「第二新卒として大手企業に転職したい」という方もいるでしょう。IT業界などをはじめ、一部の大手企業や有名企業では第二新卒を積極採用していたり、通年採用をしていたりする企業もあります。社会人経験が短い第二新卒も、そこから大手に転職して仕事ができる可能性はゼロではありません。応募して採用されるのは簡単なことではありませんが、新卒で大手を受けたが落ちてしまったという方は、またチャレンジしてもよいでしょう。この記事では、第二新卒を採用している大手企業と、こうした会社に転職するために抑えておくべきポイントを紹介していきます。
この記事の目次
第二新卒でも大手企業への転職は可能
結論から言うと、第二新卒から大手企業に転職することは可能です。
実際に大手転職サイトを見てみると、第二新卒歓迎の求人は以下の割合です。(※2021年9月7日時点)
- マイナビ転職…78.9%(14923件中11772件)
- リクナビNEXT…22.1%(52281件中11558件)
- doda…39.8%(97157件中38684件)
掲載されている求人内容や求める人材などによって割合は異なるものの、ほとんどの転職サイトでは、第二新卒OKとする企業が一定以上あることがわかります。
社会人経験がありまだ若く、ポテンシャルも期待できることから、第二新卒から大手企業を目指すチャンスは決して少なくないといえるでしょう。
第二新卒を採用している大手企業【東証一部上場企業】
今回はマイナビ転職の求人情報を参考に、第二新卒を採用している大手企業を、企業の特徴や募集職種、平均年収などとともに業界別にご紹介します。(※求人情報等は、2021年9月7日時点のデータを参考)
大手企業の場合、応募条件が厳しく設定されているところもあるため、その点には注意しましょう。
コンサルティング業界の大手
コンサルティング業界の大手で、第二新卒を募集している企業をご紹介します。
アクセンチュア株式会社
アクセンチュア株式会社の概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…世界最大規模の総合コンサルティング会社で、世界200都市以上に従業員が在籍。有名企業や公的機関などをクライアントに持ち、女性が活躍する会社第一位にも選出。
- 採用職種…ITコンサルタント、BPOリーダー候補
- 平均年収…400万円~1500万円(ITコンサルタント)、350万円~1000万円(BPOリーダー候補)
- 公式HP…アクセンチュア株式会社
BPOリーダー候補の求人の場合、歓迎要件として「アプリケーション開発やシステム保守案件でのメンバー管理経験」「人事や会計経理財務・調達購買の実務経験もしくはBPO運用経験」など、複数の項目が記載されています。
企業側が求める経験をまったく有していない場合、入社できるハードルは高いかもしれません。
株式会社ベイカレント・コンサルティング
株式会社ベイカレント・コンサルティングの概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…戦略・業務・ITのコンサルティングを行う総合コンサルティングファーム。大手企業や政府などをクライアントに持ち、グローバルなプロジェクトが多数。
- 採用職種…ITコンサルタント、戦略コンサルタント
- 平均年収…500万円~1000万円
- 公式HP…株式会社ベイカレント・コンサルティング
戦略コンサルタントは、大卒・25歳以下であれば応募できるため、第二新卒でもチャンスがあります。ITコンサルタントは、IT業界での実務経験が2年以上必要になるため、前職での経験が問われる職種といえるでしょう。
金融業界の大手
金融業界の大手で、第二新卒を募集している企業をご紹介します。
アコム株式会社
アコム株式会社の概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…戦略・業務・ITのコンサルティングを行う総合コンサルティングファーム。大手企業や政府などをクライアントに持ち、グローバルなプロジェクトが多数。
- 採用職種…社内SE
- 平均年収…500万円~730万円
- 公式HP…アコム株式会社
3年以上の開発経験があり、プログラミングやサーバー・ネットワーク設計など、SIerや事業会社の情報システム部門でPG/SE経験がある人が応募条件になっているため、第二新卒であっても、応募できる人は限られるといえます。
アイフル株式会社
アイフル株式会社の概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…リテール金融企業を手掛ける、業界トップクラスのグループ。全国にネットワークがあり、創業50年以上の歴史を持つ。定着率は97.3%と、働きやすさにも定評がある。
