「やりたいことを就活へ向けて見つけたい」という学生もいるかもしれません。現時点でやりたいことがなくても、企業から内定をもらって働くことはできます。この記事では、やりたいことがわからない学生が就活をする方法や、就活の際に心がけたいことや取り組んでおくとよいことなどについてご紹介します。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
やりたいことがないまま就活するのはOKなのか
やりたいことがない学生が就活をすることに問題はないのか、やりたいことがない場合の企業選びや面接での答え方などについて知りましょう。
やりたいことがないと就活はできないのか
結論からいうと、やりたい仕事や志望分野がこれといってなくても、内定をもらって就職することは可能です。そのため、やりたいことがわからない学生も、もちろん就職活動を進めることはできます。
たしかに、やりたいことを見つけて、その職種や企業などで働くことを目標に就職活動をしている学生と比較すると、モチベーションがあがりづらいと感じることもあるでしょう。しかし、志望分野が判然としないまま就職活動に取り組むことは、決して悪いことではありません。
むしろ、無理やりやりたい仕事を見つけてから就職活動を始めようとすると、それが本心からではなく一過性の気分であったり、簡単な自己分析の結果のみを参考にして決めた仕事であったりすると、就職してみたらミスマッチで「失敗した」と感じる可能性もあるのです。
人によっては、就職活動を進めていく中で魅力的に感じる分野に出会ったり、やりたいことが見えてきたりすることもあります。焦ってやりたいことを探してから就職活動を始めなくても「とりあえず就職活動を始めてみる」という姿勢で、就職活動に踏み出してみるのもひとつの方法といえます。
やりたいことに縛られすぎるとかえって危険
やりたいことがもし見つかっていたとしても、そこにこだわって就職活動を進めることは、場合によってはかえって危険な場合があります。やりたい仕事に焦点が絞られているため、その企業に対する研究や興味が不十分なまま、面接を迎えてしまう可能性があるためです。
面接官は「この企業に就職したい」という強い志望動機を聞かせてほしいと思っているのに、同業他社でもできる仕事についての熱意ばかりを語られても、その就活生に対して強い興味が湧く可能性は少ないでしょう。
面接官が「うちじゃなくてもいいんじゃないの?」などと口にしてしまうのは、就活生の月並みな志望動機が原因ということもあります。
どれだけ熱意があっても、こうした志望動機の練り込みが不十分な状態での就職活動を継続していれば、なかなか企業からの内定はもらえません。
本命の企業からの内定がもらえないと、内定をもらうためにくわしく知らない企業にも複数エントリーすることがありますが、企業研究が不十分なままだと志望動機がぼやけてしまい、また不採用になるという悪循環におちいることも考えられるのです。
また、熱意やポテンシャルを評価されて希望の企業に就職できたとしても、入社前に描いていたイメージと現実とのギャップを受けることがあります。やりたい仕事を自分のなかで固めてしまうと、就活や就職後の社会人生活でつまずいてしまう可能性があるのです。
やりたいことが明確でない場合の企業探し
やりたいことが明確になっていないと、選考に応募する企業を選んだりエントリーシートや面接で志望動機を答える際に困ってしまうのではないか、と考える就活生もいるでしょう。
しかし、現在社会人として働いている人も、自分がやりたい仕事がなにか理解している人は多いわけではありません。つまり、社会経験がほぼない就活生の時点で自分のやりたいことを明確にいえないのは、本来は決しておかしなことではないのです。
では、どのようにエントリーする企業を選んでいくべきなのでしょうか。ひとつの方法としては、企業名や業界、職種ではなく自分の趣味や興味のあることをあらわすワードを入れて企業検索をすることです。
このような検索方法を実施することで、特定の業務や取り組みだけでなく、その企業の気風やイメージを大まかに掴むことができます。企業研究を深めていく上で企業の輪郭を先に捉えておくことは、企業の特性を理解したり、自分にあう企業かどうかを判断するために非常に重要なことなのです。
面接でやりたいことを聞かれた時の答え方のコツ
就職活動の面接試験でひんぱんに聞かれる質問のひとつに、やりたいことがあるかどうかを問うものがあります。しかし、ここで「やりたいことは特にない」と答えるのは得策ではありません。
