30代アルバイトは珍しくなく、現在の日本経済の状況から30代以上でもアルバイトをしている人はたくさんいます。しかし、30代で働けるアルバイトが少ないと感じる方もいるでしょう。職種や仕事内容によっては、30代でも働ける仕事は多くあります。
そこで、この記事では、30代のアルバイトの選び方やポイント、おすすめのアルバイトなどを紹介していきます。
この記事の目次
30代アルバイトの現状
30代でアルバイトをしようとすると厳しいイメージがありますが、実際の現状はどうなっているのか説明していきます。
現状1.30代アルバイトの割合は少ない
30代のアルバイトの割合が少ない理由としては、1970年代の頃の日本は高度成長期で経済が良好な時代でした。その時代は就職に困ることが少なくて、誰でも正社員として働ける環境が整っていました。仕事量が多くて人手が足りず、企業側もどんどん正社員として積極的に採用していたので、アルバイトで生計を立てる人はほとんどいません。そういった時代背景があり、男性は一家の大黒柱として正社員にならないといけないという文化が残っていて、50代や60代の人は特にそういった傾向が強いと言えるでしょう。このような周囲の反応や社会的背景から、男性は正社員の雇用を目指すのが普通で、その割合が多くなっているのが特徴と言えます。
高度成長期が続いているならこの考え方でも問題はありませんが、バブルが弾けてしまった後は景気が後退したため、企業側も積極的に正社員を雇用しなくなり、安い賃金で雇えるアルバイトを増やすようになりました。バブルの頃と比べて企業が正社員を増やそうとしないのに、時代背景から正社員にならないといけないと考えてしまい、今でもアルバイトで生計を立てている人は少なくなっています。ちなみに、独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成24年に調べた「就業構造基本調査」によると、30-34歳の全体におけるフリーターの割合は、男性が5.9%で女性が18.6%となっています。この調査を見ても30代のアルバイトの割合は少ないと言えるでしょう。
現状2.30代でアルバイトから正社員になる人は少ない
アルバイトをしている20代や30代は、正社員になる人が少なくなります。独立行政法人労働政策研究・研修機構が調査した平成24年版のデータを見ると、30代でアルバイトから正社員になる割合は、男性で約20~25%、女性で10%以下という結果となっています。全体的に30代ではアルバイトから正社員になる割合が少ないですが、女性はさらに低くなります。その理由として挙げられるのが、女性の場合は結婚も視野に入れている可能性があり、男性よりも正社員への執着が小さくなっていることが言えるでしょう。
また、30代のフリーターは60~70%の人が、正社員になることを望んでいないというデータもあります。正社員として働けないという理由もありますが、アルバイトだけでも基本的な生活ができるのが理由と言えます。そのため、30代でフリーターとしてアルバイトをしている人たちは、自分から望んでアルバイトをしている人が多いのが分かります。
30代のフリーターについて知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
バイト先を選ぶうえで気を付けるポイント
30代で充実したアルバイト生活をするなら、バイト選びはとても重要になります。これからどんなアルバイトを選べばいいのかそのポイントを紹介していきます。
ポイント1.仕事内容
30代でアルバイトをする場合、20代と比べるとある程度の知識や経験を必要とされ、即戦力を求められます。20代であれば社会経験が浅くても将来を見越して採用してくれますが、30代に求められるのは仕事の質や管理職のような立場のため、まったくの未経験だと採用してくれない可能性があります。すべての業種というわけではありませんが、20代と30代では求められるスキルが違います。もし、30代でアルバイトをするなら、自分が今までしてきた経験や、スキルを活かせる仕事をするのが好ましいでしょう。
また、まったくの未経験の業界でも資格を取ったり、その仕事に必要なスキルを自分で身につけたりと何かしらの努力をした方がいいでしょう。採用側もまったく仕事の経験が無くても、資格やスキル等のアピールできるものを持っていれば、採用される確率は上がります。
ポイント2.年齢層
