WEB面接は新型コロナウイルスの影響により脚光を浴びており、企業も活用を進めています。就活生の中には、WEB面接の準備のやり方やマナーなどがわからない人も多いと思います。この記事では、対面面接との違いや、WEB面接だからこそのポイント・注意点を解説します。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
WEB面接とは
WEB面接は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ意味でも注目されています。WEB面接の意味や現状、対面面接との違いなどについて知りましょう。
WEB面接とは
WEB面接とは、パソコンやスマートフォンのビデオチャット機能を利用して行う面接のことです。多くの場合Skypeを利用しますが、アカウントの作成が不要な「appear.in」というWEBサービスを利用することもあります。
従来は面接といえば、求職者が企業を訪れて対面で受けるものでした。その場合、例えば地方の学生が東京の企業を受けようとすれば、交通費や移動の時間などの負担が重くのしかかるため、都内や周辺に住む人に比べるとかなり不利な状況でした。しかし近年ではWEB面接を導入する企業が増え、最終面接以外はWEBで行うケースも多くなったため、求職者にとってはコストの大幅な削減につながっています。
WEB面接の特徴
それでは、WEB面接の特徴について解説していきましょう。対面の面接とはどこが違うのか、あるいは違わないのかについて見ていきます。
特徴1.面接会場に行かなくて良い
先に説明した通り、WEB面接は必要な環境さえ整えれば自宅で受けることができます。これは、特に遠方の企業を受けようとする学生にとっては大きな利点です。遠方から企業を訪れるためにはその都度高額の交通費や長い移動時間がかかりますが、学生の多くは複数の企業を受けるため、その負担はトータルで非常に大きなものになります。この負担が軽減されれば、地方に住んでいても不利にならず、多くの企業を手軽に受けることが可能になるのです。
企業の側から見ても、WEB面接には大きなメリットがあります。慢性的な人材不足に悩む企業にとって優秀な人材を確保できるかどうかは死活問題ともいえますが、WEB面接を導入すれば遠方(場合によっては海外も)の学生にも広くアプローチできるのです。求職者の数を増やせば、それだけ多くの有能な人材を採用することができるようになります。さらに面接会場の準備などの手間もなくなるため、採用担当者の負担も大いに軽減することができます。
特徴2.基本的なことは通常の面接と変わらない!
WEB面接というと何か特別なものという感じがするかもしれませんが、企業へ出向かなくてよいという点が違うだけで、内容的には通常の対面で行う面接と変わりはありません。きちんと挨拶をすることから始まり、面接官からの質疑応答があり、退室時も挨拶をして終了します。違うのは入室=ログイン、退室=ログオフ、となることぐらいです。
自宅で受けるからといって、緊張感のない態度や受け答えをするようなことがあってはいけません。目の前に生身の面接官がいないだけについ気が緩んでしまうこともありがちですが、そういったことのないよう、むしろ対面の面接以上に気を引き締めて臨む必要があるといえるでしょう。
通常の対面面接と同じく、注意すべき点は以下の通りです。
- 言葉遣いやマナー
- 服装や髪型
- 面接の流れや質問内容
これらができていないと相手の印象を悪くし、自分の評価を下げることにつながるので注意しましょう。本当に相手が目の前にいて対面で面接を受けている、というつもりで臨むことが大切です。
特徴3.オンラインを意識した準備は必要
対面面接と同様の準備や心構えが必要な一方、WEB面接ではオンラインを意識して準備することも必要です。インターネットを利用するため、対面面接では起こらないようなトラブルも起こり得るからです。パソコンやスマートフォンの利用環境によっては、通信に不具合が出るといった状況も想定できます。そうしたことが起こらないよう、自宅のネット環境を確認したり必要なソフトウェアを用意するといった準備はもちろん、万が一のトラブルの際にも対応できるような準備も必要です。
