中卒フリーターという言葉を聞いたことがありますでしょうか?
現在の日本では、多くの人が高校を卒業したのち、大学や専門学校、短期大学を卒業します。しかし、高校を卒業した後に働き始める人や、義務教育である中学を卒業した後は進学しない人もいます。
この記事では、中学を卒業した後に正社員にはならず、フリーターとして過ごしている中卒フリーターについての印象と、そんな中卒フリーターの就活のコツをまとめました。
中卒フリーターの印象が良くない理由とは?
中卒フリーターという言葉の一般的な印象はあまり良いものではありません。では、それはなぜなのでしょうか?マイナスイメージの理由をいくつか考えてみました。
学歴が低い
中卒は日本の一般的な学歴平均から考えると、低い学歴になります。そのため、どうしても就職で毛嫌いされます。
「統計局平成22年度国勢調査結果」によると、全国の中卒の人口は小学校・中学校が最終学歴の人は全体の18.8%でした。中卒は珍しい存在なので、悪目立ちするデメリットがあります。
参考:「統計局平成22年度国勢調査結果」の教育カテゴリーの中の「1.高校・旧中学校又は大学・大学院が最終学歴の人は?」より
求人の選択肢が減る
学歴が低いと、求人の選択肢が減ってしまいます。例え、なりたい職業があっても学歴のフィルターに引っかかってしまい、応募できないこともあります。中卒OKの求人の中から選択していくので、どうしても選べる仕事が減ります。
中卒は夜の仕事に就く人も多い
中卒だと就職口が少なく、夜の仕事に就く人も多いです。夜の仕事はお酒が飲めないといけないだけでなく、体力も必要です。結局、長く続けられずに30代になってから職がなくなってしまう人もいます。若いうちに、人生設計をする必要があります。
世間の目が厳しい
中卒の方の中には、世間の目を厳しく感じる人もいます。先述の通り、中卒は珍しいので厳しい目を向ける人もいます。常識がないのではないか、仕事ができないのではないか、などと差別的な目で見られることもあり、モラハラを受けることもあります。
また、中卒でフリーターだと家族や親戚からも厳しい目で見られて、肩身が狭い思いをする人もいます。
中卒は離職率が高い
財団法人経済広報センター「若年者の就労に関するアンケート結果報告書」によると、中卒の7割は入社3年以内に退職をしています。
同じアンケートでも入社3年以内に退職をする高卒は5割、大卒は3割のため、高卒と大卒の入社3年以内の離職率と比較すると、中卒の離職率7割はかなり高いことがわかります。これが「中卒はすぐに仕事を辞める」と思われてしまう要因です。
このようなイメージから、中卒に対する世間の目は厳しいものとなっています。
参考:財団法人経済広報センター2004年6月「若年者の就労に関するアンケート結果報告書」の【2】短期離職者について(Ⅰ)~(Ⅲ-②)より
正社員になれるチャンスが減る
中卒だと、学歴の低さや退職率の高さなどから、正社員になれるチャンスはとても少ないです。高卒フリーターでも、30代以降は正社員になれるチャンスが少なくなると言われています。
ですので、中卒フリーターが正社員になれる条件はもっと厳しいです。しかし、中卒フリーターでも、20代なら正社員になれるチャンスはあります。正社員になりたいなら、1日も早くフリーターに見切りをつける決断をしましょう。決断は早い方が、より正社員として就職できる確率は高くなります。
中卒フリーターの進路
中卒フリーターの進路は以下のような例があります。
- 正社員として就職する
- 高校に進学する
- 職業訓練校に通う
- 海外留学をする
- 派遣社員になる
- 起業する
1つずつ見ていく中で、自分に合った進路を見つけてみましょう。
正社員として就職する
先述の通り、求人数は少ないですが、中卒でも正社員で就職することはできます。きちんと就職活動すれば、正社員になれる可能性はあります。中卒で正社員になる方法は、後述します。
高校に進学する
高校進学も進路の1つです。なかなか、就職したいけど中卒OKの求人が見つからなければ、高校に進学することも視野に入れて考えた方が良いからです。高校には、定時制高校や通信制高校という種類の高校もあります。
定時制高校は、夜間に学校へ通って勉強をする高校です。通信制高校は、自宅にいながら好きな時に勉強ができる高校です。あなたのライフスタイルに合った学び方を選択しましょう。ただし、学費等もかかるので、貯金などの事前準備が必要です。
職業訓練学校に通う
職業訓練学校に通えば、専門的な知識を勉強したり、資格を取得することもできます。また、訓練を受ける際の費用もかかりません。ただし、中卒向けコースの数自体が少ないので注意が必要です。
海外留学をする
海外に興味があって、行ってみたい国がある人にはおすすめです。行ってみたい国で語学学校に通うこともでき、知らない国の文化を学ぶことができます。海外で語学を学べば、日本で就職する際に重宝されます。また、留学費用の支援をしてくれる団体の奨学金制度もあります。
派遣社員になる
あまり学歴が関係ない派遣社員は、中卒でも働きやすいです。まずは派遣で色々な仕事を試して、あなたに合う仕事を探すこともできます。派遣でスキルを身につければ、正社員で就職できる可能性も上がります。
