「自分の仕事について相談できる窓口を知りたい」という方もいるのではないでしょうか。仕事の悩みを相談できる機関は複数あります。労働や雇用全般について話を聞いてもらったり、対策方法を示してくれたり、情報提供などの支援がある場合もあります。
この記事では、仕事の電話相談窓口の種類や内容、労働環境や人間関係について電話などの相談ができる方法についてご紹介します。
- よくある仕事の相談内容は「やりがい、不安」「人間関係」「労働環境や給与」
- 仕事の環境・待遇の相談先は「労働基準監督署」と「社会保険労務士」
- 仕事の人間関係の相談は「カウンセラー」や「厚労省などの電話相談」
- 仕事の相談のポイント5選を具体的に解説
この記事の目次
相談したい仕事の悩みとは
仕事をする上で生じる悩みについて、よく聞かれるものは以下の3種類に集約されます。
- 仕事へのやりがいと不安
- 人間関係の悩み
- 労働環境や給与が悪い
それぞれについて、詳しく解説していきます。
仕事へのやりがいと不安
「仕事にやりがいが感じられない」、「今の仕事を続けていていいのか、不安がある」というケースです。
仕事にやりがいが感じられない
仕事にやりがいが感じられない人は、「仕事に対する考え方」を見直してみましょう。
そもそも仕事というものは、多くの人にとっては「それを継続して行うことで、対価として生活するのに必要な金銭が得られること」です。
同じように「やりがい」についても、「成果を出し続けることで生じるもの」だと認識する必要があります。「仕事にやりがいを感じられない」という人は、「その仕事で求められている成果」を自分が上げているかどうかを振り返ってみてください。
まだ成果を上げられていないのであれば、厳しい言い方になりますが、やりがいが感じられないのは当然のことと言えます。まずは「成果を上げること」を優先しましょう。
すでに一定以上の成果を上げているにも関わらずやりがいが感じられないケースでは、今の仕事そのものがあなたに合っていない可能性もあります。
将来に不安がある
将来に対する不安は、多かれ少なかれ誰もが抱いています。ただ、「仕事に対する不安」に絞って考えてみると、下記のいずれかに該当するのではないでしょうか。
- 仕事そのものに対する不安(将来の見通しが明るくない業界・職種など)
- 仕事が自分に合っておらず、将来的な成長や昇進に不安がある
仕事に関する将来不安については、同僚や上司などに相談するよりも、専門知識のある第三者に相談してみると良いでしょう。さまざまな業種や職種に精通している転職エージェントや、キャリア・カウンセラーなど、いくつかのサービスを並行して利用することで、あなたの「将来への不安」の本質を明確にし、解決策を考える一助とするのがおすすめです。
人間関係の悩み
職場の人間関係での悩みで、特に深刻な問題になるのはパワハラやセクハラといったハラスメント問題です。ハラスメント問題で注意すべき点は以下の2点です。
- 会社全体の構造的な問題
- いい会社だが、特定の個人に問題がある
前者は、組織そのものに構造的な問題があったり、ハラスメントの温床となるようなカルチャーや社風が根付いている場合です。合わないと感じる場合は、転職を考えても良いでしょう。
後者のケースでは、特定の個人の言動だけを理由に、あなたの方が仕事を辞める必要はありません。人事などの管理部門へ相談してみましょう。注意点としては、あらかじめ事実関係を客観的に証明できる情報・素材を用意しておくことです。ハラスメントの現場を録音したり、日付・時刻・やり取りの内容などをメモに残すなどです。
労働環境や給与が悪い
働く環境や、給与などの待遇面が悪いケースです。
労働環境が悪い
残業時間や休日など、働く環境によっても悩みは発生します。そこで、月に何時間くらいの残業時間が許容範囲であるのか、何時間以上であれば問題があるのかを見ていきましょう。
- 月30〜40時間は、一般的とされる残業時間
- 月50〜60時間になると、要注意
- 月70〜80時間の残業は、危険なレベル