また、ネット環境によっては通信中にタイムラグが発生する可能性もあります。そうなった際でも必要な情報が相手にきちんと伝わるよう、工夫をすることも大切です。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
WEB面接の現状
2020年卒の学生へのアンケート結果では、就活のなかでWEB面接を経験した人は全体の20.2%で、2019年卒の学生の11.5%とくらベるとおよそ倍になっています。新型コロナウイルスが流行する前から、WEB面接を導入する企業や利用する学生の割合が増えてきていることがわかります。(出典:「マイナビ学生就職モニター調査」)
また、日本でWEB面接の普及・認知がひろがってきたのはここ最近ですが、アメリカなどではすでに、人材採用の場でデジタル面接やオンラインインタビューが活用されています。
IKEA、ユニリーバ、アディダス、ボッシュ、レノボなど、海外の有名企業でもWEB面接を導入していることがわかっています。WEB面接を利用したことで採用工程にかける時間を大幅に短縮できたり、優秀な人材を採用できたりしているという結果も出ているようです。
新型コロナウイルスが収束してからも、就活生がWEB面接を受ける機会は増えることが予想されます。
就活がどうなるのか気になる就活生は以下の記事を確認しましょう。また、WEB説明会も増えてきています。同様に記事で紹介しています。
21卒以降の就活生は、就活がどうなるのか気になる人も多いと思います。対策の時期なども含めて考えていきましょう。
WEB面接の種類
WEB面接で利用されるツールは、おもに以下の2種類に分けられます。これからWEB面接を受ける可能性がある就活生は、参考までに知っておきましょう。
無料ツール
Skype、Googleハングアウト、Whereby、Zoom、Chatworkなどの一般的なビデオツールです。
これらのツールを利用して離れた場所に住む家族や友人と会話をしたり、大学やサークル活動の話し合いやミーティングをしたりした経験がある就活生もいるかもしれません。
新卒採用では、WEB面接の対象人数が少ない企業、実験的にWEB面接を取り入れている企業、設立間もないベンチャーなどコストをあまりかけられない企業などで使われることがあります。面接ではなく、就活生と実際に働く社員との交流の場に使われることもあります。
有料ツール
企業側が費用を支払って導入しているツールです。インタビューメーカー、V−CUBE、Facehub、playse、HARUTAKAなどがあります。
WEB面接を受けたことがない就活生にはあまりなじみのないツールかもしれませんが、むずかしい事前手続きなどはほぼ必要なく、基本的には企業側の指示にしたがって利用すれば問題ありません。
新卒採用では、地方からの応募も見込んでいる企業、採用過程でWEB面接の占めるウエイトが一定数ある企業、応募者が多い人気・大手企業などで使われることがあります。録画機能などのサービスを備えたものが多く、WEB面接に適したツールです。
WEB面接と対面面接の違い
WEB面接の場合、対面面接とくらべると以下のような部分が異なります。
話す内容が重視されやすい
1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」によると、人が話をするとき、そこから読み取る情報は視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%であるといわれています。
つまり、会話をするとき、人は表情やリアクションから読み取る情報がもっとも多く、次いで声のトーンや話すテンポが重視され、話している内容そのものは、実はそれほど相手に影響を与えているわけではないということです。
しかし、WEB面接は画面越しのやりとりのため、細かい表情などの非言語情報は伝わりにくい性質があります。そのため、対面面接よりも話している内容がより重視される可能性が高いといえます。
企業側が録画可能なツールを使ってWEB面接をしている場合、面接の様子を録画して、あとから内容を聞き直して合否の参考にすることもあるでしょう。
ややコミュニケーションが取りにくい
