自分では一生懸命進めているつもりなのに仕事が遅くなってしまう、同じ作業をしているのに他の人の方が早い、などと悩んでいる人は多いものです。
しかし誰もが最初から早く仕事ができるとは限りません。仕事が遅いのは何かしら理由があることが多いのです。その原因を把握し改善していくことで仕事のスピードアップが図れるでしょう。
仕事が遅い3つの理由
仕事が遅いと感じてしまうのはあなた一人が悩んでいることではなく、多くの人が悩んでいます。
また、それには3大要因があると言われています。順に見ていき、解決していきましょう。
仕事が遅い理由その1:仕事の目的を理解していないから
一つ目が仕事の目的を理解せず作業をしていることです。
仕事には目的があります。しかし、なぜこの作業が必要なのか、何のための仕事なのかといったことを把握せずに仕事をしていないでしょうか?
目的を理解していないと、やらなくてもよい作業をしてしまったり、やらなければならないことをしなかったりする可能性があります。本来の目的とは関係のない仕事をすればその分時間がかかり、やるべき仕事を飛ばしてしまえば再度やり直しになり、やはり時間がかかってしまいます。
依頼者にとっては、時間がかかったうえに要望を満たしていない内容になってしまうため、評価が下がってしまう可能性もあるでしょう。
目的を明確にしないと仕事の優先順位も決められません。手当たり次第に仕事をしてしまうのは非効率です。気分によって適当に仕事をしていると、後回しにしていた仕事に時間がかかってしまうことも。その場合は慌てて作業をすることになります。
慌てればミスも起こしやすく、改めて仕事をやり直すことになってしまい時間がかかってしまう、ということもあります。目的を把握していればどの作業を優先すればよいかが分かり、スムーズに仕事に取り組めるでしょう。余計な時間をかけずにすむのです。
仕事が遅い理由その2:完璧に仕上げようとするから
仕事が遅い二つ目の要因は、完璧に仕上げようとするからです。
質の高い仕事をしようと完璧を求めるのは悪いことではありません。しかし卒なく、完璧に仕上げようとするほどたくさんの時間が必要になります。
特に50%の出来を60%にするためにかかる時間と、80%を90%にするためにかかる時間は同じではありません。質の高さを上げようとすればするほど時間がかかります。
また、自分が考える「完璧」と仕事の依頼者が求める「完璧」が同じとは限りません。方向性が違えば自分の仕上げた「完璧」はポイントを外してしまい、仕事がムダになってしまう可能性もあります。
さまざまな情報を盛り込んだたくさんの資料を作っても、結論がぼやけてしまえば依頼者は満足しないでしょう。資料のレイアウトや文字スタイルなど細部まで完璧にしようとすれば、時間がいくらあっても足りないということになってしまいます。
じっくり丁寧な仕事をすることは大切ですが、納期を守ることはもっと大切です。
仕事が遅い理由その3:人に頼れないから
仕事が遅い三つ目の要因としては、すべて自分一人で抱え込んでやろうとすることが考えられます。
依頼された仕事を自分で責任を持って遂行することは大切です。しかし、内容やスケジュールなどによっては周りの人のサポートを得ることも必要です。
他人に頼ってばかりということではいけませんが、何もかも自分一人で仕事をしようとすると時間がかかります。仕事を一人ですべてやろうとすると、見落としやミスなどに気づきにくいという点もデメリットです。
分からないことがあれば知識を持っている人に聞くことで解決しますが、それをせずに自分で調べたり、勉強したりするとその分も時間が必要になります。
また他の人から違う仕事を頼まれた場合、それを断ることができず、他の人に任せることもできないということがあればもっと仕事が増えてしまいます。仕事量が増え、自分の限界を超えれば肉体的疲労のほか精神的負担も大きくなり、仕事の進み具合が遅くなってしまうでしょう。
仕事が早くなるための7つのポイント
仕事が遅くなる要因を3つほど紹介しましたが、ここからはそういった人でも仕事が早くなる7つのポイントを紹介しましょう。
仕事が早くなるにはその1:ゴールを明確にしてから始める