- 採用職種…営業
- 平均年収…330万円~400万円
- 公式HP…アイフル株式会社
応募条件としては、普通免許を持っていることのほかに、法人営業または金融業界経験のいずれかがあることです。比較的、第二新卒にもチャンスが開かれているといえます。
不動産業界の大手
不動産業界の大手で、第二新卒を募集している企業をご紹介します。
大東建託株式会社
大東建託株式会社の概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…業界NO.1の実績と安定感を誇る。賃貸住宅管理戸数や戸建供給数も全国トップ。教育・研修体制も充実しており、フレックスタイム制導入などで働きやすさにも配慮している。
- 採用職種…営業
- 平均年収…400万円~1000万円
- 公式HP…大東建託株式会社
普通自動車免許があれば、営業経験がなくても応募可能です。北海道~沖縄まで全国211支店から選べるため、自宅から近い職場や、地元へ戻って働くことも可能です。比較的、第二新卒にも広く門戸が開かれた求人です。
株式会社オープンハウス
株式会社オープンハウスの概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…総合不動産企業として幅広い事業を展開。成長率は業界トップクラスで、20代の管理職率は76%と若手が活躍中。長期休暇の取得など、福利厚生にも力を入れている。
- 採用職種…人事/提案営業
- 平均年収…390万円~1000万円
- 公式HP…株式会社オープンハウス
29歳までであれば応募可能で、営業経験も必須ではありません。たたとえば浪人・留年などをしていたなど、やや年齢が高めの第二新卒者にもチャンスがあります。
アパレル業界の大手
アパレル業界の大手で、第二新卒を募集している企業をご紹介します。
株式会社アダストリア
株式会社アダストリアの概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…『GLOBAL WORK』『LOWRYS FARM』『studio CLIP』『LEPSIM』『HARE』などの有名ブランドを、国内外に1300店舗以上展開。時間外手当や休暇なども充実。
- 採用職種…店舗アパレル販売(総合職)、アパレル販売
- 平均年収…342万円~410万円(モデル年収目安)
- 公式HP…株式会社アダストリア
アパレル業界に限らず、何かしらの販売や接客経験または営業経験があれば応募可能です。そのため、他業界からの転職などもしやすいといえます。
株式会社マツオカコーポレーション
株式会社マツオカコーポレーションの概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…メンズ・レディースのフォーマル、カジュアル、スポーツウェアなどの縫製を担う。OEMメーカーとして、自社で一貫して商品を製造し、世界トップクラスの実績を持つ。
- 採用職種…経理
- 平均年収…300万円~400万円
- 公式HP…株式会社マツオカコーポレーション
経理経験5年以上となっているほか、採用された場合は広島県にある本社勤務となるため、応募条件に該当する人は限られるかもしれません。海外出張もあるため、対応できる人のみとなります。
ゲーム業界の大手
ゲーム業界の大手で、第二新卒を募集している企業をご紹介します。
株式会社コロプラ
株式会社コロプラの概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…設立6年で東証一部上場を果たし、2億ダウンロードを達成するゲーム企業。『白猫プロジェクト』『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』などの有名ゲームをリリース。研修や休暇制度なども充実している。
- 採用職種…デザイナー、ゲームプランナー
- 平均年収…350万円~1500万円
- 公式HP…株式会社コロプラ
デザイナーは2D・3Dいずれかの実務経験、ゲームプランナーはコンシューマゲームもしくはスマホゲームのプランナー経験や企画業務の実務経験が条件となっています。ある程度専門的な実務経験がなければ、採用はむずかしいといえます。
株式会社カプコン
株式会社カプコンの概要は、以下の通りです。
- 会社の特徴…「モンスターハンター」「バイオハザード」など、国内外で大ヒットのゲームを数多く生み出す企業。自社開発でクオリティにこだわったチーム制での業務体制。福利厚生面も充実。