対面面接の場合、企業は就活生と直接会って話すことで「この会社に入りたい」という熱量が伝わってきたり、ちょっとしたやりとりから人間性が垣間見えたりすることがあります。
WEB面接の場合、電波環境によっては会話にタイムラグが生じたり、声や見た目が、実際とは異なった印象を与えたりすることがあります。画面を通じたコミュニケーションのみだと、対面とくらべるとどうしても機械的な印象を与えてしまうことは否定できません。
選択肢が広がる
WEB面接は、就活生にとっても企業にとっても出会いの選択肢を広げてくれる方法です。
WEB面接を受けられる機会が増えることで、地方に住む就活生が都市部の企業にエントリーしたり就職したりすることへのハードルが下がります。「面接を受けるたびに飛行機や新幹線で東京へ行くのはむずかしいからあきらめよう」ということもなくなり、就活生は積極的に気になる企業の面接を受けられます。
都市部に住んでいる就活生にとっても、面接のたびに企業をおとずれることで交通費がかさむことがあります。「ちょっと気になる企業があるけれど、面接の交通費や往復時間がかかるから受けなくてもいいか」という姿勢でいると、自分とマッチする企業との出会いを失ってしまう可能性がありますが、WEB面接ならばその心配もありません。
WEB化が今後は進むことが予想されているので、就活生は早めに慣れておきましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
WEB面接の準備~面接までの流れとやり方
WEB面接にのぞむ前に就活生が準備しておく必要があること、実際のWEB面接の方法などについて知りましょう。
- WEB面接前に準備すべきこと
- 当日までに確認しておくべきこと
- 企業側に確認しておくべきこと
- WEB面接におけるおすすめの場所と環境とは
- WEB面接のセッティングと服装
- WEB面接のやり方
WEB面接は慣れると簡単に面接ができますが、慣れるまでに時間がかかるものでもあります。企業との面接の前に慌てて行うのではなく、前もって準備して余裕をもって面接をできるようにしましょう。
WEB面接前に準備すべきこと
WEB面接を受ける前に就活生が準備すべきことは、おもに以下となります。
必要なもの
ビデオ通話ができる機材
WEB面接を受けるためにはパソコンもしくはスマートフォンが必要なので準備しておきましょう。ビデオチャット機能が使えればパソコンとスマホのどちらでもWEB面接は可能ですが、できればパソコンを用意するのがおすすめです。その一番の理由は、音声や画像が安定していることです。スマホもきちんと固定しておけば画像がブレてしまうということはありませんが、パソコンに比べるとうっかりずらしたり落としたりという心配があります。また、途中で別の通知や着信が入り邪魔になる、という恐れもあります。万全を期すという意味ではやはりパソコンの方が安心です
また、在学中はパソコンに触れる機会がほとんどなかったという人も、就職すると職種によっては業務でパソコンを使うことが多くなります。その準備としてこの機会にパソコンに慣れておく、というのもよいかもしれません。
インターネット環境
WEB面接は、有線LANを引いている自宅など、安定した通信ができる環境でおこなうのがおすすめです。ポケットWifiなど、通信が不安定になる可能性があるものを使用するのはできれば避けましょう。
資料
企業に関する資料や応募時のエントリーシート、面接で予想される質問と回答のメモなど、面接の受け答えの途中で役立つ可能性のある資料は、事前にプリントアウトして手元に置いておくか、パソコン画面などに貼り付けておきましょう。
イヤホン・マイク(必要に応じて)
スマートフォンにはカメラやマイクが内蔵されていますが、パソコンも最近のものは多くがカメラとマイクを標準搭載しています。パソコンを新たに購入するのであれば、カメラとマイクが搭載されたものを選ぶとよいでしょう。搭載されていないものでは、外付けのものを別途購入して接続する必要があります。
