仕事へのやりがいと感じているけれども、肉体的にも精神的にもきつい、と感じている人は多くいるでしょう。好きなことだから頑張りたいと無理をしている人も少なくありません。
今回は、仕事がきついと感じている人向けの対処法をはじめ、きつい仕事が及ぼす影響などを解説します。併せて、どんな職業にきつい仕事が多いのかも紹介しますので、参考にしてみてください。
- 仕事がきつい!と感じたときは、まず4つの対処法を試してみよう
- 仕事がきつすぎることによる心身への悪影響を、軽視してはいけない!
- 「きついと言われている仕事 4選」も紹介。仕事選びの視点に加えてみよう
仕事がきつい!と感じたときの対処法
仕事がきつい、心身共に限界がきそう、と思った時にはどうすればいいのでしょうか。効果的な対処法はあるのか、紹介します。
目標を設定してみよう
仕事をしていてきつい、辛くてどうしようもないと感じた時には、頑張れば達成できるレベルの目標を設定するようにしましょう。漠然と終わらない仕事に追われ続けていると、自分は何をしているのか、なぜ仕事をしているのかという虚無感に包まれてしまって頑張れなくなってしまいます。
そんなきつい時には、些細なことでもいいですから目標を設定してそれを達成するという喜びを作ることをおすすめします。たとえば、この時間までにこの仕事を終わらせる、というような目標を設定してみましょう。
この時に無理な時間を設定せずに、ギリギリ達成できる時間を設定するのがポイントです。こうすることで、時間内に終わらせることができたという達成感を感じることができるので、仕事にもメリハリがつくでしょう。
些細なことでもいいですから、毎日の仕事に達成感を感じることができるようにすると、モチベーションもあがります。
自分へのご褒美を定期的に用意する
きつい仕事ばかりでは気が滅入ってしまってストレスが溜まります。ですから、仕事のあとに自分へのご褒美をあげるということを定期的にするといいでしょう。
スイーツが好きなら仕事帰りにスイーツを買って帰ろう、本が好きなら好きな本を買って帰ろうというようなことや、ちょっと贅沢な夕飯にしようというような、小さなご褒美を与えることで意識をそのご褒美に移すことができますし、ストレス発散にもなるでしょう。
毎日ではなくても、今日は頑張ったから特別に、と自分の努力や仕事を自分で認めてあげてご褒美をあげることが大切です。休日には少し大きめなご褒美を用意するのもいいでしょう。
そうすることで、あと数日頑張れば好きなことができる、素敵な休日を過ごせる、というようにやる気を保つことができます。
上司に訴えてみる
毎日きつい仕事に追われてもう限界、というような時には、辛さや悩みを自分1人で抱える必要はありません。
その辛さを共有したいだけなら、家族や友人に愚痴を言うということもいいのですが、根本的に解決したいと思うのなら上司に相談してみるべきでしょう。
仕事の割り振りや内容、仕事量というのは自分どうにかできるものではありませんから、それらの決定権がある上司に相談する必要があります。
この際、具体的に仕事の辛さや、どれくらいきついかを客観的に訴えることが重要になります。仕事の量が多すぎるのか、自分の力量では処理しきれない仕事なのか、体力的な辛さがあるのか、といったことを具体的に相談しましょう。
それを踏まえてこれからどうすればいいのか、どのように仕事をするべきなのかアドバイスを求めてみてください。切実な訴えなら仕事の量などを調整してくれる可能性もありますし、異動させてもらえる可能性もあります。
思い切って転職してみる
上司に訴えてもどうにもならなかった、日々の小さなご褒美だけでは頑張れない、というところまで来ているのなら、思い切って転職してみるという方法もあります。
今勤めている会社以外にも、世の中には多くの会社があります。労働環境や給料に不満があって、働くモチベーションを保てないのなら、新しい環境に飛び込んでみるということもいいでしょう。
同じ職種だとまた同じ労働環境という可能性もありますから、色々な職種の情報を調べてみてください。
この時に、転職先が決まっていないのに辞めてしまうと、転職先が中々決まらなかった時に追い込まれることになりますから、仕事をしながら求人情報を集めた方がいいでしょう。
色々な求人を見ることで視界を広く持てるようになり、いざとなったら転職すればいいと心が軽くなる効果もあります。
