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公務員への転職は民間企業からは難しい?向いてる人や試験対策

公務員への転職は民間企業からだと難しい?~向いてる人の特徴や試験対策も解説~

公務員への転職は社会人から可能なのでしょうか。この記事では民間企業から公務員への転職の現状と実際に向いてる人の特徴について紹介します。転職するのかどうか考えている方は記事を参考にしてから、実際に公務員試験などの準備をするかの検討をしていきましょう。

公務員への転職は可能?~民間企業から公務員への採用状況~

公務員への転職は可能?~民間企業から公務員への採用状況~

公務員への転職は可能なのでしょうか。ここでは、実際に社会人経験のある人が公務員として求められているのか。また、地方公務員と国家公務員との違いについて紹介していきます。

公務員で高まる社会人経験者の需要

公務員の採用は新卒と思われがちですが、社会人経験者を対象にした採用枠も増加しています。社会人経験者はビジネスマナーが身に付いていて、民間企業で経験したことも活かせることから、優秀な人材としての需要が高いです。よって、民間企業からの転職を検討している場合、公務員への転職も視野に入れられるでしょう。以前は規模が大きい都市以外に社会人経験者枠はなく、限られた採用枠でした。しかし、平成30年では、都道府県の約85%で社会人経験者が受けられる枠を設けていて、積極的に民間企業を経験した人を採用しています。

また、社会人経験者枠の年齢上限が引き上げられ、自治体によっては59歳まで受けることが可能です。つまり、転職を諦めることが多い年齢でも、公務員に挑戦できるでしょう。国家公務員の場合も、社会人経験者枠は平成24年から導入され、中途採用者の人数は年々増えています。

公務員の種類と職種

公務員には「国家公務員」「地方公務員」の2つがあります。国家公務員は国の機関、地方公務員は地方自治体で働く人のことです。それぞれ職種や業務内容・働く場所などが異なるので、その詳細をご説明します。

国家公務員

国家公務員は国の機関で働く人で、職種としては国税局や各省庁・国会や裁判所の職員・自衛官・刑務官・空港管制官などです。人事院のデータによると、平成30年度の国家公務員数は約58万人で、公務員全体の約17.5%を占めています。業務内容は職種によって異なりますが、国の運営や国際社会に関連する業務をしていて、省庁やその出先、海外や民間企業へ出向する場合も多いです。

地方公務員

地方公務員は地方自治体で働く人で、都道府県の県庁やハローワークの職員・税務署の職員・警察官・消防士・市役所の職員・教師・保健師などがあります。人事院のデータによると、平成30年度の地方公務員数は約274万人で、公務員全体の約82.5%です。基本的には地方行政に関する仕事をしていて、地域に密着した業務をしています。採用された地方自治体内で働くため、県庁職員の場合は採用された県内、市役所の職員や教師は採用された市内の機関で働くことが多いです。

公務員の魅力ややりがいからわかる向いてる人の特徴とは

紹介した通り社会人枠の公務員も増えてきています。しかし、実際に公務員としての魅力ややりがいについて理解していますか。ここでは、魅力ややりがいからわかる公務員に向いてる人の特徴について紹介していきます。

公務員として働く魅力

民間企業の場合、企業としての利益を追求しますが、公務員は利益の追求をする仕事ではありません。利益や売上を目標にするのではなく、国や地方自治体に住んでいる人のために働きます。人が生活する上でのサポートや貢献ができるのは、やりがいがあり魅力でしょう。また、人々が生活する限り、業務内容があるため、解雇や倒産などのリスクはありません。つまり、定年退職するまで安定して働けるのも魅力です。公務員は給与以外にボーナスや退職金などの報酬もしっかりと支払われます。民間企業のように解雇や倒産・ボーナスがなくなるなどの不安がなく、将来に関する心配事やストレスは少ないです。

公務員は育児休暇や介護休暇などの生活支援制度も充実しています。利益によって給与やボーナスが上下する民間企業と比べて、安定した給与がもらえるので、ローンの枠も大きいことが特徴です。住宅ローンや自動車ローン・教育ローンなどの審査に通りやすく、ローンも組みやすくなります。安定した職業ということから、家族に安心感を与えられるのも公務員の魅力です。

公務員で得られる仕事のやりがい

結果や利益を出すことでやりがいを感じることが多い民間企業とは異なり、公務員は地域の活性化や公共物の建設など、生活の支援がやりがいになります。民間企業の場合、個人や企業へ商品やサービスを提供するのがメインですが、公務員は街のインフラや社会整備などに関する業務が多いです。つまり、人々が安心して暮らせるためのサービスをメインにしていて、社会や国民のために働いているという実感が持てれば、やりがいも感じるでしょう。