上記の残業時間を、ひとつの目安にしてみてください。あなたの職場が長時間勤務であった場合、人事や社内相談窓口に相談するのもひとつの方法です。それで解決しない場合は、転職を考えたほうが良いかもしれません。
給与や待遇が悪い
現職での給与や待遇が悪いと感じたときは、まず以下2点のどちらに当てはまるかを考えてみてください。
- 個人の問題
- 業種・職種・会社の問題
個人の問題である場合、例えば年収200万円台であるなら、通常の生活がままならない状態と言えます。年収が400万円台であれば、日本の平均年収は約420万円であり、特に年収が低いというわけではありません。また、個人が現在の年収と見合うような働きをしているかどうかも考えてみましょう。分からない場合は第三者に聞いてみるのも良いです。
会社問題の場合は、業界の構造的に年収が低くなりやすい業界か会社に所属していることがほとんどです。例えば、飲食業や小売業界などは年収が低い傾向があります。成果や売り上げを出しているのに関わらず昇給がないというときは、人事に相談してみたり、他の業種や職種への転職を検討する方法があります。
仕事の環境や待遇の悩みを相談する方法
労働環境や待遇について相談したい場合のふたつの方法について、ご紹介します。
労働基準監督署に相談する
たとえば仕事で以下のような事態に遭ってしまった場合、まずは労働基準監督署への電話相談がおすすめです。
- 突然クビを言い渡された
- 理由もわからず給料を下げられた
- 職場で嫌がらせやいじめ、パワハラやモラハラを受けている
- 労働条件が募集要項と違った
- 採用の際にあきらかな差別を受けた
- 不合理な配置転換をさせられた
- 給料や残業代を支払ってもらえない
- 長時間労働や残業が恒常化している
具体的には前述した総合労働相談コーナーに相談することになりますが、労働問題全般を対象とした機関のため、まずは労働基準監督署に相談してから、今後について考えることをおすすめします。
社会保険労務士に相談する
仕事のことで、以下の内容について困っているという場合は、社会保険労務士(社労士)への相談も可能です。
- 労働基準法に関する相談をしたい
- 雇用保険や労災に関する相談をしたい
- 健康保険や年金に関する相談をしたい
東京都社会保険労務士会では「社労士110番」という無料電話相談窓口を設置しています。相談日は月・水の10:00~16:00と限られているため注意しましょう。主に以下のようなケースの場合には、社会保険労務士への相談が適しているといえます。
- 条件を満たしているのに社会保険に加入させてもらえない
- 仕事中にケガをしたのに「労災は降りない」と言われて困っている
- 会社が社会保険に必要な手続きをしてくれない
相談できる内容は限られるものの、社会保険等のことで悩みがある場合には、社会保険労務士への相談のほうが適切な回答をもらえる可能性が高いでしょう。
仕事の人間関係の悩みを相談する方法
仕事の人間関係に関する悩みを相談するふたつの方法について、ご紹介します。
カウンセラーなど話をじっくりと聞いてくれる人に話す
仕事の悩み相談の相手としておすすめなのが、心理カウンセラーなどの専門家です。労働環境や条件などを改善したいというケースではなく、たとえば「職場で嫌がらせや無視をされている」「会社に行きたくない」など心理面での困りごとがある場合には、カウンセリングを受けることで自分のつらい気持ちをしっかりと聞いてくれたうえで、アドバイスをもらうことができます。
対面カウンセリングのほかにオンライン通話などを利用できることもあるため「直接カウンセラーに会うのは勇気がいる」「カウンセリングサロンやメンタルクリニックなどへ行くハードルが高い」という場合でも、利用しやすいでしょう。
電話相談を利用する
電話相談は、仕事の悩みを気軽に相談する方法として効果的です。「対面相談を受けるほどではないが少し相談に乗ってほしい」「とにかくしんどいのでまずは話を聞いてもらいたい」という場合にも、利用しやすいでしょう。
