間休日総数の1企業平均は92.9日・労働者1人あたりの平均は104.2日と報告されています。
週末・大型連休など、他の人が休みを取って動く時期が繁忙期となり、スタッフの増員も必要になるくらいなため、なかなか休みを取れないという状況が見受けられます。
年間休日総数は1企業平均・労働者一人当たりの平均が最も少なく、労働集約型の業界といえるのが特徴です。
生活関連サービス業、娯楽業【年間休日120日を取りにくい業界3/3】
生活関連サービス業・娯楽業は、私たちの日常生活を支えている業界です。
映画館・テーマパーク・冠婚葬祭関連・旅行・家事代行・クリーニングなど、生活に密着したサービスを提供しています。
生活関連サービス業・娯楽業の年間休日総数の1企業平均は95.4日・労働者1人あたりの平均は108.0日と報告されています。
宿泊業・飲食サービス業と同じく、週末や連休など人が動くタイミングに必要とされる業界なので、年間休日120日は取りにくい業界です。
「年間休日120日」に関するよくある質問
結論、完全週休2日制を導入している企業は年間休日120日以上は基本的にある企業です。注意点しては、完全週休2日制と週休2日制は別の制度になります。
満足できる基準は人それぞれなので、自分がどの程度の休みがあればいいのか考えてみることがおすすめです。給料は低いが休みが多い企業もあれば、給料は多いが休みが少ない企業もあります。ジェイックの「就職相談」では自分に合った働き方を見つけるサポートもできるので活用してみましょう。
基本的にはメーカーでの仕事は年間休日120日が確保されていることが多く、サービス業は少し休みが少ない傾向があります。
まとめ
年間休日は、125日・120日・110日・105日など業界・職種によって異なります。
年間休日は転職を決める上で一つの指標となりますが、それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で見極めることがポイントです。
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