公務員の仕事をすることで得られるやりがいの具体例として、街の活性化や成長があります。県や市のPR活動などを検討・実行した場合、それによって街が活性化すれば、目標が達成できると同時にやりがいを感じるでしょう。また、監視や規制の業務をしている場合、街や住民の安全を確保し、不利益や不平が生まれるのを防止することでも、やりがいになります。技術者は公共物や橋の建設など、長年に渡って住民に愛されるものを作ることが可能です。市役所の窓口業務など住民に寄り添う場合、人々の反応を見ながら仕事ができるため、やりがいを感じやすくなります。

公務員に転職が向いている人の特徴

公務員への転職に向いているのは「民間企業で働く不安や不満がある人」です。民間企業は解雇や倒産のリスクがあり、業績がいい企業であっても何らかの将来的な不安が伴います。また、売上やノルマの強要がある時には、不満がたまってしまう場合もあるでしょう。公務員は将来的な不安やノルマ強要などは少ないです。「国や街づくりに貢献したい」「公務員の立場で民間企業を支えたい」と感じている人も向いています。公共設備やサービスなど、公務員の立場でしかサポートできない仕事もあるのです。

性格としては、「指示された業務を淡々とできる」「ルールを守って取り組める」「競争が苦手」などです。公務員は大まかな業務内容が決まっていて、指示されたことを淡々とこなします。ルールに沿って取り組むため、それが苦に感じない人が向いているでしょう。また、企業間の競争が苦手・チームで成長するのを望む人も向いています。さらに、資料のまとめや分かりやすい文章表現力・住民へ説明できる能力なども必要です。一方、前例やルールに縛られるのが苦手な人や能力に応じた出世を望む人・自分自身を認めてほしい人は向いていないかもしれません。決められた業務を毎日こなせる人で、安定した職業を望む場合は公務員が向いているのです。

公務員への転職の際に確認すべきこと~公務員試験についても解説~

公務員を目指すとして先に確認しておくことがあります。まず転職を決意する前に確認しておきましょう。その後、転職準備として公務員試験の概要や対策についても紹介するので参考にしてみてください。

公務員に応募する際に確認すべき点

公務員に応募する時には、募集内容の確認でどこに注目するか理解することが大切です。まずは、応募先によって年齢上限が異なるため、クリアしているかを確認しましょう。採用人数や応募枠・大まかな職務内容・応募時に必要な提出物も把握すると、自分に適しているかが分かります。また、応募先の試験内容はあらかじめ確認することが必要です。一般教養レベルだけでなく、専門知識が求められる応募先もあります。試験に向けた学習内容や必要な学習時間が分かれば、それに応じたスケジュールも立てられるのです。それらは募集要項に記載されていることが多く、しっかりと確認することで転職での失敗を防げます。

公務員試験の概要

公務員試験では国家公務員も地方公務員も、試験を受けて合格することが必要です。職種によって試験の内容は異なりますが、一次試験と筆記試験が課されます。教養試験や民間企業で行われることが多いSPI試験・必要に応じて専門試験もあるでしょう。一次試験に合格した場合、人物試験とも言われる面接や論文試験があります。面接は個別面接だけでなく、プレゼンテーションや集団討論をする場合も多いです。論文試験では、課題に対する自分の考えを論述します。さらに、適性検査や性格検査を課す職種や自治体もあるので、しっかり募集要項を確認するといいでしょう。

公務員試験の一般枠と社会人経験者枠

公務員試験には「一般枠」と「社会人経験者枠」があります。その詳細をご説明します。

公務員試験の一般枠とは?

一般枠とは学歴制限や年齢条件を満たしている人なら誰でも受けられる試験のことです。新卒で志望する学生が多いため、採用されるのは簡単ではありません。年齢の上限は自治体によって異なりますが、30歳前後が多いです。

公務員試験の社会人経験者枠とは?

社会人経験者枠とは、今まで職務経験がある人のみ受けられる試験です。民間企業で働いている人もいれば、公務員が他の地域や職種に転職する場合もあります。年齢上限は一般枠よりも高く設定されていますが、採用人数が少なく、競争率は高いです。社会人経験者枠では、即戦力になる人材が欲しいため、今までの知識や経験・自己アピール力が重要になります。人によっては、一般枠だけでなく社会人経験者枠でも応募できるので、優位に進められる方を選ぶのがポイントです。