カメラとマイクが内蔵されたパソコンやスマホを購入したら、必ずテストをしてみましょう。ものによっては映像や音声の質が悪く、使いにくいこともあります。外付けタイプは内蔵のものに比べて高性能な製品が多いので、内蔵のものが満足のいく品質でなかったり、より高画質・高音質を求めるのであれば、外付けのものを使うのがおすすめです。
面接官の声をクリアに聞き取るためには、イヤホンやヘッドホンがあると便利です。ヘッドホンとマイクが一体化したヘッドセット(テレフォンオペレーターがよく使っているもの)を使用するのもよいでしょう。
必要であればSkypeのアカウントを作成する
WEB面接に使われるソフトにはいくつかの種類がありますが、中でも特によく使われているのがSkypeです。Skypeは登録無料のビデオ通話アプリで、ビジネスの現場でよく利用されているため、WEB面接でもSkypeを指定してくる企業が多いです。もしSkypeを指定された場合はあらかじめダウンロードし、アカウントを作成しておく必要があります。
すでにアカウントを作って友達とのやり取りに利用しているという人もいるかもしれませんが、その場合はユーザーネームやプロフィールの写真を見直し、面接にふさわしいものに変えておきましょう。ユーザーネームは本名にしておきます。アカウント名が面接にふさわしくないものである場合、変更はできないので面接用のアカウントを新たに取得しましょう。
設定が終わったら、本番前に一度テストをしておくのがおすすめです。試しにSkypeを利用している友人と通信してみるのがよいですが、Skypeの「echo123」という機能を利用すれば、通信相手がいなくてもサウンドとマイクの機能が正常に動作しているかどうかを確認できます。
当日までに確認しておくべきこと
機材の状態
ふだんビデオ通話などを利用していないと、いざWEB面接の本番になってから音声が出なかったり、映像がうまくつながらなかったりするなどのトラブルが起きる可能性があります。
最悪の場合、面接官をパソコンの前で長時間待たせてしまったり、接続できず面接が受けられなかったりすることもあり得るため、注意が必要です。最低限、機材がきちんと使えるかどうかを確認しておくことは必須です。
ビデオ通話を利用した会話
WEB面接を受けることが決まったら、家族や友人などを相手にビデオ通話を利用した会話に慣れたり、WEB面接の練習をしたりすることをおすすめします。複数回利用することで、ビデオ通話を使った会話が自然にできてくるようになるでしょう。
対面面接とは異なるため、慣れていないと、本番でスムーズに話せない人もいるかもしれません。できれば面接の最初から最後まで通しで練習をおこない、フィードバックをもらうようにします。「聞き取りにくい」「表情が暗い」などのフィードバックがあった場合、本番までに改善できるようにしておきましょう。
本番と同じ環境でテストしておく
ここまでの準備ができたら、本番さながらの環境で一度リハーサルをしておきましょう。リハーサルをしておくと本番で慌てずに済み、落ち着いて臨むことができます。
まず必要なのは機器のチェックです。映像をチェックしながらカメラの最適な位置を決め、明るさも調整しておきます。映像が暗いと相手に暗い印象を与えてしまうので、もし暗く映るようなら自分の顔に向けてライトを当てるような工夫も必要です。服装は対面面接のときと同じくスーツを着用し、髪型もきちんと整えておきましょう。背景には余計なものが映っていたら、映らない場所まで移動しておきます。
WEB面接の場合、対面面接と違って想定される質疑応答などを書いたメモを手元に用意しておくことができます。ただし、メモを見るために目線が下を向くのはNGです。WEB面接では自然なカメラ目線を心掛け、明るく堂々とした印象を与えることが大切です。メモを使用する場合は目線の先の壁に貼り付けるなど、目線をそらさないでも見られるようにしておくのがよいでしょう。このあたりもリハーサルでチェックしておくと安心です。
企業側に確認しておくべきこと
機材の指定の有無
企業によっては、就活生が使用する機材の種類を指定しているところもあります。機種などの細かい指定があるところは少ないにしても、パソコンのみOKでスマートフォンの使用はNG、という企業もあります。