やりたいことにとらわれるのではなく、与えられた環境で柔軟に適応する可能性を感じさせるような回答がベターです。たとえば「未熟ではありますが、自分にできることに最大限取り組み、お客さまや社内の方々に対して貢献できる社会人になりたいと思っています」など、一生懸命取り組んでいきたいという姿勢が垣間見えるものだとよいでしょう。
そのほかに、企業の活動に自分の強みを活かせることを伝えたり、目標を実現するために現在努力していることを伝えたりするのも上手な返し方です。
その企業が取り組んでいる具体的な仕事内容や事業についてやってみたい、という熱意をアピールすることもおすすめです。このとき、その企業独自の取り組みである業務内容を選ぶと、企業研究がきちんとおこなわれていることが評価されるでしょう。
面接試験を通して企業や採用担当者が知りたいのは、やりたいことがどれだけ具体的に思い描けているかということよりも、就活生の仕事を選ぶ基準が自社の方向性とマッチしているかどうかになるため、それが伝わる回答をするといいかもしれません。
※2022/3~2023/3の当社相談参加者へのアンケートで『満足』『どちらかといえば満足』を選んだ方の割合
就活生がやりたいことを見つけて内定をもらうためにすべきこと
やりたいことがない就活生が、企業への就職のためにやっておいたほうがよいことについて知りましょう。
就活生がやりたいことを見つけるための4つの考え方
就活生が、やりたいことを見つけるために取り組むとよい4つの考え方をご紹介します。
「得意なこと」「できそうなこと」から考えてみる
もしやりたいことが見つからず、エントリーする企業も絞れずにいるのであれば、企業の業務内容に注目してみましょう。
その業務の中に自分が得意やほかの人より比較的スムーズに、もしくは短時間で効率よくできてしまうようなことがあれば、それは得意なことだといってよいでしょう。たとえば、計算をする、文章を書く、企画を立てる、英語でやりとりをする、人前で話す、などです。
こういった「得意なこと」「できそうなこと」に焦点を当てて、それを活かせる企業を選び、就職先の候補を探してみるのもよいかもしれません。
「どう暮らしていきたいか」から考えてみる
社会人生活を送るうえでは、決して、仕事だけが人生をかたちづくっていくものではありません。仕事以外の生活や休暇をどのように過ごすかを想像してみることも、就活の取り掛かりとして有効です。
福利厚生はきちんとしているのか、休暇に旅行へ行ける程度の給与はもらえるのか、まとまった休みは取りやすいのかなど、企業の条件面を見て参考にするのもひとつの方法です。余暇や仕事以外の生活も充実させられれば、仕事に取り組むモチベーションも維持しやすいためです。
そういった視点から考えて、自分が好きなモノ・コトだけでなく「自分はどうありたいか」「どう暮らしたいか」という問いから、就活をスタートさせるのもよいでしょう。
ただし、給与や福利厚生などが充実していることと、その企業や職場環境が自分に合うか・そこでやりがいを持って働けるかどうかは別であるということは理解しておきましょう。
「やりたくないこと」から考えてみる
やりたいことだけが就職先を選ぶ指標となるわけではなく「やりたくない」と感じている仕事もまた、エントリーする企業を絞るうえでは重要なポイントとなります。
たとえば「ノルマに追われて仕事をするのは嫌」などのように、具体的な業務だけでなく業務に対するスタンスの好き嫌いも、エントリーする企業を選ぶうえでは見逃せません。もしノルマに追われて仕事をするのが嫌ならば、職種でいえば営業職、業界でいえば不動産会社や証券会社、保険会社や銀行などは、志望から外れる可能性が高いでしょう。
このように「やりたくない仕事」をリスト化して、それをもとに消去法で志望業界や職種を絞り込んでいくことも、就活では大切な視点です。
やりたくない仕事をリスト化する際には、ただ作成するだけでは不十分といえます。このリストを就職活動で使えるものにするために重要なのは、やりたくない仕事の解決策を考え、そのために必要なスキルが何なのかを自分なりにあきらかにすることです。
ノルマに追われるのが嫌ならば、たとえばプログラミングや動画編集などのように自分のペースで仕事ができるようなスキルがあるとよい、とわかります。それが習得できるような企業にエントリーする、あるいは在学中にスキルを磨いておいてある程度できるようにしておくと、就職の選択肢も広がります。