公務員試験の採用面接

公務員試験で二次試験も通過した場合、最終段階になる採用面接を受けます。採用面接の審査官は民間企業と同じように人事部が担当する場合が多いです。公務員の場合、頻繁に部署異動もあるため、人事部の中でも経験が浅い面接官が面接することもあります。公務員試験に合格しても、採用面接で最終的な合否は決まるため、筆記試験と共に面接対策も強化しましょう。面接対策では自己分析を行い、公務員で求められる人物像と自分の性格を組み合わせることが大切です。よって、公務員として貢献できるというアピールの対策をするといいでしょう。

公務員になりたい理由を明確にし、説得力のある志望動機にするのも重要です。自分の住んでいる自治体や思い入れのある自治体があれば、特徴や施策をまとめておくといいでしょう。また、他の人とは異なるアピールにもなるため、今後の国や地方自治体を活性化させるための意見や実現したいことを考えておくのも手段です。面接対策は民間企業へ就職した時と同じような対策をすれば構いません。ただし、公務員に特化した志望動機や実現したいことを考えておくと有利になります。

公務員へ転職するなら計画的に準備をすすめよう

民間企業を辞めて公務員になるためには、働きながら準備するのが望ましいです。公務員試験の勉強や準備は必要ですが、退職してからとりかかるのは推奨されません。その理由は、退職後に収入のない期間ができるだけでなく、必ずしも合格するとは限らないからです。職種によって公務員試験の難易度は異なりますが、特に国家公務員の試験は難易度が高いとされています。地方公務員は高校または大学卒業レベルと言われていますが、競争率が高いです。よって、100%合格する保証がない公務員試験を受ける前に退職するのは控えた方がいいでしょう。公務員に転職したい時には、早いうちから準備を始め、計画的かつ余裕をもって対策することが必要です。

公務員への転職準備をするときのコツと注意点を紹介

転職を決意し、転職準備をするときのコツと注意点について紹介していきます。社会人として民間企業で働きながら勉強するのも大変です。だからこそ転職のためのコツと注意点についても解説していきます。

社会人をしながら公務員試験の準備をするコツ

社会人として働きながら公務員試験の勉強をする場合、学習時間の確保が重要な課題です。日常生活の中でどのように試験勉強を取り入れるかを考え、効率的に勉強をしましょう。社会人で働いている場合、多くの勉強時間をとるのは難しいとされています。ただし、昼の休憩時や通勤する電車内などのすき間時間にも積極的に勉強時間を確保すれば、働きながら公務員試験の合格を目指すことは可能です。また、起床時間を早くして出社前学習をする、休日も勉強するなどして、集中して学ぶことも大切になります。さらに、公務員を目指す人が通う有料講座を利用するのもいいでしょう。具体的には通信教育や予備校があり、効率良く学べる方法の一つです。

転職を失敗しないために知っておくべき公務員の留意点

社会に貢献できるというやりがいや給与の安定が魅力の公務員ですが、転職前に知っておくといいこともあります。公務員に向いていなかった人が転職後に失敗したと思わないためにも、公務員の特徴を理解しておくといいでしょう。民間企業の場合、効率が悪い仕事や利益にならないことは、業務内容を変えるなどして改革をしていきます。一方、公務員は法的縛りがあり、効率が悪い業務もそのまま行わないといけない場合が多いです。所属する部署や職種によっては、残業や休日出勤などのサービス残業を行っていることもあります。よって、「休めない・給与が割に合わない」と不満を持っている公務員もいるのです。

公務員の給与は税金から支払われるため、上から目線や嫌味を言う市民を対応しないといけない場面もあります。ノルマや売上なども関係ないため、評価は普段の行動や年齢で行われることが多いです。結果を残せば昇進や昇給できる民間企業もありますが、公務員は学歴や年齢などが重要視されています。勝手に公務員にいいイメージを抱いて転職すると、「思っていたのと違う」と後悔する場合もあるのです。公務員に転職する時には、志望理由を明確にして、よく考えてから行動するようにしましょう。

公務員への転職も候補の1つ!幅広い視点で転職をしよう

転職先を探す場合、以前は年齢制限などの条件から公務員への転職はまれでした。しかし、公務員の採用枠が増えたことで、転職先の候補に入れることが可能になったのです。公務員に転職できれば、民間企業で働く不安や不満を解消できる人もいるでしょう。働きながら公務員試験に向けて勉強できる場合は、転職を検討するのも手段です。これを参考に、民間企業から公務員への転職を実現する方法を知ってください。

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高藤 薫キャリアアドバイザー
株式会社ジェイック:キャリアコンサルタント|就活情報、お役立ち面白情報を発信|就活YouTube「ジェイック就職カレッジ®」配信中|資格:キャリアコンサルタント・ポジティブ心理カウンセラー・7つの習慣®︎ファシリテーター