とくにスマートフォンの場合、WEB面接中に電話やLINEなどの連絡が届くなどして面接が中断されてしまう可能性もあるため、パソコンを利用するよりもリスクがあります。また、面接官によっては軽い印象を与えてしまうかもしれません。
なんらかの事情でパソコン以外の端末を使用する予定がある就活生は、OKかどうかをあらかじめ企業側に聞いておきましょう。
事前に準備すべきことはあるか
WEB面接はほとんどの場合、企業側が利用しているツールを使っておこないます。場合によっては、ツールの事前登録やダウンロードなどの作業が必要になる可能性があります。直前になってあわてないよう、事前にやっておくことがあるかどうか確認しておきましょう。
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WEB面接におけるおすすめの場所と環境とは
WEB面接を受ける場所はオフィスではないぶん、就活生自身が場所や環境をととのえておくことが求められます。就活生は、以下に注意してWEB面接にのぞみましょう。
場所
WEB面接を行う場所は、周囲が静かで雑音がなく、インターネット接続が安定している場所を選びます。周囲に雑音があると自分も面接官も気が散りますし、お互いに相手の声がよく聞き取れないこともあります。そうなってしまうと面接がスムーズにいかなくなるので、雑音がないということは重要です。また、ネット接続が不安定だと途中で切れてしまうこともあるので、カフェなどの安定性の悪い公衆Wi-Fiはおすすめできません。
これらの条件を満たす場所ということで、最もおすすめなのは自宅です。自宅に光回線などの安定したネット環境があるのであれば、プライバシーも守れるので最適な場所といえるでしょう。ただし自室で行う場合、部屋が散らかったままだとそれが映り込んでしまって悪い印象を与えることがあります。部屋は必ずきれいに片づけ、背景をスッキリさせておきましょう。
自宅にネット環境が整っていない場合は、大学の自習室やパソコン室、ホテルのラウンジやコワーキングスペースなどもおすすめです。
環境
WEB面接でなによりも大切になるのが、インターネット環境です。自宅で日常的にインターネットを利用している場合でも、加入しているプランによっては速度制限がかかっていたり、ほかの端末と併用して使うことで速度が遅くなったりしていることもあります。
また、利用料金の払い忘れや契約期間の終了などで、自宅のインターネットが使えなくなっている可能性もあります。WEB面接の前日や当日の数時間前には、インターネット環境に問題がないかどうか確認しておきましょう。
WEB面接のセッティングと服装
WEB面接では企業側の面接官と直接顔を合わせないからこそ、就活生は相手によりよい印象を持ってもらえる工夫をしましょう。事前のセッティングや当日の服装のポイントをご紹介します。
セッティング
WEB面接のセッティングをおこなう際は、背景の映り込みに注意します。部屋が散らかっていたり、キッチンや干した洗濯物が映り込んでいるなど、生活感が伝わってしまうとマイナスの印象を与えることがあるため、できるだけ壁を背景にするなど工夫しましょう。
机・椅子の高さやパソコン・スマートフォンの角度も調整しましょう。パソコンやスマートフォンが自分よりも低い位置にあると、企業の面接官が見たときに、相手を見下げるようなかたちになってしまうことがあります。また、LINEや通話などの通知・着信音が鳴らないように設定しておくことも大切です。
服装
通常、就活生は面接にリクルートスーツを着ていくのが一般的です。WEB面接の場合は上半身の一部しか映らないため、服装に迷う就活生もいるかもしれません。WEB面接の服装の指定がない場合は、スーツを着ておけばすくなくとも失礼な印象は与えないため、おすすめです。
ただし、たとえば新進気鋭のITベンチャーなどで自由な企業風土の場合、リクルートスーツが堅苦しい印象を与えてしまう可能性もゼロではありません。服装が気になる就活生は、WEB面接の前に企業側に聞いておけば安心です。
WEB面接のやり方
対面面接では、決められた時間・場所になったら指定された部屋へ入室し、面接がスタートします。WEB面接の場合も基本は同じですが、インターネットを介しておこなうため、手順などが異なることがあります。
