未経験でも事務職は女性が目指す転職先として特に人気の仕事です。しかし、「パソコン苦手、事務職未経験、資格なし」の私でも採用されるだろうか、と不安になる方もいるのではないでしょうか。
また、事務職は女性が多いイメージですが、男性の場合は採用で不利になることはないのでしょうか。
そこで今回は未経験の人や男性は事務職に不利なのか、また、事務職の仕事内容や必要なスキルについても詳しく説明します。
こちらの動画では、未経験から事務職に就職する方法について解説しています。事務職正社員への近道をご紹介していますので、記事を読むのが面倒という方はこちらをご覧ください。
この記事の目次
事務職は未経験でも大丈夫?男性は不利?
一言で事務職と言ってもその仕事内容は多岐にわたり、オフィスワーク未経験だと具体的にどんな仕事なのかイメージしにくい人も多いのではないでしょうか。
それだけに「未経験でも事務職に転職できるの?」「男性が事務職に転職するのは不利?」と不安に思う人も多い様です。
事務職は未経験でも就職・転職可能
結論から言うと、事務職への転職は未経験でも大丈夫です。未経験の人からすると、事務職の仕事は難しそうに感じるかもしれません。意外と、事務職の仕事は同じ作業の繰り返しや、取り組みやすい業務も多いので、未経験からでも始めやすい仕事の1つです。
ただし、それだけに人気があり、競争率も高いので、仕事内容や求められる能力についてしっかり理解してすることが重要です。これらを理解していないと、いつまでたっても事務職の仕事に就くことができない可能性があります。
男性でも事務職に就職・転職できる
最近では、男性でも事務職を志望する人は増えてきています。仕事内容を性別で決める時代は終わりです。男性だからといって、事務職の転職に不利になるということはありません。
ただ、「営業より楽そう」「定時で帰れそう」などと安易な考えで事務職を選ぶと、面接で見抜かれて印象が悪くなってしまうかもしれません。また、採用されたとしても、後々「思っていたのと違う」とギャップに悩むこともあるでしょう。
この記事でこれから紹介する事務職の仕事内容や、メリット・デメリットなどについてよく理解してから事務職への転職を考えましょう。
事務職の代表的な3つの職種
事務職は大きく分けると一般事務、営業事務や経理事務に分類されます。いずれにしても専門的な知識や資格や必要ないことから、未経験でもチャレンジが可能なケースが多くみられます。
ただ、それぞれにおいて仕事内容や求められるスキルが違いますので、まずはこの3つについてしっかりと知っておきましょう。
1. 一般事務
事務職の中でメジャーなのが「一般事務」です。多く人がイメージするような事務職はこの「一般事務」でしょう。
一般事務の仕事内容
パソコンを使って書類の作成や管理を行い、データ入力などもこなします。また、電話や来客があった時の対応や、郵便物の発送や仕分けなどを行うのも一般事務の仕事です。さらにコピーを取ったりお茶を出すといった社員をサポートする業務も担います。
一般事務に求められる能力
一般事務に求められるのは専門的な知識ではなく、気配りのスキルであり、コミュニケーション能力が問われる仕事です。社内の多くの人から仕事を依頼されることが多いことから、どんな仕事にも細かく幅広く対応することが求められ、スケジュール管理能力も必要とされます。
2. 営業事務
事務職の中でも人気が高く求人数も多いのが「営業事務」です。ここでは営業事務の仕事内容や、求められる能力について紹介します。
営業事務の仕事内容
営業事務といっても営業を任されるのでなく、営業スタッフのサポートを行います。取引先との電話応対や見積書や請求書といった資料を作成するなど営業スタッフのアシスタント業務を担当します。
営業職が商品やサービスを売るのに対し、営業事務は売った商品やサービスがお客さまのところに届くように手配をし、代金の受け取りまでをサポートする仕事です。
営業事務に求められる能力
パワーポイントを使ったプレゼン資料の作成を任されることもありますので、パワーポイントのスキルが求められることも多くみられます。
一般事務とは異なり、営業チームの中で仕事をすることも多く、コミュニケーション能力や柔軟性が求められます。アシスタント業務がメインですので、それほど目立つ仕事ではありません。
ただ、人の世話をするのが好きな人や事務でも積極的に活躍したいと考える人にはおすすめの業務であると言えるでしょう。
3. 経理事務
「経理事務」は女性だけでなく、男性にも人気の事務職です。ここでは経理事務の仕事内容や、求められる能力について紹介します。
経理事務の仕事内容
経理事務の仕事内容は、支払いや受取りといった日々の出納や伝票の仕訳や整理、さらに帳簿を作成し経費を精算します。企業のお金のやり取りが正確に処理されるように書類を作成、管理する仕事であり、時には銀行への振り込みやお金の引き出しを任されることもあります。
経理事務に求められる能力
数字に対する意識と責任感が求められる経理事務の仕事は、簿記の知識が必須です。簿記は独学でも3~6カ月で取得できるため、経理事務を目指すのであれば取得しておきましょう。
さらに経験を積むと「月次補助」「月次決算補助」「月次・四半期・年次決算」といったより大きな金額を扱う業務を任せられるようになるケースもあります。