- 採用職種…デザイナー、バックエンドエンジニア
- 平均年収…350万円~750万円(デザイナー)、500万円~1000万円(バックエンドエンジニア)
- 公式HP…株式会社カプコン
デザイナーはゲームや映像業界でデザイン業務の実務経験があること、バックエンドエンジニアはシステム開発経験3年以上という条件があります。ハイスキルの人も応募するため難易度は高めですが、条件を満たしていれば応募のチャンスはあります。
第二新卒が大手企業に転職するメリットとデメリット
第二新卒が大手企業に転職するメリットとデメリットについて、それぞれご紹介します。大手企業を受ける前に、社風などに自分が合いそうかどうかなども考えてみましょう。
大手企業に転職するメリット
第二新卒が大手企業に転職するメリットは、以下の通りです。
給与が高い
大手企業の場合、そのほとんどは中小企業やベンチャー企業と比較して給与水準が高めに設定されていることは、ほぼ間違いありません。実際に、年収トップランキングなどに名前が上がる企業の多くは、大手企業です。
特に、総合職や資格・技術が必要な職種などのほか、勤続年数が増えていけば昇給していく企業が多いため、さらに高い給与が期待できます。
福利厚生が整っている
大手企業の場合、退職金制度や企業年期制度などのほか、特別休暇、住宅手当や資格取得支援、食事や書籍代などの補助、割引制度など、福利厚生面は全体的に手厚くなっています。独自の福利厚生を導入している企業も少なくありません。
充実した福利厚生を受けられることは、大手企業に勤めるうえでの恩恵のひとつといえるでしょう。
知名度が高い
大手企業の知名度の高さは、仕事・プライベートのどちらにもプラスにはたらくことがあります。たとえば取引先との営業や商談も、企業の知名度があったほうがスムーズに進むケースは少なくありません。
プライベートでは、大手企業に勤めているということで、住宅ローンなどが通りやすくなるなど、審査においてマイナスになることはほぼないでしょう。
転職活動に有利になる
大手企業での勤務経験があると、将来的に転職を目指す際に、大手企業での勤務経験があるということで市場価値が高くなり、転職に有利にはたらくことがあります。
大手に勤めていたという経歴が採用担当者の目に留まり、ある程度書類選考などに通りやすくなったり、アピールポイントのひとつにできたりする可能性は高いでしょう。
大手企業に転職するデメリット
第二新卒が大手企業に転職するデメリットは、以下が考えられます。
担当業務の範囲が狭い
大手企業は規模が大きいゆえに、部署やチーム、役職が細かく分かれていることが多くなっています。そのため、一人ひとりの担当範囲が狭いという点はあります。
仕事の内容や手順などが細かく決められていることも多いため、仕事をしていて物足りなく感じる人もいるかもしれません。
スピード感に欠ける
大手企業は、未だに年功序列が残っているところも少なくありません。仕事で成果を出したとしても、若いことや勤続年数を理由に、出世や昇進に時間がかかることも珍しくないのです。
全体的にスピード感が遅く、何かを提案してもいくつも稟議を通さなければいけないなど、意思決定までにかなりの時間がかかることに、もどかしく感じる人もいそうです。
転勤や異動の可能性が高くなる
大手企業は本社以外に、全国や海外などに支店を持っていることが多くなっています。また、ジョブローテーション制度があり、あらかじめ転勤や異動が決定している会社もあります。
「転勤や異動はしたくない」と思っていても、会社からの辞令が出れば、基本的には従わなければいけません。ずっと同じ勤務地や部署で働きたい人にとっては、そこがネックになることもあるでしょう。
柔軟性が低い
歴史ある大手企業などの場合、企業内における暗黙のルールや時代に合わない決まりごとなどがそのままになっていても変えることがむずかしく、「古い」「非効率的だ」と感じる人もいるかもしれません。
一方で中小やベンチャー企業の場合、状況や時代に即したルールや制度などが早い段階で導入されたりすることも多いため、人によってはそういった環境のほうが合う人もいるでしょう。
第二新卒が大手企業に転職する方法
第二新卒で大手に転職したい方は、以下の方法を試してみてもよいでしょう。
中小/ベンチャー企業に転職してから大手を目指す
第二新卒の転職においても、やはり大手企業は人気です。採用人数も多いため第二新卒で転職できるチャンスも高いですが、優秀な人が多数応募するため、入社のハードルは決して低くはありません。
いまの自分の状態では大手への転職はむずかしそうという第二新卒は、中小やベンチャー企業に入社して大手企業を目指すというステップもひとつあります。