事前に企業から「○時になったらビデオツールにログインしてください」などの指定がある場合は、そのとおりにします。指示がない場合は、余裕を持って10分前にはログインしておくようにします。メッセージやチャット機能などがある場合、ログインしたことを企業に知らせます。企業からコンタクトがあったら応答し、そこからWEB面接がスタートします。
細かい進め方は企業の方針や利用するツールによっても異なるため、いずれにしても、WEB面接が決まった時点で確認しておくことをおすすめします。万が一うまくつながらないときなどもあせらず、面接官に確認しながらすすめていきましょう。
通信トラブルに備えておく
機器のチェックをし、リハーサルを入念に行うなど事前の準備を重ねても、当日予期せぬ通信トラブルに見舞われることがあります。WEB面接ではネット回線を使用する以上、このリスクは避けがたいものです。大事な話の途中で通信が途切れてしまった場合、緊張していただけに一瞬どうしていいかわからなくなることもあるかもしれません。そのため、通信トラブルへの備えをしておくことも重要です。
WEB面接を受ける際は、事前に緊急連絡先を確認しておきましょう。もし面接中に通信が切れてしまったら、緊急連絡先に連絡し、この後どうするかを相談します。多くの場合パソコンを再起動したり、アプリのログインをし直すなどして面接を再開することになるでしょう。再接続が不可であれば、新たに指示を受けることになります。
起こりうるトラブルに対しては、あらかじめ対処法をしっかり確認しておけば安心して面接を受けることができます。不測の事態が起きても落ち着いて対処できるので、むしろ先方に対する良いアピールになるかもしれません。
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WEB面接におけるマナー
WEB面接では、通常の対面面接と同じようにマナーを守りましょう。以下のことに注意すれば、WEB面接での失敗やトラブルを避けられます。
- 時間に余裕を持ってスタンバイする
- 好印象を心がける
- 身なりをととのえる
- 音が鳴る可能性があるものはオフにする
- プロフィール画像に注意する
- カメラを見て話す
- 資料を見るときは自然に
- 聞き取りやすい声や間で話す
- お礼のメッセージを忘れない
それぞれのマナーについて解説します。WEB面接の際に意識して取り組むようにしましょう。
時間に余裕を持ってスタンバイする
対面面接を受ける場合、遅刻しないよう早めに現地についておくという人は多いでしょう。WEB面接の場合も、時間を守ることは重要です。時間厳守というのは社会人の基本なので、決められた時間に遅れるということはそれだけで大きく評価を下げることになります。
WEB面接の場合は、早めにスタンバイしておくべき理由がもう一つあります。それは、接続のトラブルに備えるということです。特にWEB面接が初めてで、Skypeなどのツールを使い慣れていない人の場合は、緊張もあって操作にまごついてしまいうまく接続できないという事態もあり得ます。そうしたことのないよう、10分前にはスタンバイしておきたいものです。
好印象を心がける
WEB面接は直接企業に出向くわけではないため、どうしても就活生側は緊張感に欠けてしまうことがあります。しかし、貴重な選考の場であることには変わりありませんし、企業側から見られているところも、基本的には対面面接と同じです。むしろ実際に顔を合わせるわけではないため、印象をよりよく見せることが大切になってきます。
面接開始や終了時には「よろしくお願いいたします」「本日はお忙しいなかありがとうございました」などと頭を下げてあいさつしたり、面接官が質問をしている際には目線を合わせたり、うなずいたり、明るい表情で話したりすることなどを意識しましょう。
身なりをととのえる
WEB面接では全身が映らないからといって、油断は禁物です。たとえば、シワのよったジャケットを着る、下半身がジーンズなどの私服である、キャラクターもののひざかけを使っている、などです。相手からは見えていないと思っていても実は見えていたり、ふとしたタイミングで映ってしまう可能性があります。