一つ目のポイントは目的を明確にすることです。作業を始める前に、ゴールはどこか、目的は何か、といった点を明確にしましょう。
やらなければならないことと、やらなくてもよいことが明確になります。何のための仕事なのかをあやふやにしたままで作業をすれば、ムダな仕事も増えてしまいます。
作業をしていく中で「この仕事は必要だろうか?」と迷ったときでも、目的が分かっていれば判断しやすいでしょう。目的を明確にすることで仕事の優先順位も決めやすくなります。
仕事が遅い理由に書いた通り、最初に仕事の目的を明確にすることで、迷う時間も余計な仕事をすることもなくなり、結果仕事を早く終えることができるでしょう。目的がはっきりしない場合は、依頼者に確認することが必要です。
迷いながら仕事をするとやり直しになったり、仕事のペースが遅れがちになったりするので注意しましょう。
仕事が早くなるにはその2:こだわりすぎない
仕事が早くなる二つ目のポイントは、こだわりすぎないことです。依頼された仕事において重要なのは、依頼者が求めている内容であることです。
ポイントがズレてしまったり、依頼者が欲しかった内容がなかったりすればやり直しになってしまうでしょう。こだわりを持ちすぎると、自分の知っていることや得意な内容については細かくなりがちで、その部分に時間をかけることになってしまいます。
例えば、資料を作成する仕事をしているとして、デザインにこだわったとします。しかし内容が伴っていなければ、どんなに美しく見える資料でも意味がなくなってしまうでしょう。
見やすいレイアウトや読みやすい資料づくりは大切ですが、依頼者が求めている最も重要なことが手薄になり、デザインに時間をかけてしまうのは依頼者の要望を満たしていないことになります。
依頼者が希望する内容とこだわりが合っていれば質の高い仕事をしたことになりますが、そうでない場合は時間や手間がかかっている割には評価されないことになってしまうでしょう。
細部にこだわるのはメリットとなる場合もありますが、スケジュールや労力のことを考えた時間配分で行うことが必要です。
仕事が早くなるにはその3:人にすぐ相談する
仕事が早くなる三つ目のポイントは、人にすぐ相談することです。自分で考えて仕事を進めることも大切ですが、そのせいでスケジュールに間に合わないという事態は避けなければなりません。
仕事の早い人というのは、周りのサポートを上手に受けながら仕事を進めているものです。一から自分で調べたり学んだりするより、知識のある人や経験者などに聞いたり、教えてもらったりした方が仕事はかなり早くなります。
自分で何もかもやらないと気が済まないという人もいるでしょう。それは他人を信用していないとも言えます。しかし一人の力には限界があります。他人に相談することや教えてもらうことは恥ずかしいことではありません。
自分だけで仕事を進めるよりも、他人の知識や技術でサポートをしてもらうと仕事が早くなるだけでなく、勉強になることもあります。知らないまま進めていれば間違いやトラブルを引き起こすこともあるでしょう。インターネットや本だけでは得られない知識もあるものです。
経験者などに聞くことは、正確で求めている内容を得やすいと言えます。
仕事が早くなるにはその4:完璧じゃなくても早く仕上げる
仕事が早くなる四つ目のポイントは、完璧さを求めずにいかに仕事を早く仕上げるか、という点を意識することです。
依頼者に何も確認せず自分の思い込みで仕上げ、確認してもらったら意図が違っていて最初からやり直すことになる、ということがあります。途中で確認してもらう時間がもったいない、面倒だ、と思うかもしれませんが、すべて作り上げた後、また最初からやり直すのは時間も労力もムダになります。
すべてを完璧に仕上げる前に、方向性が間違っていないかどうかを確認してもらいましょう。新しい要望が出てくることもあり、より依頼者の求めている内容で仕事を進めることができます。
またはなるべく短時間で仕事を仕上げ、依頼者に確認してもらいましょう。その際に今後苦労しそうな点や時間がかかりそうな点を伝えれば、依頼者からアドバイスをもらえることもあるでしょう。
「巧遅は拙速に如かず」という言葉があるように、上手で遅いよりも、下手でも速い方がよいこともあります。まずはスピード重視で仕事を仕上げることを意識すること。その方が結果品質の高いものができることもあります。