中小やベンチャー企業に転職して3~5年程度働き、そこでスキルやキャリアを積んでから大手企業へ転職するという方法です。
たとえば「自分は事業企画がしたい」という希望があるのならば、第二新卒でコンサルティング業界に転職しスキルアップをしたうえで、再度大手事業会社への転職にチャレンジするといった流れです。
もちろん、中小企業で経験を積んだからといって希望する大手に転職できる保証はありません。しかし、大手企業が必要とするスキルや知識を中小で身に付けることができれば、不可能なことではないでしょう。
転職に有利な資格取得をする
最近の企業では、応募者の保有資格を重視する企業は以前ほどは多くはありません。
具体的に資格として有益だと見なされるのは、以下のようなものです。
- TOEIC高得点など英語に関する資格(業務で英語を使う/海外と取引のある企業など)
- その業界に必要な専門資格(不動産業界の宅地建物取引主任者など)
まだ1社目で働いていて、次にやりたいことが明確なのであれば、在職中に転職に有利になる資格取得をするのもひとつの方法です。
ただし、資格取得に時間をかけすぎて転職の機会を逃してしまうことがないよう、第二新卒の需要を活用して転職し、そこから資格取得を目指すのもアリです。
転職エージェントを活用する
第二新卒での転職活動には、転職エージェントの活用がオススメです。転職エージェントはあなたの市場価値を見定め、あなたの将来のビジョンに合う会社を紹介してくれます。
自分で求人企業を探すことも可能ですが、相手企業と話をしていないと、実際の業務内容や会社の雰囲気が見えてきません。その点も含め、エージェントに相談を入れることが一番の近道です。
転職における書類作成、自己分析、面接対策、スケジュール調整などのサービスも無料で提供してくれるエージェントがほとんどです。はじめての転職となる第二新卒であれば、転職エージェントを活用しない手はないでしょう。
第二新卒が大手企業を目指す際の注意点
最後に、第二新卒が、大手企業への転職を目指す際の注意点をご紹介します。
何も考えず転職しない
あなたが何をやりたいのか、将来のビジョンも含めて明確でないままに転職すると転職活動に失敗したり、転職後も同じ不満を持ってしまう可能性があります。自分の人生において仕事に何を求めるのか、どのようなキャリアビジョンを描きたいのかはっきりしていないと、退職理由や志望動機に一貫性が生まれないためです。
第二新卒として転職活動をスタートする前に、まず自分が何に対して不満で、仕事に何を求めているのかを整理するところからはじめていきましょう。
「とにかく辞めたい」で転職しない
「とにかく今の仕事を辞めたい」という理由で転職活動をすることも、失敗の可能性が高まってしまいます。いまの仕事の不満を、自分のせいではなく会社のせいにしてしまうためです。
企業からするとわがままなイメージがついてしまい、転職活動において好印象にはなりません。
ただし、自分がブラック企業に勤めていることがあきらかな人は、すぐにでも辞める準備をしたほうがよいでしょう。まずは休職などでもよいので、自分の身を守ることを最優先にしたうえで、その先を考えることをおすすめします。
転職先を決める前に退職しない
転職先を決める前に退職してしまうことも避けた方がよいでしょう。退職から転職までに、空白期間が空いてしまう可能性があるためです。転職活動の際にも、無職の場合と仕事をしている場合では、企業側の持つイメージが変わってしまいます。
転職活動にはお金もかかりますから、長引けば金銭的に厳しくなってしまいかねないリスクもあります。できる限り今の仕事をしながら効率的に転職活動を進め、空白期間が空かないように調整していきましょう。
転職がうまくいかない時の原因や対処法については、以下の記事でもくわしくご紹介しています。
今後転職をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
第二新卒が大手企業に入社するチャンスはあります。ただし、第二新卒自体は転職市場で比較的有利ではあるものの、大手企業には高いスキルを持つ人や、前職も大手企業に勤めていたという人など、いわゆる「ハイスペック」な人も数多く応募してくるため、採用難易度は高めです。
第二新卒で大手企業を目指すほかに、まずは中小やベンチャーなどに転職してスキルやキャリアを積み、大手企業に挑戦する選択肢もあります。第二新卒で大手企業への転職を検討している方は、ぜひ一度ジェイックへご相談ください。
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