厚生労働省などが提供する電話相談は、たとえば「30分以内」などの縛りがあることも多いものの、基本的には無料です。そのため、相談費用なども気にせずに済みます。電話相談を利用してみて、それでも解決しそうにない場合には、次のステップを検討してみるという流れにしてもよさそうです。
職場で仕事の悩み相談ができない理由
職場で仕事の悩み相談ができない理由としては、以下が考えられます。
- 相談するのが怖い/相談しづらい
- 相談するのが恥ずかしい
- 相談相手に遠慮してしまう/心配させたくない
- 職場の雰囲気が相談しづらい
- 誰に相談していいか分からない
仕事の相談ができずお困りの方は、以下の記事も参考にしてみてください。
仕事の悩みを相談して解決できるよう、対策方法を考えましょう。
仕事の悩みを相談する際に気をつけたいポイント
仕事の悩みの相談する際には気を付けるべきいくつかのポイントがあります。
ポイント1.相談するなら早めが肝心
仕事の悩みは早めに相談が肝心です。悩むことがあっても初期のうちにかるべき人に相談すれば大きなトラブルに発展することなくスピーディーな解決が可能です。
ポイント2.相談する前に内容を整理する
相談を通して何を解決したいのか、自分の中で明確にしてから相談しましょう。相談前に悩みを書き出し、要点を整理するのが有効です。
とはいっても何から相談したらいいのか分からないくらい自分の中で整理のつかない悩みもあるかもしれません。そういうときは、その旨を相談相手にまず伝えてから話すようにすれば相手もその心づもりで話を聞けます。
ポイント3.主観と客観的事実を分けて考える
物事には主観と客観的事実があります。例えば「上司は同僚にばかり仕事を回して、私には回してくれない。私は上司に嫌われているに違いない」という悩みがあったとします。この場合「上司に嫌われている」はまだ主観でしかなく、「私に仕事が回ってこないことと紐づけるのは早計です。悩み相談する前に、自分が主観に引きずられすぎていないか一度立ち止まってみましょう。
ポイント4.愚痴を聞いてもらえるだけでいいのか、解決したいのかはっきりさせる
誰かに聞いてもらえればすっきりする悩みであれば「ちょっと愚痴をきいてほしいだけなんだけど」と前置きして、ランチや飲み会で聞いてもらって発散させれば済むかも知れません。
でも、その悩みの解決策を求めているのであれば、自分なりの展望をもったうえでしっかり「相談」する必要があります。愚痴と相談は似て非なるものです。自分はどちらを求めているのかはっきりさせましょう。
ポイント5.相談相手を間違えない
適切なアドバイスがほしいのか、ただ話を聞いてほしいのか、決裁権のある人にお願いしたいことがあるのか、相談内容を他言しないでほしいのか、逆にむしろ広めてほしいのか、専門的な知識が欲しいのか・・・。相談相手の人選はとても大切です。ここを間違えてしまうと余計に悩みが深まる原因ともなりかねないので注意するようにしましょう。
仕事の悩み相談ができる電話窓口
厚生労働省の「平成29年労働安全衛生調査」によると、現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある人の割合は58%で、およそ6割の人がなんらかの仕事の悩みを抱えているということがわかっています。
仕事上の悩みがある人の中で「相談できる人がいる」と答えた人の割合は 91%で、その中で実際に相談したことがある人の割合は84%いるということも判明しています。「仕事の相談を実際にした」と答えた84%の人の仕事の相談相手の内訳では、「家族・友人」が81.7%、「上司・同僚」が71%と多数ではあるものの、「産業医」2.7%、「保健師または看護師」2.4%、「産業医以外の医師」2.1%、「カウンセラー等」1.1%と、第三者に相談した人がいることもわかります。
引用:厚生労働省「平成29年労働安全衛生調査」
ここでは、国が設置している、仕事の悩みに関する電話相談窓口の種類とその内容をご紹介します。
こころの耳
厚生労働省が提供するポータルサイトです。仕事から発生するメンタルや健康の問題について、電話やメール、LINEで相談することが可能です。また、 サイト上には最寄りの医療機関検索機能や別の相談窓口等も掲載されているため、自分に合った相談先を探すことも可能です。