また、派遣には「紹介予定派遣」というものがあります。働きぶりがよければ、派遣先の企業で正社員になれる制度です。中卒でも正社員になれるチャンスがあるので、派遣社員から始める人も多いですね。
起業する
起業することに学歴は関係ありません。やりたいことがあれば、おもいきって起業して仕事にしてしまう方法もあります。今はインターネットがあるので、起業のハードルは下がっています。中卒でもアイデアがあれば、起業で稼げる時代です。ただし、起業にはリスクがあります。起業は慎重に検討してください。
知人や親戚の仕事を手伝う
知人や親戚で起業している人がいれば、仕事を手伝えないか聞いてみるのも良いですね。お互い知っている仲なので、わからないことがあっても聞きやすい、相談しやすいというメリットもあります。
ただし、いくら知人や親戚だからといって甘えることがないようにしましょう。「親しき仲にも礼儀あり」です。
中卒フリーターが就職する方法
さて、中卒フリーターが就職するためにはどのような方法があるのでしょうか。
アルバイトから正社員登用を目指す
まず1つ目は、アルバイトから正社員登用を目指すことです。求人募集の文章の中に「正社員登用制度あり」と書かれている場合、アルバイトから正社員になれる可能性があります。アルバイトを長く勤め、登用試験に合格すると、正社員になれる制度です。
ただし、絶対に正社員が約束されているワケではないので、注意しましょう。高いスキルを身に付け、優秀だと認められた場合だけ、チャンスが訪れます。ですので、能力が認められないと、アルバイトのまま昇格できずに終わる危険性があります。
求人サイトを利用する
2つ目は、求人サイトを利用することです。求人サイトはスマホがあれば、簡単に求人検索ができます。求人検索するときは、「中卒以上」、「学歴不問」などの条件を付けると、より探しやすくなります。
ただし、転職サイトの求人の中には、ブラック企業も混ざっているので、注意しましょう。企業の口コミサイト等もあるので、参考にしてください。
ハローワークを利用する
3つ目は、ハローワークを利用することです。ハローワークは、地元の中小企業の求人を中心に扱っています。地元で就職を考えているなら、ハローワークがオススメです。
ハローワークでは、履歴書の書き方や添削をしてくれる講座もあり、希望すれば無料で受けることができます。ただし、大手企業の求人は少なめです。
転職エージェントを利用
最後は、転職エージェントを利用することです。転職エージェントとは、あなたに合う企業をマッチングしてくれるサービスです。履歴書の書き方や面接の指導も行っているので、就職活動が初めてという人にも安心です。
中には、中卒の人でも正社員の就職先を紹介してくれる転職エージェントもあるので、相談してみましょう。
中卒フリーターの就職を成功させるコツ
中卒フリーターの就職を成功させるためには、「自己分析をする」、「資格を取得する」、「中卒フリーターになった理由を答えられるようにしておく」などのポイントがあります。中卒というだけで、就職には不利なこともあるので、どうやってうまくカバーしていくかが重要です。
自己分析をする
自己分析をしましょう。就職活動をする上で、あなたの好きなことや嫌いなこと、長所や短所を知っておく必要があるからです。まず、あなたのことを知る所から始めてみましょう。
ノートに好きなことや嫌いなことを、思いつくまま書き出してみると、今まで見えなかった部分も見えてくるようになります。そして、書き出したら好きなことを書いた部分に注目してください。
好きなことに注目すると、あなたが目指したい職種探しのヒントに役立ちます。職種選びに困っているなら、活用してみてください。
また、同じように、長所や短所も見えてきます。長所や短所は、面接で聞かれる可能性が高いのでしっかり把握しておく必要があります。なかなか思いつかないなら、家族や友人に聞いてみるのも良い方法です。
資格を取得する
資格を取得するのも有効です。専門的な資格を取得することで、就職に有利に働くこともあるからです。以下に、中卒でも取得できる資格をいくつか挙げました。
- 宅地建物取引士
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 介護職員初任者研修
- 准看護師
- インテリアコーディネーター
何も資格を持っていなくて、不安と思う方は資格取得を目指してみるのも有効です。また、普通自動車免許はあった方が良いですね。運転ができると、求人の選択肢が増えていきます。
中卒フリーターになった理由を答えられるようにしておく
中卒フリーターになった理由を、答えられるようにしておきましょう。面接で、中卒でフリーターを続けていた理由を聞かれるからです。以下に、中卒フリーターになった理由の答え方の例をまとめました。
- 色んな仕事を経験してみたかった
- 家族の介護をしなくてはいけなかった
- 目指したい夢を追っていた
- 資格取得のために勉強していた
上記は、あくまで例なのであなたなりの言葉を考えた上で、面接に臨むようにしてくださいね。