転職に不安があるようでしたら、転職支援をしている転職エージェントなどに登録して求人を紹介してもらったり、アドバイスをもらったりするのも一つの方法です。
転職エージェントでは、自分に向いてる仕事ややりたい仕事に関するアドバイスももらえます。
自分でも、向いてる仕事ややりたい仕事を探してみたいという方は、ぜひ以下の2記事を読んでみてください。
自分でできる自己分析の紹介をしているので、転職エージェントに相談する前に行ってみるのもおススメです。
危険!仕事がきついことが及ぼす悪影響
仕事がきつすぎることによって、心身にはどのような影響があるのでしょうか。きつい仕事を続けることの弊害を見ていきましょう。
ストレス過多になる
きつい仕事によるストレスというものは、誰しも少なからず感じているものだとは思いますが、ストレスを常に受け続けている、責任や仕事量が多すぎて息つく暇がないということだと、ストレス過多になる可能性が高まります。
ストレスを感じても解消する方法や休日があるのならいいのですが、休みがほとんどないようなきつい仕事や残業徹夜が続くような場合には、ストレスを発散できずに溜まり続けることになるのです。
ストレス過多の状態が続くと、精神的な病気になる確率が高まります。ストレスが多いと上手く眠れずに不眠症になってしまったり、集中力が低下したりします。
また、胃潰瘍などの胃腸の病気や頭痛、心筋梗塞などの身体的な病気になる確率も高まるのです。肌荒れや薄毛にもストレスは関係してきますから、ストレスを過剰に感じると身体全体に不調をもたらします。
過労死
仕事がきつい状態が続くと、過労死という可能性もあるでしょう。過労死とは、長時間の残業や休日返上での連勤を強いられるなどの結果、突然倒れて死んでしまうことや、過労が原因で精神的に病み自殺してしまうことを差します。
過労死の危険があるラインとしては、残業がひと月に80時間~100時間となっています。月に20日働いていたとすれば4~5時間程度の残業を毎日続けている状況が続くと、過労死の危険性が高まるということです。
上記したきつい仕事はその基準を大幅に超えていることが多く、過労死してしまう危険性は他の職種よりも高いですから注意が必要です。
多すぎる労働時間による肉体的負担、ストレスなどによる精神的負担から、脳出血や急性心不全といった脳や心臓の疾患になりやすく、いきなり倒れてしまうということも珍しくはありません。
うつ病
うつ病の患者は70万人を超えていると言われていて、誰しもに起こる可能性がある病気です。うつ病にはストレスというものが深く関わっていますので、ストレス過多になりやすいきつい仕事をしている人は罹りやすくなっている病気でしょう。
長期間きつい仕事を続ける人は、自分の仕事だから、納期があって迷惑をかけられないから、というような仕事への責任感が高い傾向が強く、その責任感の強さもうつ病になりやすい要因なのです。
真面目で責任感があると、心身共に追い詰められていても頑張らなければと思って無理をしてしまい、結果うつ病になってしまうというケースも多くあります。うつ病を発症して自殺してしまうというケースもありますので、気を付けなければいけません。
きついと感じる人が多い仕事の例
最後に、きついと言われている仕事には何があるのか、その代表例を紹介します。あくまでも、「きつい傾向がある」だけであって、これらの仕事が必ずしもきつい仕事であるわけではないことをご留意ください。
飲食店の正社員
飲食店、たとえば居酒屋のチェーン店やファミリーレストランというような年中無休だったり朝方まで営業しているような店の正社員は、肉体的にも精神的にもきついと言われています。
まず、労働時間が長いことが多かったり、休みを満足に取れないということが多く肉体的に大変きつい仕事なのです。
ひどい例では月に1日も休みを取れないなんてことも、ザラにあるようで社会的な問題に発展しています。これには、労働者が不足しているという背景もあるでしょう。
夜間も営業している居酒屋などなら、夜も働くことになり不規則な労働時間で身体を壊すというケースもあります。
また、正社員であるため、アルバイトの管理や人材集め、本社からの売り上げ目標などのプレッシャーといった精神的な負担も相当のものです。それ以外にも、客商売ですから理不尽な客からのクレーム対応なども正社員の仕事になります。