10代や20代の若い人を中心とした職場だと、30代では人間関係に馴染めない場合があり、採用されるのが難しくなるケースがあります。会社の雰囲気に合うかどうかで採用を決定している会社もあるので、もしアルバイト先を探すなら、30代以上の人が多く働いている職場を探すのがいいでしょう。若い人からすると一回りも違う年齢の人が入ると、職場の雰囲気や人間関係が悪くなる可能性があり、双方にとって悪い影響が出るかもしれません。
例えば、年上の部下を持つと教えるのを遠慮したり、年上はプライドが高そうだと勝手に判断されたりする場合もあります。そのため、採用する側も年齢を重要視してしまう場合があります。もし、求人を探すなら求人欄に中高年可や、ミドル可などの記載がある求人をチェックするのがいいでしょう。会社側も最初から30代のアルバイトの雇用を目的としているので、そういった求人に応募すればリスクは回避できます。
採用のために面接で気を付けること
30代で面接をするなら、気をつけなければいけないことがいくつかあります。例えば「即戦力をアピール」「過去の経験」「親しみやすさ」「言葉遣いやマナ-」などです。「即戦力をアピール」とは、先程も述べた通り、30代で求められるのはすぐに会社に貢献できる人材です。基本的な研修だけで、すぐに利益をもたらしてくれる人を求めているので、面接の際は自分を雇えばすぐに貢献できることをアピールする必要があります。「過去の経験」とは、今まで得た経験を元に、具体的に何ができるのかを伝えましょう。例えば、飲食店でお金の管理や計算をしていた経験があるなら、経理の仕事や飲食店以外のお店でその経験が役立つとアピールできます。
「親しみやすさ」は、30代はプライドが高いかもしれないという先入観を抱きやすく、それを払拭するために親しみやすい印象を伝えなければいけません。受け答えをはっきりするのはもちろん、笑顔で会話をしてコミュニケーションを円滑にできるようにします。「言葉遣いやマナ-」は、しっかりとした返事や挨拶、お辞儀などのマナーです。これは30代に限らずに、面接をするなら必ずチェックされる部分なので、敬語などの言葉遣いや態度に気をつけなければいけません。20代と比べると面接でチェックされる部分は多くなり、厳しくなってしまいます。そのため、事前にしっかりとした準備をして本番の面接に挑むことが大切です。
30代におすすめのバイト5選
30代でもアルバイトがしやすいおすすめの仕事を、年齢層や仕事内容を踏まえて紹介していきます。
1.ITエンジニア
ITエンジニアは常に人手不足のため、会社側も積極的に人材を確保しようとしているのが現状です。その代わりまったくの業界未経験者だと就職は難しく、知識や経験が求められる職種でもあります。そのため仕事としての経験が無いのであれば、独学で勉強をしてある程度の知識を身につけないといけません。面接では、今まで何をしてきたのかを質問されます。言葉だけで「これができます」と伝えても、採用側は本当にできるのか不安に感じます。そこで自分で作成したプログラムや作品などを提示できると、自分の実力を目に見える形でアピールできます。
仕事としての経験があるなら、過去の作品などを提示して実力をアピールできますが、初心者だとそうはいきません。もし、完全に未経験の状態ならまずは自分でシステムなどを構築して、それを作品として提示できるまで作り込むようにする必要があります。また、ITエンジニアとして実力があれば、会社で働かなくてもフリーランスとして仕事を請け負うことも可能です。フリーランスなら自分の好きな時間に働くことができて、しかも会社のように人間関係に悩まされる心配が少なくなるので、会社組織が苦手な人にとってはフリーランスという働き方はおすすめです。
2.ゲームセンター
ゲームセンターの仕事は、例えばメダルゲーム担当ならゲーム機のエラーなどに対応して直します。また、UFOキャッチャーの景品を補充したり、場合によってはお客さんに取り方のアドバイスをしたりします。他にもゲームセンターでのお客様へのサポートなど、仕事内容は多岐に渡ります。仕事内容は多いように感じますが、専門的な知識はあまり必要とせず、1ヶ月もすれば誰でも働くことのできる仕事のひとつです。また、体力的にもそれほどハードではありません。
未経験でも働きやすくて体力的にも楽なので、ゲームセンターは働きやすい職場と言えるでしょう。働いている人の年齢層としては、20代後半~30代が多くいるため、30代でも採用される可能性が高くなります。また、ゲームが好きなら、なおさらおすすめの職場です。