仕事が早くなるにはその5:優先順位を決めて取り組む
仕事が早くなる五つ目のポイントは、優先順位を決めて取り組むことです。目的を明確にすることと同じくらい、優先順位を決めることは重要です。依頼者としては、絶対に必要なこともあれば、できるならやってほしいこと、があります。
まずは絶対に必要なことを行うことで、依頼者の要望に合ったものができます。そのうえで時間に余裕があれば、それ以外の仕事をしましょう。仕事の優先順位を決めることで、より質の高い仕事ができます。
好きな仕事ややりやすい仕事から行うと、納期が迫った時期に嫌いな仕事ややりにくい仕事が残ってしまいます。限られた時間の中で、やりにくい仕事をするのは焦るばかりでスムーズに仕事が進まないものです。焦ることでミスもしやすくなるでしょう。
精神的負担を軽くするためにも、先にやっておかなければならない仕事を確認し、順番に進めていくようにしましょう。
また、複数の仕事の依頼があった場合も同じことが言えます。言われた順番にやる前に、依頼者に納期を確認しましょう。仕事の優先順位を決めることで、スケジュールも立てやすくなり焦ってミスをするリスクも減るでしょう。
仕事が早くなるにはその6:今できることを後回しにしない
仕事が早くなる六つ目のポイントは、今できることを後回しにしないことです。メールの確認や返信、不在時にかかってきた電話の対応など、短時間ですむ仕事は先に片付けてしまうことがポイントです。
そのときにやってしまえばすぐにすんだのに、後回しにしたため、時間のないときに催促される羽目になったりすることも。焦って行えば失敗をしたり、対応が不適切になったりして、相手の気分を害してしまうなどといったこともあります。
「今できることを後回しにしない」、ということは裏を返せば「今できないことは今やらない」ということでもあります。気になる仕事はすぐにでも手をつけたくなるものですが、後からやった方が効率的な場合、今は手をつけないことも必要です。
仕事を早くするコツとしては、ランチの待ち時間や電車の中など隙間時間を利用することです。仕事の中には数分や数十分でできることもあります。隙間時間にできる仕事をリストにして、今すぐできる仕事をすぐに処理できるようにするのもおすすめです。
打ち合わせの約束が急になくなったなど、時間を持て余してしまうこともあるでしょう。そのような時間をムダにしないことも大切です。5分程度ならストレッチをしてリラックスするのもおすすめ。凝り固まった体がほぐれて血行がよくなり、集中力がアップします。
仕事が早くなるにはその7:常に整理整頓
仕事が早くなる最後のポイントは、常に整理整頓をすることです。整理整頓をしている暇があれば仕事をした方がよいのでは?と思う人もいるでしょう。
しかし、整理整頓することで、探し物をする時間が減ったり、必要な書類や資料をすぐに取り出せたりできるので、仕事の効率化が図れるのです。机の上やパソコンのフォルダの中、デスクトップなどの整理、資料棚などの整頓をしましょう。気分もよくなり、仕事へのモチベーションもアップします。
また情報の整理だけでなく、自分が抱えている仕事についても整理整頓が大切です。進行中の仕事の内容やゴール、進捗状況、次にやるべきことなどをチェックし、意識しながら進めていきましょう。
仕事の漏れやミスを防ぐことができたり、優先順位を確認したりしながら仕事ができるのでよりスムーズに作業が進みます。
仕事の状況を整理し確認しておくことで、「終わらないかもしれない」「トラブルが起こったらどうしよう」などの不安を取り除くこともできるでしょう。自分自身が状況を把握しておくことで、依頼者にもすぐに報告することができます。
自分だけでなく依頼者も安心することができ、信頼関係も深まるでしょう。
効率よく仕事に取り組もう!
これまで見てきたように、仕事が遅い人にはそれだけの理由があります。性格だから仕方ない、とあきらめる必要はありません。仕事をスピードアップする方法はたくさんあり、意識次第ですぐに実行できるものです。
自分の仕事のやり方を振り返り、弱点を理解することが大切。自分の弱点を改善し、工夫することで効率よく仕事に取り組みましょう。