やりたくない仕事があるとしたら、それを回避するために自分がするべきことは何かを考えるのが、やりたくない仕事リストの正しい使い方なのです。
過去を振り返り「感情が動いた瞬間」から考えてみる
どうしても志望業界が絞れない場合には、これまでの人生を振り返る自己分析をしてみるのもよいかもしれません。ここでは簡単に取り組める自己分析として、心が動いた瞬間を思い出す、ということを実践してみましょう。
人間がもっともパフォーマンスを発揮できるのは、気分が高まっている「燃えているとき」であることが多いことから、自分が「燃えること」が出来そうな業界であれば活躍することがきるるだろうという発想のもとに、志望業界を絞り込んでいきます。
自分がどんなときに燃えるのかを理解し、それが実現できる仕事環境を考えてみると、志望業界を決める軸になることがあるのです。
「過去に自分がどんなときに燃えたのか」を箇条書きにすると、やりたい仕事のヒントや志望する業界の傾向が見つかることもあります。これまでの人生を振り返って、どんな時に感情が高まり、普段以上のパフォーマンスを発揮できたかを思い出してみましょう。
思い出せたら、時系列ごとに人生をまとめたライフチャートを作成し、あなたの感情の癖や価値観などを客観的に洗い出します。その気分の変化を評価することで、自分が好きなことがあきらかになってくるかもしれません。
就活中にやりたいことを見つけるためのやり方
やりたいことがわからない学生が、就活中にやりたいことを見つけて就職するためにやっておいたほうがよいことをご紹介します。
インターンシップに参加しよう
企業のホームページや募集案内ばかりを見ていても、実際の職場の雰囲気や業務への取り組みの様子などは伝わってきません。
もっとも確実で手っ取り早い方法は、実際に働いている社員に話を聞いてみることです。その話を聞いて「自分にその仕事が向いているのか」「興味が持てるか」を判断するとよいでしょう。また、その人自身が働きやすいと感じているのかどうかを聞いてみたり、その人としっかり意見交換をして自分に合う企業なのかどうかを見定めることをおすすめします。
実際に職場の雰囲気や取り組みを肌で感じたいのであれば、インターンシップ制度を利用するとよいでしょう。インターンシップ制度では、実際に職場で業務を体験し、その職場で働く先輩の指導のもとで仕事を経験できます。
実際に業務に参加することが成功体験や自信につながり、仕事に対して愛着を持つことができ、やりたいと思える仕事が見つかるかもしれません。
長期だけでなく短期のインターンもあるため、やりたい仕事ができる職場だけにこだわる必要はありません。たとえば理系の学生が文系出身者が多い企業のインターンに参加してみるなど、あえて自分の得意ではないところに身を置いてみるのも、インターンシップ制度だからこそできる貴重な経験であるといえるでしょう。
OB・OG訪問をしよう
OB・OG訪問を通して、その職場で働いている先輩から生の声を聞くのもおすすめです。その企業で取り組んでいる業務内容や会社での雰囲気を聞き、仕事へのイメージや実際に働いたときの生活をつかむことは、就活の事前準備として大切だといえます。
業務で大変なところややりがいを感じるところなど、企業の内部で働いている人しか実感できないことについて、率直な意見を聞いてみたほうがよいでしょう。
インターンシップで経験できるのは、どちらかといえば業務のなかでも比較的難易度の低いの部分や、クライアントに迷惑をかけない範囲のものが多くなっています。
そこでは経験できなかった業務についても、実際に働いている人の話を聞くことで、たとえば「営業の仕事のほうが、自分のやりたい仕事に近いかも」「やりたいと考えていた企画の仕事だけれど、自分のイメージと実際の業務には違いがあるのかもしれないな」といった印象を持つことにもつながります。
OB・OG訪問は、自分が志望する業界についてあらためて考えることになるよい機会だといえるでしょう。
やりたいことがなくても問題はない
就活をするうえでは、必ずしもやりたい仕事がなくてはならないということではありません。むしろ、やりたい仕事に縛られずにニュートラルな立場でいるほうが、広い視野で柔軟に就活を進められることもあります。エントリーする業界や分野を絞っていくために、さまざまな視点から企業や業務について研究し、複数の人から話を聞くなどして、入社後の自分をイメージしてみるとよいでしょう。
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