飲食業は世間での休日や連休などが稼ぎ時になるので、家族や友人とも休みが合わせにくくストレス発散のために家族と旅行したり友人と遊んだりするのも難しくなっているという現状もあります。
介護福祉士
介護福祉士の労働環境というのはテレビなどでも取り上げられていますから、そのきつさを多くの人が理解されていることでしょう。肉体的体力的なきつさは言うまでもなく、精神的にもとてもきつい仕事です。
まず、働く介護施設にも寄りますが多くの施設では介護士不足という現状があり、一人の介護士で何人もの入居者や利用者のお世話をすることになります。
入浴介助や移動の介助、おむつの取り換えなど体力勝負なところがあり、効率的な力の入れ方などを勉強している介護士でも重労働で、きつい仕事といえるでしょう。
老人ホームなどなら夜勤もありますし、その点でも肉体的な負担は大きいでしょう。介護施設の入居者やデイサービスの利用者には色々な事情や病気を抱えている人がいますから、そのケアもしなければなりません。
たとえば認知症で徘徊が多かったり罵声をあびせてきたりということもありますし、大きな病気を抱えている場合などは状態に気を付けて常に気を張っているというようなこともあるのです。
人の生活や命に密着している仕事ということもあり精神的な負担や肉体的な負担が多くきついですが、その割には給料が安いという背景があり、介護の世界にやりがいを感じていても続けていくのが辛いという人も多くいる職業です。
アニメーターやイラストレーター
アニメーターやイラストレーターはとにかく仕事が終わらないと言われている職業です。アニメや絵を描くことが好き、夢や目標があるという人が多い職業でもありますが、作業量が多く労働時間が長い肉体的な負担の多いきつい仕事でもあります。
アニメーターの場合は締め切りが決められていますし、仕事が終わっても次から次へと仕事が待っているという状況があり、徹夜で働くことも珍しくはありません。
風邪などで体調を崩しても、納期があるので休めない、手を止めてゆっくりする時間がないというような仕事です。
また、給料面では末端のアニメーターであるなら生活するのも辛いというような低賃金であることも多く、アニメーターの労働環境や賃金面の改善は急務になっています。
若いうちなら体力があって乗り切れますが、歳を重ねると辛くなりますし売れなければ収入も増えないので精神面も徐々にきつい状態になってきます。
イラストレーターも同様に、膨大な量のイラストを描かなければならず、また正社員登用というケースも少ないので自分の腕だけで勝負することになります。
クオリティを落としてしまえば、次の仕事を任せてもらえないということも多くあるので、常に心身ともにコンディションを整えておかねばならず、肉体的なタフさと精神力が必要になるでしょう。
プログラマー
プログラマーにも色々な種類があります。下請け中心のプログラマーやソーシャルゲームのプログラマー、工程にも上流や下流がありそれぞれ仕事内容は違ってきますが、平均して実働時間が長く、納期前は特にきつい仕事になります。
納期の前は休みがなかったり残業や徹夜といったことも珍しくはありません。従業員一人に任せられる仕事量も多いので、責任も重く体力的にも精神的にも負担が大きくなっています。
営業からの無茶な要求や顧客の急な仕様変更などにも対応しなければなりませんし、ソーシャルゲームのプログラマーということなら、リリース前は修羅場で寝る間もないきつい状況になるとこもあります。
仕事の量や責任は重い割に、下流工程に関わるようなプログラマーなら給料は安く、仕事へのやりがいを見失いやすい職種だということも言えるでしょう。
我慢は禁物!
このように、きつい仕事をし続けると心身ともに不調をきたすことが考えられるので、我慢を重ねて仕事を続けるのは危険です。
やりがいがある仕事だから、好きで始めたことだしと無理をし続けて病気になったり、過労死してしまっては元も子もありませんから、自分の体を第一に考えて行動するようにしましょう。
どうしても仕事がきつい場合には、思い切って転職してみるのも選択肢のひとつです。転職するのに不安があるという人も多いでしょうが、勇気をもって一歩踏み出してみると今よりももっと素敵な仕事に出会えるかもしれませんので、一度検討してみてください。