3.警備員
警備員の仕事は様々ありますが、大きく分けると外での警備と室内での警備の2種類になります。外での警備とは、例えば工事中の道路や駐車場などで車を誘導する交通誘導や、ライブ会場やイベントなどの巡回・警備をする雑踏誘導です。また、室内での警備とは、会社などが入るオフィスビルや、デパート、病院などの警備をする施設警備があります。警備員の仕事は年齢層が高く、場合によっては70代でも警備員として働いている人もいるので、30代でも採用されやすい職種のひとつです。
ただし、警備員の仕事は職場にもよりますが、長時間立っていることが多くなります。特に交通誘導などは、休憩以外は8時間座ることができないこともあります。しかも外での警備をするなら夏は暑くて冬は寒いため、体力面に不安がある人にはあまりおすすめできません。また、仕事内容によっては深夜も警備をしなければいけないので、夜が弱い人にとっても向かない職種といえるでしょう。警備員は採用されやすい職種ではありますが、人によっては長期間働くのが難しい場合もあります。
4.スーパー
スーパーの業務は幅が広く、レジ打ちや品出し、調理など様々な仕事があり、レジ打ちは商品をひとつひとつレジで集計して、お会計を行います。品出しは様々な商品を棚に並べたり、整列したりしていきます。調理はスーパーで直接お惣菜などを作って提供をします。スーパーで働くなら、どこかの部門に配属されるので、「レジ打ち」「品出し」「調理」などをひとりで受け持つことはありません。しかし、長く働いていると、各部門に回されて業務を行う場合もあります。
スーパーで働く年齢層は中高年が多いので、30代でも働きやすい環境といえるでしょう。仕事内容的もとっつきやすさがあります。覚える内容は多くありますが、慣れてしまえば同じことの繰り返しなので、常に新しい仕事を覚えなければならないといったことはほとんどありません。また、スーパーによってはアルバイトから正社員への雇用制度があり、正社員を目指すという方法もあるのでおすすめです。
5.テレアポ・コールセンター
テレアポ・コールセンターは、電話を使って商品の営業をしたり顧客のサポートをしたりする仕事です。テレアポには、営業電話を企業にかける仕事と、一般の家庭に電話をかけて営業する仕事の2つがあります。どちらもコミュニケーション能力が必要で、社会人経験がないと難しい仕事でもあります。営業経験のある30代ならば、歓迎されやすい仕事といえるでしょう。ただし、クレーム対応ではお客様から厳しい意見を受けることもあるため、コミュニケーションが苦手だったり、メンタルが弱かったりする人はクレーム対応の仕事は難しいかもしれません。相手の意見をしっかりと聞けて、丁寧に対応できるスキルが必要です。
6.新聞配達
新聞配達は、新聞を契約しているお宅へ新聞を届ける仕事です。特に必要な資格は無いので、未経験者でも特に問題はありません。しかも年齢制限も厳しくは無く、30代でも働くことができる仕事のひとつです。また、新聞配達は基本的に一人で行うため、あまり人と接することがありません。そのため、新聞配達は黙々と仕事を行える人にも向いています。さらに拘束時間も短くて、長期間の拘束がありません。ただし、朝刊担当になると朝が早いので、夜型の人にとってはつらい仕事になるかもしれません。特に台風や雪でも基本的に新聞配達をしなければならないので、天候が悪い日には注意が必要です。
30代のアルバイトに関するよくある質問
「30代におすすめのバイト5選」を参考にしてみてください。スーパーやコールセンター、警備員などの仕事は人手不足であることも多く求人が一定数あるため、30代のバイト先としては比較的仕事が決まりやすいでしょう。
30代でバイトに受からないわけではありませんが、20代と比較すると面接のチェック要素は多くなります。即戦力となるかどうか、言葉づかいやマナーなど常識的な部分に問題がないかなどが大切になってきます。くわしくは「採用のために面接で気を付けること」をご覧ください。
まとめ
30代は、20代の若い世代と比べると、アルバイトで働ける仕事は少なくなりますが、今までの経験や実績、アピールがうまくできれば就職をすることも可能です。自分の強みとは何なのか、30代ならではの強みをまとめて、自分をしっかりとアピールできるようにすることが大切です。事前に準備をして面接に挑めば採用される可能性が高くなります。