中卒の仕事や就職について知りたいと思っていませんか?
この記事では、中卒の現実や仕事の特徴、おすすめお職業、5つの就活方法を解説しています。記事を参考に就活・転職活動をしてみてください。
中卒の現実
中卒の現実を解説します。正直、高卒や大卒と比べると、中卒の就職状況は厳しいです。
まずは現実を知って、対策を立てていきましょう。
企業から見た中卒のイメージ
企業側から見た中卒のイメージは、下記のとおり。
- 嫌なことに耐えられない
- 成長意欲がない
- 社会人の基礎ができていない
決してあなたが上記のような人でなくても、「中卒」というだけでどうしても悪いイメージを持たれてしまいます。
就職・転職するときも、「中卒のイメージは悪い」ということを知っておきましょう。
中卒の正社員率
厚生労働省の「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、学歴別の正社員率は下記のとおりです。
- 中卒35.4%
- 高卒56.3%
- 大卒80.9%
参考:厚生労働省「平成30年若年者雇用実態調査の概況」
大卒と比べると、中卒の正社員率は半分以下です。中卒10人中、正社員なのは3~4人しかいません。
中卒で正社員の人は、かなり少ないことがわかりますね。
学歴社会が衰退しても中卒の風当たりは強い
人口が減少して、誰でも大学に入れる時代になったことで、学歴の価値は下がっています。「学歴社会⇒実力社会」の風潮も強くなっています。
高卒と大卒の差が減ってきているのも事実です。それなのに、中卒だけはなかなか印象が変わりません。
中卒と高卒の間には、いまだに大きな壁が存在します。
中卒の人は実力で戦う
後述しますが、中卒の人はスキルを身につけるのがおすすめです。学歴を上回るスキルがあれば、多くの企業から欲しがられる存在になれるからです。
そのため、手に職がつく仕事でスキルを磨いていくとよいでしょう。
おすすめの職業は、記事の後半で解説しています。
中卒の仕事の特徴
次に、中卒の仕事の特徴をいくつか紹介します。
中卒の平均年収
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で計算すると、中卒の平均年収は約380万円です。
ちなみに、高卒と大卒の平均年収は下記のとおりです。
- 高卒:約428万円
- 大卒:約615万円
中卒の年収が低いことがわかります。
中卒の男性の仕事の特徴
中卒の男性の仕事は、肉体労働系が多いです。肉体労働系の仕事は、学歴を問われないことが多いからです。
具体的には、下記のような仕事です。
- 建設作業員
- 工場作業員
- トラックドライバー
- タクシードライバー
中卒の女性の仕事の特徴
中卒の女性は、サービス業が多いです。サービス業も、学歴を問われない仕事が多いからです。
具体的には下記のような仕事です。
- 飲食系
- 接客業
- 販売職
夜の仕事から抜け出せない女性は多い
中卒の女性は、夜の仕事に就く人も多いです。一般的なサラリーマンより稼げるので、何年も続ける人もいます。
ただし怖いのは、年齢を重ねてから。
年齢を重ねるほど状況は厳しくなり、普通の企業への就職は困難になります。
夜の仕事は、終わりを決めておくのが重要です。
中卒ではなれない職業
反対に、中卒でなれない職業は、主に下記の2種類があります。
- 学歴が必要な仕事
- 学歴が必要な企業
医師/看護師/歯科医師
大企業/高卒以上を募集している企業
高校に行くのも1つの手です
どうしてもやりたい職業があって、学歴が必要なら、高校に行くのも手です。今は通信制高校も増えているので、学習はしやすくなっています。
残念ながら高卒認定だと認めてくれない企業もあるので、できれば高校を卒業する方が有利ですね。
ただし、目的のない進学はNGです。明確になりたい職業があって、学歴が必要な場合だけ、高校進学を検討しましょう。
中卒におすすめの仕事
就職に制限がある中卒ですが、中卒でも就職できるおすすめの仕事は、下記の9つです。
- 営業職
- ITのエンジニア
- 公務員
- 販売職
- 建設業
- 製造業
- ドライバー
- 飲食店
- 接客業
1つずつ解説します。
1.営業職
企業によりますが、営業職は中卒でも就職できます。学歴よりも「売れる力」が問われるからです。
中卒でも、売れる力があれば稼げます。
営業は実力主義の仕事なので、学歴は関係なしです。
営業職なら大卒以上に稼げることも
営業の種類にもよりますが、大卒より稼げるケースもあります。
営業職の給料形態は、以下のような会社が多いです。
- 基本給
- 歩合給
たくさん売れれば「歩合給」で稼げるので、大卒以上に稼げる人もいます。
もちろん簡単な仕事ではありませんが、コミュニケーションスキルで稼げるのが営業の魅力です。
2.ITのエンジニア
中卒でも、ITのエンジニアとして就職できる企業もあります。ITのエンジニアは、学歴よりもスキルを重視されるからです。
具体的には、以下のような職種が該当します。
- プログラマー
- インフラエンジニア
- Webデザイナー
まだまだITは伸びる
IT業界の発展は、まだまだ先があります。
- AI
- 5G
- ロボット
今後も上記のような技術はまだまだ進歩していきます。
上手に生きるコツの1つは、時代の波に乗ることです。IT業界は波にのっているので、今のうちにスキルを身につけると将来も安定します。
3.公務員
公務員の種類によっては、中卒でも就職できます。公務員は、学歴で区別しないからです。