おなじく、髪型やメイクにも気を抜かないようにしましょう。現在は解像度がよいビデオツールも多いため、自分が思っているよりもバレてしまう可能性が高いといえます。
音が鳴る可能性があるものはオフにする
WEB面接で禁物なのが、周囲の雑音です。パソコンの場合はアラーム音などがなってしまわないよう、不必要なソフトはすべて終了しておきましょう。スマホは着信音がならないよう、マナーモードにするか電源を切っておきます。マナーモードの場合もバイブ音は切っておきましょう。こうした心配りは、対面でないとつい忘れてしまいがちなので特に注意が必要です。
また、自宅でWEB面接を受ける場合、実家暮らしの人は家族に協力を頼んでおくことも大切です。面接の途中で話しかけたり、周りで音をたてたりすることのないよう、事前にきちんと話をしておきましょう。
プロフィール画像に注意する
たとえばSkypeやFacebookメッセンジャー、Chatworkなどの無料ツールを利用してWEB面接をおこなう場合、事前に自分のプロフィール画像のアイコンをチェックしておきましょう。
好きなアニメのキャラクターやタレントの画像などに設定している場合、WEB面接であっても面接の場にはそぐわないため、自分の顔写真などに変えておくことをおすすめします。
カメラを見て話す
WEB面接の場合、慣れていないとパソコンやスマートフォンの画面そのものを見て話しがちですが、実は、カメラを見て話さなければ、相手とは目が合わないことがほとんどです。
画面のほうを見たくなる気持ちはわかりますが、できるだけカメラを見ながら面接官の話を聞いたり、話したりすることを意識しましょう。
資料を見るときは自然に
WEB面接の場合は資料を用意して面接にのぞむことができますが、資料をチラチラ見たり、資料のほうばかり見て話したりすると逆効果です。本来であれば、面接では資料を見なくてもスムーズに回答できるようにしておくのが基本です。
やむを得ず資料を見る必要があるときはサッと目を通すか、パソコン画面に貼り付けて顔の角度や目線をなるべく変えないように確認するなどの工夫をしましょう。
聞き取りやすい声や間で話す
WEB面接では、自分が思っているよりも小さい声でしか相手に届いていない可能性があります。何を言っているのか聞き取りにくい場合は聞き返されたりして、面接がスムーズにすすまない可能性もあります。WEB面接では、ふだんよりもはっきりと大きな声で話しましょう。
質問に答える間合いも大切です。WEB面接の場合は会話にタイムラグができることがありますが、食い気味になってしまわないよう、質問されたらひと呼吸置いてから答えるようにします。
お礼のメッセージを忘れない
対面面接では、面接が終了したその日が次の日の午前中などに、企業側に面接のお礼を伝えるメールや手紙をおくるのがのぞましいとされています。
WEB面接の場合も、よほどの事情がない限りはお礼のメッセージをおくると好印象です。面接官と直接会えないからこそ、感謝の気持ちや「この会社に入りたい」という熱意を伝えられる手段は活用しましょう。
実際の対面型の面接と気を付けることは異なると考える就活生も多いかもしれません。しかし、本質は同じです。対面型の面接を受ける予定があり不安がある就活生は、以下の記事で対策をご紹介していますので参考にしてみましょう。
面接におけるマナーは、社会人になっても必要なスキルになります。「社会勉強」と考えて、マナーを把握しておきましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
WEB面接のよくある失敗
WEB面接のよくある失敗についてご紹介します。就活生は、WEB面接で以下の失敗をしがちなので注意しておきましょう。企業側はWEB面接の経験は少ない企業が多いものの、面接自体の経験は豊富です。面接中の就活生の動きや挙動で余計な減点が生じてしまう可能性もあります。マイナスな印象を未然に防げるように準備しましょう。
失敗1.カンペがばれないと思っていたら…
WEB面接のマナーでも紹介しましたが、企業によっては資料を見てもよいという企業もあるでしょう。ただし、必ず企業への確認が必要です。企業への確認なく資料などを見ていると、必ず面接官は視線などで気付きます。