こういった業務には簿記に加えて商法、法人税法といった会計や法律に関する専門的な知識が求められますので、会社に入ってからもスキルアップをしておくのがいいでしょう。
経理事務はお金の管理を任される部門であることから、事務職の中でも高めの給料に設定されていることが多くみられます。経理事務としての意欲と実績が認められれば経営企画へのキャリアアップも期待できます。
事務職のメリット・デメリット<一般・営業・経理>
事務職は就職や転職で人気の職業ですが、事務職に就くメリットやデメリットはどんなことがあるのでしょうか。ここでは先ほど紹介した3種類の事務職それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
一般事務のメリット・デメリット
まずは目指す方も多い「一般事務」のメリット・デメリットから見ていきましょう。
一般事務のメリット
- 未経験からでも始めやすい
- 事務処理スキルやパソコンスキルが身につく
- ワークライフバランスを取りやすい
未経験でも始められて、スキルが身に着くということは、キャリアアップが望めるということにもなります。
また、デスクワークが中心ですので、天気や気温にも左右されないですし、体力を使わないこともメリットと言えます。
一般事務のデメリット
- ルーティンワークが多い
- 努力や成果が見えにくい
- 人気があるため競争率が高い
一般事務の仕事は同じことの繰り返しといった地味なルーチンワークが多く、また、自分の仕事が直接的に売り上げに結び付く感覚もないので、やりがいを感じなかったり評価されづらかったりします。
そのため、「よりレベルの高い仕事を任されたい」「適切な評価を受けて、より多く稼ぎたい」という方には向いていない職種かもしれません。
営業事務のメリット・デメリット
続いては「営業事務」のメリット・デメリットです。
営業事務のメリット
- 努力や成果が可視化できる
- キャリアアップが目指せる
- その他の事務業より給料が高い
営業事務は営業担当者とともに仕事が出来るので、「売上」という成果がはっきりと可視化されるため、やりがいは大きいでしょう。
また、営業職への理解も進みやすく、仕事を通してキャリアアップするためのスキルを身に付けやすいです。
営業事務のデメリット
- プレッシャーの大きい業務がある
- スピードが求められる
- 営業担当者との相性に左右される
営業事務の仕事の中には、少しでも間違えると会社に大きく不利益を被ってしまうような責任の大きな仕事が含まれる場合があります。
また、営業事務が相手をするのは営業担当者だけではなく、取引先の企業だったりもするので、相手に合わせたスピードで仕事を進める力が求められます。
経理事務のメリット・デメリット
最後に、経理事務のメリットとデメリットを確認していきましょう。
経理事務のメリット
- 専門性が高く転職しやすい
- 経営者の目線を養える
- 高度なスキルが身につく
経理事務は専門性が高いため、転職してさらにキャリアアップすることはもちろん独立するための力も身につけることが出来ます。
経理事務のデメリット
- 時期によっては多忙になる
- 重要だが地味な仕事が多い
- AIに代替される可能性がある
経理事務の仕事のピークは毎年の決算期(年度の締めくくり)です。この時期になると経理事務の方々は残業が多くなることはよくあります。
また、高度なスキルが必要な仕事である反面、地味に感じてしまう仕事も多く、中にはAIに代替されてしまうと言われている業務もあるため、長い目で見ると稼げなくなる可能性もあります。
事務職に必要なスキル
事務職の中でも医療事務や調剤薬局事務の場合には特別な資格が必要ですが、一般的な事務職の場合には資格を必要としないケースが多くみられます。ただ、大量の数値データをエクセルで管理し、マクロを組んで作業の効率化を図るといったレベルのパソコンスキルが必要となる場合も多いでしょう。その他にも持っていると役に立つスキルというのもあります。ここでは事務職に必要なスキルについてご紹介します。
スキル1. パソコンスキル
一般事務職の仕事は、パソコンを使って行うものがほとんどです。そのため、パソコンの基本操作や、データ入力、メールの送受信が問題なくできることは最低限必要なスキルです。また、基本のソフトであるワード、エクセル、パワーポイントを一定レベルで使えるスキルも重要です。
スキル2. 作業のスピードと正確性
事務職の仕事では、スピードと正確性が強く求められます。依頼された仕事を、素早く、間違いなく処理していく事が最も重要です。スピード感を持ちつつ、ミスがないかしっかりチェックして、期限までに書類やデータを仕上げるスキルがあれば、事務職として活躍できるでしょう。
スキル3. スケジュール管理スキル
事務職は書類や伝票の作成といった細かい作業が多く、与えられた仕事を着実にこなし、また季節ごとの仕事も忘れずに準備し、追行しなければいけません。目の前の仕事だけでなく、これから起こり得ることも予想して仕事をすすめていくことが求められますので、スケジュール管理能力が問われる仕事です。
スキル3. コミュニケーションスキル
事務職の仕事は、メール応対、電話応対、来客応対、など、外部の人との接触も多い仕事です。社外の人に対する、最低限のビジネスマナーと、コミュニケーション能力が求めらます。