中卒でも就職できる公務員を、一部紹介しておきます。
- 税務職員
- 航空保安大学校学生
- 気象大学校学生
- 海上保安大学校学生
- 海上保安学校学生
- 入国警備官
- 皇宮護衛官
公務員は勉強が必要
公務員は学歴で区別されないメリットがありますが、公務員試験の勉強が必要です。
受験する公務員の種類によりますが、一般的には以下のような科目が試験内容になっており、学校の勉強内容に近いです。
- 国語
- 数学
- 社会
- 英語
「勉強が嫌いで高校に行かなかった」という人は、公務員受験はかなり苦戦すると思ってください。
4.販売職
販売職も、中卒で就職しやすいです。学歴よりも、売れる人なら評価されるからです。
具体的には、下記のような販売職があります。
- アパレル販売員
- 化粧品販売
- 各種量販店の販売員
5.建設業
建設業も中卒で就職しやすいです。
具体的には下記のような仕事です。
- 大工
- 鳶(とび)
- 現場作業員
また、企業によりますが「施工管理」という職種も、中卒で就職できることがあります。「施工管理」とは、いわゆる現場監督のことです。
建設業の経験がなくても、現場監督になれるケースもあります。
6.製造業
製造業も中卒で就職できる会社があります。学歴よりもスキルを重視されるからです。
地方でも正社員募集があります。
また、最初は契約社員で就職して、働きぶりが評価されれば正社員になれるケースもあります。
トヨタやホンダなど大手自動車メーカーも、契約社員で工場作業員を募集しています。
7.ドライバー
ドライバーも学歴が関係ありません。免許があればできる仕事だからです。
具体的には、下記のような職種です。
- トラックドライバー
- タクシードライバー
- バス運転手
近年は、入社してから免許をとる会社も増えています。
自動車学校の費用を、負担してくれる会社も出てきています。
ちょっと怖いのは自動運転の進歩
少々気にかけないといけないのは、自動運転の進歩です。まだまだ実用化には至りませんが、将来的には自動運転が当たり前になるかもしれません。
もし自動運転が当たり前になったら、当然ドライバーは必要なくなります。
現段階ではおすすめの仕事ですが、先々の心配はあります。
「車の運転が好き」など、明確な理由がある人には良いと思います。
8.飲食店
飲食店も中卒で就職できます。
主な仕事は、下記のどちらかです。
- ホール
- 調理
調理経験がない人は、ホールで就職が多いです。
9.接客業
接客業も中卒で就職できます。
具体的には、下記のような職種があります。
- スーパーの店員
- 小売店の店員
中卒の仕事の見つけ方
では最後に、中卒の人の就活方法を紹介します。
具体的には下記のとおりです。
- ハローワーク
- 転職サイト
- 転職エージェント
- 知り合いの紹介
- 正社員登用を狙う
1つずつ見ていきましょう。
ハローワーク
ハローワークは公共機関なので、中卒の人でもきちんと対応してくれます。
地元の中小企業の募集が多く、あまり学歴にこだわらない求人もあります。
ただし、中卒の人が就職しにくいのは変わりません。
ハローワークでは、以下に紹介するような就活の勉強会もやっています。
- 履歴書の書き方
- 面接の講習
内定が出るような情報を収集しましょう。
転職サイト
転職サイトでも就活できます。
「学歴不問」の求人を検索してみましょう。人材不足の時代なので、学歴不問でも求人が見つかりやすいです。
ただし、転職サイトは自分で就活しないといけません。
履歴書や面接の練習は自分1人で行うので、就活の本を買うなどして対策しましょう。
転職エージェント
一部の転職エージェントは、中卒も対応してくれます。
転職エージェントとは、以下のようなを「人」と「企業」をマッチングするサービスです。
- 就職・転職したい人
- 人を採用したい企業
無料で相談できるので、中卒に対応している転職エージェントに相談してみましょう。
知り合いの紹介
知り合いの企業に就職する方法もあります。学歴がなくても、知り合いということで信用されるからです。
もし知り合いにツテがないなら、知り合いの知り合いを当たりましょう。
「どこか人を募集している会社があったら、教えて」と、いろんな人に言っておきましょう。
思わぬところから声がかかることがありますよ。
知り合いの紹介は辞めにくい
ただし、知り合いの企業は、辞めにくいデメリットがあります。
変に人間関係があるため、気まずくなってしまうかもしれません。
知り合いに紹介してもらった企業を辞めるときも、紹介してくれた人の顔に泥を塗ることもあります。
就職しやすいメリットはありますが、辞めにくいデメリットがあるので注意しましょう。
正社員登用
正社員登用を狙う方法もあります。
正社員登用とは、最初はアルバイトで働いてから正社員になる方法です。
大手企業でも、正社員登用制度を設けているところもあります。
紹介予定派遣を利用する
大手の派遣会社では、「紹介予定派遣」を利用できることがあります。
紹介予定派遣とは、最初は派遣で働いて、評価されれば派遣先の正社員になれる制度です。
うまくいけば大手企業の正社員になれることもあります。
正社員になれる保証はない
正社員登用や紹介予定派遣のデメリットは、正社員になれる保証がないことです。働きぶりが評価されれば正社員になれますが、正社員になれないとアルバイトのままです。
アルバイトのまま30代を迎えてしまうと、いよいよ正社員は難しくなります。
正社員登用を狙ってみるのも良いですが、賭けの部分があるので慎重に判断してください。