面接官によっては、いわゆるカンペを見ることを好ましく思わない人もいるでしょう。「準備をしっかりとしてきている就活生」と判断するか「カンペを見ないと話せない、臨機応変に対応できない就活生」と判断するかはわかりません。企業が求めている人物像によっては、マイナス評価になるかもしれません。失敗しないよう、事前の確認を徹底しましょう。
失敗2.面接中に宅急便などの対応が…
面接中は、必ず集中ができる環境を整えて挑みましょう。実家暮らしの就活生は必ず両親や家の人に確認を取り、面接を行う旨を伝えておきましょう。実際に、面接中に宅配便が届いてインターフォンが鳴り、面接を中断するというケースもあるようです。
その程度では大きなマイナスにはなりませんが、企業側からすると「面接の時間は前もって決まっていたのに、宅配便が届く時間の調整くらいできなかったのか」という見え方になるのも事実です。
「志望度が低いのかも」「面接の練習だと思っているのかな」などと面接官に勘違いされてしまうのはもったいないことです。面接中は、面接のみに集中できる環境を整えておきましょう。
失敗3.使用するアカウント名や写真が…
WEB面接の場合は、使用するアカウント名や企業側に見える写真も必ず確認しておきましょう。失敗としてよくあるのが「使用するアカウント名があだ名である」「写真がプライベート写真である」などです。
場合によっては企業側から、ありのままの就活生を見たいということで変更しなくてもいいという指示がある場合もあるかもしれません。そういった例外が無い場合は、必ず変更をしておきましょう。
失敗4.インターネット回線が…
面接中によく起こる失敗や問題が、インターネット回線がうまく接続できていないことです。面接も本質はコミュニケーションです。インターネット回線がうまく接続できていないことでスムーズにコミュニケーションが取れなかったという失敗を、就活生はWEB面接でよくやってしまいます。
対策としては、自宅ではなくインターネット回線が安定しているところでWEB面接を受けることや、どのような場合にインターネットの回線が不安定になるのかを把握しておくことなどがあります。
ただし就活生側ではなく、企業側の回線に問題がある場合もあります。回線のせいでコミュニケーションがスムーズになっていないときは、面接官に相談をして冷静に対応しましょう。そういった想定外の事態が生じた時に、どのような対応をするのかによって企業側からの印象は別物になります。
想定外のことが起こるかもしれないと考えたうえで、WEB面接に挑みましょう。
失敗5.カメラの取り付け位置や背景が…
カメラの位置や取り付けに関しては、男性の就活生はとくに気を付けてください。照明の角度によっては顔が良く見えず暗く見えてしまったりして、そうなると、面接中に内容がどれだけよくても悪い印象をもたらしてしまう可能性があります。
背景については、一番は白のシンプルな背景がおすすめです。生活感などが見えると面接官によっては好ましくないと判断する可能性もあるので、面接中だけでも片付けておきましょう。
WEB面接を行う前に、就活性の友達と背景やカメラの位置や取り付けの確認をし合うと安心です。企業の面接官から自分がどのように見えているのか、事前に必ず確認をしておきましょう。
WEB面接でも就活生がするべき対策は同じ
WEB面接は対面面接とは異なる方法のため、はじめてWEB面接を受ける場合は就活生の準備も大変かもしれません。しかし、企業も新型コロナウイルスの対応に追われて忙しかったり、自社の採用活動の過程で学生が感染してしまったりすることは避けたいと考えているため、就活生がWEB面接を受ける機会は今後も多くなることが考えられます。
WEB面接であっても面接であることには変わりなく、就活生がやるべき対策は基本的には同じです。そのうえでWEB面接の全体の流れや必要な準備、企業ごとのやりかたなどを事前に把握しておけば安心です。本番では開始前に接続状況などの不備がないかどうかを先方に確認してから、万全の体制でWEB面接にのぞみましょう。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
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