また、社内ではチームとして円滑に仕事ができるよう、メンバーをフォローする役割も担います。上司や同僚の指示や依頼を受けて、書類を作成したり、データ処理をするので、依頼された事を正確に理解して遂行することが重要です。わからないことを確認できなかったり、曖昧にするとミスや、作業の遅延でトラブルのもとになってしまいます。
社内外の人と良好な関係を築けるようなコミュニケーションスキルは事務職に大事なスキルの一つと言えるでしょう。
事務職で有利になる資格
大企業ではさまざまな部署がありますので、事務職は振り分けられた部署の専門分野を担当します。しかし中小企業の場合にはさまざまな種類の仕事内容を少人数でこなす必要があります。そのため企業内のあらゆる業務を熟知し、取引先との窓口業務を担当する事務職はゼネラリストであることが求められるのです。事務職の基本である、パソコンスキルはもちろん、経理に関する知識や法律に関する知識が事務職に求められるケースもみられます。ここでは事務職で、持っていると有利になる資格を紹介します。
パソコンの資格
パソコンに関する資格は、あると採用に大きく反映されます。パソコンに関する資格として有名なもので「MOS(マイクロソフト・オフィススペシャリスト)」があります。これはワードやエクセル、パワーポイントの実践的なスキルを問われる資格であり、事務職に必要なパソコンスキルがあることを簡単に証明できる資格です。MOSのなかでもエキスパートを取得していると高いパソコンスキルを証明することができますので、挑戦してみるといいでしょう。
経理の資格
経理に関しては日商簿記2級以上があると役に立ちます。仕訳を理解し、日常における小口のやり取りに関して勘定項目がすぐに判断できるというのが企業が求める人材です。簿記は4級から1級までありますが、確かなスキルを証明するためには1級を持っているのが好ましいと言えます。
事務職の給料の相場
事務職の仕事内容や、必要なスキルについて紹介したところで、気になるのは事務職の収入です。ここでは事務職の給料の相場について見ていきます。
一般・営業事務職の給料
パートや派遣など、時給制で一般・営業事務の仕事をする場合の平均時給は、パートで約950円、派遣社員で約1360円になっています。派遣社員の方が時給が高い傾向がありますが、勤務先のエリアや仕事内容、スキルによっても給料に大きく幅が有るようです。
正社員として一般・営業事務の仕事をする場合の平均月給は約24万円で、平均年収は約290万となっています。
経理事務職の給料
パートや派遣など、時給制で経理事務の仕事をする場合の平均時給は、パートで約940円、派遣社員で約1400円となっています。パートアルバイトでは一般事務職とあまり変わりませんが、派遣社員では経理事務職の方がやや高くなっていることがわかります。
また、正社員の平均月給は26万、平均年収は約313万円です。全体の給与幅が広く、勤務先や持っているスキル・キャリアによって大きく変わってきます。
一般社団法人 人材サービス産業協議会の『転職賃金相場2018』によると、以下のように資格取得やキャリアップに伴い、給料UPを狙える可能性もあります。
年収400万円~599万円程度
経理のリーダー候補や担当者、経営分析の担当者レベル 経理財務、IRなどで3年以上の経験があり、簿記2級以上を持っているレベル。
年収600万円〜799万円
経理の部長候補、課長、リーダー、スペシャリスト候補。
経理財務・IRなどの経験3年以上、上場企業での経験、管理職経験、簿記2級以上、必要に応じた英語力も持っているレベル。
未経験でもOK!事務職をめざしてみよう
事務職の求人には「未経験歓迎」「デスクワークが初めての人におすすめ」など、専門的なスキルを不問とする求人も多くみられます。このような求人の場合、企業側が求めているのは、これまでに説明したようなコミュニケーションスキルの高い人材です。ですので、事務職の経験がなくパソコンが苦手であっても、また性別に関係なく、積極的に応募するのがおすすめです。
ただ、応募にあたっては自分のキャリアの棚卸をし、これまでのスキルや経験がその企業でどのように活かせるのかを考えましょう。自分はその企業でどのような活躍ができるのかという自己PRをまとめ、履歴書や面接でしっかりとアピールすることが大切です。なぜ事務職を志望するのか、事務のどういった仕事内容に魅力を感じているのかといった点も伝えることで、仕事へのモチベーションも評価されます。事務職が全くの未経験であっても面接で仕事に対する意欲を見せることができれば採用される可能性は高くなります。
未経験でもOKという企業は多く存在しますので、未経験だからと言ってあきらめず、前向きに転職活動をしてみるのがおすすめです。
「事務職 未経験」によくある質問
結論から言えば、事務職未経験者でも大丈夫です。事務職には取り組みやすい業務も多いので、未経験からでも始めやすい仕事の1つといえます。詳しくは「事務職は未経験でも大丈夫?男性は不利?」をお読みください。
事務職は人気の職業ですが、事務職に就くメリットやデメリットにはどんなことがあるのか、気になりますよね?「事務職のメリット・デメリット<一般・営業・経理>」の章では、これら3種類の事務職それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
こんな人におすすめ!
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