LINEを利用した相談もできるため「仕事の悩みを相談したいが電話は緊張する」「電話の前に、まずは少しでも話を聞いてもらいたい」という方におすすめです。
労働条件相談「ほっとライン」
厚生労働省の委託事業です。労働条件に対する悩みについて電話相談ができます。たとえば長時間労働や残業等による健康被害、賃金未払いなど、労働基準関係法令に関する問題の相談対応や関係機関を紹介してもらうことが可能です。
ただし、問題ある会社に勤めていてその現状を伝えても、会社に指導などをしてくれるわけではありません。
平日の営業時間は17:00~22:00、土日祝日は9:00~21:00まで電話を受け付けています。年末年始以外は開設しているため、仕事が忙しく相談する時間が取りづらい人におすすめです。
総合労働相談コーナー
全国の労働基準監督署に設置されていて、あらゆる労働問題について、電話や面談による相談が可能です。
予約は不要のため、すぐに仕事の悩みを相談したい人や直接相談員に会って話を聞いてもらいたいという人におすすめです。
みんなの人権110番
法務省による電話相談サービスで、おもに人権問題に関する相談に乗ってくれます。法務局の職員または人権擁護委員が、相談に対応してくれます。
電話のほか、最寄りの法務局等での面談やインターネット上での相談も可能です。「職場でのパワハラやモラハラに困っている」など、仕事上での人権侵害を受けていると感じている人におすすめです。
仕事の相談をするならジェイックを利用しよう
仕事に関する相談は、就職エージェントでも対応しています。
就職エージェントとは、キャリアアドバイザーが就職活動をサポートしてくれるサービスで、無料で利用できます。さまざまな業種・職種に関する情報に精通し、多くの求職者の相談に応じてきた実績をもとに個々の相談に応じています。
就職エージェントの利用
正社員就職を目指すなら、就職エージェントを上手く活用するのがおすすめです。
就職エージェントとは「キャリアアドバイザー」と呼ばれる就職支援のプロがマンツーマンで、求職者の就活をサポートするサービスです。
就職エージェントの利用が特におすすめなタイプは、「就職支援のプロに相談しながら就活を進めたい」と考える人です。これまでの経歴や自己PRに自信がない人は、就職エージェントに相談することで効率よく就活を進められますし、自信を持って臨めるようになるでしょう。
就職エージェントは、会社ごとにサービスの対象が変わります。
- 第二新卒向け
- 20代向け
- 就職未経験に強い
- 女性向け
就職エージェントを利用するときは「このサービスは自分の属性に合っているか」をよく考えて登録しましょう。複数の就職エージェントに登録しても構いません。気になるものがいくつかある人は一通り登録して、利用しながら比較・検討していくのがおすすめです。
エージェントによってサービス内容も異なりますが、一般的には以下のサービスが利用できます。
- 求人の紹介
- 求人の申し込み
- 応募書類の添削
- 個別面談
- 面接対策
私たちジェイックも就職エージェントを運営しており、社会人経験が少ない人の就職支援を得意としています。
ジェイックの「就職カレッジ®️」では、転職活動のノウハウやビジネスの基本が学べる「就職支援講座」も行っています。
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まとめ
仕事に関する悩みや、相談方法について解説してきました。
仕事の悩みは一人で抱えてしまいがちですが、それでは何も解決しません。適切な相談機関に早めに相談することで、解決策をふくめた展望が開けます。この記事も参考にしながら、相談先を探してみてください。
また、今の仕事や職場を変えることで問題が解決されるようであれば、就職エージェントの活用も選択肢のひとつに加えてみてください。エージェントを通じて就職・転職をするだけでなく、キャリアアドバイザーに相談することで仕事の悩みを解決する糸口が見つかるかも知れません。ぜひ、お気軽にご利用ください。